日傘のスキをなくしたら妖怪っぽくなった話
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ペットとして人気急上昇中の熱帯魚「ベタ」。上手に飼育するために、初心者向けの注意点をしっかりと押さえましょう。費用や必要なアイテム、快適に過ごすための水温まで、ベタの飼い方について解説します。
色とりどりの鱗やヒレの形を持ち、優雅に泳ぐ姿が美しい熱帯魚、ベタ。大変飼いやすい熱帯魚であることから、近年ペットとしての人気が急上昇しています。
ベタの正式名称は「ベタ・スプレンデンス」。タイのメコン川が原産地です。日本で熱帯魚として見かけるベタは、品種改良された観賞目的の品種がメイン。数十種類以上の品種があり、繁殖改良の歴史は100年以上ともいわれます。
ベタが飼いやすいといわれる由来には、ベタの呼吸法が挙げられます。一般的な魚と同様にエラ呼吸も行うベタですが、「ラビリンス器官」と呼ばれる特殊な呼吸補助器官による呼吸も行います。本来、魚類の多くは水中に含まれる酸素を取り込むことしかできません。しかし、ベタは「ラビリンス器官」を使って、水槽上部に浮上して空気中から直接、酸素を取り込むことができるのです。そのため、ベタはエアーポンプやフィルターといった飼育用具が必要ないので飼育空間がかさばらず、他の熱帯魚よりも小さい容器で飼うことができるというわけです。
ベタは人懐っこい性格です。例えば、人が近くに来ると水槽の中で嬉しそうに泳ぐ姿が見られます。一方で、漢字では「闘魚」と書くようにベタは縄張り意識がとても強く、オス同士で激しく攻撃し合うという意外な一面も持ち合わせています。
ベタ専用の配合飼料を1日1回、お腹が少しふっくらする程度与えましょう。
監修者:石津さん
一方で、ベタ専用であっても配合飼料の種類によっては食べない個体がおります。その場合は別のブランドを試してみてください。なお、食べ残しは水が汚れる原因なので、食べ残した餌はピペットなどで必ず取り除いてくださいね。
ベタの寿命はおよそ2〜5年といわれていますが、実際は個体差によりけりです。年を取ったベタは徐々に動きが衰えて、身体の色もあせていきます。
ベタは「闘魚」と呼ばれる特性上、単独飼育かつ小型水槽での飼育がスタンダード。水槽のサイズが小さいぶん、その他の飼育用品も安上がりになるので手頃な値段で飼育をスタートしやすい熱帯魚です。
ベタの中で最も一般的なのは「ベールテール」というヒレの形の品種。そして最も人気が高いのが「ハーフムーン」という品種です。最近は大きな胸ビレがディスニーのキャラクターに由来する「ダンボ」という品種なども注目されています。
ここではベタの代表的な5つの形の品種について、その特徴を解説します。
改良品種されたベタの中で最もポピュラーで長い歴史を持っているのが「ベールテール」。ヒレの長いベタの中では比較的丈夫で飼育しやすいことで知られています。他品種と比べて価格が安く、赤や青の単色のものからその混色、時折ラベンダーや、白地にブルーが入ったもの、黄色なども見られ、カラーバリエーションはさまざまです。
「ハーフムーン」とは尾ビレが半月のように180度開く品種を指します。非常に優雅なフォームで泳ぐその姿はため息が出るほど。また、ベールテールよりも色彩のより洗練されている個体が多いのが魅力です。美しく大きく広がるヒレの美しさを保つためには、いつもきれいな水を用意してあげることが大切です。
王冠を横にしたような姿からそう呼ばれる「クラウンテール」。各ヒレが放射線状に伸びるユニークな形をしています。ハーフムーンと同様にデリケートなヒレをしていますので、お世話の際にはご注意を。
「プラカット」は原種の特徴を色濃く残したヒレの短い品種です。プラカットという名前は現地のタイ語で「噛む魚」という意味。ヒレが短いため、動きが機敏で水槽の中を活発に泳ぎ回ります。ベタの中でも最もカラーバリエーションが豊富で、単色はもちろん、錦鯉の色合いを模した「鯉ベタ」やそれをさらに多色に改良した「キャンディー」といったカラー品種があります。
「ダンボ」は胸ビレが象の耳のように大きく色づいた品種。胸ビレがディズニーのキャラクターを連想させることから、この呼び名がついたそうです。なおダンボは上記の各体形品種に付帯する品種ですので、それぞれハーフムーンやプラカットにダンボが存在することになります。
ベタを飼うために必要なもの、あると便利なものは次の通りです。
ベタは他の熱帯魚と異なり、小さな水槽で飼育ができます。またフィルター(ろ過装置)やエアーポンプは不要です。ただ、ベタを状態良く飼育するための水づくりは大切です。また、熱帯の国タイ生まれなだけに、寒さは苦手。1年の大半はヒーターを用意して水温を調節してあげましょう。
実際の水量が最低3リットル以上入る水槽を選んでください。できれば水量7リットルぐらいが理想です。
監修者:石津さん
そしてなるべく高さがある水槽がよいです。フタもあるほうがよいです。
必ずしも必要なものではありませんが、水槽に入れる水草が元気に繁茂するために必要です。
監修者:石津さん
そもそもライトがないと暗くてベタがきれいに見えないので、観賞のためには必須といってもよいでしょう。
ベタは熱帯の国タイ原産の熱帯魚なので、寒さは苦手。ベタのベストな水温は27度で、25度~30度ならよいです。室温が飼育適温に至らない環境や季節ならば、ヒーターを使用して保温しましょう。
ベタは肉食性で自然下では、ボーフラやミジンコ、小さな落下昆虫などを捕食しています。そのため一般の熱帯魚用の配合飼料は食べてくれないことが多く、また栄養価的にもあまり良くありません。なるべく品質の良いベタ専用の餌を選んで、健康的に育成管理をしてあげましょう。また、生きた餌が手に入るのであれば喜んで食べてくれます。
水草は観賞的に美しいだけでなく、水中の汚れの物質である窒素を栄養分として吸収してくれるので、良好な水質を保つのに役立ちます。なるべく丈夫で成長の早い水草を選んであげてください。
監修者:石津さん
またベタは寝るときにはその水草の間に入っていることが多く、リラックスできるのでしょう。
飼育水をつくるものとして第一に必要なのが塩素中和剤です。ベタにとって有害な水道水の塩素(カルキ)を中和してくれます。
飼育水をつくるものとして次に必要なのはアルダーシードです。これは酸性土壌に自生する樹木の小さな実を乾燥させたものです。タンニンを豊富に含むアルダーシードから染み出るコハク色のエキスは、水質の悪化を防ぎ、また抗菌作用に優れていますので、ベタのデリケートなヒレを予防します。
監修者:石津さん
フィルターを使用して飼育できないベタにとって、良好な水質を維持するための必需品です。飼育水が軽くコハク色に色づく程度で十分です。
ベタはミネラル分を豊富に含む硬度の高い飼育水を好みます。粗塩に含まれるミネラル分はベタを元気にしてくれ、また粗塩自体にも殺菌作用がありますので、飼育水をつくる際に必要です。飼育水1リットルあたり1グラム(0.1%)を目安に入れてあげてください。
ベタが心地よく生活できるように、ベタの上手な飼い方について解説します。
ベタは一般的な魚とは違い、「ラビリンス器官」と呼ばれる特殊な呼吸補助器官によって、水面より空気中から直接酸素を取り込むことができます。そのため水中に酸素が溶け込んでいる必要がなく、フィルターやエアーポンプを必要としません。
監修者:石津さん
一方で水の流れやろ過した水が苦手なベタには、それらはないほうがよいといえます。水の流れがなく、水が清潔で、適度な水温が保たれているのが、ベタにとって暮らしやすい住環境ということです。
ベタは「コップでも飼える」というセールスポイントが有名ですが、実際にはそのような小さすぎる容器では飼育できません。そんなわずかな水量ではすぐに水が悪くなりますし、泳ぐことさえできない狭い環境ではベタにはストレスで、ヒレが破損したり、病気になったりしてしまいます。
水槽の選び方で述べた通り、最低でも水量3リットル以上のよく観察できる水槽で飼育されることをおすすめします。一方、広いぶんには問題なく、なるべく水量が多いほうが水質が安定し、悪化しにくくなります。
漢字では「闘魚」と呼ばれるように、ベタは縄張り意識が強いためにオス同士が激しく喧嘩をすることで知られています。同じ容器内にいると、なんとどちらかが死んでしまうまで喧嘩を続けることも。
監修者:石津さん
こうした理由から、決して同じ水槽にベタを2匹以上入れてはいけません。ひとつの容器で飼うのは1匹だけにしてあげてくださいね。また何匹か飼っている場合、日頃はお互いの姿が見えないように、隣同士の水槽には仕切板をはさんでおいてください。
ヒレを美しく保つには、常にきれいな水で飼育することが大切です。餌の残りやフンはこまめにピペットなどで取り出し、水量3~4リットルで飼育している場合は、できれば3日に一度、少なくとも1週間に一度は全量水を換えてあげてください。そして水槽自体も汚れてきたら、きれいに洗ってリセットしましょう。
監修者:石津さん
また、時折お互いベタを見せ合って、ヒレを広げて威嚇させることによって、ヒレは美しく発展します。このようなお世話を「フレアリング」と呼んでいます。1匹だけ飼育している場合や、お互いの水槽が離れている場合は、鏡を見せたりするとそれに反応してヒレを広げてくれるでしょう。
ベタの性格から住環境、好みの暮らし方まで、ベタの特徴について理解が深まったでしょうか? ベタをペットとして迎える場合は、こまめに水換えをして、水質の変化に気をつけてあげることが一番大切です。
監修者:石津さん
小さな水槽で飼育できるので飼育費用はそれほどかからず、初心者におすすめの熱帯魚です。ベタの個性を受け入れて、楽しい飼育生活を送ってくださいね。
監修者:石津さん
10粒ぐらいを基準に量を調節してみてください。与えるといくらでも食べる個体がおりますが、与え過ぎは内臓の負担になるのと、太り過ぎにつながりますので、ほどほどにしてください。