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【売れ続けて30年】水換えの歴史を変えた、水作の「プロホース」発明物語

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小川 智也子

小川 智也子

東京生まれ。子どもの頃より、身近に生き物がいる生活が当たり前で、水作に入社後は爬虫類や両生類、コケ、植物などを育てる。生き物たちの魅力を広く伝えるため、アクアリウムとは違った切り口の「アクアテリア」や「ほとりえ」ブランドを立ち上げる。

“魚づくりは水づくり”がモットーの老舗メーカー「水作」

コロナ禍の中、おうち時間の充実にアクアリウムが一役買っているようだ。癒しを求め、水槽を使った趣味をはじめる人も多い。では、魚を飼うにあたって必要なアイテムはなんだろう? そう調べはじめたとき、必ず行き当たるものがある。

水槽内の水をきれいにするのに欠かせない「水換えポンプ」だ。売り場を見ると、各メーカーからさまざまなアイテムが登場しているが、なかでも初心者からベテランまで広い支持を集めているのが『プロホース』である。

開発したのは、飼育用品の製造・販売を行う老舗メーカー「水作」。1972年の創業以来、“魚づくりは水づくり”をモットーに数々の商品を世に送り出してきた。

小川さん01

「水作」取締役・企画部 マーケティング課の小川智也子さん

「水作は、発明の大好きな父が金魚を飼い始めたことからはじまった会社なんです」と語るのは、創業者・小川創市さんの意思を継ぐ娘にして、現在取締役の小川智也子さんだ。プロホースも、まさに創市さんの発明品の一つである。

いまや世界中で人気を博すこの水換えポンプは、いかにして発明されたのか。その軌跡をたどってみよう。話は、金魚を飼い始めた創市さんが頭を抱えたところから始まる。

アクアリウム界の風雲児、『水作エイト』で“ろ過”に革命を起こす

今から遡ること約50年前。当時は、汚れをフィルターで濾す「物理ろ過」が主流だった。しかし、創市さんは悩んでいた。物理ろ過では、自宅の金魚をうまく飼育できなかったのだ。

「餌をやると、魚が排泄をして、だんだん水が汚れます。あわてて水を換えても、金魚たちは苦しそうにするばかり。そこで、『もっと上手に金魚を育てられる方法はないか?』と創業者は考えました。そしてたどり着いたのが、自然に近い生態系を水槽の中に作ることだったのです」

汚れを物理的に吸いつけて取り除くのではなく、バクテリアの力で汚れを分解する「生物ろ過」。それを業界で初めて採用したのが背面ろ過器『水作64B』だった。そしてこれが、その後発売され「ろ過」の考え方を変えたロングセラー商品『水作エイト』へと繋がっていく。

水作エイト

8角形の形でおなじみの『水作エイト』シリーズ。サイズ展開が豊富でどんな水槽でも使いやすい

水作64B

1974年に発売された業界初の背面ろ過器『水作64B』の広告

水作エイトの“ろ材”は3層構造になっており、内側に向かうほど網目が細かくなる。この網目の中に、自然界にいるバクテリアが棲みつき、餌の食べ残しやフンなどの汚れを無害なものへと分解する仕組みだ。水作エイトを水槽に一つ入れておくことで、濁っていた水がきれいに澄みはじめる。

「ただ、バクテリアたちにも分解しきれない汚れがあります。それは、たとえば分解の過程にできた硝酸塩だったり、分解しきれないゴミだったり。こうした汚れの蓄積により、ろ材や砂利が目詰まりを起こし、酸欠によってバクテリアが減少した結果、水質の悪化を招きます。だから、定期的な『水換え』と水槽の『掃除』が必須なのです」

「水換え&掃除」の悩みを解消したい! 水作創業者が挑んだミッション

小川さん02

「水換え」と「掃除」──これは今でも水槽初心者の悩みのタネとなりがちだ。

「水換え」は、ちょっと億劫でもホースとバケツを用意して、水槽内の水を汲み上げて新しい水を足せばいい。しかし、問題は「掃除」だ。そのためには、まず魚をほかの容器に移し、一度すべての水を抜き、砂利を洗わねばならない。休日が丸つぶれになりそうな一大事だ。おまけに、せっかく魚たちがなじんでいた環境もレイアウトも台無しになってしまう。

自宅で金魚をかわいがっていた創業者・小川創市さんも悩んでいた。「もっとカンタンに水換えと掃除ができる方法はないだろうか?」――これが、のちに「水作」の名を海外にまで轟かせることになる、新たな大ヒット商品誕生のきっかけだった。

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