培養土とは何? 使い方や種類、おすすめ商品を解説!
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目次/ INDEX
甘辛いカリカリ食感の小魚と、ローストした香ばしいアーモンドを組み合わせた食品といえば「アーモンドフィッシュ」です。学校給食で食べた記憶がある人も多いのではないでしょうか?
人気の理由は、おいしいことと、手軽にカルシウムを摂れることです。子どもにとっては「おやつ」であり、大人にとっては「おつまみ」と、幅広い年代に愛されています。
提供:フジサワ
そんな「アーモンドフィッシュ」ですが根強く人気を集めていて、売上は年々右肩上がりです。おなじみの食品になにが起こっているのでしょうか?
気になる疑問に答えてもらったのは、株式会社フジサワの岡本翔吾さん。売上好調の理由から、誕生した経緯、学校給食でどのように受け入れられていったのか、マスコットキャラクターばんのうくんについて、いろいろ教えてもらいました。
──小魚とアーモンドをブレンドした商品は、いつ頃から作られるようになったのでしょうか?
1980年頃に四国にあるメーカーで作られたのが発端と当時の開発チームから聞きました。それから全国的に製造するメーカーが増えて広がっていったようです。
その頃フジサワでは、頭からまるごと食べられる味付け小魚を開発中でした。フジサワは元々出汁用の煮干しなどを作る乾物会社で、今度は小魚を健康的なおつまみやおやつに加工して販売しようとしていたんです。
ちょうどその時期に、学校給食の担当からアーモンドと混ぜた給食用の商品開発依頼があってアーモンドフィッシュの製造を始めました。牛乳だけだと補いきれないカルシウムを効率良くとれる商品が欲しいという要望に応えた形です。
材料は3-4cmのカエリと呼ばれるカタクチイワシ(画像提供:フジサワ)
──学校給食用の担当者がいたのですか?
少し前の1970年頃から、フジサワでは学校給食向けに節分の行事食として素炒り大豆を卸していました。そのため、学校給食とは付き合いがありました。
学校給食は入札制度なので、いろんなメーカーが価格を出し合った中で安いものが落札される仕組みです。問屋さんを通して各エリアで入札をかけて、落札できた地域で売れるようになります。
給食の献立例
給食献立は各栄養素の必要量が決まっており、「アーモンドフィッシュ」はカルシウムが少し足りないという場合に付け足すのにちょうどいいそうです。あとは予算の上限も決まっているので、まだ20-30円余裕があるなぁという場合も採用されやすいです。
一袋7gあたりのカルシウムは62mg。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」によると、小学生男子は600~700mg、小学生女子は600~750mgのカルシウム摂取が推奨されている
──手軽に食べられるから給食にピッタリですよね。
煮干し用の魚よりも小さい、3-4cmくらいのカエリと言われるカタクチイワシを使っているので、頭から食べやすいです。出汁用の比較的大きめの魚はそのままだと大きすぎて食べづらいし、はらわた部分が多くて味が苦くなってしまうんですよね。
──学校給食に登場して反響はどうだったのでしょうか?
学校給食で採用されると、いろんな審査をクリアして納入している安心安全なイメージがあるので、お子様だけでなく、その親御様にもアピールできたと伺っています。
パッケージにも「学校給食採用商品」と書かれています
──ということは、学校給食用の審査は普通の食品よりも厳しいのですか?
学校給食では、一般の食品基準よりも使ってはいけない添加物が多いです。また最近では、アレルゲンとなる食品への配慮もあります。例えば、通常味付け小魚にごまを付けていますが、アレルゲンなので学校給食のエリアによってはごまなしにしているエリアもあります。
──最初はどのエリアからスタートしたのですか?
フジサワは本社が埼玉にありまして、最初はホームタウンである埼玉を中心に北関東から広がっていきました。
──現在はどのエリアまでカバーしていますか?
競合他社さんもいっぱいいらっしゃるので関西、九州の一部に採用されていない県がありますが、ほとんどの都道府県で採用実績があります。学校以外にも幼稚園や保育園、介護施設等にも配荷されており、カルシウムを効率よく補給でき、健康にいいおやつとして全国の子供からお年寄りまで長年愛され続けています。
学校給食採用エリア(提供:フジサワ)
──フジサワのアーモンドフィッシュと言えば、ばんのうくんが目印ですよね! いつから登場したのですか?
ばんのうくんは、開発当初からいました。「カルシウムをとってスポーツ万能になろう!」というコンセプトで、当時の営業担当とデザイナーとで打ち合わせて、誕生しました。いろんなスポーツの道具を持っていて、どのスポーツも万能にこなせますよってキャラクターです。
──SNS等ではケガをしているビジュアルから「スポーツ万能には見えない」なんてツッコミもあるようですが……!?
ラグビーや剣道など、ハードなスポーツをしてケガをしても骨は折れないよってことらしいんですが…(笑)。また、立派な歯もばんのうくんの特徴なんです。アーモンドフィッシュの味付けに、砂糖と同種の天然糖質で虫歯になりにくいとされているトレハロースを使っているからです。
パッケージ裏面には「ぼくはスポーツばんのうだよ!」のセリフが
──40年前からデザインは変化しているのでしょうか?
若干色を変えたりはしていますが、姿形はまったく変えていません。「あのキャラクター何!?」と、取引先やお客様からよく聞かれます。最近では台湾や香港に輸出しているのですが、海外でも「かわいい!」と人気です。
──最近ではアーモンドフィッシュをスーパーでも見かけるようになりました。カインズでも人気商品です! いつからスーパーや量販店等で扱われるようになったのですか?
給食の5年後くらいですが、提案自体はそれ以前からしていたようです。ちょうどその時、味付け小魚がスーパーで売れるようになって、それだったらアーモンドと混ぜた商品もいけるんじゃないかとご提案をしていた中で導入されていきました。
──その後の売れ行きはどうでしょう?
当初は乾物事業部しかなくて乾物を取り扱う商社や問屋に提案していたので少し畑違いなところがあったのですが、2010年ごろにフジサワに菓子事業部ができて、菓子の問屋さんを通して「菓子」として販売するようになってから一気に売上が伸びていきました。
菓子事業部設立当初、フジサワでは野菜チップスという商品が爆発的に売れていてそちらに注力していたのもあり、アーモンドフィッシュは後回しだったんです。でも野菜チップスブームが過ぎ去って、売上が下がったときにどうしようと。そこで元々あったアーモンドフィッシュに注力する流れになりました。
ここ5年の売上の伸びはすごくて、現在はフジサワの一番の柱です。フジサワでは煮干しや揚げ玉、ペット用食品などいろんな食品を扱っていますが、アーモンドフィッシュが一番売れています。
2014年から2021年にかけての5年間で、売上は約3.5倍に!(提供:フジサワ)
──先ほど海外でばんのう君が人気とおっしゃっていましたが、海外での売上も伸びているんですか?
はい、5年前頃から海外での売上が伸びています。日本の学校給食に出ているという安心感が、海外でも浸透した要因の一つだと聞いております。現在は台湾や香港が中心ですが、味付けの小魚を食べる習慣があるアジア圏での可能性はまだありそうなので、今後も伸ばしていきたいですね。
──現在は、給食用の比率はどのくらいですか?
給食用は現在、売上全体の一割に満たないくらいです。少子化やコロナの影響もありますので売上は落ちています。
ですが、子どもの頃にアーモンドフィッシュを食べた記憶のある方々が大人になって、懐かしく思ってお買い求めいただくことも多いです。晩酌用やおやつ、自分の子どもに与えるおやつとして。そうやってお客様と長いお付き合いができるきっかけとなる給食なので、これからも大事に続けていきたいですね。
──40年近く売れているロングセラー商品ですが、その間、味付けは変えているのでしょうか?
味付けは昔のレシピそのままで変えていません。また、一般用も味付けは変わらないので、学校給食で食べていただいた味と同じです。(一部地域では使用できない添加物もあるので、味付けが変わっている場合もあります)
──ちなみに、推奨年齢はありますか? お子様にあげる上での注意点などあったら教えてください。
小魚は、特にしっぽの部分などは固いので、歯が生えそろっていないお子様だと喉に詰まってしまう可能性もあります。3-4歳くらいまでは注意をしてあげてください。5歳過ぎれば安心して食べていただけます。
また、ご高齢の方も喉に詰まる危険性があるので注意が必要ですね。
──最後に、アーモンドフィッシュに親しんできた方にメッセージをお願いします。
アーモンドフィッシュは、おかげさまで製造ラインが追い付かないくらいご好評頂いている商品です。私が入社した10年前から、一度も売上が落ちることなく右肩上がりし続けています。おいしさはもちろんのこと、健康を意識するお客様が多くなってきている最近の需要に最適の食品です。一過性のブームではなく40年ずっと愛され続けてきた通り、今後も子供にも大人にも安心してお召し上がり頂けるように、製造していきます。