【水性ペンの落とし方】服やプラスチック、壁・床についた汚れを落とす裏ワザを場所別に紹介
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先端につまみのついた赤いポンプ部と、その下に伸びる蛇腹混じりとストレートの2本のプラスチックホース。
誰もが一度は見たことがあるに違いないこの商品、名前を「トーヨーポンプ」という。販売しているのは、奈良県にある三宅化学株式会社だ。代表取締役の立川博社長はその始まりは1971年まで遡ると言う。
「トーヨーポンプのデビューは1971年なので、2021年でちょうど半世紀となりました。最初の数回ポンプ部を握ると、サイフォン効果によって灯油が自動で流れていくのが特徴です。サイフォン効果とは、灯油を入れる器具の位置が灯油タンクの液面より低い場合、ポンプを止めても灯油が吸い出され続ける現象のことですね」
物理現象を使って簡単に補充できるこのトーヨーポンプ。長年にわたって消費者から支持された製品だけに贈られる「2013年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」に選出された。セロハン粘着テープやカッターナイフ、輪ゴムなどとともに受賞したという事実がいかに多くの日本人にとって馴染み深い製品であるかを雄弁に語っている。
使い勝手の良さから日本中に多くの愛用者がいる
立川社長はこのトーヨーポンプの開発時のエピソードを明かしてくれた。
「やはりかつては原料自体に粗悪なものがあり、例えばホース部分が固くなってしまうというトラブルが頻発。生産方法に関して試行錯誤したそうです。蛇腹の部分はもちろん強度は必要なのですが、固いと折れてしまうのです。季節の差も大きかったようで、夏に生産したもので夏場は大丈夫でも冬場は駄目になってしまうこともあり、原料の配合一つ一つを見直したと聞いています」
様々な困難を乗り越えて無事にリリースしたところ、使い勝手の良さから多くの愛用者を獲得することができた。一方で、たくさん売れたがために「止める際に溢れさせてしまって危険だ」といった声も多数届くように。そこで、電動ポンプの開発に乗り出した。
「灯油が止まる原理を突き止めて、センサーで止める仕様にしました。2年くらいかけて一応の完成にはこぎ着けましたが、不備のないしっかりしたものに仕上げるのに5年くらいはかかりましたね」
自動的に止まる仕様でさらに使いやすく進化した
シンプルな機構のみのトーヨーポンプBDに比べると、電動ポンプは細かい点で改良の余地がたくさんあった。その一つひとつを地道に改善していったという。
「この製品はご年配の方が使うことも多いので、わかりにくいのはご法度なんです。使い方をわかりやすくするため、スイッチを大きくしたり、さらに文字自体も大きくしたりと調整を続けました。また、電池も冬場は放電が弱まることがわかり、マンガンは止めてアルカリのみにするよう呼び掛けるなど変更を繰り返しました」
電動ポンプとケースがセットになった商品も、ニーズを的確に掴んだうえで発売しヒットさせている。その他、タンク一体型ストーブ(対流型石油ストーブ)専用、薄型固定式、ブザーやフラッシュライトでお知らせする機能を搭載させるなど消費者の声を受けて進化させてきた。
「最近はマグネットタイプを発売しました。ホースの先端に強力なマグネットが付いており、カートリッジタンクの脱着がラクに行えます。利用者にとって少しでも便利な機能であれば、積極的に開発しています」