「最強の定食」の定義から考える。「色」と「方向」重視の定食
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目次/ INDEX
新型コロナウイルスの脅威に人々が曝され、街からマスクというマスクが消え、医療機関が深刻な医療物資不足に直面していた2020年5月。とある商品の販売を知らせるリリースが全国のメディアで取り上げられた。
商品名は「マスクにつけられるアイシールド」。市販のマスクのひもに取り付けることで、顔の前に透明な板を設置し目を防護できるアイテムだ。
マスクにつけられるアイシールド 10枚入り
実は、このシールドが世に出る前、目に入る飛沫から身を守る器具は使い勝手に若干の問題があった。例えば、頭に固定するパーツが多いために重いこと。マスク一体型のためにマスクの汚染とともに廃棄せざるを得ないことなど。また、それらは多くが中国製で供給がストップしてしまった。
しかし、「マスクにつけられるアイシールド」は、シールドだけで使えるのみならず、同様の製品と比べてパーツが少ないという利点があった。さらに、安心な国産なのに安価で購入できるとあり、世間の注目度は高かった。
「マスクにつけられるアイシールド」はメディアで取り上げられるやいなや、全国から注文が殺到。物資不足に悩んでいた医療機関を救うことにつながった。
この「マスクにつけられるアイシールド」を製造したのが、愛媛県四国中央市にある紙加工会社、高津紙器株式会社だ。“日本一の紙のまち”を標榜する地に根ざした、創業138年の老舗紙加工会社である。
そんな高津紙器がなぜ、コロナ禍において医療従事者向けに、マスクにつけられるアイシールドを作ったのか。その開発の背景に迫るとともに、ヒットの理由、後日談、紙業界などについて聞いた。
高津紙器株式会社の外観。四国3県に隣接する愛媛県四国中央市に本社を置く