八百屋歴10年のプロが指南。新鮮でおいしい産直野菜を選ぶコツ
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ひと息つきたい、お家時間をもっと充実させたい、仕事に集中したい。そんなときに、コーヒーはいかがですか?
今回語っていただくのは、自家焙煎珈琲店「Kieido(キエイドー)」店主・寺内英貴さんです。
寺内さんは、コーヒーについてこう語ります。
「コーヒーの研究を始めると、沼のようにハマっていくんです」
「自分がおいしいと思うコーヒーしか出さない。うちはわがままな店なんです」
「コーヒーは、私の夢の結晶」
寺内 英貴
東京下町の両国生まれ。農学博士。学位論文はリンゴのウイルスの遺伝子発現様式に関する研究。学位取得後は、農業研究センターで植物ウイルスの遺伝子解析、機能解析を行う。研究職を離れた後、焙煎実験、欠点豆の選別実験を15年間行う。2016年、所沢にKieidoをOPEN。
──いろんなコーヒー豆が並んでいますね。寺内さんのお店では、どこの国のコーヒー豆を使用しているんですか?
──スペシャルティコーヒー?
スペシャルティコーヒーというのは、スペシャルティコーヒー協会の一定の評価基準を満たしたコーヒー豆のことで、簡単に言うと品質のよいコーヒー豆のことを言います
──そんなコーヒー豆があるんですね。では、スペシャルティコーヒーの豆を使えば、誰でもおいしいコーヒーを淹れることができるってことですか?
豆の品質ももちろん味に関係しますが、それだけでおいしくなるわけではありません。コーヒーは、おいしさを無限に探求できる飲み物です。そのため、今でも私は日々研究を続けています。そのうちの1つに、“ハンドピック”という作業があります。まずはそのこだわりから解説していきますね
焙煎前のコーヒー豆
──ハンドピックってなんですか?
虫食い豆や未熟豆、割れている豆のことを“欠点豆”というのですが、その欠点豆を目視で選別する作業のことをハンドピックと言います
──欠点豆は、スペシャルティコーヒーのような高品質な豆の中にも入っているのでしょうか?
一般的なコーヒー豆に比べたら、欠点豆が含まれている割合は少ないです。でも、0ではないんですよね。きっちり探せば見つかるんですよ
──僅かな欠点豆の混入で、そこまで味に影響があるんでしょうか。
明らかに違います。でもこれは人によって考え方に違いがあって、雑味も含めてコーヒーの個性と捉える人もいます。うちの店では、透明感・まろやかさ・優しさを追求した味を目指しているので、欠点豆に由来する雑味は許されないんです。だから必ずハンドピックを行っています。また、一部のコーヒー豆が本来持っている舌触りのざらつきや渋みについても豆の個性と考える人もいますが、うちではそのような豆を仕入れることはありません
──ハンドピックは、どのようにして行うのでしょうか?
焙煎前と焙煎後に行っています。焙煎前は店内の人工光のもとで、生豆の状態を見て識別します。焙煎後は、屋外の自然光のもとで微妙な色の違いを見て識別します。焙煎してしまうとどの豆もだいたい同じ色になってしまうので、焙煎後の選別は自然光じゃないと識別ができないんですよ
欠けている欠点豆
──このハンドピックという作業、かなり時間がかかるのでは…。
私が決めた選別基準は非常に厳しいので、ここまでするお店はあまりないかもしれないですね(笑)。スーパーやチェーン店のコーヒー豆でコーヒーを淹れる機会があったら、ぜひ欠点豆を探してみてください。必ず見つかると思います
エチオピア、ケニア、タンザニア、コロンビア、グアテマラなどなど、いろんなコーヒー豆を扱っています。また、うちは“スペシャルティコーヒー”を使用しているんです