リュックの洗い方は? 洗濯機・手洗いで洗う方法と注意点
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コロナ禍で外出する機会も減り、おうちにいる時間がどうしても増えている昨今。この機会に自炊にチャレンジしたというひとり暮らしの方も多いのでは? その中には、面倒になって挫折した人もいれば、コンビニ弁当で済ませてしまい長続きしない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、自炊初心者や料理が苦手な方に向けてレッスンを行う「自炊料理家」の山口祐加さん監修のもと、ひとり暮らしでも自炊を長く続けるコツを伝授! 自炊によくある質問をまとめ、Q&A形式でお届けします。
山口さん「これはそもそもの話で、たくさん買わないことが大切です。スーパーなどでの買い物の際、安いから(野菜などの)大袋を買っちゃえ、という人もいると思うのですが、自炊初心者の方は買い物を最小単位にすることが使い切りのコツ。大根1/2本よりも1本の方がコスパに優れているのは当然で、つい手に取りたくなりますよね。でも、使い切れるという自信を積み上げていった後に、大きなサイズの食材を買うようにしましょう。あとは、すぐ食べる時をのぞいて、もやしやレタスなど日持ちしにくい生野菜は避けて、冷凍食材を使うなども効果的です」
コスパに負けて食べきれない大きさの食材を買ったり、見切れ品に手を出して結局使わなかったなど、買いすぎや消費期限を過ぎてダメにしまうのが自炊初心者あるある。買いたくなる気持ちをグッとこらえて、冷蔵庫の半分くらいは常に空けておくくらいの気持ちで買い物するのがポイントとのこと。
山口さん「レシピが2人前で、その通り作って余らせてしまうなど、よくありますよね。1人前レシピを探して作るのもいいですが、手間だという人は、カレーとか汁物など、明日も食べられるものをベースに献立を考えるといいでしょう。ただ人は味に飽きやすいので、おすすめしたいのは『料理の途中下車』という方法。料理を途中までやっておく、ということなのですが、例えばスープだったらベーコン・にんじん・たまねぎ・セロリを刻んで、炒めるところまでやっておく。そこに水・コンソメ・塩を入れればコンソメスープだし、トマト缶を入れればトマトスープ、シーフードミックスと牛乳を入れればクラムチャウダー。このように途中まで作って、応用しながら食べるのもアリだと思います」
毎日のように料理をする人は作り置きも便利ですが、外食やインスタントで軽く済ませたい日もあり、なかなか計画通り食べられない日もあるのでは。そんなときは、作りすぎてしまった料理を長くおいしく頂く方法として、ぜひ「料理の途中下車」を試してみてください。
山口さん「私の生徒さんでも『最近自炊ができてなくて…』と申し訳なさそうにおっしゃる人がいるのですが、無理に続ける必要はないと思っています。『続けないと』と思ってそれがプレッシャーになると辛いですし、そもそもの考え方として、やれる時にやればいいのかなと。また、健康のため、節約のためなどやらなければいけない環境下にいる人も多いと思いますが、何かしらワクワクしたものを見つけてほしいです。例えば、かわいい器を買ってみるとか、いい調味料に挑戦してみるとか、炊飯器に投資するとか、なんでもいいです。自炊というものが、『誰かにやってほしいもの』になるのは悲しいなと。楽しいと思うかどうかがとても大事だと思います」
確かに、自炊はやらなければいけないというイメージがどこかあったように思います。自炊をする理由は人それぞれかと思いますが、大事なのは楽しむこと。たまには外食を楽しみながら、街で見つけた食器を買ってテンションを上げるなど、自分なりの楽しみ方を見つけてみましょう。
山口さん「料理の質量を変えることがポイントだと思います。個人的には炭水化物って最後の5口くらいになると、もういらないなと(笑)。冷めてしまってあまりおいしく感じられないし、だったらご飯の量を減らして、その代わり上に乗っている具を増やして炭水化物を減らしてみる。たとえば、親子丼だったらご飯をお茶碗一杯程度にして、鶏肉やたまねぎなどを増やすのもいいでしょう。あとは、豆腐や納豆、めかぶのパックなど、開けられるだけで食べられるものを一品プラスしてバランスを取るのもおすすめです」
コロナ禍になってリモートワークが進んでいますが、動かないからあまりお腹が空かなくなった人もいるのではないでしょうか。そんなときは無理に普段通り食べようとせず、炭水化物の量を減らしてその他で栄養バランスを取る山口さんの考え方を実践してみましょう。
山口さん「これもそもそものお話で恐縮ですが、お惣菜はお惣菜としてそのままいただいていいと思います(笑)。ただ味が濃いものもあるので、レンジでチンしただけのブロッコリーやもやしを一緒に食べて中和させるなどはアリかなと。今は、スーパーもコンビニも、カット野菜など切ってある食材や冷凍食材(ほうれん草など)、ミールキットなど消費者の需要に合わせて、いろいろなものが揃っています。塩鮭やゆで卵など食卓に親しみのある一品も調理済みで売っているので、カット野菜や冷凍の食材などと組み合わせて、手間なく自炊できる方法を探してみるのもいいでしょう」
コンビニもプライベートブランドで惣菜が発売されるなど、この10年でお店の棚に並んでいる商品も大きく変化したと思います。1から食事を作るだけが自炊ではないので、見落としているものがないか、近くのお店に散歩がてら寄ると思いがけないヒントがあるかもしれませんよ。
山口さん「これは『自炊』というものの捉え方の話になりますが、極論を言うと、自炊より外食の方が安く済ませられると思います。というのも、前述の通り食材を買いすぎたり、色々な味を試したくて珍しい食材や調味料を買ってみたり、自分より大きいもの(等身大以上のもの)を買うと自炊の食費は高くなります。また、材料や調味料にそれなりにこだわるとそこそこ食費はかかります。現在は外食チェーンも企業努力を繰り返し、低価格なものを高品質に提供していますし、自炊に(必要以上の)節約を求めるのは辛いと思うんですよね。さらに、自炊は自分で買い物に行き、料理して、食べて片付けるという自分の時間を消費しているので、コスパとしてもあまりよくありません。ですので、先ほど(Q3)もありましたが自炊自体に楽しさを見出せる、自分の好きな味を自分で作れる、心身の健康を自分でコントロールできることが自信につながるなど、食費以外にメリットがたくさんあることを自覚することが何より大切だと思っています」
山口さんは「もちろん節約術や菓子パンなど安くてお腹を満たす方法はあると思いますが」という前提で話してくれましたが、幸せや健康的な食生活が送れるかは別問題で、その幸せや健康という部分をお金で買っているのが自炊という考え方でした。
スーパーや産直に行けば知らない食材が出ていたり、旬の食材が並んでいて季節を感じられたり、街の肉屋や魚屋さんと話して簡単でおいしい調理方法を教わったり…。新しいモノ・コトを知って、買って、作ることこそが自炊の醍醐味。自分で作って食べる喜びを、一人でも多くの人に届けたいという山口さんならではの発想ですね。