平成ギャルの、ガラケーを「デコる」技術。「デコ電」の歴史と作り方を専門家に教わった
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青みがかった紫の色と、心地の良い香りが特徴的なラベンダー。シソ科の植物であるラベンダーは「ハーブの女王」とも呼ばれており、園芸だけでなくハーブとしても大変親しまれている植物です。
ラベンダーは「繊細」や「優美」などの優しい花言葉を持っていて、見た目の美しさや、リラックスさせてくれる香りや色味などが由来とされています。
ラベンダーの栽培はコツをつかめばそれほど難しくはなく、栽培初心者の方でも問題ありません。まずは「水はけの良さ」や「日当たり」、「風通し」などがポイントとなります。
さらに、ラベンダーを美しく、元気に育てるために欠かせないのが「剪定(せんてい)」です。今回はラベンダーの花を元気で美しく、長く楽しむために欠かせない剪定について詳しく解説します。
剪定とは植物の茎や枝などを切り取る作業のことを指す園芸用語です。形を整えたり、花や果実を大きくさせるためなど、剪定の目的は多様で、植物によって変わってきます。
ラベンダーは日当たりと風通しが良い環境を好むので、健康の維持のために剪定が欠かせません。さらに収穫量を増やすためや樹形を整えるためなど、複数の剪定目的があります。それぞれ目的に合わせて剪定方法や時期が異なりますので、どんな目的で剪定をするのかをしっかり覚えておきましょう。
ラベンダーの剪定では、一般的に次のような4つの剪定が必要になります。
ラベンダーの栽培ではよく目にする用語です。どんな時期にどういった作業が必要なのかを頭に入れておきましょう。
ラベンダーの剪定は目的によって呼び名が変わります。どれも美しく健康にラベンダーを栽培するために欠かせない作業となりますので、剪定時期や正しい剪定方法をチェックして、作業するようにしてくださいね。
ラベンダー栽培の醍醐味ともいえる「収穫」。フラワーアレンジやドライフラワーにして飾ったり、ポプリやオイル抽出などで香りを楽しむために花を刈り取ることを「収穫」と呼びます。
ラベンダーの収穫は5月下旬から7月上旬の間が適しています。
ドライフラワーやリースにするために収穫する場合は、咲き始めから5分咲きくらいの間に剪定するのがおススメ。花の終わりのころに収穫すると花が茶色くなってしまったり、ポロポロと崩れやすくなってしまったりします。
ポプリにしたり、オイル抽出をしたりといった、香りを重視する目的の収穫であれば、花が咲くほど香りも強くなるため、8分咲きから満開後すぐのタイミングに剪定すると良いでしょう。
ラベンダーを長く咲き続けさせるとエネルギーを消耗するため負担が大きくなります。さらに収穫で花を剪定することで風通しを良くする働きもあるので、花が咲いたら放置せずに、やや蕾が残っているくらいに収穫するようにしましょう。
収穫で花を剪定する場合は、花茎の下の葉の付け根にある新芽より少し上のあたりを切り取ります。新芽を残すことで2番目・3番目と長く花を咲かせることができるでしょう。
あまり刈り込み過ぎてしまうと株が傷んだり、収穫量を減らせてしまう場合もあるので注意してください。
樹形を整えながら株をコンパクトにすることを「切り戻し」と呼びます。
切り戻しによって不要な枝や茎が少なくなるので、新芽や花にエネルギーが行き渡り、生長が良くなります。風通しも良くなるので、病気予防や害虫予防にもつながります。
ラベンダーを収穫せずにガーデニングでの鑑賞を目的として栽培している場合であれば、花が茶色く枯れだしたタイミングで切り戻しを行いましょう。湿度に弱いレースラベンダーなどは梅雨入りより前に切り戻しするのもポイント。
花が枯れたままつけておくのは株の負担になり、風通しが悪く病気や害虫の原因にもなるので、忘れずに作業するようにしましょう。
切り戻しでは、咲き終わった花を伸びた茎ごと切り取ってください。花だけを刈り取ると茎が立ち枯れしてしまい、見た目が悪くなります。花茎の下の葉から新芽が出るので、その少し上で切り取ります。
株全体を1/3くらい草丈を低くするように山形に剪定していきましょう。
増えてしまった茎を根元から切り取って、花や枝の数を減らしたいときの剪定を「間引き」と呼びます。
間引きはこまめに行って、風通しを良くさせてあげることがポイントです。花が咲く前の3月ごろや、開花中の5月下旬から7月上旬、咲き終わった後や12月ごろなど、年に数回間引きを行います。
一度の剪定では増えた枝を数本切り取る程度で構いませんが、こまめに行うことが重要です。しかし湿度が高くなる梅雨時期などは特に風通りをよくするように剪定してあげましょう。
不要になった枝を枝元から切り落としていきます。対象になるのは他の枝よりも長く生長してしまったものや、絡み合ってしまった枝、土に葉が接している枝などです。
間引きのポイントは風通しが良くなるように枝数を少なくすること。真横から株を見て、向こう側が透けて見えるくらいに枝を根元から剪定すると良いでしょう。
ラベンダーを栽培して数年すると株も大きくなり、そのまま放置すると株元が木質化してきます。古い株からは新芽が出にくくなってしまったり、枝が込み合ってしまって風通しが悪くなってしまったりします。それを避けるために行うのが「強剪定(更新剪定)」です。
ラベンダーの株は3年目くらいから茎が増え過ぎて花のボリュームが減ってきてしまいます。定植して2年から3年目から強剪定をはじめ、毎年行うのが理想的。2年以上強剪定せずに放置してしまうと、強剪定自体ができなくなってしまうので注意しましょう。
強剪定は生長が穏やかな時期に行いますが、ラベンダーの種類によって開花の時期などが異なるため、強剪定の時期も変わってきます。
開花時期が早いフレンチラベンダーなどは秋のうちに剪定をし、イングリッシュ系のラベンダーは2から3月ぐらいまでには剪定をしておくと良いでしょう。暖かい地域ではもう少し早い時期に剪定します。
また、冬季に積雪がある地域では、降雪前までに今日剪定をして、積雪による枝折れを防止しておきましょう。
強剪定する場合には、株元の一番低い芽の位置の少し上で切り取ります。新芽まで剪定してしまうと、枯れてしまう場合もあるので注意してください。
また、地面付近で土が付着してしまっているような枝や、古くなって枯れてしまっている枝など、不要な枝は根元で剪定します。
ラベンダーは環境にあった品種を栽培すれば害虫もつきにくく、病気にもなりにくいのですが、剪定をせずに風通しが悪い状態で栽培すると害虫や病気で弱ってしまう場合もあります。
ラベンダーにつきやすい害虫は「アブラムシ」や「ハダニ」など。どちらもラベンダーの生長に影響を及ぼすので、早めの対処と予防が大切です。殺虫剤や粘着テープなどを使って取り除いたり、防虫ネットで虫を寄せ付けないことも予防になります。
ラベンダーがかかりやすい病気には「うどんこ病」というものがあります。名前の通り、うどん粉をかけたように、葉の全面に白い斑点が広がります。うどんこ病にかかった株を見つけたら殺菌剤を使用して症状をおさえてください。
一度発生すると次の年も発病しやすくなってしまうので、翌年は発病した時期より前に殺菌剤を撒いて予防しておくことも効果的です。
剪定を行うときに使うハサミは清潔で切れやすいものを使いましょう。
葉の部分が汚れていて不衛生なまま剪定すると、切り口から菌が侵入して病気にかかったり、枯れてしまうこともあるので注意してください。切り口をふさぐ成分や殺菌成分が含まれている癒合剤というものがあります。癒合剤を塗ったハサミで剪定をすれば切り口のケアもできますよ。
また、切れ味の悪いハサミで剪定すると、切り口が汚くなって病原菌が侵入しやすくなってしまいます。特に木質化した枝は硬くて切りにくいため、必ず切れ味の良いハサミを使ってくださいね。
収穫や間引きで剪定したラベンダーをいろいろな方法で活用してみましょう!
収穫してすぐのフレッシュな生花の状態は見た目も香りも楽しめて、華やかさがあります。花瓶に挿して飾たり、花束にしてプレゼントしても喜ばれるでしょう。
ラベンダーはもともと水分が少ないハーブなので、簡単にドライフラワーやポプリをつくることができます。
花束にした状態で風通しの良い場所に吊下げておけば、乾燥してドライフラワーになります。美しい状態を長く楽しむことができ、香りも続きますよ。
生花の状態でリース土台に挿しておしゃれなラベンダーのリースを作るのもおすすめです。完成したものをそのまま乾燥させればリース状のドライフラワーになり、玄関などに飾れば出入りするたびに香りを楽しむこともできます。
乾燥させた花穂を使ってサシェを作ればいろいろな場所で香りを楽しむことができます。ガーゼなどの布で小袋を作り、そこの乾燥した花穂を入れてリボンなどで結べば完成。サイズを調整すれば持ち歩きもしやすくなりますよ。
ラベンダーは挿し木で増やすこともできます。剪定したラベンダーを水に浸けてから挿し木用土に挿して育てると発根しますよ。ラベンダーの生育適温は15~20℃の間なので、4~5月が挿し木を行うのに適している時期です。
ラベンダーの花が以前よりボリュームが少ないとか、花が小さいという場合は剪定がきちんと行われていないからかも。剪定不足は根腐れの原因にもなって、最悪の場合枯れてしまうかもしれません。
しっかりと美しくラベンダーを咲かせるためには定期的に正しい剪定をすることが必須。剪定の重要性と正しい剪定の仕方を理解して、これからもキレイで優美なラベンダーを育てていきましょう。