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レモン栽培は肥料がカギ。与える時期や量、種類を徹底解説

スタッフ

株式会社カインズ グリーン・ガーデン部【公式】

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ホームセンター・カインズのグリーン・ガーデン部が、お花・野菜・観葉植物・多肉植物・家庭菜園・庭造り・畑作りなどに関する専門知識や栽培方法、ノウハウなどを解説します。

レモンの木に実が付かず困っていませんか? 実はレモンはかなりの大食漢で、肥料を適切に施さなければ、大きな実が育ちません。

そこで本記事では、レモンの施肥タイミングや量、種類について紹介していきます。肥料を与えるタイミングや量、どんな肥料が良いのかなどを解説していくので、ぜひチェックしてみてください。

レモンはかなりの肥料食い

柑橘類の果樹は他の果樹と比べて多くの肥料が必要ですが、レモンは柑橘類の中でも、特に多くの肥料を必要とします。

レモンが肥料食いなのには理由があります。1つ目の理由は、枝葉を旺盛に茂らせることです。葉を茂らせるには窒素分を多く必要とします。また、枝葉と同時に根も成長します。そのため、根に効果的なカリウムの栄養素も必要となります。

2つ目の理由として、レモンは四季なり性のため、春から秋にかけて多くの花が咲き、多くの実を付けることが挙げられます。花を咲かせたり、実を大きくさせたりするにはリン酸を多く含む肥料が効果的です。

実を付けてから熟すまでの期間が長く、収穫時期も長いため、多くの肥料がないと肥料切れをおこしてしまいます。

レモンに肥料を与える時期

レモンの鉢植え

レモンは、1年間で5回追肥が必要で、時期によって施肥の意味も変わってきます。施肥の意味を理解することで、追肥のタイミングや量を覚えることができますよ。

2月または植え付け時(元肥)

2月頃に元肥を施すと、芽が動き出す頃から効き始め、葉を元気にしてくれます。元肥は、ゆっくり長く効かせるために、緩効性化成肥料か、有機質肥料がおすすめです。1年間に与える肥料の半分を、この元肥で与えます。

鉢植えの場合は、2,3年に1回植え替えが必要になります。植え替えをする場合には、2月ではなく植え替えと同時に元肥(春肥)を施します。

5月(枝肥)

5月は元肥の効果がだんだん薄れてくる時期です。しかし、枝や葉はますます盛んに伸びていく時期なので、追肥(夏肥)を施します。枝を茂らせるのに有効な追肥のため、枝肥と呼びます。

枝肥もゆっくり長く効かせるために、緩効性化成肥料か、有機質肥料を施しましょう。施す量は1年間に与える肥料の1割程度です。

7月(実肥)

梅雨に入る頃になると花が咲き始め、7月頃になると実が付き始めます。その頃が追肥の適期です。実を育てるための追肥なので、実肥と呼びます。

実肥も枝肥同様に、緩効性化成肥料か、有機質肥料を年間施肥量の1割程度与えます。

9月(実肥)

レモンは四季なり性のため、9月でもまだまだ花が咲き、実がなります。そのため、7月と同様、実肥を年間施肥量の1割程度与えます。

11月(お礼肥)

11月になると気温がだんだん落ちてきて、開花も落ち着いてきます。長い間実を育てて疲れた木に「お礼肥(おれいごえ)」を施してあげましょう。

疲れた株に素早く元気を取り戻してもらい、冬に備えるため、速効性の化成肥料が効果的です。しかし、速効性の化成肥料がない場合には、今までと同様、緩効性化成肥料か、有機質肥料でも問題ありません。施す量は1年間に与える肥料の2割程度です。

11月時点ではまだたくさんの実が残っています。お礼肥なので、施す前に収穫した方が良いと思うかもしれませんが、そのままで大丈夫です。寒い地域では、12月までに収穫した方が無難ですが、暖かい地域は翌年まで収穫することができます。

レモンの肥料のやり方

レモンの苗

肥料を与える場所は、枝の先端の真下が目安

植物は基本的に根の先端から肥料成分を吸収します。そのため、根の先端あたりに肥料を施すのが効果的です。根に肥料が直接当たると、根が肥料焼けを起こしてしまうので、幹から近いところに施すのはやめましょう。

根が広がる大きさは、枝が広がっている大きさとほぼ同じです。そのため、枝の先端の真下かそれより少し外側くらいのところに肥料を施します。

肥料の種類でやり方が異なる

化成肥料は、表面にまくだけで効果が得られます。有機質肥料は、微生物に分解されないと肥料の効果を発揮しないので、土と混ぜることをおすすめします。土と混ぜることで、分解が進み、早く効果が発揮します。

また、有機質肥料は、臭いを発するため、臭いに釣られて虫や鳥が寄ってきます。鳥は土を荒らしてしまうことがあるので、そのような観点からも土と混ぜた方が無難です。

土と混ぜる深さは、10cmくらいを目安にします。樹木を中心に輪を描くように施すと、満遍なく施肥することができます。輪を描くのが難しく面倒な場合には、円周上に等間隔で穴を掘って、施肥する方法もあります。

なお、鉢植えの場合、無理に混ぜる必要はありません。

レモンに与える肥料の種類

基本的には1年中、緩効性化成肥料か、有機質肥料を施します。ゆっくりと溶け出す肥料を施すことで、1年中効果を発揮し、花芽の増加、果実の着果や結果の促進、根の強化が期待できます。

暖効性化成肥料

化成肥料は鉱物などの無機物を原料とした肥料です。そのまま植物に効くので、速効性があり、臭いがないので室内でも使うことができます。寒さ避けのために室内で管理する場合には、化成肥料の方が良いでしょう。

レモンの場合、窒素(N):リン酸(P):カリウム(K)の割合が、10:10:10や8:8:8のようなバランスの良い肥料を用います。

肥料の量は、樹や鉢の大きさで変わってきます。目安の量は下表の通りです。

樹幹直径 元肥 枝肥、実肥 お礼肥
0.2 m 60 g 6 g 12 g
0.5 m 200 g 20 g 40 g
1 m 300 g 30 g 60 g
2 m 1000 g 100 g 200 g
4 m 5000 g 500 g 1000 g

肥料の計量が面倒な場合には、ひとつまみは約3g、一握りが約30gぐらいと覚えておきましょう。

有機質肥料

有機質肥料は骨粉入り油かすや鶏糞を使います。有機質肥料は、独特な臭いがあるので、鉢植えなど室内に持ち込む可能性がある場合には使用しない方が無難です。

有機質肥料には土を柔らかくする効果があり、微量要素も含まれているので、地植えでは積極的に利用しましょう。

ただし、天然物なので成分が安定していないのが欠点です。また、微生物に分解されてから、植物に効くので、効果を発揮するまでに時間がかかります。しかし、持続性が高いので、長期間施肥が必要なレモンにはピッタリです。

骨粉入り油かすなら、窒素4%、リン酸7%、カリ1%くらいなので、化成肥料の1.5から2倍くらいの量を施す必要があります。

鶏糞であれば、窒素4%、リン酸3%、カリウム2%くらいなので、化成肥料の2倍くらいの量を施します。鶏糞は速効性が高いので、元肥ではなく、枝肥、実肥、お礼肥に適しています。

レモンの栽培におすすめの肥料

日清 魚粉・骨粉・油かす 1kg

日清 魚粉・骨粉・油かす 1kg

肥料切れに注意

レモンの鉢植え

肥料切れで現れる症状

レモンは、栄養不足になると実がなりません。また、葉の色が黄色く変色してしまい、ひどくなると落葉してしまいます。

役目を終えた葉も黄色くなって落葉しますが、落葉する枚数が少ないので見分けが付きやすいと思います。栄養不足による落葉は、変色のスピードが早く、枚数も多くなります。

肥料切れのほかに、日照不足や寒さに当たった時にも、黄色くなることがあります。肥料以外の原因がないかも確認しましょう。

葉が黄色くなっていたら、窒素が足りていなかったり、栄養バランスが悪い証拠です。また、葉脈が黄色くなり、葉に模様ができていたら、マンガンが足りない証拠です。土がアルカリ性に傾いている場合にもマンガンが吸収されないため、葉脈が黄色くなります。

肥料切れの対処法

レモンは根からだけではなく、葉からも栄養分を吸収できます。肥料切れのサインが出ているなら、速効性がある葉面散布が有効です。葉面散布は、特に窒素とマンガンを吸収しやすい特徴があるため、葉の色が薄くなった時に最適です。

市販されている液体肥料を、1,000倍に薄めて散布します。リン酸が少し多めの、窒素:リン酸:カリが、6:10:5くらいのものがおすすめです。

また、園芸用の尿素を使うこともできます。粉末タイプを300倍に薄めて使いましょう。

肥料のやり過ぎにも注意

肥料を与えすぎると肥料焼けを起こします。特に土の量が少ない鉢植えの場合には注意が必要です。

肥料焼けの症状

肥料焼けすると、根から水を吸収できず、葉がしおれてしまったり、実が成らないことがあります。ひどい場合には枯れてしまうので注意しましょう。

元気がないからといって、肥料を与えるのは禁物です。肥料が多い場合、鉢のフチや土の表面に白っぽい結晶が現れることがあります。注意深く観察して、肥料切れなのか、肥料焼けなのかを判断しましょう。

肥料焼けした時の対処法

肥料焼けをしていた場合には、いつもの水やりの5倍くらいを一気に与えます。肥料分が水に溶け出して、他の場所に流出するので、濃度が薄まります。

これを5日間くらい続けてから様子を見ます。まだ肥料焼けが続くようであれば、同じことを繰り返します。植え替え時期であれば、新しい土に植え替えてしまっても良いでしょう。

肥料だけに頼らず日当たりも重視

レモン

レモンは肥料だけではなく光合成によっても栄養補給しています。そのため日当たりはとても大事です。

日当たりが主食、肥料はおやつと考えて、日当たりを最優先にしましょう。

まとめ

レモンはかなりの肥料食いのため、大きな実を収穫するには肥料が重要です。

肥料を与える時期は年に5回あり、それぞれ役割が違うので、タイミングや量を把握しておきましょう。緩効性化成肥料か、有機質肥料を根の先に施すのがポイントです。

レモンは、肥料が少なくても、あげ過ぎても、実が大きくなりません。実を大きくするには、適切な量の肥料を心がけましょう。肥料を正しく施せば、長い期間収穫を楽しめますよ。

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。

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