三角コーンの“中身”を改造して、やしろあずき先生に送りつけてみた
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秋の公園などでおなじみのキンモクセイ(金木犀)。オレンジ色の花と甘い香りに、心惹かれたことのある方も多いのではないでしょうか。
キンモクセイの花を咲かせるためには、肥料が重要です。肥料が足りないと、花が咲かないだけではなく、生育が悪くなることで、病気になる可能性も高まります。そればかりか、最悪の場合、枯れてしまう可能性もあります。
本記事では、キンモクセイに与える肥料の種類や、肥料を与える時期について解説していきます。肥料を適切に施して、良い香りの花を咲かせましょう。
キンモクセイ(金木犀)は、初春のジンチョウゲ、初夏のクチナシと並ぶ「三香木」のひとつです。10月頃に密集したオレンジの花を咲かせ、オリエンタルな甘い香りをただよわせます。
キンモクセイの香りは、芳香剤にも使われます。遠くまで香りが届くことから「千里香」と呼ばれていたこともあるほどです。
キンモクセイの原産地である中国では、花を砂糖漬けにしたり、リキュールにしたりして楽しんでいます。鹿児島ではキンモクセイの葉をお茶として楽しんでいる地域もあるなど、食用としても楽しめる花木です。
キンモクセイは樹高5 m以上にもなる常緑高木です。大きく育つために、肥沃な土壌を好み、家庭で育てるには肥料が必要です。
キンモクセイの場合、リン酸とカリウムの割合が多い、緩効性の化成肥料か有機質肥料がおすすめです。
リン酸が花の成長を助け、カリウムが根張りを良くし、健康状態の維持に役立ちます。窒素が多い肥料は葉ばかりが茂ってしまい、花つきが悪くなってしまうので注意しましょう。
化成肥料は鉱物などの無機物を原料としています。そのまま植物に効いて、速効性があり、臭いがないので室内でも使うことができます。寒さ避けのために室内で管理する場合には、化成肥料の方が良いでしょう。
キンモクセイにおすすめの肥料は、リン酸とカリウムが多めに配合された肥料です。そのため、窒素(N):リン酸(P):カリウム(K)の割合が、4:14:5といった、花木用の肥料を選ぶと良いでしょう。
なお、化成肥料には、窒素(N):リン酸(P):カリウム(K)が均等に配合されたバランス型の肥料もあります。株が小さく、木を大きくしたいときは、こうした肥料でも良いでしょう。
なお、与える量は、肥料のパッケージに書かれている標準的な量で十分です。
キンモクセイには、リン酸やカリウムが多く含まれている有機質肥料もおすすめです。ただし、独特な臭いがあるので、室内に持ち込む鉢植えでは使用しない方が良いでしょう。
有機質肥料には土を柔らかくする効果があり、微量要素も含まれているので、地植えのキンモクセイには積極的に利用したい肥料です。
ただ、天然の成分なので、栄養素が安定していないデメリットがあります。また、微生物に分解されてから植物に効くので、効果を発揮するまでに時間がかかります。しかし、持続性があるため、年に数回しか肥料を施さないキンモクセイには合っています。
リン酸を多く含む肥料には、骨粉や米ぬかなどがあります。骨粉入り油かすなら、窒素4%、リン酸7%、カリ1%くらいになるため、化成肥料の2倍くらいの量を施す必要があります。
カリを増やしたいときは、草木灰などを使うと良いでしょう。また、油かすは窒素成分が多いので、単体で使用するのは避けましょう。
キンモクセイは、基本的に液体肥料は使わず、化成肥料か有機質肥料を使います。しかし、栄養素が足りなくなった場合には、応急処置として液体肥料を与えるのは有効です。
液体肥料を与える場合には、規定量を守り、水やりの代わりに与えましょう。葉から栄養分を吸収させるために、葉面に噴霧するのも効果的です。
室内の鉢植えで育てている場合には、土に差し込んで使うスティックタイプの液体肥料が便利です。
液体肥料には速効性がありますが、持続性がないため、肥料のやり過ぎが起こりにくいのも良いところです。
キンモクセイに肥料を与える時期は、地植えか鉢植えかによって変わります。
地植えの場合、2月頃に有機質肥料を与えます。この頃のキンモクセイはまだ休眠中のため成長はしませんが、このころに与えることで、有機質肥料が植物に吸収されやすいかたちに変化し、成長を始める春に肥料が効き始めます。
もし、化成肥料を使う場合には、緩効性のものを使用し、3月ごろ施します。
地植えの場合には、年1回の施肥で十分ですが、生育が悪いようなら、花芽ができはじめる8月上旬頃に追肥を施しても良いでしょう。追肥には液体肥料がおすすめですが、化成肥料でも大丈夫です。
鉢植えの場合、土の量が限られていて、水やりによって、肥料が流れ出てしまうので、年3回に分けて肥料を施します。与える時期は、2月、5月、9月です。
2月に与える肥料を寒肥(かんぴ)と呼びます。ゆっくり効かせたいので、有機質肥料が最適です。
5月に与える肥料は追肥(ついひ)と呼びます。キンモクセイが暑い夏を元気で過ごせるように、体力を付ける効果があります。すぐに効かせたいので、化成肥料がおすすめです。
9月に与える肥料は花肥(はなごえ)と呼びます。その名の通り、綺麗な花をたくさん咲かせるために施します。花肥も化成肥料が良いでしょう。
植物は基本的に根の先端から肥料成分を吸収します。そのため、根の先端あたりに肥料を施すのが効果的です。
キンモクセイの根は、地上部と同じ範囲に拡がっています。そのため、木が拡がっている範囲全体に肥料をまきます。まいた肥料は、土と混ぜておきましょう。
土と混ぜた後に、その上から堆肥や腐葉土で保護するのも効果的です。
肥料は多ければ良いというものではなく、多すぎると肥料焼けを起こしまいます。土の量が少ない鉢植えの場合には、特に注意が必要です。
キンモクセイが肥料焼けすると、根から水を吸収できず、花が咲かなくなってしまうことがあります。ひどい場合には枯れてしまうので、元気がないからといって肥料をあげ過ぎてはいけません。
肥料が多い場合は、鉢のフチや土の表面に白っぽい結晶が現れることがあります。注意深く観察して、肥料切れなのか、肥料が多すぎるのかを見極めましょう。
肥料焼けしてしまった場合は、まず、いつもの水やりの5倍くらいの水を一気に与えてみましょう。そうすることで、肥料分が水に溶け出し、土の中の肥料の濃度が下がります。
これを5日ほど続けて、キンモクセイの様子を見ましょう。まだ肥料焼けが続くようであれば、同じことを繰り返します。
もし、植え替え時期が近ければ、新しい土を用意して植え替えてしまっても良いでしょう。
キンモクセイは大きく育ち、花を咲かせるために、肥料が必要です。肥料を与える時期は、地植えで年1回、鉢植えで年3回が基本です。肥料のパッケージを参考に、必要な量だけ施しましょう。
適切な肥料を与えることで、秋には良い香りをただよわせながら、美しい花を咲かせてくれます。このページを参考に、キンモクセイ栽培にチャレンジしてみませんか?