泥汚れで悲惨な玄関タイルを神アイテムでピカピカにお掃除してみた
リンクをコピーしました
目次/ INDEX
バラの栽培をもっと楽しむために、アブラムシやハダニをはじめとする害虫の駆除対策の方法を押さえましょう。この記事では、バラの葉や茎、枝、花にあらわれるさまざま害虫被害の症状について画像付きで解説します。
「花の女王」との異名を持ち、気品ある優雅な色や形、香り、そして多くの品種が存在する植物、薔薇(バラ)。奥深いバラの魅力に魅かれ、バラ栽培を趣味にされている方は多いのでは?
そんな多くのガーデナーファンを持つバラですが、実は害虫からの被害に遭いやすいたいへん繊細な植物です。今回は、美しくすくすくと育ててバラの栽培をもっと楽しむために、新芽が大好きなアブラムシや葉を食い尽くすイモムシなどによる悩ましい害虫被害の対策方法をまとめました。
バラの新芽や若葉、蕾の花首にくっつくアブラムシ。1匹だけでは見つけづらいですが、群棲した状態であれば非常に目につきやすい害虫です。バラに寄生して、バラの樹液を吸って加害します。アブラムシは年中発生しますが、特に被害が大きいのは早春から秋にかけて。予防・駆除する方法は以下の通りです。
アブラムシを駆除するには、手でとる、水で流す、粘着性のあるテープで取る、黄色い物に集まる性質を利用して黄色の粘着板を設置するといったさまざまな方法が存在します。バラの本数が10本以下ならスプレータイプの殺虫剤も効果的。「ベニカXファインスプレー」などのベニカXシリーズなら、病気の予防と治療が一度にできるのでおすすめです。
>>もっと詳しく:アブラムシを駆除したい! 手軽な撃退法、発生原因や予防策も
バラの葉をボロボロにしてしまうのは、チュウレンジハバチの幼虫やヨトウムシの幼虫といったイモムシたち。春に成虫が卵を産みつけることで、幼虫が孵化してバラの葉を食べはじめてしまうのです。チュウレンジハバチもヨトウムシも集団でバラの葉を食べ、葉脈だけを残して丸坊主にしてしまうほど食欲旺盛。この結果、バラは光合成がうまくできなくなって夏以降の生育が弱まってしまいます。
チュウレンジハバチの幼虫は生まれたばかりの頃は頭部が黒色、成虫に近づくとオレンジ色に変わるという体の色が目印。また、イボ状の脚で葉をつかんで自分の腹部を持ち上げたり、お尻を上げたりするというおもしろい習性がある点も特徴です。
ヨトウムシはというと、蛾(ガ)の一種であるヨトウガの幼虫を指します。漢字で「夜盗虫」と書き、夜のあいだにバラの葉を食べてしまう夜行性のイモムシです。
チュウレンジハバチやヨトウムシを駆除するには早期発見、早期防除が基本です。できれば卵のうちにイモムシがくっついている葉っぱごと切り取る、黄色い物に集まる性質を利用して黄色の粘着板を設置する、木酢液や竹酢液をまくといった方法が考えられます。殺虫剤を使う場合は「ベニカXファインスプレー」などのベニカXシリーズやスミチオン乳剤、オルトラン水和剤などをご使用ください。
バラの葉に白いポツポツができるのも、イモムシの仕業です。前述したチュウレンジハバチの仲間である、オオシロオビクロハバチの幼虫の仕業でしょう。頭が黒いチュウレンジバチの幼虫とは異なり、オオシロオビクロハバチの幼虫は薄緑色なので発見しづらい害虫です。
白いポツポツは、オオシロオビクロハバチが葉の裏の葉肉をかじることで残る痕。表から見るとこの痕が白い斑点のように見えるのです。チュウレンジバチと同様に春から現れはじめ、葉肉をかじり続けるので成長に従って被害も拡大します。
オオシロオビクロハバチも早期発見、早期防除が基本です。春になったらよくよくバラを観察し、葉に白いポツポツを発見したら葉っぱごと切り取って捨てましょう。
バラの葉に元気がなく、全体的に白っぽくなっているならハダニの影響かもしれません。被害が拡大すると、葉の裏にびっしりとクモの巣が張ったような状態になり、やがてバラが枯れてしまいます。乾燥が続くと発生しやすく、夏の高温期にはご注意を。非常に小さな虫のため肉眼では見えづらく、殺虫剤も効きづらい厄介な害虫です。
ハダニの発生を予防するには、乾燥を避けるために1日1回、葉の裏側に水を散布すると効果的と言えるでしょう。ハダニは水が弱点でもあるので、水の散布によって繁殖力が落ち、さらなる繁殖を抑制する効果も見込めます。殺虫剤をハダニに使う場合、アブラムシなどに効いていたオルトランやスミチオンなどの殺虫剤系統の効果は期待できません。「殺ダニ剤」と呼ばれる専用の薬剤の使用をおすすめします。
開花目前だったバラのつぼみが一夜にして黒く変色して、折れ曲がるようにしおれて枯れてしまったーー。この症状が出たらバラゾウムシの仕業です。「バラ界の吸血鬼」とも呼ばれるバラゾウムシは、新葉や若い蕾の根元に穴をあけてエキスを吸って、バラを枯らしてしまいます。
バラゾウムシは体長3~5mmほどで、黒くて口が象の鼻のように長いという見た目が特徴です。アブラムシやハダニ、チュウレンジハバチの幼虫のようには頻出する害虫ではないですが、それでも数匹が群がることで大きな被害をもたらします。
バラゾウムシは危険を察知すると地面に向かって落下して逃げるという習性を持つ害虫です。そのため、枝を少し揺らすとぽとりと自分で落ちるので、この習性を狙って手のひらなどで空中で受け止めて捕殺しましょう。殺虫剤を使う場合はスミチオン乳剤などを散布します。
バラの薬剤には大きく分けて、病気を予防・治療する「殺菌剤」と害虫を退治する「殺虫剤」の2種類がありますが、今回は殺虫剤に限定してカインズで買えるアイテムをご紹介します。
バラの殺虫剤は同じものを使い続けると耐性ができて効果が低下する場合ががあり、複数の銘柄を交互に使うとよいでしょう。また、薬品が飛散してしまうので風の強い日の散布はNGです。各薬剤は説明書を確認し、害虫の種類や症状に合わせて有効活用してくださいね。
花や緑の幅広い植物に使える殺虫殺菌剤です。発生初期の病害虫の予防や、病原菌の侵入防止に有効。葉の表に掛けるだけで、葉の裏側まで浸透移行効果が期待できます。
葉や茎から吸収されて植物体内にいきわたり、広範囲の害虫に対して効果が持続する優れた浸透移行性の殺虫剤。アブラムシなどの植物の汁を吸う害虫はもちろん、イモムシなどの葉を食い荒らす害虫にも優れた防除効果を発揮します。
草花や庭木、野菜、果樹などを加害する広範囲の害虫に効果のある代表的な園芸用殺虫剤です。速効性に優れ、アブラムシやイモムシなど害虫の発生時に直接かけて退治します。水でうすめて散布しましょう。
バラの害虫と病気に、優れた効果のある殺虫殺菌剤。病原菌の細胞膜機能を阻害し、植物への侵入を防いで病気を防除します。そのままスプレーできるタイプなので、薄める必要などがない手軽さが嬉しいポイント。
最後に紹介するのは、100%食品由来のバラ専用の殺虫殺菌剤です。アブラムシやハダニが気になるけれど「農薬はできるだけ使いたくない」というオーガニック派の皆さんにおすすめです。
バラは病害虫の被害に遭いやすい繊細な植物。うどんこ病や黒星病(黒点病)といった病気をはじめ、年間を通して、今回紹介したようにアブラムシやハダニ類などさまざまな害虫被害にも注意が必要です。
できる限り害虫からの被害を抑えるためには、バラが好む環境で育ててあげることに意識を。栽培環境が整わない場所で栽培すると、上手く生育が進まずに病害虫のターゲットになるリスクが高まります。日当たりや風通しがよく、水はけのよい状態の良い土や環境を用意することで、バラの害虫被害の予防につながっていくことでしょう。