料理研究家・リュウジの簡単やばうまレシピ「手羽元と大根の塩煮込み」
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赤や黄色のみずみずしい実をつけるトマトは、夏を代表する野菜のひとつです。料理だけでなく、トマトジュースやトマト缶、さらにはケチャップなどの調味料の原料としても広く親しまれています。
そんなトマトは、虫たちにとってもごちそうです。家庭菜園で栽培しようとすると、多くの害虫が寄ってきます。葉や茎、花、果実について生育を阻害してしまいますから、しっかりとした対策と駆除が必要になります。
ここでは、トマトの害虫対策についてくわしく解説します。トマトにつきやすい害虫の種類、発生時期や被害について。予防法や、無農薬にこだわる方向けの手作り防虫剤についても紹介しますので、ぜひご覧ください。
葉に小さな穴があく:オオタバコガ
葉に小さな穴があいたら、オオタバコガという蛾の幼虫(イモムシ)の発生を疑いましょう。オオタバコガの幼虫は体長20〜40mmほどで、その多くが緑色や黄褐色をしています。
オオタバコガの幼虫は、トマトの葉や茎、蕾、果実を食害します。葉や果実に小さな穴が開いている場合、オオタバコガがいる可能性が高いでしょう。蕾を食べられて花が咲かない、茎を食われて株が枯れたという被害もあります。
5月下旬頃から成虫が発生し、トマトの葉や茎に卵を産み付けます。1匹の総産卵数は500〜600個ほど。一晩で200〜300個産んだ例もあり、放っておくと大量の幼虫が生まれます。
幼虫が活発化するのは7月上旬から。7〜10月にかけて約1カ月間隔で発生し続け、トマトに害を与えます。高い気温と乾燥した日が続くと増殖しやすいため、雨の少ない夏は特に注意してください。
オオタバコガの幼虫は食欲旺盛で、1匹でも大きな被害を引き起こします。見つけたらすぐに取り除きましょう。
トマトマモグリバエもトマトにつく害虫です。小型のハエで、体調は体長1.3〜2.3mmほど。成虫は黄色、幼虫は薄い黄色をしています。マメハモグリバエやナスハモグリバエとよく似ており、肉眼での判別は困難です。
トマトマモグリバエは5月頃から発生しはじめます。気温20〜30℃のあたたかい時期によく発生し、秋や冬は数が減ります。
成虫が葉の内部に卵を産み付け、孵化した幼虫が食害します。白いくねくねとした食害痕が葉に現れるのですぐにわかるはずです。その様子がまるで絵を描いているように見えるため、「エカキムシ」と呼ばれることも。葉につく害虫のため、果実には被害は及びません。
トマトの葉の裏に発生する白や黒の粒々は、タバココナジラミやアブラムシです。
タバココナジラミは体長1mmほどの昆虫です。成虫は白い翅を持ち、体は薄い黄色をしています。幼虫は薄い黄色です。あたたかい気温を好み、4〜11月頃に発生します。特に夏場の発生が多いです。
アブラムシはセミの仲間で、体長は1〜4mmほどです。日本では700種以上が発見されており、色も黒や緑、赤など様々です。発生しやすいのは5〜6月頃と9〜10月頃。繁殖力が強く、気づかないうちに大量発生してトマトを弱らせます。
タバココナジラミとアブラゼミは、トマトの葉や茎から栄養を吸い、生育を阻害します。排泄物にカビが生えて、すす病を引き起こすことも。特にタバココナジラミは、果実に着色異常を発生させたケースもあります。
ヒラズハナアザミウマは小さく細い昆虫です。体長は1.2〜1.8mmほど。成虫は、メスが茶色でオスは黄色をしています。幼虫はオスもメスも黄色です。日に10個以上の卵を産み、総産卵数は500個ほど。繁殖力のとても高い害虫です。
ヒラズハナアザミウマは花に寄生し、多くの病気の原因を作ります。花の子房に産卵し、その産卵痕が原因で白ぶくれ症を引き起こします。トマト黄化えそウイルスを媒介し、黄化えそ病を発生させることも。果実には着色不良も起こります。
4〜11月頃に発生し、特に多いのは梅雨時期を除いた6〜7月頃。レンゲやシロツメクサなどの花に集まるため、近くに咲いていると被害にあいやすいです。
他にも、トマトにつく害虫はいます。代表的な害虫は、トマトサビダニ、ヨトウムシ、ネコブセンチュウなどです。
トマトサビダニはダニの仲間です。微小な虫で、大きさは0.2mmほど。肉眼での発見が難しく、繁殖力もとても強いため、知らない間に被害が拡大します。初夏から秋にかけて発生しますが、寒さには弱く冬は見かけません。
葉や茎、果実について汁を吸い、栄養を失った葉は枯れてしまいます。果実も錆びたような茶色に変色します。放っておくと、いずれトマトは枯れてしまうでしょう。
ヨトウムシはヨトウガという蛾の幼虫です。発生時期は4〜6月頃と8〜11月頃。夜に活発化し、新芽や葉、果実を食害します。昼間は土に隠れているため、苗の近くを掘って見つけたら駆除しましょう。
ネコブセンチュウは細長い糸状の線形動物です。幼虫や卵の状態で土の中に潜み、植え付けられたトマトの根に侵入します。ネコブセンチュウが寄生した根はコブ状に膨れます。生育の阻害につながったり、根が腐って枯死する恐れもあるので注意しましょう。
トマトには多くの品種があり、耐虫性や耐病性があるものも存在します。
ネコブセンチュウ(主にサツマイモネコブセンチュウ)に強いのが「千果」という品種のトマトです。トマトモザイクウイルスや萎ちょう病にも耐性があり、丈夫で育てやすいのが特徴です。
他に、大玉トマトの「桃太郎シリーズ」もサツマイモネコブセンチュウへの耐性を持っています。特に「桃太郎ホープ」は黄化葉巻病にも強く、安心して栽培できます。
同じ場所で同じ科の野菜を育てていると、土の栄養バランスが崩れて連作障害が起きてしまいます。直前の株についていた害虫や病気が残留し、次の株に悪影響を及ぼしかねません。
トマトを地植えで栽培する場合は、連作を避けて、収穫後は数年畑を休ませましょう。プランター栽培の場合は、新たな株を植える前に新鮮な土に入れ替えてください。
肥料を与えすぎると、トマトの育ちすぎにつながります。葉が巨大化したり通常よりも生い茂ることで、日当たりや風通しが悪くなります。そうすると、じめじめと害虫の好む環境になり、虫が多く発生します。
また、肥料の与えすぎによる「窒素過多」はアミノ酸を増やします。アミノ酸は多くの害虫(特にアブラムシ)が好んでエサにするため、肥料を与えるほど害虫を引き寄せやすくなります。
肥料は適量与えるのがいちばんです。与えすぎてしまった場合は、水やりを控えて土を乾燥させ、吸収しにくくしましょう。
反対に、水を多めに与えて肥料を流してしまう方法もありますが、水のやりすぎは根腐れの恐れがあるので、様子を見ながら行いましょう。
害虫の多くは、成虫がトマトに飛来して卵を産み付けることで発生します。成虫をトマトに近づけないために防虫ネットを使用しましょう。
トマトにつく害虫は微小なものも多いため、網目が0.4mm以下のものが安心です。オオタバコガをはじめとした多くの害虫の侵入を防げます。隙間から入られないように、トマト全体をしっかり覆いましょう。
あらかじめ防虫剤を散布しておくと害虫がつきにくくなります。市販の防虫剤なら手軽に使えます。無農薬で育てたい方は、防虫剤を手作りするのもおすすめです。
防虫にはお酢が効果的です。市販のお酢を水に薄めて霧吹きで吹きかけます。希釈倍率は100〜500倍ほどにしましょう。あまり濃くすると、トマトにダメージを与える恐れがあるので注意してください。唐辛子とニンニクを漬けた酢を使うとより効果的です。
害虫対策としてコンパニオンプランツを植えるのもおすすめです。コンパニオンプランツとは、一緒に植えると害虫をつきにくくしたり、生育を促進させたりする植物です。
トマトと非常に相性のいいコンパニオンプランツは、バジルです。バジルは窒素を多く必要とするため、土壌の窒素過多を防いで害虫を減少させます。匂いには虫除け効果があり、トマトに付く害虫を遠ざけてくれます。
長ネギ、玉ねぎ、ニンニクといったネギ類もおすすめです。ネギの特徴的な香りは虫除け効果を持ち、害虫を寄せ付けにくくします。
アスパラガスを植えてもいいでしょう。センチュウ類を防ぎ、病気を抑える効果もあります。アスパラガスにとっても、トマトはジュウシホシクビナガハムシを遠ざけるため、お互いの成長を助け合えます。
購入した苗に害虫が潜んでいたというケースがよくあります。購入する前に苗をよく観察し、害虫がいるものは避けましょう。
害虫が発生しやすい植物を近づけないのも大切です。特に雑草には多くの害虫が寄生します。生えていたらすぐに取り除いてください。
トマトに害虫がついてしまったときは、早期発見と徹底的な駆除が重要です。早いうちに駆除できれば被害も最小限で済みます。駆除しきれないと被害が広がってしまうので、薬剤を使って全滅させましょう。
市販の薬剤の使用が手軽でおすすめです。トマト専用の殺虫剤もあり、トマトにつく害虫に効果が高いので、そちらを選んでもいいでしょう。
手での駆除も可能ですが、見逃してしまう可能性も高く、大量発生した場合はとても大変です。害虫がついてしまったときは、素直に殺虫剤を使いましょう。
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