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ブロッコリーの害虫対策|害虫の種類や駆除の方法などを詳しく解説します

スタッフ

株式会社カインズ グリーン・ガーデン部【公式】

株式会社カインズ グリーン・ガーデン部【公式】

ホームセンター・カインズのグリーン・ガーデン部が、お花・野菜・観葉植物・多肉植物・家庭菜園・庭造り・畑作りなどに関する専門知識や栽培方法、ノウハウなどを解説します。

ブロッコリーは栄養価が高いことでも知られる緑黄色野菜で、日本人の食卓になじみ深い野菜です。

そんなブロッコリーは、家庭菜園で栽培することができますが、多くの害虫がつくため対策が必要です。葉や茎、花蕾について株を弱らせるため、適切な駆除と防虫を行いましょう。

ここでは、ブロッコリーにつきやすい害虫の種類や、発生時期、被害について解説していきます。予防法や、一緒に植えると効果的な植物についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ブロッコリーの害虫発生サインと害虫の種類

ブロッコリーの葉についた害虫

まずは、ブロッコリーに害虫が発生したときのサインと、害虫の種類から解説します。

新芽が食べられる:ハイマダラノメイガの幼虫

ハイマダラノメイガとは蛾の一種で、ブロッコリーを含んだアブラナ科の野菜に発生します。

ハイマダラノメイガの幼虫はブロッコリーを食害します。特に新芽や若い葉を好み、葉の中に潜り込んで食べます。ブロッコリーの生育を著しく阻害するため、寄生されると被害が大きくなります。

幼虫は育ち切ったもので15mmほど。黒色の頭部に、薄い黄色と褐色の縦じまの体をしています。成虫は褐色の翅(はね)を持ち、翅の長さは9mmほど。ブロッコリーに飛来して卵を産み付けます。総産卵数は100〜200個ほどです。

5月頃から発生し始め、8〜10月に数を増やします。発生数はその年によって変化します。特に気温が高く雨が少ない夏は、発生数が増えやすいです。早期発見できるよう、よく株を観察しましょう。

植えてすぐの茎が食べられる:カブラヤガの幼虫

カブラヤガ・タマナヤガは、それぞれ夜に活動する夜蛾(やが)の一種です。カブラヤガは西日本に発生し、タマナヤガは東日本に発生しやすい傾向があります。

夜に活発化し、若い茎の根元を食べて株を倒してしまいます。また、若い葉を土の中に引きずり込んで食べます。1匹でいくつもの株を倒してしまうので、発見が遅れると被害が大きくなるため注意しましょう。

カブラヤガの成虫は茶褐色の翅を持ち、前翅長で23mmほど。タマナヤガの成虫はカブラヤガよりも大きく、翅は灰褐色、前翅長45mmほどです。

幼虫はイモムシ状で、暗い灰褐色をしています。40〜45mmほどまで成長し、夜行性で明るいうちは土の中にいます。植えて間もない株の根元を食いちぎるため、「ネキリムシ(根切虫)」と呼ばれることもあります。

発生時期は5〜10月頃の暖かい時期です。成虫が飛来して卵を産み付けます。カブラヤガは夏にやや多く、タマナヤガは春と秋に数が増えるでしょう。また、猛暑に見舞われた年は増殖しやすくなります。カブラヤガもタマナヤガも寒さには弱いです。

葉が食べられて白い跡が残る:コナガ

コナガは蛾の仲間です。世界的に発生している蛾で、ブロッコリーのみではなく、アブラナ科の野菜全般につきます。

コナガの幼虫は葉を食害します。薄皮を残して食べるのが特徴的で、葉に白い跡が残るのでわかりやすいです。そのまま放っておくと穴があくことも。植えて間もないうちに寄生されると、生育を阻害し枯死にもつながるので注意しましょう。増殖すると、葉だけでなく花蕾も食害します。

成虫は前翅長6〜7.5mmほど。メスは灰褐色、オスは黒褐色をしています。オスの翅にはひし形模様があり、英名「Diamondback moth」の由来にもなっています。

幼虫はイモムシ状で、10mmほどまで成長します。小さいうちは明るい緑色ですが、大きくなるにつれて緑色が濃くなります。

メスは一度に100〜200個ほどの大量の卵を産みつけます。繁殖力が高く、また成長も早いため被害がひどくなりやすいです。さらに薬剤への抵抗性が高く、多くの農薬が効かないため、増えると手に負えません。

発生時期は春と秋です。特に暖かい地域でよく発生します。5〜6月頃に幼虫が急増し、被害を広げます。夏に数を減らしますが、8〜9月頃にまた増えてきます。寒さに弱いため、冬場はほとんど見かけません。

葉の裏に黄色や黒の粒々がついている:アブラムシ

アブラムシは体長0.5〜3mmほどの昆虫でセミの仲間です。葉の裏や茎に大量発生し、ブロッコリーを弱らせます。

日本では、名前がついているものだけでも、700種類以上のアブラムシが確認されています。色も種類によって様々で、黄色、黒色、緑色など数多くの色をしています。

アブラムシの幼虫や成虫は、ブロッコリーの株について吸汁します。葉や茎、花蕾など株全体につくので注意しましょう。吸汁の他にも、排泄物で野菜がべとべとになったり、病気の原因となることも。特に「すす病」や「モザイク病」を引き起こす恐れがあります。

アブラムシはほぼ1年中発生し続けますが、特に春から秋にかけて多くなります。アブラムシは、メスだけで繁殖できる「単為生殖」という厄介な性質を持ち、短期間で爆発的に増殖するため、見つけ次第、速やかに殺虫剤で駆除しましょう。

葉や茎が食べられる:アオムシ・オオタバコガ・ヨトウムシなど

アオムシ、オオタバコガ、ヨトウムシなどのイモムシも、ブロッコリーの葉や茎を食害します。

アオムシはモンシロチョウの幼虫です。成長したアオムシの体長は3cmほど。3〜11月にかけて発生しますが、夏場は天敵が多いため数を減らします。葉や茎を食害し、放っておくと株の葉すべてを食べつくしてしまいます。数が多くなれば、花蕾も被害にあいます。

オオタバコガは蛾の一種で、幼虫がブロッコリーを食害します。幼虫は緑色や橙色をしており、体長は20〜40mmほど。成長初期は新芽や若い葉を食べ、大きくなると茎の内側に潜り込んで食べます。早めの対策が重要です。

ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、夜行性なのが特徴です。昼間は土の中に潜り、夜に葉や茎を食害します。「ヨトウムシ(夜盗虫)」の由来はここからです。

成虫のヨトウガは春と秋に発生し、合計で1200個ほどの卵を産みつけます。条件がそろうと大量発生してしまうので注意しましょう。成虫は薬剤が効きにくいため、幼虫の時期にしっかりと駆除しておくことが重要です。

ブロッコリーの害虫駆除に役立つ殺虫剤

ブロッコリーの害虫を予防する方法とは

防虫ネットをかけたブロッコリー

防虫ネットを被せる

ブロッコリーには数多くの害虫が飛来して卵を産み付けます。そのため、まずは卵を植え付けられない対策をしましょう。

方法は簡単で、ブロッコリーの苗全体に、植え付け直後から防虫ネットを被せてしまいます。簡単な方法ですが、これで卵を産み付けられなくなります。

網目は0.4mm以下のものを選びましょう。目の細かい防虫ネットで隙間なくしっかり覆うことで、高い効果を発揮しますよ。

肥料を与えすぎない

ブロッコリーの生育には十分な肥料が必要ですが、与え過ぎると「窒素過多」を起こします。窒素過多になると、害虫の好むアミノ酸が増えるため、より多くの害虫を呼び寄せてしまいます。

市販の肥料を使う場合は、説明書をしっかりと読んで、適量を与えましょう。たくさん与えたからといって、元気に大きく育つわけではないので、注意が必要です。

周囲の雑草をこまめに取り除く

ブロッコリーのそばに生える雑草を適度に残しておくと、害虫予防につながります。

雑草の生えている場所では、クモ類やゴミムシ類、ナナホシテントウなどが生息します。これらはブロッコリーにつく蛾類やアブラムシ類の天敵です。害虫を捕食し、数を減らしてくれるため、ブロッコリーへの被害も減ります。

さらに、雑草自体が害虫の接近を物理的に妨げることも。また、雨や水やりによる泥はねも防ぎ、病気も予防してくれます。

もちろん、雑草だらけになってしまうとブロッコリーの生育を妨げます。生えた雑草は適度に取り除きましょう。

出典:雑草の間作利用がキャベツ, ブロッコリー栽培の虫害軽減や生産性に及ぼす影響|山梨県総合農業技術センター

キク科の植物と一緒に植える

キク科の植物とブロッコリーを一緒に植えると、害虫を遠ざけられます。具体的には、レタス(特にサニーレタス)、サンチュ、春菊などです。

害虫を遠ざけられるのは、「アレロパシー効果」を期待できるためです。アレロパシーとは、アレロケミカルという物質を放出し、他の動植物を遠ざけることを言い、「他感作用」と呼ばれることもあります。また、キク科の野菜が持つ香りを嫌う害虫も多いです。

特にモンシロチョウやコナガはキク科を嫌います。近くに植えておくだけでブロッコリーに寄り付かなくなり、葉への産卵を予防できます。

フェロモントラップを設置する

害虫予防に「フェロモントラップ」を設置してもいいでしょう。フェロモントラップとは、メスのフェロモンの匂いでオスを引き寄せ、捕獲する仕掛けです。特にヨトウムシやオオタバコガ、コナガといった蛾類に効果的です。

フェロモントラップの効果は1カ月半ほど。害虫が発生しやすい梅雨明け頃に設置すると高い効果を得られます。うまくいけば、一晩で10匹近い成虫を捕獲可能です。

なお、設置場所には注意が必要です。ブロッコリーのそばに設置してしまうと、大量の蛾を引き寄せてしまい逆効果になります。ブロッコリーから5m以上離れた風上への設置がおすすめです。

また、夜間照明の位置も気を付けましょう。近くに照明があると、オスはそちらに引き寄せられてしまいます。照明の光が届かない場所へ設置するのがポイントです。

市販の防虫剤を使う

早いうちに市販の防虫剤を散布して、害虫がつくのを防ぐことも有効です。

植え付け前の土づくりの際、ネオニコチノイド系剤を散布すると、アブラムシやハイマダラノメイガ、コナガ、アオムシなどに効きます。ネキリムシ対策には有機りん系剤がおすすめです。

生育中は、合成ピレスロイド系剤がアブラムシに効果的です。ヨトウムシやコナガにはベンゼンジカルボキサミド系剤。ハイマダラノメイガにはBT剤を使うといいでしょう。

ブロッコリーの防虫におすすめの薬剤

ブロッコリーについた害虫は市販の殺虫剤で駆除しよう

害虫に葉を食われたブロッコリー

しっかりと予防していても、ついてしまう害虫もいます。ついた害虫には適切な処置をして、被害を最小限に食い止めましょう。早期発見し、徹底的に駆除すれば、ブロッコリーはしっかり育ちます。

害虫がついてしまったときは、市販の殺虫剤で駆除しましょう。自力での駆除は数が少なければ可能ですが、大量発生してしまうと手に負えません。殺虫剤の使用が手軽で確実です。多くの種類が販売されていますので、駆除対象に効果的なものを選んでください。

ブロッコリーの害虫駆除におすすめの殺虫剤

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