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ガーデニングや家庭菜園をしていると気になるのが害虫による食害。駆除したいと思うものの、なるべく薬剤は使わずに育てたいと考える方が多いと思います。そんなときに便利なのが「木酢液」です。
木酢液とは、木炭や竹炭を作る時に発生する煙を冷やして液体にしたもの。害虫は木酢液の焦げ臭いような酸っぱい香りが苦手なため、虫除けに効果があるとされているんです。
この記事では木酢液の効果や作り方、使い方などを解説します。自然のもので害虫予防をしたい方はぜひ参考にしてみてください。
前述したように、木炭や竹炭を作る時に発生する煙や水蒸気を冷やして液体にし、さらにろ過して不純物を取り除いたものを「木酢液」と呼びます。(竹の場合は「竹酢液」とも)
木酢液の成分は約90%が水分で、残りの10%が有機化合物、有機化合物のうちの5%が酢酸、残りの5%がフェノール類・アルコール類の約200種類の成分が含まれています。作りたての状態では有害成分が含まれていることがあるため、数ヶ月放置してろ過することで家庭でも使えるようになります。
木酢液は焚き火をした時のような、焦げ臭く少し酸っぱい香りがします。成分はもちろん、この独特な香りも虫除けに効果があるとされており、ガーデニングや家庭菜園の害虫予防として使われているんです。
木酢液は虫除け以外にも、次のような効果が期待できます。
木酢液にはアルコール成分が含まれているため、堆肥に混ぜると発酵が促進され栄養豊富な堆肥を作ることができます。また、温度が上がるのが早くなるため、切り返し(発酵が始まっている堆肥を発酵途中に積み替えて、均一に発酵させる作業)も早めに行う必要があります。
木酢液にはフェノール類が含まれているため、土壌に混ぜて使うことで細菌を殺菌したり、アルカリ性の土を中和させたりなど土壌改良できます。大きな花芽を持たせたい方や野菜の収穫量を上げたい方におすすめです。
うどんこ病や疫病、モザイク病などの病気を防ぐことができます。木酢液をかけても光合成はしっかりできるため、芽や実に養分がまわり大きく育ちます。病害虫予防に加えて、植物が元気に育つのもポイントです。
木酢液には、ネズミやハクビシンなどの害獣を忌避する効果もあります。木酢液の焦げ臭い匂いは、動物にとって火事を連想させるため寄せ付けなくできます。害獣のすみかや通り道に撒くのがおすすめです。
木酢液は、ペットの糞尿の嫌な匂いを和らげたいときにも使うことができます。木酢液にはアンモニア臭を中和させる働きがあるため、犬の散歩の際に使ったり、野良猫の糞尿被害で悩んでいる方におすすめです。
木酢液の効果がわかったところで、さっそく木酢液の作り方を見ていきましょう。ここでは次の2パターンの作り方をご紹介します。
それぞれ詳しく見ていきます。
1つ目は市販の木酢液の原液を使って、オリジナルの木酢液を作る方法です。木酢液を購入して、にんにくや唐辛子を加えるだけなので、2.の方法よりお金や手間をかけずに作ることができます。
まずは木酢液の原液を用意しましょう。ホームセンターや園芸店、オンラインで購入できますが、現物を見て購入するのがおすすめです。中には沈殿物があったり色が濁っていたりするものがあるため、沈殿物がなく透き通っているものを選ぶようにしましょう。
漬け込む容器は、蓋付きのガラス製の瓶などがおすすめです。鉄やアルミ製の容器だと溶けてしまい、木酢液に混ざってしまうことがあるため注意しましょう。にんにくや唐辛子を入れやすいように口が広いものを選んだり、ジョウロやスプレーに移し替えることを考えて注ぎやすいものを選んでください。
木酢液と容器が用意できたら、最後に漬け込む素材を用意します。にんにくや唐辛子には、害虫や害獣が嫌がる匂い・成分が含まれているため、木酢液と合わせることでより効果を発揮します。にんにくを入れる際はすりつぶして入れるようにしましょう。実際に植物に使う時に飛び出ないように、ティーバッグに入れてから漬け込むのがおすすめです。
1ヶ月〜2ヶ月ほど漬け込んだらオリジナルの木酢液の完成です。使用する際は水と合わせて希釈し、ジョウロやスプレーに移し替えて、病害虫の予防をしたい野菜や植物の葉などに散布します。
2つ目は、木酢液の原液そのものをイチから作る方法です。この方法は炭焼窯が必要なことや完成までに手間と時間がかかることから、一般家庭で作るのは難しいですが、原液からこだわって作りたい方は挑戦してみてください。
・木タールなど捨てる際は自治体と相談して処分する
木酢液を半年以上保管したり、蒸留精製を繰り返すと、木タールやメタノール、ホルムアルデヒドなど有害な成分が残ります。そのまま土壌に捨ててしまうと微生物が死んでしまい、植物が育たない環境になってしまうため、必ず自治体と相談してから処分してください。また引火性もあり危険なため、火の近くでは扱わないようにしましょう。
・木酢液はよく晴れた風のない日に作る
木酢液をよく晴れた風のない日に作るのがおすすめです。木酢液に雨水が混じったり、風で煙が流れてしまうことがあるため、純度の高い木酢液を作りたい方は注意しましょう。
・まわりに人家がない場所で作る
木酢液を作る際は、まわりに人家がない広い場所で作るようにしてください。木を焼くため、煙はもちろん焦げ臭い匂いが広がるため、近所迷惑になってしまうことがあります。
・木酢液として使えるまでには半年以上かかる
作り方でも説明したとおり、木酢液として使えるようになるまでには半年以上かかります。半年置いた後も蒸留精製を繰り返したり、取り除いた不純物を処分したりとかなりの手間がかかるため、今すぐ使いたい方は市販の木酢液を使うのがおすすめです。
木酢液は原液のままだと殺菌成分が強すぎるため、必ず希釈して使いましょう。市販の木酢液の中にはすでに希釈されたものもあるため、パッケージに書かれている使い方を確認してから使うようにしてください。
水1リットル当たり、木酢液を200〜500ミリリットル加えて虫除けスプレーを作ります。スプレーボトルやジョウロに入れて虫が出やすい場所に撒きましょう。虫が付きやすい植物や野菜にも撒く場合は、傷めないように500〜1000倍くらいに薄めて使うようにしてください。1週間に1度の頻度で撒くのがおすすめです。
水1リットル当たり、木酢液を10〜20ミリリットル加えて堆肥に混ぜ込みましょう。木酢液を混ぜ込むことで発酵が促進され、ふかふかの良質な堆肥が出来上がります。
水1リットル当たり、木酢液を10〜20ミリリットル加えて土壌に散布しましょう。植物や作物を植える1週間前までに行うようにしてください。まら、1ヶ月に1〜2回の頻度で混ぜ込むと、土壌に微生物が増えて土が豊かになりおすすめです。
水1リットル当たり、木酢液を1〜2ミリリットル加えて植物に散布しましょう。花や葉の表だけでなく、裏にもしっかり散布してください。木酢液を撒くことで、病害虫の予防の他にも根の張りが良くなったり、花や葉の色つきが良くなるなど活性化にも効果があります。1ヶ月に2〜3回の頻度で行うのがおすすめです。
水1リットル当たり、木酢液を200〜500ミリリットル加えて散布しましょう。ネズミやハクビシンの通り道やすみかに撒くことで、害獣を寄せ付けなくできます。かなり濃い目に希釈するため、植物や野菜などにかからないように注意してください。
水1リットル当たり、木酢液を20〜100ミリリットル加えて散布しましょう。糞尿の嫌な匂いが和らぐ効果があります。犬の散歩中に使ったり、牛や豚などの家畜の糞尿の匂いを抑えたいときにおすすめです。
いかがでしょうか。ここまで木酢液の効果や作り方、使い方について解説してきました。薬剤を使わず、なるべく自然のもので虫除けをしたい方や、土壌改良・植物の病害虫予防をしたい方はぜひ木酢液を使ってみてください。イチから作るには手間がかなりかかるため、最初は市販の木酢液の原液を使うところから始めてみましょう。