車の下から飛び出し選手権 全国大会2023
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こんにちは、フリーライターの中川實穗(なかがわみほ)です。リモートワーク生活も1年半が過ぎようとしていますが、みなさん、体はなまっていませんか?
わたしはなまってます!
リモートワークで通勤がなくなった人たちの間で、運動不足解消のために「筋トレにハマった」という話をよく聞きますが、実はわたしもその一人。もともとフリーランスなのでコロナ前からリモートワーク生活だったのですが、取材もリモートになり、食事や旅行などへ気軽に出かけられなくなったことで、体もなまるし、気も滅入るしで、人生で初めて(!)筋トレを始めました。内容は自己流。腹筋やプランク、上体をねじる運動など、手軽なものをいくつか、時々サボりながらもほぼ毎日やっていました。
そこから1年半……。
自己流なのでちゃんとできていたかは不明ですが、適度に体を動かすのが心身にいいことは実感済みです。脂肪は落ちるし、仕事もはかどるし、なにより体調がいい。でも、1年半も同じ筋トレをやり続けていると慣れちゃうからか、最近また体がなまっていました。それに、猫背や反り腰など、慢性的な悩みも抱えていました。
ずっと同じ姿勢でいると腰が痛い!
もしかしたら、もっといい筋トレがあるかもしれないと思っていたところ、どうやら「ダンベルがいい」という噂を耳に。さっそく、筋トレ関連の著書も多数出されている荒川裕志先生にお話を伺いました!
荒川裕志先生
国際武道大学体育学部教授。1981年、福島県郡山市生まれ。早稲田大学理工学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。国立スポーツ科学センター研究員を経て現職。専門はバイオメカニクス、トレーニング科学。スポーツ科学の研究者でありながら、元プロ格闘家としての顔も持つ。
まずは「筋トレの基礎」について、荒川先生にお話を伺っていきます。
──すごく根本的な質問ですが、運動不足に筋トレは有効なのですか?
「そもそも筋肉には、使えば使うほど増進していくし、使わなければ衰えるという原則があるので、もちろん有効です。“体力をつける”ということに関して言えば、『筋肉をしっかり使って筋肉自体を強くする』と『心肺機能を強くする』という2点が重要になりますが、筋トレは前者に有効なものです」
──なるほど。体力をつけたいなら、心肺機能を強くするような運動も一緒にやったほうがいいのですね。
「そうですね。ウォーキングや自転車、水泳など、全身を使って同じことを繰り返す周期的な運動がそれにあたります」
──では、『筋肉をしっかり使って筋肉自体を強くする』運動でダンベルを使うと、どういうところがいいのですか?
「筋トレというのは、適切な負荷をかけることでより効果が出るという原則があるんです。筋トレの目的は筋肉を強くすることですが、手っ取り早く効果をあげたいじゃないですか。効果が出にくくて大変なことって、やりたいくないですから」
筋トレは「適切な負荷」をかけるとより効果が出る
──そりゃもう、間違いなくそうです。
「少ない労力で高い効果を出したいなら、1セット10回くらいしかできないような負荷をかけてトレーニングをするのが一番効率がいいわけです。軽い負荷だと、余計に辛いんですよ。何十回もできちゃうけど、やってるわりに効果が出ないから。だから、さっさとトレーニングを終わらせるためには、負荷は重くしたほうがいい。そのために、自重だけではなく、ダンベルの重量を使って負荷をかけましょうということです」
──つまりダンベルを使うって、いいことづくめなんですね! 納得しました。それでは、ダンベルの重さはどう選んだらいいのですか?
「これは一概には言えません。種目によっても変わりますし、腕のトレーニングと脚のトレーニングでも違いますし」
──これから始めたい方に向けた、なんとなくの目安はないですか?
「う~ん……目安という目安はないんですけど、運動していない女性であれば、下半身の筋トレは3~5kg、上半身の筋トレは3kgくらいのダンベルを使っていることが多いですね。同じく男性は、下半身で10~15kg、上半身は10kgくらい。でもこれは、本当に人によりますから。オススメは、重さを調節できる可変式のダンベルです」
──お店で相談できるとよさそうですね。ダンベル筋トレをやるうえで注意すべきことはありますか?
「フォームは大事です。なぜかというと、筋トレにはターゲット部位があるから。ちゃんとそこに負荷がかかるようなフォームを身につけることが大事です。あとは可動域を全部使う。『可動域を全部』というのは、例えばスクワットならなるべく深くやる、というようなこと。しゃがめるだけしゃがむ、曲げられるだけ曲げる、というイメージです」
──は~、それはきつそう……。
「それと、動きをコントロールすること。上げ動作も下げ動作もじわじわと動かしてください。ヒョイと持ち上げたり、ストンと落としたりしない」
──ゆっくりは絶対辛いです(泣)。
「(笑)。むやみにゆっくりする必要はないですけどね。勢いでヒョイヒョイやらないということです」