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噛むのが大好きな小鳥が、ボールを夢中で転がし、かじって、壊して、遊んでストレスを発散! そのボールは、さらにおいしく食べられて、小鳥の健康もサポートしてくれる!?
フードなのにおもちゃにもなる、という驚きを与えてくれるのが、鳥用おやつの「トイスナック」。主に小動物向けのフードを製造開発するナチュラルペットフーズ株式会社が開発した商品です。
こんなにユニークな「トイスナック」は、一体どのように開発されたのでしょうか? そして、いつの間にか進化していた鳥用フードは現在、どのような状況にあるのでしょうか?
近年の鳥用フードのトレンドも含めて、「トイスナック」の開発に携わったナチュラルペットフーズの業務企画部・斉藤紀子さんと小川裕雅さんにお話を伺いました。
左:ナチュラルペットフーズ株式会社 業務企画部 斉藤紀子さん 右:同社 業務企画部 小川裕雅さん(リモートにて取材)
茨城県桜川市に本社を構えるナチュラルペットフーズ。小鳥用フードの製造開発や飼育用品を手掛けるほか、うさぎ、ハムスターといった小動物のフードや飼育用品も扱っている会社です。
2018年3月に発売された「トイスナック」は、主にインコ類の“かじる、壊す”といった習性を満足させることに注目して開発したものだと説明する斉藤さん。今や鳥のフードも、単に“食べるためのエサ”の域ではなくなってきているようです。
「以前は、鳥かごの中で小鳥を飼って姿や鳴き声を楽しんだり、繁殖を目的として飼育されたりする方が多かったように思います。ですが、今では手乗りが主流となり、飼い主と鳥さんが触れ合う時間がとても増えています。ですから、コミュニケーションの一環で、遊びながら食べさせるということが一般的になってきているのではないでしょうか」(斉藤さん)
このような背景から、食事としてのフードに加えて、かごの外や中で遊びながら食べるおやつという新しい需要が、ここ10年で増えつつあります。「トイスナック」のアイデアもずいぶん前から社内で出ていたそうですが、商品化するまでに2年を要したと斎藤さんは言います。
「商品化に時間がかかったのは、まず形状と大きさの問題ですね。どんなサイズで、どんな硬さであれば、鳥さんが食べやすく、かじることができるか。それを決めるまでに時間がかかりました。最終的には、ころころと転がって、手で持って食べる習性のある鳥さんたちが掴めるサイズの、ボール状を採用したんです」(斉藤さん)
さらに「転がしても崩れない」、けれども「かじると少しずつ崩れる」という、絶妙な硬さに行き着くまでにも試行錯誤があったそう。
「そこはかなりせめぎあいで(笑)。何度も試作を繰り返し、当社で飼育している7羽の鳥たちに協力してもらって検証しました」(斉藤さん)
ナチュラルペットフーズで飼育されている鳥たち。写真上段左から、文鳥のおもち、オカメインコのぴか、コザクラインコのひよ。下段左から、マメルリハのきき&らら、セキセイインコのここめ&こむぎ
もちろん、立ちはだかる壁はこれだけではありません。斉藤さんと一緒に開発を担った小川さんは、配合する穀物のセレクトにも苦労したと話します。
「どんな種や穀物をどう配合すれば、どういう鳥さんが喜んで食べてくれるのか。結局は“食べるおやつ”なので、遊ぶだけでなく食べてもらうことも考えていくと、なかなか難しかったですね」(小川さん)
「『トイスナック』には、鳥さんの腸内環境を維持するために乳酸菌を配合しているのですが、それをどうしたらうまく混ぜられるかという部分も、かなり悩みました」(斉藤さん)
時間をかけて丁寧に開発し、ようやく商品化された「トイスナック」。パッケージも“おもちゃ感覚”が伝わりやすいようにと、かわいいデザインにこだわっています。そうした努力の甲斐あって、発売後の手ごたえは大きかったと小川さんは言います。
「これまでの市場にはない商品だったので、小売店のバイヤーさんの反響がかなり良かったですね」(小川さん)
「あとは購入してくださった飼い主の方が、SNSに『トイスナック』で遊んでいる鳥さんの動画をあげてくださっているのを見かけることがあって。遊びながら食べるおやつを楽しんでもらえているなと実感しています」(斉藤さん)
トイスナックを夢中で追いかけ、かじって食べるコザクラインコのひよ
現在、「トイスナック」は、小・中型インコ類向けの「パラキートボール」と、中・大型インコ類向けの「パロットボール」に加え、「オーツ麦ボール」と「ヒマワリボール」というフレーバー2種類が追加発売され、バリエーションが4種類に。
「パロットボールやパラキートボールが、基本的な種や穀物などの配合なのに対して、後発のものはおやつとしてメジャーなオーツ麦とヒマワリの2種類を用意しました。よりおやつ感を出して、ご褒美感覚で使ってもらえたらという思いを込めた商品です」(斉藤さん)
「今後も、より良い素材があれば、フレーバーを増やしていきたいと思っています」(小川さん)
「あとはサイズ感や硬さなどを、さらに改良して変化をつけていきたいですね。種の配合内容を変えたり、別のものを入れたりできればと考え中です」(斉藤さん)