【乙女心に刺さる花言葉】ロマンチック花束選手権
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こんにちは。ライターの大塚たくまです。
9月1日は関東大震災が発生した日で、「防災の日」です。防災で大切なのが「備え」です。
断水、停電。ガスが使えなくなることもあるでしょう。そんなときに活躍するのが「非常食」です。さまざまなメーカーから非常食が発売されており、温めずに水だけで食べられるものもあるのだとか。
しかし、なんとなく気になることがあります。
「非常食って、まずいんでしょ?」
じつはぼく、非常食を食べたことがありません。そこで、今回は実際に販売されている、加熱する必要のない非常食を食べてみたいと思います。
まずはアルファー食品のアルファ化米「安心米」を試してみようと思います。なんと、水をかけると60分でご飯になるのだとか。電気やガスを使わずにご飯にありつけるの、ありがたい。
中のお米を見てみると、知っているお米の形とはかなり違う感じ。アルファ化米とは「炊いたり蒸したりしたお米を、熱風で急速乾燥させたもの」とのこと。カップラーメンみたいに注水線まで水を入れて、スプーンでぐるぐるかき混ぜ、60分待つと……。
できました!! 見た目はまさにご飯。なんだこれ、すごい……。
水で作っているので、もちろんあったかくはないんですけど、ちゃんと美味しく食べられました。一粒一粒はっきり粒だったような食感はありませんが、ちゃんとご飯の「もっちり感」は感じられます。
嫌なニオイも一切なく、美味しく「ご飯」として食べられるし、満足感もばっちり。お米の甘い味もします。これはすごい。
そのまんま食べられる、杉田エースの「イザメシ」シリーズにも挑戦してみました。まずは手始めに「メープルデニッシュ」。
缶を開封すると、こんな感じでぎっしりとデニッシュが。
缶を開けた瞬間から、メープルの甘い香りが。食感はなかなかもっちりしていて、お腹にちゃんとたまる感覚があります。
「煮込みハンバーグ」は、マイルドな味わいのデミグラスソースで煮込まれています。しっかり食感のあるきのこも入っていて、満足感はばっちり。
やさしくて自然な味わいで、冷めていても塩辛すぎることもなく、美味しく食べられます。さっきの白ご飯とよく合う。
※「煮込みハンバーグ」は、2022年7月1日にパッケージ・中身共にリニューアルされました。ソースにマッシュルームが追加され、パテがふっくらと柔らかな食感となっています。写真は従来品です。
冷めているけど美味しいハンバーグとご飯。いいお弁当を食べているような満足感ですね。避難生活中に、これはありがたいなぁ。
「まんぞく豚汁」も冷めているのに、冷製スープとして食べられます。お母さんが昨晩作った豚汁を鍋に入れたままにしているのを、温めずに食べたような。インスタント豚汁っぽい感じがしないんですよ。
冷めても美味しいんだから、温めたらめっちゃ美味しいんだろうな……。
「りんごが決め手の生姜焼き」は、豚肉がホロホロで、肉の旨味がしっかりとありました。塩辛すぎない、マイルドな味付けが特徴です。
「ごろごろ野菜のビーフシチュー」は、さすがに冷めたままでは美味しくないんじゃないかと思いましたが、思いのほかさわやかな味わいで美味しく食べられました。トマトが効いてて、さっぱりしており、冷めていても美味しいです。すごい。考えられている。
……ということで、あろうことか、何を食べても美味しかったんですよ。
これ、もう別に避難生活とかじゃなくて、日常で食べられるじゃん。
いったいどんな人たちがどうやって、こんなに美味しい非常食を作ってるのか興味が出てきたので、安心米のアルファー食品さんと、イザメシの杉田エースさんの広報にインタビューをしてみました。
まずは安心米について、アルファー食品の今坂さんにお話をうかがいます。
アルファー食品 今坂さん
今坂さん
もともとは50年以上前に製造販売した学校給食向けのアルファ化米がきっかけでした。
大塚
えっ、学校給食がきっかけなんですか? 災害がきっかけじゃないのか。
今坂さん
そうなんです。学校給食って、昔はもともとパンが主流だったんです。米飯給食を普及させたくても、大量に炊飯する設備がなくて、パンの機械で炊こうとすると炊きムラができたり、問題がありました。そこで、学校給食向けにアルファ化米を供給することになったんです。
大塚
では、もともとは非常食ではなく、普段使い用として、開発されたものだったんですね。
今坂さん
もともと非常用としてスタートではないんですよ。だからこそ、普段使いできる美味しさには開発当初からこだわっています。
大塚
美味しい理由がわかりました。今「安心米」として、個食の袋で売られているようなものが、学校給食でも普通に食べられているということですか。
今坂さん
いえ、学校給食やご家庭用のものと非常食用とは、賞味期限によって加工度合いが違います。お湯を入れて待つという作り方ではなく、加熱も必要です。ただ、簡易的に炊飯できるようになっています。
用途に応じて加工度合いを調節する(アルファー食品公式サイトより)
大塚
ある程度の設備はあるわけですから、別にお湯を入れて待つだけでできるレベルまで加工しなくていいですもんね。
今坂さん
加工度合いと利便性のバランスが重要になります。
大塚
市販している安心米のこだわりポイントは、どのようなところでしょうか。
今坂さん
長持ちするということですね。安心米は5年以上の賞味期限を設定しており、パッケージは光を遮る素材にしていたり、脱酸素剤を封入するなど、品質管理にこだわっています。
大塚
そんな安心米が防災用として注目を浴びるようになったきっかけはどこからなんでしょうか。
今坂さん
非常用のアルファ化米は阪神・淡路大震災に避難所で活躍し、被災地支援の貢献が認められ農林水産大臣賞を受賞しました。
大塚
そうだったんですね。そのときに非常食としての価値に世間が気づいたというわけか。
今坂さん
そうですね。ただ、当時は非常食における「食物アレルギー」という面までは、まだ考えられていなくて。
大塚
たしかに。避難所で「食物アレルギー」をお持ちの方は大変ですね。
今坂さん
阪神・淡路大震災のときは「食物アレルギー」により食べ物が食べられなくて、苦しむ方がいらっしゃったそうです。
大塚
それは重大な問題ですね。
今坂さん
そこで、弊社がパイオニアとして食物アレルギーに対応した米飯の非常食の開発を始めたわけです。
安心米は食物アレルギー対応(C)アルファー食品
大塚
避難所にアルファー食品さんの非常食を置いておけば、食物アレルギーをお持ちの方でも、安心して食べられるわけですね。
今坂さん
現場ではひとりひとりの食物アレルギーの有無まで配慮して、食事提供できないという現実があります。そういった状況で、弊社の非常食はお役に立てるはずです。現在、全国の自治体や避難所で採用されています。
大塚
開発した当時から、改善された部分はありますか。
今坂さん
味に関しては、改善されていると思います。じつはアルファ化米って、登山者に人気でして。そういった方が昔からアルファ化米を食べていらっしゃるんですけど「最近の商品は美味しくなったね」と言ってもらえます。
大塚
昔は今ほどは美味しくなかったんですか。
今坂さん
お米のニオイが気になるという方や、酸味を感じることがあったという声をお聞きします。
大塚
えっ、そうだったんですか。今の「安心米」に、ニオイや酸味で気になる点はまったくなかったですよ。そんなに改善されているんですね。
今坂さん
お米はもちろん、具材もどんどん改良を重ねているので、美味しくなっていると思います。
味ご飯系は白米に具材を足す
大塚
パッケージに「大盛り一杯分」って書いてあるんですけど、これはなぜですか? 多すぎると不都合もあるのでは……?
今坂さん
いざというときに食糧が安心米しかなかったときにも、エネルギーを補えるようにしています。
大塚
なるほど。それで、こんなに量が多いんですね。パッケージにはさまざまなマークが記載されていますね。
今坂さん
非常時に、外国人の方でも判断しやすいように、ピクトグラム風のマークを多く採用しています。また、非常時だけでなく、外国人のお土産としても喜ばれるように「MADE IN JAPAN」と記載しています。
大塚
たしかに。炊飯器をお持ちでなくても、お湯をかけるだけで日本のご飯が食べられますね。持ち帰りにぴったりだ。
今坂さん
そうですね。非常食と考えるだけでなく、アウトドアに活用するなど、さまざまな活用方法があるので、積極的に使っていただきたいですね。
大塚
備蓄するだけだと忘れてしまって、非常時には賞味期限が切れているということもあるでしょうからね……。気軽に消費できる美味しいご飯なので、ぜひ食べてほしいですね。
今坂さん
日常で食べておくことには意味があります。味付けにも好き嫌いがあるでしょうから「普段は五目ご飯が好きだけど、味付けが好みじゃない」とかもあると思うんです。ご家族のことも想定し、どの安心米が好きなのかわかっていれば、備蓄するものも変わるでしょう。
大塚
たしかに。好物と思って買い込んでいたのに、いざ非常時に食べて口に合わなかったら、なかなかつらいですもんね……。よし、自分好みの安心米を探そう!
続いて、加熱しなくても美味しく食べられた「イザメシ」を販売している、杉田エースさんの広報にもインタビューにお答えいただきました。
杉田エース 谷山さん
大塚
恥ずかしながら、杉田エースさんという食品会社を初めて知ったのですが……。
谷山さん
いえ、私たちは建築の金物、建築資材を主に扱っている会社です。
大塚
あれ、建築の会社なんですか。なんで、こんな非常食を……?
谷山さん
取引先の中にホームセンターもあるんですが、災害の現場で非常食の供給が追いつかないのを目の当たりにしまして……。
大塚
えっ、それが原因で建築の会社なのに非常食を取り扱い始めたんですか。
谷山さん
そうなんです。東日本大震災のとき、被災地を見に行ったときに、非常食に味気ないものが多くてですね……。それで、弊社でなんとかできないかと思い、開発したのが「イザメシ」です。
大塚
食品を製造するというのは、かなり苦労があったんじゃないですか?
谷山さん
はい、弊社に食品工場がないので……。いろんなメーカーさんとお話を持ちかけながら、開発を進めていきました。おかずならおかず系を作っているメーカー。パンならパンを作っているメーカーに。
大塚
ラインナップが豊富だから、メーカーとの打ち合わせも大変ですね。
谷山さん
非常食でおかずからデザートまで、幅広く取り扱い始めたのは弊社が先駆者と言っても良いと思います。
(C)杉田エース
大塚
食品会社じゃないのに、これだけのラインナップを準備するのはかなり大変だと思うんですが……。
谷山さん
やはり東日本大震災のときに、食べ物の味気なさが問題だと感じましたので。1年半ほどの開発期間を経て、2014年にイザメシが発売されました。
大塚
発売当時、何種類ほどのラインナップがあったんでしょうか。
谷山さん
23種類ですね。
大塚
23種類!? めちゃめちゃ多いですね……。
谷山さん
やはり日常生活で食べているものを、避難生活中も食べられるようにしたいという想いがありました。そこからも、ラインナップは増やしています。
大塚
こういった新商品を開発するのって、かなりコストがかかると思うんです。果敢にトライしていくのには、どのような想いが背景にあるんでしょうか。
谷山さん
避難生活中はもちろんですが、アウトドアシーンや、「ちょっと疲れてて、食事の準備が面倒」というときにも、使ってもらえることを想定しています。
大塚
日常で食べても違和感のない美味しさでした。備蓄になるだけではなく、日常でも普通に使えるのがベストですからね。味わいも自然で、日常で食べやすい。
谷山さん
商品を開発する際、食材の旨味を引き出して、調理することに気を配っています。家庭で普段食べているような味に近づける努力を行っています。
大塚
長期保存しても大丈夫な味にしないといけないんですよね。
谷山さん
そうですね。1年、2年と時間が経過したときに、どのような味に変化するのかということを想定しながら、味づくりをしています。
大塚
長期保存食ならではの配慮ですね……。
谷山さん
たとえば『りんごが決め手の生姜焼き』の場合、肉はレトルトをかけるとかたくなってしまうんです。そのため、直接肉をレトルトにするのではなく他食材とは別の工程を増やすことで、かたくなることを防いでいます。
大塚
なるほど。そのような工夫をすることで、この美味しい保存食が実現していたんですね……。
杉田エース イザメシ 煮込みハンバーグ
「ローリングストック」という言葉をご存知ですか。
「ローリングストック」とは、日常で食べる食品を少しだけ多めに買っておき、古いものから消費し、消費した分だけを買い足していくという方法です。
食べ物を全部使い果たしてから買い物をするのではなく、常に一定量の食品が残っている状態を維持することが重要になります。
非常食用の食品は長期保存が可能であり、ローリングストックを実現する、大きな支えになります。しかも、美味しいし楽ちんなので、食べたいときは日常で食べちゃってもOK。とっても便利なんです。
ぜひ「安心米」や「イザメシ」を活用し、あなたも「ローリングストック」から防災意識を高めてみませんか。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
大塚
「安心米」開発のきっかけを教えて下さい。