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【レシピあり】「牛乳離れ」はなぜ起きた? 牛乳を食べて・飲んで未来を救え

メーカー

一般社団法人Jミルク

一般社団法人Jミルク

生乳・牛乳乳製品の生産および流通の安定、消費の維持拡大を通して、国民の健康の増進や食生活の向上などを目的に活動。「土日ミルク」「乳和食」など牛乳の楽しみ方を分かりやすく伝えている。

最近おいしく牛乳を飲んでますか?

栄養満点の牛乳

栄養満点の牛乳。最後に飲んだのはいつでしたか?

子どもの頃は学校給食で毎日のように飲んでいた牛乳ですが、いつしか日常から遠のいてしまったようにも感じます。大人でも牛乳の摂取量を増やすために、手軽に牛乳を飲む工夫を知りたい……。

そこで訪ねたのは、「牛乳のプロフェッショナル」であるJミルク。Jミルクは酪農家や乳業メーカー、牛乳販売店といったミルクサプライチェーン、関連団体など牛乳と乳製品の生産から供給に関わる関係者で構成された一般社団法人です。Jミルク・コミュニケーショングループの林雅典さんとラフォリ裕子さんが笑顔で迎えてくれました。

Jミルクのラフォリさん(左)と林さん(右)

Jミルクのラフォリさん(左)と林さん(右)

コロナ禍で変わった牛乳の消費事情

実は、新型コロナウイルスの流行が、牛乳の消費に多大な影響を及ぼしているのをご存じでしょうか?

2020年の緊急事態宣言下では、休校措置及び学校給食の停止、飲食店の休業で牛乳の需要が大きく減りました。そして、3年経った現在でも消費量は完全には回復せず、一部の農場で生乳が廃棄されています。

コロナ禍の牛乳消費事情

牛乳・乳製品の需要は業務用と家庭用の2つ。業務用は喫茶店などの飲食店やパンや菓子、飲料の製造業者などに使われるもので、牛乳だけでなくバターや脱脂粉乳なども対象になります。家庭用は私たち消費者がスーパーなどで購入するものを指します。業務用・家庭用双方で消費量が落ちている要因は、新型コロナウイルス流行に加えて、海外情勢や国内の物価高騰も一因にあげられます。

林雅典さん プロフィール

林さん

海外からの旅行者も増えてきていますが、以前ほどは回復していません。それに伴い牛乳や乳製品の消費も戻りきっていません。物価高騰は生産者からすればコスト増、消費者からすれば家計の悪化(=消費減)と双方に影響を与えています。

余剰分の牛乳はバターにすればいい?

バター

生乳が廃棄されたと聞くと、消費者としては保存できるバターに加工すればと思いがちです。しかし、バターを製造する工場のほうが、牛乳を加工する工場よりも圧倒的に数が少なく保存できる在庫数にも限りがあります。

さらに、バターをつくる過程で生まれる脱脂粉乳は、原料として使用されるヨーグルトなどの乳製品や、土産用も含めた菓子の消費が減った影響で需要も減っています。バターをつくればつくるほど、すでに余剰になっている脱脂粉乳が在庫過多になるのです。したがって生乳を無駄にしないために「バターにすればよい」ともいえません。

生乳生産量の調整は難しい

牛乳の消費量減は2020年以降から続く新型コロナウイルス流行の影響が大きいのは分かりましたが、通常では生産量と消費量にどのような傾向が見られるのでしょうか。

都府県の生乳生産量(2022)

都府県の生乳生産量(2022) 資料提供:Jミルク

参考に都府県のデータを比較すると、生乳生産量が最も多い時期は春。夏は生産量が減り、涼しくなってきた秋から冬にかけて徐々に回復していきます。

 

都府県の牛乳消費量(2022)

都府県の牛乳消費量(2022) 資料提供:Jミルク

一方、消費量は商業施設が休みになる1月のほか、4月(春休み)、5月(ゴールデンウィーク)、8月(夏休み)、年末年始(冬休み)と学校が長期休みになる時期に需要が減り、特に夏休み以外は生産量を大きく下回ります。

需要が減る時期に合わせて生産量を調整するなど、酪農家さんたちは日々工夫されていますが、コロナ禍のように予期せぬ事態には対応しにくいものです。

酪農牧場

2023年3月以降、生乳の生産抑制のため乳牛を早めに出荷すると国から助成金が出る政策が開始されました。

しかし、需要が回復し再び増産可能になるまでには時間がかかります。例えば、母牛が妊娠して出産までにかかる月日は約10カ月、その子牛が種付けできるようになるまでに14~16カ月。さらに、妊娠して出産するまでに10カ月かかり、種付けから搾乳を始められるまでには約3年を要します。

需要が増えた・減ったからといってすぐに調整できるものではありません。生きている牛からミルク(生乳)をいただいていることも忘れないでいたいものです。

牛乳はカルシウムだけじゃない。豊富な栄養素

「牛乳で太るというエビデンスはないんですよ」と林さん

「牛乳で太るというエビデンスはないんですよ」と林さん

牛乳や乳製品を食べることが酪農家さんたちの応援につながります。牛乳をおいしくいただく前に、牛乳の栄養素についても復習しておきましょう。

牛乳1杯(200ml)に含まれるカルシウムと厚生労働省が発表している食事摂取基準

牛乳1杯(200ml)に含まれるカルシウム量と厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準2020」

牛乳の栄養素といえば、まずはカルシウム。コップ1杯200mlとすると、227mgのカルシウムが摂取できます。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準2020」によると小学生は3年生男子は650mg、中学生男子は1,000mg、成人は600~800mgとされています。

林雅典さん プロフィール

林さん

食生活や性年代別でも違いますが、大体1日2~3杯程度の牛乳を飲んで、他の食品からも摂取して、ようやく推奨量のカルシウムを補うことができます。

タンパク質にも注目してみると、牛乳はBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンという3つの必須アミノ酸の総称)が多いのが特徴。牛乳に含まれるカルシウムは、同じく牛乳の成分であるタンパク質のカゼインや乳糖の働きによって、体内で吸収性を高めてくれる特徴があります。

脂質を気にする人がいますが、約3.5~3.6%と意外にも少ないです。牛乳を飲んでいる中高生のBMIと飲んでいない中高生のBMIを比較すると、牛乳を飲んでいない中高生のBMIのほうが高かったという研究結果も発表されています。

林雅典さん プロフィール

林さん

特に運動後に牛乳を飲むと筋肉づくりにも役立ちます。牛乳はビタミン類や他のミネラルも豊富で、本当にバランス良く栄養素が摂れるんです。ただし、食物繊維と鉄分がほとんど含まれていないので、他の食品とも上手に組み合わせてください。

開け口の反対側に「切欠き」の印がついている

生乳100%の「種類別 牛乳」パックのみ、開け口の反対側に「切欠き」の印がついている(※メーカーの任意表示のため全ての牛乳パックについているわけではありません)

ちなみに生乳100%で作られるものには、成分無調整牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳があります。その他、生乳に果汁やコーヒーなどを加えた乳飲料、生乳以外の乳製品などを加えた加工飲料もあります。

種類別「牛乳」は、生乳100%の成分無調整牛乳です。牛乳は季節や地域、どんなエサを食べて育ったのかによっても味が変わります。好みに合わせて選んでください。

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