【水性ペンの落とし方】服やプラスチック、壁・床についた汚れを落とす裏ワザを場所別に紹介
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遡ること数か月前の3月末。お世話になっている編集さんから、わたし(ライター:少年B)に「Bさん、ポテトチップスは好きですか?」と連絡がありました。
秒で「もちろんです!」と返事をしたところ、大量のポテトチップスをいただきました。いやー、いつもしっかり仕事をしていると、編集さんも気を遣ってくれるんですね。ありがたいことです。 大喜びでポテトチップスを片付けようとしていると、あれ……。なんか下にあるぞ……?
何これ。 確かにポテトチップスそっくりの袋に入っているんですが、明らかにデカい。「ポテトバッグ」……? これをかついで街にくり出せってことなのかな?
少年B
芋から!?
編集部
はい、カインズで『ぽろしり』というポテトチップス用じゃがいもの種芋と、そのまま植えつけられる「ポテトバッグ」という商品を見つけたので。送ったポテトチップスと自家製ポテトチップスをぜひ食べ比べていただこうかなと! お受けしていただけますか?
少年B
こんな無茶苦茶な仕事依頼があるのかよ……。
ちなみに、わたしは超のつくずぼら人間。つい先日も冷蔵庫の上に調味料と洗面用具を一緒に置いていたため、歯磨き粉と創味シャンタンを間違えて旅行に持って行っちゃうし、小学生のころは朝顔を1週間で枯らし、残りの3週間をすべて「かれた」の3文字で埋めた観察日記を提出していました。
わたしのずぼらさがよく表れたキッチン
こんなてきとうでいい加減な人間が、果たしてじゃがいもを育てることができるんでしょうか。
編集部
助っ人として、ポテトバッグの開発を担当したプロトリーフさんに協力を頼みますから。それでもしダメだったら、「ずぼらすぎてダメでした」ってことで記事にすればいいんじゃないですか?
少年B
ただ自分の生き恥を晒すだけの記事、絶対書きたくないですね……。
ということで、なし崩し的にじゃがいもを栽培することになったのですが、まずは敵を知るところから。いきなり敵呼ばわりして恐縮ですが、プロトリーフさんにお話を伺いました。
株式会社プロトリーフ 取締役副社長 加能裕一郎さん
筆者の少年Bです
少年B
そもそも、このポテトバッグってどういう商品なんですか?
プロトリーフさん
弊社とカルビーポテト株式会社さんで共同開発をした、「じゃがいも(ぽろしり)専用の培養土」です。弊社では8年ほど前から「KAGOME そのまま育てるトマトの土」とトマトの苗を販売していますが、今回ついにじゃがいも用の土が完成しました。
少年B
KAGOMEさんといいカルビーポテトさんといい、超大手と組んでいるんですね。すごい。
プロトリーフさん
KAGOMEさんとの取り組みで、トマトケチャップやトマトジュースなど誰もが知っている商品の国内シェアNo.1のブランドは強いなと実感したんです。じゃがいもの場合、ポテト系スナックの国内シェアNo.1はカルビーさんなので、熱烈に交渉しました。
少年B
どうしてじゃがいもの土を販売したかったんですか?
プロトリーフさん
これは経済的な理由になるんですが、家庭菜園は主に春からがシーズンで、冬は盛り上がらないんです。でも、じゃがいもなら関東の場合、2月から植え付けができる。しかも「ポテトチップスを嫌いな子どもはあまりいないだろう」と思い、白羽の矢が立ちました。
少年B
確かにわたしもポテトチップス大好き……。『ぽろしり』はどんな品種ですか?
プロトリーフさん
『ぽろしり』はポテトチップスに最適なじゃがいもとして、カルビーさんが10年以上かけて開発したオリジナル品種です。病気に強いことやポテトチップスにした時に焦げにくいのが特徴です。
少年B
ポテトバッグはどうやって使えばいいんですか?
プロトリーフさん
ポテトバッグは「袋のまま育てる」のがコンセプトです。肥料の量とかを設計して、鉢に植え替えることなく、じゃがいもの種芋を植えればそのまま育つんです。
少年B
それはすごい! 今回急にじゃがいもを育てることになったんですが、とにかく性格が雑なので不安なんです。わたしのような超ずぼら人間でも栽培ができるんでしょうか。
プロトリーフさん
配合した肥料も入っているので、植え付けと水やりをして、日向におくだけでちゃんと収穫できるようになります! 大丈夫ですよ。
少年B
頼もしい……! 園芸って、植木鉢を買ってくる必要はあるし、肥料を買っても微妙に余ったり、ちょっと足りなかったりして結構面倒なんですよね。
プロトリーフさん
簡単に始められるし、スペースもそれほど取りません。あとは重量が軽いのも特徴です。水を入れると重くなるんですが、乾燥時はすごく軽いんですよ。
少年B
軽いって、どれぐらいですか?
プロトリーフさん
普通の土だと7~8kgのところ、ポテトバッグなら約3kg。半分以下ですね。
少年B
軽っる! それなら持ち運びやすそうでいいすね。
プロトリーフさん
ヤシの殻をベースにした土なので、可燃ゴミとして捨てても大丈夫なのも特徴です。
少年B
えっ、そのまま捨ててもいいんだ……。最高じゃん。
少年B
さっそく植え付けていきたいと思うんですが、じゃがいもの場合は種芋を植えるんですよね。この種芋、ちょっと小さくないですか?
プロトリーフさん
収穫量は土の容量に依存するので、ここの設計はかなり悩みました。ゴルフボール大の種芋を12Lの土に植えるのが、腐りにくく、量・大きさともに1番安定して収穫できるということがわかったんです。
少年B
へぇ、でも種芋が大きいほどたくさん取れるのでは?
プロトリーフさん
種芋は大きいと、切って植える必要があるので、腐りやすくなってしまいます。切らずにそのまま植えられるサイズの種芋を使用することで、腐りにくくなります。
少年B
種芋がこんなに小さいのにも理由があるんだ……。
プロトリーフさん
関東基準で推奨する植え付け時期は1年に2回あり、春に植える場合は2月下旬から3月。秋に植える場合は8月下旬〜9月です。少年Bさんの種芋は購入してから時間が経っているせいかすでに芽が出ていますが、そのまま植え付けて大丈夫です。
プロトリーフさん
まずは、ドライバーかはさみで袋の下に排水用の穴を開けてください。穴がないと袋に水が溜まってしまうので、いくら芋でも腐ってしまいます。
少年B
袋の下側にある+マークの部分ですね。
プロトリーフさん
はい。基本的には、袋に表記ある8箇所に穴を開けてもらえれば問題ないですが、「ポテトバッグ」と書いてある文字の下くらいに、追加で穴を開けるのもいいと思います。穴が高い位置にあると、水はけがより良くなるので。
少年B
へぇ、穴は多くてもいいんですね。わたしも追加で開けてみることにしましょう。
プロトリーフさん
あっ、穴を開ける場合は室内ではなく外でやったほうが……!
穴は開いたが
先行きが不安
少年B
めちゃめちゃ床が汚れたんですけど!!!
プロトリーフさん
ああ、言わんこっちゃない……。
少年B
気を取り直して……。種芋の植え付けはどれぐらいの位置にすればいいですか? 浅めのほうがいいのかな。
プロトリーフさん
いえ、深く植えてください。種芋の下に芋ができるとイメージする人が多いですが、じつはその逆で、種芋より下には芋ができません。種芋から地表に向かって芽ツルが伸びて、その芽ツルから生えたストロン(ツルのようなもの)の先に芋ができます。
少年B
へぇ、知らなかった! パッケージの青いラインあたりですか?
プロトリーフさん
そうですね! 青いラインのあたりに植えましょう。
少年B
下に土が少なくてもいいんですね!
プロトリーフさん
はい。畑で植える場合は「土寄せ」という作業がありますが、それをしなくていいように深植えするんです。
少年B
この図の4番みたいに植えればいいんですね。
プロトリーフさん
植えるときにもコツがあります。袋を斜めに倒すと、角に隙間ができて手が通るようになるので袋の両端に配置してください。
少年B
こんな感じですね。「土の底に種芋を入れてください」と説明書きがありますが、「斜めにする」ことが袋に書いてないのはどうしてでしょう。
プロトリーフさん
じつはこれ、ポテトバッグのユーザーさんが発信されていたアイデアなんです。栽培していただく中で、我々が推奨する栽培方法よりいい方法が編み出されていたので、参考にさせていただいています。
少年B
開発者の想定をユーザーが上回ったんだ。
プロトリーフさん
本当にありがたいことですね。
少年B
さて、あっさり植え付けが終わりましたが、ポテトバッグはどこに置けばいいんでしょう。いちいち外に様子を見に行くのがめんどくさいので、このまま部屋のなかに置ければと思っているんですが。
プロトリーフさん
うーん、それは厳しいです。じゃがいもは光合成したエネルギーを芋に蓄えて大きくなるので、日照量が多く必要です。外の日当たりがいい場所に置いてください。屋外でも例えば建物の北側など光が入りにくい場所は避けてください。
少年B
うーん、せっかく育てたのに収穫できないんじゃイヤだなぁ。しかたない、外で育てるか……。
プロトリーフさん
水はけをよくしておきたいので、袋の下に隙間をつくるようにしてください。
少年B
うーん、こんな感じかな? コンクリートブロックがあったので、乗せておきました。
プロトリーフさん
あ、すごくいいと思います! そしたらあとは水をあげましょう。水の量は袋の開けた穴から水がちょろちょろ出てくるぐらいです。
じょうろがないんだよな……。ペットボトルでいいか。
少年B
肥料はあげなくて大丈夫なんですか?
プロトリーフさん
はい。とにかく手軽に、水だけやってればいいような栽培方法をカルビーさんと研究してきましたので。芽が出てくるまでは水もそんなにあげなくて大丈夫です。袋を持って、軽くなっていたら水をあげてください。
少年B
基準が袋の重さなんですね。
プロトリーフさん
この土はすごく保水力があるんです。植え付けの時にしっかり水をあげれば、種芋は水を吸うことがないので、芽が出るまでは水をやらないで大丈夫です。でも、これが芽が展開して根張りがよくなってくると、根が水を吸うので、1日で乾いてしまいます。
プロトリーフさん
6~7月になってくると土がよく乾きます。水やりの回数が突然変わるのが栽培の注意点です。「今まで水やってないから大丈夫だろう」と思っていると枯れていた……なんて状況もあるので気を付けてください。
少年B
ひええ、大丈夫かな。わたしはフリーランスなので時間の調整がきくのですが、会社員の一人暮らしなど、朝と夜しか見られない方もいる気がします。それでも栽培できますか?
プロトリーフさん
もちろん大丈夫です。水は光合成のためにも重要なので、できれば水やりは朝がいいですね。6〜7月頃は、日が沈むまでの数時間は光合成できるので夕方にあげるのも大丈夫です。
少年B
朝は起きれなさそうだから、水は夕方にあげようかな……。害虫対策はしなくても大丈夫ですか?
プロトリーフさん
私は経験がありませんが、弊社の社員の中には、ヨトウムシという害虫にほぼ食われてしまった人もいます。環境にもよるとは思いますが、虫をたくさん見かけたり、よほど葉が食われたら防除をするという感じでいいと思います。
少年B
ありがとうございました。ではこのまま様子を見ていこうと思います。
ということで、無事に植え付けも完了。ちょっと遅めの4月9日のことでした。植え付けをして疲れたので、夜は送られたポテトチップスを食べながらテレビを見て過ごしました。
編集部
あ、少年Bさん、届きました? お好きだって伺ったので、ぜひポテトチップスを作って頂こうと思いまして。芋から。