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ショベル先に穴明けで負担軽減。創業360年・浅香工業の開発力が作業現場を救う

メーカー

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森 雅宏

森 雅宏

浅香工業株式会社商品部企画開発課課長補佐。1972年生まれ。1995年に同社入社。2004年より現職。

四半世紀にわたって仕様が変わらないショベル

商品というのは、発売後に利用者の声や社内の声を受けて、大なり小なり変更が加えられるのが当たり前である。ところが、四半世紀にわたって色の変更を除いて仕様が変わっていない商品がある。

それが、大阪府堺市に本社を置く浅香工業株式会社が1996年に現行モデルで販売開始した「パイプ柄穴明ショベル丸形」だ。

その特長は、先のさじ部に穴明けがされていること。商品部企画開発課の森雅宏さんは、その意味をこう話す。

「穴明けすることで土離れを良くしています。特に粘土質土壌での作業はさじ部に土が付着して重くなり、土を取り除く作業が頻繁に必要となって作業負担が増加します。この商品では土の付着を減らし、また土を取り除く作業を減らすことができます。また、穴明けによって軽量になり、作業負担も軽くなります」

このパイプ柄穴明ショベル丸形は、主に東日本の消費者をターゲットにしている。というのも、関東地方は特有の関東ローム層の影響で火山灰由来の粘り気のある土にずっと悩まされてきた背景があるからだ。

農作業や土木作業の救世主として支持されるこのショベル。もともとはお客の要望から開発がスタートしたという。

ショベル開発は強度と重量と土離れを試行錯誤

ショベルラインナップ

用途に応じて様々なショベル・スコップを展開

「“土を取るのが面倒でたまらない、何とかならないだろうか?”という声を受け、穴明けの形状や位置、全体重量の検討を行い、試作を繰り返し行いました。強度をある程度保ちつつ、土離れを良くするためにどのような組み合わせが良いか? 試行錯誤の連続でした。また、もともと木柄で検討していましたが、プロ需要も想定されることから強度のあるパイプ柄を選択。焼入れと焼戻しの熱処理を行うなど、弊社の技術の粋をつくしています」

1996年に発売されると、すぐに土木や造園業、農業を営む人々の厳しい目をクリア。家庭菜園を趣味とする一般家庭でも購入する人が後を絶たなかった。色こそ発売当初のクリーム色からゴールドに切り替えたものの、その仕様は現在に至るまで変更が加えられていない。

「発売前、徹底的に試作を繰り返したことが奏功したようです。仕様変更の必要性がないことは、お客様に満足いただいている証かと考えています。当時、スタンダードタイプのショベルの改良が多かったなかで、この開発は社内でも画期的な取り組みであり、その後のさまざまな形状およびサイズの開発につながっています」

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