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ダトニオは全部で何種類? 数年で値段が10倍以上!? 熱帯魚専門店『ベイサイドアクア』が解説

ユーザー

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古山重幸

古山重幸

神奈川県横浜市にあるアクアショップです。エンドリケリー・アロワナ・ポリプテルス・エイなどマニアックな熱帯魚を取り扱っています。

黒と黄色のしましまバンドが目を引くダトニオ(正式名称ダトニオイデス)。ときに60㎝を超える大型の熱帯魚です。近年、流通する個体数が激減&人気が高まっていることから取引価格が10倍以上に値上がりしている高級魚でもあります。

以前にも増して多くの人々を魅了しているダトニオ。

今回は、神奈川県横浜市のアクアショップ「ベイサイドアクア」のオーナー、古山重幸さんに、ダトニオの種類について解説いただきました。

ダトニオは全部で5種類! それぞれの特徴を解説

水槽で泳ぐダトニオ

ーーダトニオイデス (Datnioides) は5品種が確認されており、主にタイやカンボジアなどの東南アジアに生息しています。3品種は淡水、2品種は汽水域に生息しています。品種によって差がありますが、寿命は10年以上、飼育下でも30㎝を超える大型魚です。

シャムタイガー(ダトニオイデス・プルケール)

ベイサイドアクアで取り扱っている18㎝のシャムタイガー

ベイサイドアクアで取り扱っている18㎝のシャムタイガー

古山さん

もっとも人気のある品種がシャムタイガーです。シャムタイガーは、正式名称 ダトニオ・プルケール(Datnioides pulcher)という品種で、本ダトニオやタイガーフィッシュと呼ばれることもあります。ダトニオのなかでは最大種で60cm以上に成長。黄色い体に黒くてはっきりとしたバンドが6本入り、下から上にかけて徐々に太くなっていきます。

菊池さん

目にかかっているバンドを1本目として、尻尾まで6本ということですね。はっきりとした黄色い体色もシャムタイガーの特徴なのでしょうか。

37cmを超えるダトニオ。迫力がある体高が魅力的

37cmを超えるダトニオ。迫力がある体高が魅力的

古山さん

これは個体差ですね。同じシャムタイガーでもこの個体は、オレンジ寄りの体色をしています。

菊池さん

個体によってバンドの入り方も体色も違うなんてコレクションしたくなっちゃいますね。

34cmのセミショート個体

34cmのセミショート個体

古山さん

こちらはイレギュラーバンドのセミショート個体です。若干ですが体が寸詰まりで、バンドも個性的になっています。

菊池さん

体型の違いもあるんですね。

3本目と4本目のあいだにバンドが入っているイレギュラーバンドのシャムタイガー 40cm。

3本目と4本目のあいだにバンドが入っているイレギュラーバンドのシャムタイガー 40cm。

古山さん

そうですね。ショートかどうか以外にも、体が丸みを帯びているのか、四角いかなど、本当にさまざまです。頭から背中にかけての盛り上がり方も全然違うので、ぜひ注目してみてください。

バンドが極太のレンガ色をしたシャムタイガー。40cmオーバー。

バンドが極太のレンガ色をしたシャムタイガー。40cmオーバー。

菊池さん

色々な個体を見比べていますが、シャムタイガーって流通量が少ない魚ですよね。これだけの数を取り扱っているお店、なかなかないのでは…?

古山さん

そうですね。10年以上前は流通量も多かったのですが、残念ながら今はほとんど出回っていません。

菊池さん

価格も10倍以上に値上がりしていると聞きました。

古山さん

そうなんですよ。今は一匹100万円を超える個体の方が多いですね。

菊池さん

車買えますね…。

ダトニオイデス・ミクロレピスのリアルバンドと呼ばれる個体

ダトニオイデス・ミクロレピスのリアルバンドと呼ばれる個体

菊池さん

あれ。こちらのダトニオは、10万円以下で販売されていますね。

古山さん

こちらは、シャムタイガーではなくリアルバンドと呼ばれるダトニオイデス・ミクロレピスという品種です。

ダトニオ プラスワン(ダトニオイデス・ミクロレピス)

ダトニオ プラスワン

古山さん

ダトニオイデス・ミクロレピス(Datnioides microlepis)は、バンドの数が6本の個体と7本の個体が存在する品種です。バンドの数が6本の個体をリアルバンド、7本の個体をプラスワンと呼びます。捕獲された産地によって、ボルネオタイガーやスマトラタイガーと呼ばれることもありますね。

菊池さん

あれ…。僕の目には、バンドが8本あるように見えます。

古山さん

ダトニオは、目にかかっているバンドは数えないんですよ。つまりこう数えます。

写真上がシャムタイガー、下がプラスワン

写真上がシャムタイガー、下がプラスワン

古山さん

シャムタイガー(写真上)は、後方のV字になっているバンドを2本として数えます。

菊池さん

なるほど! 勉強になるなぁ。こうしてバンドをまじまじと見ていると、シャムタイガーのVバンドめちゃくちゃかっこいいですね。

古山さん

そうですね。じっくり観察すると、それぞれの違いがよくわかると思います。

菊池さん

違いがわかるようになると、個体を見るのが楽しくなるなぁ。

迫力あるシャムタイガー

菊池さん

それにしてもシャムタイガーの迫力が半端じゃない…。

30cmを超えるダトニオ プラスワン(スマトラタイガー)

30cmを超えるダトニオ プラスワン(スマトラタイガー)

古山さん

プラスワンやリアルバンドも大型になると迫力がすごいですよ。

菊池さん

うちにもプラスワンがいるのですが、めちゃくちゃ真っ黒なんですよね…。

筆者(菊地)の飼育しているプラスワン。これはこれで可愛いから良いけど、とにかく黒い

筆者(菊地)の飼育しているプラスワン。これはこれで可愛いから良いけど、とにかく黒い

古山さん

プラスワンやリアルバンドは、黒化してしまう個体もいます。発色させるためには、色々な方法があります。パロットファイヤーやフラワートーマンといった鮮やかな体色をした魚と混泳させると発色する傾向にありますね。もちろん個体差もあるので100%というわけにはいきませんが…。

菊池さん

あれ。こっちのダトニオはバンドが細いですね。

フォーバータイガー

タイのムン・リバーと呼ばれる川で採取された7㎝前後の個体たち。目が可愛い。

タイのムン・リバーと呼ばれる川で採取された7㎝前後の個体たち。目が可愛い。

古山さん

こちらは、フォーバータイガーと呼ばれるダトニオです。ダトニオのなかでは成長しても30㎝前後と小型の品種ですね。写真の個体たちは、昨年、実際に現地へ行って買い付けてきた個体です。

菊池さん

僕も購入させていただきました。300匹以上のダトニオが大量入荷していて、しかも格安だったので衝撃的でした。すぐ売り切れていて、もっと買っておけばよかったと後悔しています。

アジアアロワナと混泳中のフォーバータイガー。可愛い。

アジアアロワナと混泳中のフォーバータイガー。可愛い。

古山さん

ありがとうございます。ちなみに同じ時期に輸入したフォーバータイガーのユニコーンとノーテールならまだお店にいますよ。

菊池さん

ユニコーン…?

ユニコーンと呼ばれる特殊個体

古山さん

こちらがユニコーンと呼ばれる特殊個体です。品種としてはフォーバータイガーなのですが、突然変異で体型が特殊になっているんです。

菊池さん

初めて見ました。めちゃくちゃ可愛いですね。 頭の上のトゲが角みたいに見えるからユニコーンというわけか。

古山さん

突然変異で稀に生まれてくる個体なので、珍しいんですよ。

菊池さん

初めて見ましたけど、かなり愛くるしい見た目をしていますね。特殊個体だし、飼育難易度が高くなるとか違いはありますか?

愛くるしい見た目のユニコーン

古山さん

特にないですね。普通個体と飼育方法は同じです。この個体も元気に餌を食べているので心配する必要はありませんよ。まだ6cm前後なので、これからどんどん大きくなっていきます。

菊池さん

どのように成長していくのか、めちゃくちゃ楽しみですね。

15cm前後と良いサイズ

15cm前後と良いサイズ

古山さん

そして、こちらがノーテルと呼ばれる個体です。

菊池さん

尾びれがなくて、ハートマークみたいなシルエットですね。こっちも可愛らしいなぁ。

フォーバータイガーのショート個体

古山さん

こちらはショートと呼ばれる寸詰まりの個体です。フォーバータイガーのショート個体は、なかなか流通していないので希少だと思います。

菊池さん

めちゃくちゃ奥が深いですね。これだけ個性があると、コレクションしたくなりますね。愛好家が多いのも納得です。

ニューギニア ダトニオ

ベイサイドアクアで取り扱っている17cmのニューギニア ダトニオ。

ベイサイドアクアで取り扱っている17cmのニューギニア ダトニオ。

古山さん

ニューギニア・ダトニオは、その名の通り、主にニューギニア島の河口に分布する品種です。自然下では汽水域に生息していますが、淡水での飼育が可能です。

水槽のなかを泳ぐニューギニア・ダトニオ

古山さん

うちでもずっと淡水で飼育していて餌食いも良くちゃんと成長しています。写真の個体は27cmですが、成長すると40cmを超えることもありますね。

菊池さん

ほかのダトニオとは違った雰囲気ですよね。鮮やかな黄色と黒のコントラストがかっこいいな。

筆者が飼育しているニューギニア ダトニオ。個体によって色味に差があるのも魅力的

筆者が飼育しているニューギニア ダトニオ。個体によって色味に差があるのも魅力的

古山さん

あとは顔の反り具合が個人的にはお気に入りです。尾びれが黄色っぽい個体がいたり真っ黒な個体がいたり、面白い品種ですね。

メニーバーナンダス

メニーバーナンダス

古山さん

メニーバーナンダスも汽水域に生息するダトニオですね。メニーバーダトニオやシックスバーダトニオという名前で流通している場合もあります。成長しても30cm前後と小型のダトニオですね。

 

うちで取り扱っているのは、インドから輸入した個体です。メニーバーナンダスも淡水で飼育できます。オトヒメといった人工飼料も食べてくれる個体が多いので、飼育しやすい品種だと思いますね。

菊池さん

肌がキラキラと銀色に輝いているのが印象的ですね。

光沢感があるメニーバーナンダス

菊池さん

光沢感があって、The 魚って感じがするなぁ。

お求めやすい価格帯で取引されてるメニーバーナンダス

菊池さん

ダトニオのなかでは、お求めやすい価格帯で取引されてる品種ですね。

ダトニオが主役のダトニオ水槽を作りたい!!

ベイサイドアクアの店内には所せましと水槽が並ぶ。もちろん至る所にダトニオをの姿が。

ベイサイドアクアの店内には所せましと水槽が並ぶ。もちろん至る所にダトニオをの姿が。

菊池さん

それにしても、これだけダトニオがいるお店って、なかなかありませんよね。圧巻でした。一度に全種類のダトニオを見られるのはベイサイドアクアならではだなぁ。

古山さん

ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいですね。

菊池さん

自分の家でも、全種類のダトニオを飼育してみたくなりました。ひとつの水槽に5品種のダトニオが泳いでいたら、かっこいいだろうなぁ…。

自宅にダトニオ水槽を作る!

自宅のダトニオ水槽

というわけでここからは、ダトニオがメインの水槽を作っていこうと思います。さすがにシャムタイガーを迎え入れるのは妻が許さないため、ほか四種を混泳させていこうと思います。

今回使用していく水槽

今回使用していく水槽はこちら。1200×600×450mmの大型水槽です。現在泳いでいるアジアアロワナは、より大きな水槽に引っ越ししてもらいます。ちなみに底面に敷いてあるのはガーネットサンドです。

流木

まずは、この水槽にダトニオが隠れやすい流木を沈めていきます。奥に見えてるのはダトニオの混泳魚、パロットファイヤーです。さっそくダトニオ プラスワンの7cmの個体を入れてみました。

流木の影に隠れているダトニオ

これこれ!! この流木の影に隠れているダトニオが見たかった!!

可愛いダトニオ

めちゃくちゃ可愛くないですか? 最高だなこれ。

みんな流木の下で身を寄せ合っている

ご覧の通り、ダトニオプラスワンのほかにフォーバータイガーとメニーバーナンダス、ニューギニアダトニオを混泳。みんな流木の下で身を寄せ合っています。可愛い。

下の方にとどまっている

ただ、あまりに下の方にとどまっているので、上層の混泳魚としてアロワナも投入しました。

アロワナ

ダトニオは、ほかの大型魚と比べて成長が遅い傾向にあります。そのため混泳させる際は、成長速度を見ながら臨機応変に対処することが重要です。

アロワナの方が成長スピードが速いので、このまま混泳させているとサイズ差が生まれる可能性も。そうなるとアロワナがダトニオをかじってしまうので注意しましょう。

筆者の場合は、アロワナがダトニオを咥えられるほどのサイズ差が生まれたら、混泳をやめるようにしています。

上層にアロワナ、底層にポリプテルス。中層にダトニオとパロットファイヤー。にぎやかになってきた。

上層にアロワナ、底層にポリプテルス。中層にダトニオとパロットファイヤー。にぎやかになってきた。

さて、このままでも満足いくデキなのですが、せっかくなので水草も植えていこうと思います。ここまできたら水草からひょっこり顔を出しているダトニオの姿も見てみたい!!

スクリューバリスネリア

というわけで今回は、スクリューバリスネリアを少しだけ配置していきます。スクリューバリスネリアは、強い光やCO2の添加がなくても育ちやすい初心者にもおすすめの水草です。ちなみにガーネットサンドには植物が育つ栄養素などは含まれていないのでご注意ください。

この細い葉の隙間からダトニオが顔を出していたら可愛いだろうなぁ。

流木のくぼみ

とりあえず流木のくぼみと、

底面に配置

底面に配置してみました。

全体に配置すると、こんな雰囲気

全体的に配置すると、こんな雰囲気に。水草は直に植えるとポリプテルスに掘り起こされる可能性があるので、鉢に植えてある置くだけのタイプを使用しています。

水草を入れる前の状態

水草を入れる前の状態と比べると、全体的に彩りが生まれて華やかな印象に(なった気がする)。

水草をバックに泳ぐダトニオ

水草をバックに泳ぐダトニオ。なかなか良いのでは!?

楽しそうに泳ぐダトニオ

今までは、水草やガーネットサンドなどを入れず、ベアタンクで飼育することの多かった僕ですが、今回のデキには大満足です!

いい感じの水槽

良い…!

いい感じの水槽その2

良い…!!!

素敵な水槽

最高!!!

自分の好きなダトニオを好きなスタイルで楽しもう!

色々な種類の魚が泳ぐ水槽

一言にダトニオといっても、品種と個性はさまざま。ダトニオには、バンドが左右対称ではっきりとしているパーフェクトバンドの個体や、途中で途切れているイレギュラーバンドなど、一匹として同じ柄の個体は存在しません。

黒いバンド

一般的には美しいとされていないバンドでも、一度、飼育してしまえば愛着も自然と湧いてきます。ぜひ自身の好みの個体を迎え入れて、素敵なアクアライフを過ごされてはいかがでしょうか!

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