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目次/ INDEX
何百種類も存在する品種改良メダカ。今回私たちがピックアップしたのは、漆黒とも呼べる黒いメダカたちです。この記事では、そのなかから人気の23種類を厳選し、特徴や魅力について深掘りしていきます。黒いメダカたちが持つ独特の美しさや、その飼育方法についても触れていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
幻想的な黒いメダカの世界へようこそ!
多くの人がメダカと聞いて思い浮かべるのは、この黒メダカではないでしょうか。黒メダカは、原種と呼ばれるミナミメダカやキタノメダカに近い品種です。
しかし、品種改良メダカの場合、黒いメダカはこんな感じになります。
白容器でも真っ黒な体色を維持する「オロチ」
品種改良メダカにおいて、黒いめだかといえば「オロチ」という品種が挙げられます。オロチは、2016年に奈良県のブリーダーによって作出された品種です。オロチの特徴は、その体色の黒さもそうですが、背地反応がないため、白容器で飼育しても色が薄くなりません。そのため、水槽飼育でも真っ黒な体色を存分に楽しめる品種となっています。
また、その特性を遺伝させることで、背地反応を持たない新たな品種を作出することも可能なので、かけ合わせの素材としても人気を持ちます。
黒い体色に黄色いヒレが魅力の「サタン」
黒い体色に松井ヒレ長の特徴を持つ品種です。オロチと同様に背地反応がなく、ヒレ長の形質を持つメダカです。取り扱い店舗にもよりますが、ヒレが真っ黒なモノと、黄色がかっている2種類あります。
松井ヒレ長は、尾ビレが扇形に伸長するタイプの形質です。写真のように背ビレや尻ビレも不規則に伸長するため、ワイルドな印象になります。
青ラメ幹之とオロチをかけ合わせることで作出された品種。上見はオロチ同様に真っ黒。横には青ラメがぎっしりとのっているため、横見も存分に楽しめるメダカです。ブラックダイアも背地反応がないため、水槽飼育はもちろん、白い容器での飼育が楽しめます。
作出されてから日が経った今も高い人気を集めている品種で、様々な形質や派生品種が存在します。
水槽飼育で楽しみたい「ブラックダイヤ松井ヒレ長」
その名の通り、松井ヒレ長の特徴を持ったブラックダイヤです。店舗にもよりますが、一匹数百円で購入できます。この完成度の高さにもかかわらず、リーズナブルなため、筆者自身も大好きな品種のひとつです。
従来のブラックダイヤとは雰囲気が異なる「令和ブラックダイヤ」
ブラックダイヤにヒレが赤くなる令和血統のメダカをかけ合わせることで誕生した「令和ブラックダイヤ」。ヒレに色味が加わることで黒容器で飼育していても存在感を放つようになっています。
上見でもラメを楽しめる「クラウドグレーダイヤ」
ブラックダイヤは、背中部分が黒くて横に青ラメがのっている個体が良いとされていました。そのため背中にラメがのる個体は、選別漏れ※とされていました。
しかし、その選別漏れから、より背中にラメが乗っている個体同士で累代を重ねることで生まれたのがクラウドグレーダイヤです。
この品種は爆発的な人気を集め、現在も多くの愛好家の憧れの的となっています。
マリアージュの形質を遺伝することで上見からも横見からも楽しめる
クラウドグレーダイヤにマリアージュをかけ合わせることでヒレがロングフィンタイプとなった品種。マリアージュのヒレの特徴、ロングフィンを受けついでおり、横見も鮮やかな姿となっています。
ヒレ先が白くばらけるのがロングフィンの特徴
青ラメによってさわやかな雰囲気に
クラウドグレーダイヤとサファイアをかけ合わせることで作出された「ブルームーン」。黒い体色に鮮やかな青ラメが魅力的な品種です。ネットオークションでは100万円を超える高値がつき、今もなお高値で売買されています。
写真スキルが追い付かず、ラメの青みをうまく映せてないのですが、実際はもう少し鮮やかです。
五式のペア
埼玉県の有名店によって作出された五式。鱗を強調させる黒い色素が特徴的で、これをブラックリムと呼びます。五式も背地反応を持たないため、横見が楽しめるメダカです。
写真は五式typeBと呼ばれ、全体的に黒い品種。ほかにも頭部とヒレに朱赤が入る「五式typeR」や五式typeRをもとに黒が強い個体を累代した「GOD」などが人気です。
渋い雰囲気が人気を集めている五式。その人気の高さから、松井ヒレ長やリアルロングフィン、ワイドフィン、スワローなどさまざまな品種が作出されています。
五式に北辻ヒレロングをかけ合わせて誕生したメダカです。北辻ヒレロングの特徴であるワイドなヒレと、五色の渋いブラックリムが合わさって独特な雰囲気を持っています。
リアルロングフィン化すると全体のヒレが伸長するため、より迫力のある姿となります。しかし、そのヒレのサイズから尾筒部分(尾びれの付け根)が、重さに耐え切れず、写真のように下がってしまうことが多いです。
しかし、全体のヒレが伸びた様子は上見でもわかるほど迫力があり、リアルロングフィンならではの魅力を放ちます。
人気の五式typeRにエメキン(エメラルドキッシングワイドフィン)を交配することで、ヒレをワイドフィン化させた新しい品種です。尾筒が太く、ヒレがワイドに伸長するため、全体的にがっしりとした印象になっています。まだ流通量が少なく、珍しい品種です。
北辻ヒレロングと松井ヒレ長の特徴を併せ持つ五式です。尾筒の太さとワイドなヒレ、不規則に伸長する様がワイドフィンとは異なる印象を持ちます。こちらも比較的新しい品種なので、流通量は少ない傾向です。
北辻ヒレロングと松井ヒレ長の形質を併せ持っているため、品種改良の素材としても注目度が高まっています。
五式×ブラックダイヤのキッシングワイドフィン。五式の渋い雰囲気にブラックダイヤとワイドフィンの煌びやかな特徴を併せ持つメダカです。まだリリースされて間もないため、流通量も少なく貴重な品種といえるでしょう。
筆者が現在飼育しているメダカの中で最もお気に入りの品種です。
ブラックマーズは、福岡県のブリーダーによって作出された品種です。松井ヒレ長のブラックダイヤに北辻ヒレロングをかけ合わせることで誕生しました。北辻ヒレロングとは、尻ビレと背ビレの軟条が多くなっている形質のことを指します。
それらの特徴を持つブラックマーズは、優雅に泳ぐ姿が魅力的なメダカとして注目を集めています。背地反応を持たないため、水槽飼育でも黒い体色とラメを楽しめます。
ブラックジュエリーは、岡山県の有名店「夢中めだか」が選別・累代を進めている品種で、ブラックダイヤの松井ヒレ長をもとに誕生しました。ラメの光型と黒い体色が特徴的です。
背地反応を持たないため、写真のように水槽で飼育しても美しい姿のまま。飼育環境に左右されないため、初心者にもおすすめの品種です。
リアルロングフィンならではの大きなヒレが目を引く「黒菊(くろぎく)」リアルロングフィン
黒菊は、黒い体色に黄色みの強いヒレを持ったメダカです。写真の個体は、リアルロングフィンと呼ばれるタイプで、すべてのヒレが大幅に伸長します。またリアルロングフィンと呼ばれる形質は遺伝しやすく、手軽に品種改良を楽しめる形質となっています。
「黒菊リアルロングフィン」のペア
一度見たら忘れらないインパクトを持つ「墨武(ボブ)」
佐賀県の有名ブリーダーが作出した「墨武(ボブ)」。黒と青の体色が特徴的で、一度見たら忘れられない独特な雰囲気を持っています。筆者も初めて見たときは感動して、すぐに購入してしまった品種です。ぜひ一度泳いでいる姿を生で見てほしい、そんなメダカです。
「吽形の(うんぎょう)」のペア。オスのほうがヒレが伸びやすいちなみに吽形は、口を閉じている仁王像(におうぞう)のこと
吽形(うんぎょう)は、徳島県のメダカ専門店が作出した品種。真っ黒な体色にヒレが無造作に伸びるスワロータイプのメダカです。
こうした表現に赤ヒレが追加されたタイプを阿形(あぎょう)と呼びます。背地反応を持たず、どんな飼育環境でも黒い体色を楽しめます。
写真に映っている上の個体は、水槽でも体色が褪せていませんが、下の個体は若干薄くなっているのがわかります。繁殖に挑戦する際は下の個体は親に選ばず、上のような個体同士でペアリング(オスとメスをペア組すること)することで、より黒い個体が生まれやすくなります。
水槽の中を群れで泳ぐ「妲己(だっき)」
吽形と同じ作出者を持つ「妲己(だっき)」は、黒い体に伸長するヒレが特徴的です。さらに成長すると背ビレがよりボリューミーとなります。飼育すればするほど魅力が増すため、飼いこみ要素の強い品種といえるでしょう。
「輝黒龍(きこくりゅう)」
「鯖の極み」と「ドラゴンブルー」を交配させることで誕生した品種。黒と青のコントラストが美しいメダカです。体外光の太い個体と細い個体が生まれ、個人的には細いタイプを親にして累代を進めています。
「黑天幻龍(こくてんげんりゅう)」
そして今注目を集めているのが目の青いメダカです。黑天幻龍(こくてんげんりゅう)は、黒い体色に青〜白に輝く目を持ち、妖艶な雰囲気を放っています。
「喪屍(ゾンビ)」
メダカが持つグアニンという色素が目に集まることで表現されています。目の青い品種は、ほかにも「喪屍(ゾンビ)」と呼ばれるタイプなどがいます。
埼玉県の老舗「うなとろふぁ〜む」が品種改良を進める五式ラメ。鮮やかなラメと色の入ったヒレが魅力的
黒いメダカだけでもこんなに品種が存在することに驚いた方も多いかと思います。もしかすると、最初はどれも同じように見えるかもしれません。
「これだけ似たような特徴なら、同じ名前でいいじゃん!」そう感じる方もいるでしょう。
しかし、いくら似たような表現をしていても、それぞれ作出方法や経緯が異なるため、区別することはとても重要なのです。リンゴでも、ジョナゴールドや紅玉、サンふじというように様々な品種があるのと同じです。表面上は同じでも中身(遺伝子や固定率、ばらけ方など)は異なります。
実際に飼育してみると、表現は似ていても違う品種であることに気づくはずです。「あれ。この品種は半分以上〇〇の特徴を持って生まれるけど、あの品種は△△だな」
こうした少しの違いに気づけるようになると、メダカ飼育はより楽しくなります。ぜひ、これを機にメダカの魅力を体感してみませんか? きっと毎日がより充実したものになるはずです。