リュックの洗い方は? 洗濯機・手洗いで洗う方法と注意点
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背中にラメがびっしり乗ったメダカや、ヒレが伸びる優雅なメダカ、あなたはどんなメダカが好きですか?
頭まで青い体外光が伸びているジャパンブルー。筆者飼育
僕は、体外光(背中の光)がのっているメダカが大好きです。
体外光は、背びれのあたりから頭にかけて伸びていく光のことで、メダカの持つ虹色素胞が発現したもの。光の伸び具合によってランクが異なり、弱から中、強、スーパー、フルボディという順にグレードが上がっていきます。
筆者が飼育する三色ロングフィン。頭の近くまで体外光が伸びていて嬉しい
以前は、体外光が頭まで伸びるフルボディの個体は珍しく、高値で取引されていました。しかし現在は品種改良が進み、品種によってはフルボディも出やすくなっています。
たとえば、うなとろふぁ〜むの「プラチナブルー(青みゆき)」は、体が小さいうちから体外光が伸びるように品種改良が進められています。
筆者が飼育する体外光があまり伸びなかった三色ロングフィン。悲しい
しかし、まだまだ体外光がフルボディまで伸びづらい品種もあります。
なかには体外光を背中まで伸ばし、頭の部分は体色を生かすといった場合もありますが、せっかく体外光のメダカを飼育するなら、フルボディに仕上げたい方も多いはず!!
赤い頭に青白い体外光が魅力的な朱光菊
というわけで今回は、うなとろふぁ〜むの代表 山崎 圭吾さんに「体外光の伸ばし方」について伺っていきます。
体外光があまり伸びなかった三色ロングフィンたち
親がフルボディだからといって、必ずしも遺伝するわけじゃないんですよ。もちろん、フルボディの個体同士を親にして累代(繁殖を繰り返すこと)を進めて、体外光が伸びやすい血統を作っていくことはできます。それでも100%とはいきませんが……。
ただ飼育方法で個体の持つポテンシャルを最大限に引き出すことはできると思います。まず大切なのは容器の色ですね。菊地さんは飼育する容器に何色を使っていますか?
僕は自作の水槽で飼育していて、底面と横の3面は黒ですね。
ラメや体色は乗りやすそうですね。ただ体外光の場合は、白容器やクリア容器で飼育すると伸びやすくなります。ほかにも過密気味にしたり、水温は28℃以上の高水温にしたりすると良いと言われていますね。
28度以上か……。水温はどのように管理するのがよいでしょうか。
それはご自身の飼育環境に合わせて選べばよいと思います。室内飼育であれば、ホームセンターで販売されているようなアクアリウム用のヒーターを使うのも手ですね。あとは、エアコンで部屋全体を温めるのも方法の一つです。
屋外飼育なら日当たりの良い場所で飼育したり、8月~9月前後の気温の高い時期に合わせて採卵するのも良いでしょう。
容器の温度が上がりやすい黒容器で飼育するのもよさそうですね。
そうですね。ただ、水温が上がりすぎるとメダカが茹ってしまうので、35度以上にはならないよう気をつけましょう。あとは、白容器の方が体外光は伸びやすい傾向にあるので、その点は工夫するといいですね。
これさえ意識すれば体外光が伸びに伸びて天まで届いたり……?
……そうですね。そうだといいですね。
……はい。
……でも、うなとろふぁ〜むでは、基本的に黒い容器で飼育していますよね。若魚までは白容器、成魚になったら黒容器に移し替えるようにしているんですか?
実はうちでは、体外光のメダカもずっと黒容器で飼育しているんですよ。
え、そうなんですか? それにしては、どの個体も体外光が伸びていますね。
黒容器で育てているのにしっかり伸びている体外光
うちでは、黒容器でも体外光が伸びる個体を親にして累代を進めているんです。この方法だと時間がかかるし、根気もいるのでおすすめはしませんが……。
では、どうしてわざわざ大変な方法で?
品種にもよりますが、やっぱりメダカが美しく見えるのって黒い容器で飼育しているときなんですよ。実際多くの愛好家さんが、カインズで販売しているNVボックスの黒でメダカを飼育していますよね。
そうですね。
すべての愛好家さんが広いスペースで飼育できるわけではありません。なかにはベランダの限られたスペースで飼育している人もいるでしょう。そういった方が体外光のメダカを育てるとき、白容器が必要になったらどうしたらよいでしょうか。
白い容器を置くために飼育する品種を減らしたり、スペースをなんとか拡張したりするとか……?
その通りです。でも、それって結構大変なことなんですよね。そういった苦労やめんどくさい部分は、できるだけ僕たちメダカ屋の努力で取り払ってあげたいんですよ。
体外光は横見でも楽しめる
繁殖させて、子どもを増やし、育てていく。やっぱりメダカの魅力って、ここにあると思うんです。どうせならキレイな個体がいっぱい生まれてきてほしいじゃないですか。スペースの問題で黒と白を使い分けられない人にも体外光のメダカを楽しんでほしい。だから僕は、容器に左右されないメダカを作っていきたいんです。
なるほど。たしかに容器に左右されないなら、その方が良いですよね。実際、黒容器で育てていても、これだけキレイな体外光が伸びていくんだもんなぁ。僕も黒容器でも伸びる個体で累代していこうかなぁ。
かなり根気のいる作業ですけどね(笑)。せっかく取材にきていただいたので、うちの体外光を持つメダカも見ていってください。一言で体外光といっても、品種によって全然印象が違いますから。
体外光といったら、やっぱり幹之系のメダカをイメージする人が多いと思います。プラチナホワイトは、白い体外光が伸びているメダカです。黒容器でも体外光が伸びやすい個体で累代を重ねているので、初心者の方が繁殖させてもフルボディの個体が取りやすい品種ですね。
近年、高い人気を集めているのがマリアージュキッシングワイドフィンエメラルドフィンタイプです。うなとろふぁ〜むでも最近、取り扱いを始めました。
写真の個体は、白い体外光と頭の金色が生むコントラストが印象的ですね。
筆者が飼育する個体。写真は、うなとろふぁ~むで販売しているタマミジンコを頬張っている様子
ヒレが伸長するメダカなので、横見からも楽しめる品種です。
やっぱり体外光の乗っているメダカは、横から見てもかっこいいですよね。
緑光は、親の選び方で表現方法がまったく異なっていく面白い品種です。うなとろふぁ~むで生まれた写真の個体は、緑色の体色に黄色い体外光のコントラストが特徴的ですね。
なんとも妖艶な……。グッピーやベタといった熱帯魚でもなかなか見ない表現ですね。面白いなぁ。
紅白の体色に白い体外光が伸びたメダカです。錦鯉のようなゴージャスな印象を持つ品種で、コアなファンも多いですね。
錦鯉にはない可愛らしさもありますね。体外光だけじゃなくて、少しラメ表現が出ているのも魅力的です。
紅灯は、埼玉県飯能市にある「メダカワールド」の小熊さんが作出した品種。ラメと体外光が美しいメダカです。
メダカワールドさんは、以前ダルマメダカの種類について取材させていただきました。三色柄と体外光の色合いがかっこいいな。
しっぽあたりが青くて、頭が黄色。そこにばっちり体外光がのっていて渋くてかっこいいですね。
オーロララメ幹之から派生した個体を累代して作っています。うなとろふぁ〜むオリジナルの品種ですね。
筆者が飼育する金色夜叉
頭が黄色のメダカといえば、うちにも金色夜叉という品種がいます。体外光ものっていてかっこいいんですよ。
筆者がうなとろふぁ~むから購入し、飼育している雲州三色
雲州三色のような赤、白、黒のメダカも魅力的ですが、黄、白、黒の三色も何ともいえない良さがあるんだよなぁ……。
金色夜叉は、うちでは取り扱いがないのですが、黄と白、黒の体色なら、うなとろふぁ〜むオリジナル品種「?#(はてなシャープ)」がいますよ。
え、なんて……?
はてなシャープです。もともとは、別の名前にしようと思っていたのですが、僕が書いておいた名札の字があまりに汚くて、スタッフが間違えて「はてなシャープ」って読んじゃったんですよ。まあ面白いからいいかなって、そのまま名前になりました。
ゆる〜い感じで決まったんですね……。名前のゆるさとは裏腹に、体外光がばっちりでめちゃくちゃカッコいいですね。
背中が光っていますね。これも体外光なのでしょうか。
レッドゴールドは、黄金三色から2014年に作出したうなとろふぁ〜むのオリジナル品種です。ただ、この背中の光は、ヒカリ体型特有のもので体外光ではありません。
体外光と何が違うのでしょうか。
この背中の光は、おなか部分の虹色胞が背中に移って生まれたものです。光体型は、上下が対称になる体型なので、このような特徴になったと言われていますね。
背中の光=体外光ではないんですね。
うなとろふぁ~むの鱗光
ほかにも鱗光という品種がいます。これは、鱗の一枚一枚が光っているタイプのメダカで、鱗血統と呼ばれています。
体外光とはまた違った印象ですね。ギラギラしていてかっこいいな……。
体外光がキレイに乗っている墨武(ボブ)。うなとろふぁ~むでは、体外光を持つ品種がまだまだたくさんいる
それにしても種類がいっぱいですね。いろいろな品種を見て思ったのは、やっぱり体外光のメダカ、めちゃくちゃかっこいいなってことです。
種類が豊富なのは、品種改良メダカの面白いところでもありますよね。菊地さんもぜひ自分好みのメダカを探したり作ったりしてみてください。
今日は体外光の伸ばし方を教えてくださり、本当にありがとうございました!家に帰ったら早速試してみようと思います!
写真は空の水槽を寝床にするうちの猫です。かわいい
というわけで自宅に戻ってきました。今回は、僕の大好きな三色ロングフィンで比較していくことにします。三色ロングフィンは、赤、白、黒の体色に体外光がのる品種。ヒレがエメラルドに光るので、横からも楽しめるメダカです。
同じ親から生まれた稚魚を黒容器と白容器に分けて、それぞれ飼育していきます。ちなみに親個体はこちら。
まずはオス。体外光がめちゃくちゃ細いけど赤と黒の割合が好みだったので……(といいつつ本当は良いオスが全然いなかった……)
そしてメス。写真撮るの忘れていて、卵をめちゃくちゃ生んだあとに撮影しました。ガリガリに痩せていますが、かっこいいですよね。僕は大好きです。
これから親個体には、一週間ごとに容器を白から黒へ引っ越してもらいます。いわゆる親抜きという方法ですね。
飼育環境はビニールハウス内で、日中は35度前後、夜は25度あたりで落ち着きます。季節は夏です。
途中経過は、盛り上がりに欠けるので、すぐに結果発表!
ちなみに三色ロングフィンは体外光だけではなく、体色の濃さも大切な品種です。だから、白容器で育てた方の稚魚は、1ヶ月後に黒容器へお引越しさせます。イメージとしては、小さい頃に白容器で体外光をしっかり伸ばして、その後、黒容器でじっくり色揚げしていく感じですね。
60日後・・・・
それでは結果発表です。
どーん!
黒容器で60日過ごした三色ロングフィンたち。体外光が伸びている個体は、あまりいませんでした。ただ体色の濃さはばっちりです。強いて言うなら写真左の個体は、割と伸びているような気もする。こういった黒い容器で体外光が伸びる個体同士で累代するのも面白そうだなぁ……。
そして白容器を経て黒容器へ移動したロングフィンたち。たしかに違う……! 生後3週間の頃には、体外光が伸びている個体が観察できるようになっていました。
伸びきらない個体もちらほらいるけど、全体的にしっかり体外光が乗っています。
特にこの個体なんかは、両親の特徴を受け継いでいて良い感じ。体外光も伸びているし体色もはっきりしています。ただ、頭の部分が赤黒いので、これをもっと鮮やかな色にしたいな……。
これから累代を重ね、より好みの個体になるように頑張っていきます!
ちなみに今は水槽で過密気味に飼育し、体外光が伸びるのか挑戦中です。
メダカは、一世代進めるのに2〜3ヶ月。これだけ速いスピードで累代できるのは、メダカならではの魅力です。
自分で「このオスとメスを掛け合せたら、こんな子どもが生まれるのではないか」「この飼育方法なら、色上りがよくなるのでは?」など仮説を立てて挑戦する。そして2か月後には答え合わせができる。
この短いスパンでPDCAを回せるのが最高に楽しいんですよね。ぜひ、メダカの品種改良に挑戦してみてください!
以上! 今回のテーマは体外光の伸ばし方でした。皆さんも引き続き、素敵なメダカライフをお過ごしください〜。
今日は、体外光の伸ばし方について教えてください。親個体は、体外光がフルボディになっているのに、生まれた子どもは弱レベルになることが多くて……。