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となりのカインズをご覧の皆様。こんにちは!メダカを愛してやまない菊地です。
ワンペア(オスとメスのペア)で150万円を超える品種が現れるなど、金額面でも盛り上がりを見せる品種改良メダカ。しかし、「健康的で美しい=高級品種」というわけではありません。
数匹まとめて数百円のメダカから1匹で数十万円を超えるメダカまで。なぜ、同じメダカなのに、ここまで値段が異なるのでしょうか。
今回は、関東の有名メダカ専門店「メダカ屋サバンナ」小野田一紀さんにお話を伺っていきます。価格の違いと高級メダカの種類について解説いただきました。
※今回はワンペアで数千円するような品種を高級メダカとしてご紹介します。
まず「リリースされた直後」の品種は高価になりやすい傾向ですね。世に出回っていない品種は、買いたくても買えないので、需要と供給のバランスが偏ってしまっている状態です。
たとえば、このブルームーンは、サバンナのオリジナル品種で、リリース直後のオークションでは、ワンペア100万円を越えました。
100万円!? 車が買える金額ですね・・・。
ブルームーンは、ブラックダイヤとサファイアを交配させた品種で、真っ黒な体色に青いラメがのるのが特徴です。
あとは固定率※が低い個体は、高値がつきやすいです。たとえば、三色体外光のような体外光が乗りつつ、三色の表現が出る品種ですね。
※固定率とは、一般的に親と同じ特徴を持つ個体が生まれる割合のことを指します。
三色体外光は、頭まで体外光が伸びて、さらに赤と黒、白の体色がバランスよく出ている個体に高値が付きます。もともと三色系のメダカは、柄のバランスが難しい品種です。三色体外光の場合は、さらに体外光も伸ばす必要があるので、難易度が上がるんですよ。
三色は柄を固定できない分、親に似た表現が出るとは限らないですもんね。体外光も必ず頭の先まで伸びるわけじゃないしなぁ。
ただその分、やりがいもあります。自分好みの柄の個体が生まれたときの喜びもひとしおですよ。
固定率の高い品種を繁殖させるのも楽しいですが、特徴がばらけやすい難易度の高い品種もめちゃくちゃ面白いんですよね。
僕も三色体外光は、めちゃくちゃ好きです。繁殖させて子どもを育てるのもワクワクするし。このオスとメスを掛け合わせたら、どんな子どもが生まれるんだろうと考えながら、ペア組みする作業が楽しいんですよね。
そうですね。親選びは、掛け合わせにおいて重要なポイントなので、僕たちも気を使っています。
あとは、品種名や誰が作出したメダカなのかも、価格を大きく左右させる要因の一つです。いわばブランドですね。メダカの世界でも有名なブリーダーさんが作出した品種は、人気を集めやすいです。もちろん、その品種に魅力があることは前提ですけど。
例えば、この夜桜は、愛媛県の有名なブリーダーさんが作出した大人気の品種です。グレーの体色にピンクの頭が特徴的で、まさに夜に咲く桜のようなイメージですね。
半透明鱗のメダカで、普通鱗と透明鱗のちょうど間のような表現となります。飼育する際は、黒容器に入れて、グリーンウォーターで育てると体色とラメがはっきりしてくるので、参考にして見てください。
夜桜という名前がもうカッコいいし、さらに名前負けしていないのがすごい。本当に夜桜を体現しているメダカですね。
有名店が作出した品種といえば、岡山県の静楽庵がリリースした「黒ラメ幹之サファイア系」もその一つです。その名の通り、サファイアのように青く輝くラメが特徴ですね。固定率が高いので初心者の方でも繁殖を楽しみやすいメダカです。
グレードにもよりますが、現在はワンペア数千円と高級品種のなかではリーズナブルなメダカですよね。それにしても色々なメダカがいて面白いなぁ。もっと高級品種と呼ばれるメダカを教えてください!
もちろん良いですよ。
ラメ系のメダカといえば、ユリシスも人気ですね。販売当初は、ワンペア数万円になりましたが、現在は、ワンペア数千円で購入できるようになりました。ラメがきれいに並んでいるのが特徴で、静岡県の有名なメダカ屋さんの作出です。
同じラメ系のメダカでも、サファイアとは違った印象ですね。
表現にバリエーションのある品種なので、累代を進める人によって特徴が異なるんですよ。僕の場合は、赤い体色と青いラメがはっきりしている個体が好きですね。自分の好きな表現になるように親選びを進めるのも楽しいですよ。
濃い朱赤の体色をしている紅帝。そこにさらにラメをのせたメダカが紅帝ラメです。紅帝極ラメは、さらにラメがびっしりと乗った個体を指しています。
より赤い体色になるように、親を選んで累代させていくことで、さらに濃い色味を目指せます。突き詰めれば突き詰めるほど面白い品種ですね。現在は、ワンペア数千円で販売されていることが多いです。
名前
松井ヒレ長※「緑光」と王華(おうか)の白タイプを交配して作ったサボテンも、サバンナのオリジナル品種です。王華のラメに緑光から受け継いだ緑色が上手くのったメダカで、ラメの密度が高いのも特徴的ですね。産卵もしやすい品種なので、繁殖も楽しみやすいメダカだと思います。現在は、ワンペア数千円で販売しているので、高級品種の一つですね。
※松井ヒレ長とは、ヒレが伸長する特徴のこと。最初にこの特徴を発見した養魚場の名前から命名された
ちなみにサボテンの花言葉は、「枯れない愛」です。
・・・ロマンチックですね。
サボテンとサファイアを掛け合わせているのが、サバンナのオリジナル品種「アロエ」です。まだ未完成品ですが、これから累代を進めて表現を固めていけたら発表しようと思っています。緑色のラメを強めて、さらにアロエっぽさを表現していきたいですね。
うまくいけば、来年には発表予定です。
未発表ということは、リリースされたらかなりの値がつく可能性も!?
そうですね。多くの人に気に入ってもらえるような品種にしたいです。
次は、ここまでご紹介してきた品種とは異なる表現を持つメダカです。その名も「黒衣」。埼玉県のブリーダーさんが作出した品種で、見る角度によって印象の変わる面白いメダカです。コアなファンも多く、根強い人気がありますね。
上から見たときと、横から見たときでは全然違うメダカになります。白い容器で飼育しても黒い陽気で飼育しても楽しめるのが良いですよね。こちらもワンペア数千円で購入できます。
それにしてもいろいろなメダカがいますね。サバンナでは、どのくらいの品種を取り扱っているのでしょうか。
ちゃんと数えているわけじゃないのですが、50品種以上はいるかと思います。品種改良メダカは、日々、進化していて新しい品種も誕生していますから。常に取り扱い品種も変化しています。
今回の記事では紹介しきれませんでしたが、どれも素敵なメダカばかりでした。眺めているだけでも楽しいですね。
ありがとうございます。敷地内にはヤギやカメが放し飼いになっていることもあるので、ぜひ遊びに来てください。車があれば、カインズ朝霞店やカインズ新座店からも40分以内で来れますから。ぜひお待ちしています!
というわけで、今回はサバンナの小野田さんにお話を伺いました。小野田さん、ご協力ありがとうございました。最後は僕の大好きな高級メダカをご紹介しながらお別れです。
サバンナでも取り扱いのあるマリアージュキッシングワイドフィン。以前はヤフオクで十万円を軽く超えるほどの人気を集めたメダカです。高級品種改良メダカときいて、この品種を思い浮かべる人も少なくないはず!
写真の個体は生後2ヶ月未満なので、これからヒレがどんどん伸びていきます。
ちなみに親個体はこちら。オークションで15万円で購入しました。今冷静に考えるとめちゃくちゃ高級・・・!
ちなみに名前の由来は、「背ビレと尾ビレがくっついてキスをしているように見えるから」なんだとか。めちゃくちゃロマンチック!!
そして筆者が愛してやまない品種が「朱光菊」。始めてオークションに登場した際には、ワンペア30万円以上で取引された人気のメダカです。頭部にのった朱赤と、青白く光る体外光、伸長するヒレが特徴的です。
一匹で鑑賞するのも楽しいですが、群泳している様子は圧巻。もうそれを眺めているだけでごはん三杯はおかわりできます。
静楽庵が作出した令和黒ラメ幹之サファイア系。普通のサファイアとは異なり、ヒレが赤く染まっているのが特徴です。リリース当時は、ワンペア18万円という価格にもかかわらず、飛ぶように売れ続けた超人気の高級品種。
連日10セット近くが販売されていたのですが、開始10秒以内には売り切れていました。当時はパソコンの前に噛り付いて、リロードを連打していた記憶があります。
そして愛媛県の有名なブリーダーさんがリリースしたレッドクリフ。体色が暗めのダークタイプと、鮮やかな朱赤の紅白タイプが同時リリースされました。紅白タイプはなんとワンペア150万円の高値に!(写真はダークタイプです)。伸長するワイドなヒレと艶やかな体外光が魅力的なメダカです。
さて今回ご紹介した品種はほんの一部ですが、どのメダカも素晴らしい品種です。飼育してみたい品種は見つかりましたか?
ちなみに僕が一番好きな品種は、1匹700円で購入したブラックダイヤ2020松井ヒレ長です!いろいろな高級メダカをご紹介しましたが、結局は自分の気に入ったメダカを愛でていくのが一番!
数百種類以上もいる品種改良メダカ。ぜひ自分の好みにドンピシャな品種を探してみてください。
それでは皆様、引き続き楽しいメダカライフをお過ごしください!
早速ですが、メダカの値段ってどのように決まるのでしょうか。