埼玉県平野部なぜ暑い? 熊谷地方気象台と熊谷市長に聞いてみた
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ガーデニングで美しい花を育てたり、おいしい実を収穫したりしたいなら、「魚粉」を使ってみてはいかがでしょうか。魚粉は、リン酸を多く含む有機質肥料で、花や実の生長を助けてくれます。また、アミノ酸を多く含むため、野菜のうま味が増すのも特徴です。
今回は、魚粉の基本的な情報や、栄養素、使い方について紹介していきます。魚粉を使うことで、健康でおいしい植物を育てることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
魚粉は魚を乾燥させて、粉状にしたものです。「ぎょふん」または「うおこ」と読みます。
魚粉は、「魚かす」や「フィッシュミール」という名前で売られていることもあります。魚粉より形が大きいものを、魚かすと呼ぶこともあります。
形が大きいと効果が発揮するまでに期間がかかりますが、効果が長持ちします。成分だけではなく、大きさにも気を使って選んでみましょう。
魚粉には、アジ・サバ・サンマなど、いろいろな魚を混ぜたものから、1種類の魚しか使わないものまで、さまざまな種類があります。
肥料として使う場合には、アラや骨などの食べられない部分を使うことが多いですが、身を使うこともあります。使う魚種や部位によって成分と価格が変わるので、いろいろ見比べてみましょう。
魚粉は魚が原料のため独特の匂いがあります。この匂いによって害虫や鳥が集まってしまうことがあるので、魚粉を使う場合には土の上に撒かず土の中に埋めて使いましょう。
匂いを抑えた魚粉も発売されているので、匂いが苦手な人は利用してみてはいかがでしょうか。
魚粉は窒素とリン酸を多く含むため、花を楽しむ植物や実がなる野菜・果物に最適な有機質肥料です。
有機質肥料は化成肥料と異なり、そのままの形では植物が吸収できません。微生物が有機物を分解することで吸収できるようになるので、速効性がなく、ゆっくり長く効くのが特徴です。そのため、主に元肥として利用されます。
しかし、魚粉は有機質肥料の中では比較的早く効き始めるので、元肥だけではなく追肥としても利用できます。
有機質肥料は化成肥料と違い、土壌改良の効果も期待できます。
有機物が微生物の餌になることで微生物が活性化します。有用な微生物が活性化して病原菌が近寄れなくなるので、植物が病気になりにくくなります。
また、微生物が活性化することによって、土が団粒構造に変化します。土が団粒構造になると、保水性・排水性・保肥力が高まるので、植物にとっては良い環境です。良い環境を作ることで植物が丈夫になり、病害虫の被害を受けづらくなります。
魚粉は肥料として使用される他、畜産や養鶏の餌になったり、料理の隠し味として使われたりします。
魚には、タンパク質、カルシウム、DHAなどが豊富に含まれているため、魚粉は多くの栄養素が凝縮されています。植物だけではなく、人間や家畜にとっても、おいしく健康に良い食べ物です。
魚粉には、魚のタンパク質や骨の成分が多く含まれています。作物のうま味を向上させる効果があるため、トマトなどの果菜類や果樹の肥料として使うのがおすすめです。
植物の生長に必要な三大要素の割合は、窒素が5~10%、リン酸が5~15%程度で、カリはほとんど含まれていません。
三大要素のうち最も多く含まれているのがリン酸で、5~15%程度含まれています。
リン酸は、植物の開花や結実を促進したり、発芽や花芽の付きを良くしたりする効果があります。また、果実の熟成や甘みをアップさせる効果もあるので、花や実を楽しむ植物に与えると効果的です。
魚粉には5~10%程度の窒素が含まれています。
窒素には葉を茂らせる効果があるため、植物を生長させるのに欠かせない栄養素です。不足していると植物が育ちませんが、多すぎると植物の中に硝酸態窒素が蓄えられてしまいます。
硝酸態窒素で植物が枯れることはありませんが、人体には有害なので、与えすぎには注意しましょう。
魚粉だけでリン酸を補おうとすると、窒素を多く与えてしまいがちです。窒素を少なくするには、同じ有機質肥料である骨粉を混ぜて与えると良いでしょう。骨粉のほうがリン酸の割合が多く、窒素の割合が少ないので、窒素とリン酸の割合を調整できます。
魚粉には、根や茎を丈夫にし病害虫や寒さに対する抵抗力を付けるカリがほとんど含まれていません。
カリが必要な時には、草木灰など他の有機質肥料を混ぜて使う必要があります。
魚粉には、窒素・リン酸・カリの三大要素の他に、アミノ酸を多く含んでいます。
植物はアミノ酸を直接吸収できるため、そのまま代謝に使われたり、タンパク質と合成して植物内に蓄えられたりします。
植物にアミノ酸が蓄えられると以下のような効果があります。
魚粉は植物の品質向上に役立つので、プロでも利用することが多い肥料です。
ガーデニングでは魚粉を有機質肥料として使います。他の肥料と比べると値段が少し高い傾向にあるので、使い方を理解して、無駄なく使いましょう。
魚粉は他の肥料と同様に土に撒いて使用します。
ただし、土の上に撒いてしまうと害虫や鳥が匂いに集まってしまい悪影響を及ぼす可能性があるので、土の中に埋めて使いましょう。
元肥で使用する場合は、植え付けの2週間前に骨粉を撒いてしっかり耕します。植え付け時までに土と良くなじませておきましょう。
ただし、酸度調整のために使う石灰資材と一緒に施してはいけません。魚粉などの窒素を含む肥料と一緒に石灰資材を施すと、アンモニアガスが発生して効果が無くなってしまいます。
酸度調整は、肥料を施す2週間前には済ませておきましょう。
魚粉の使用量は、各製品のラベルに記載されている量で問題ありませんが、土の1~2割が目安です。
魚粉は同じ有機質肥料よりも分解されやすいので、比較的早く効果を発揮します。そのため、元肥としてだけではなく、追肥としても利用できるのがメリットです。
追肥として使う場合には、畝間や株間に溝を掘ってそこに魚粉を蒔き、土で埋めて使用します。3~4ヶ月に1回を目安に追肥すると良いでしょう。
魚粉は、ぼかし肥に窒素とリン酸を補給する材料としても使えます。
ぼかし肥とは、たくさんの種類の有機質肥料を混ぜて発酵させた肥料のことです。土に肥料分を混ぜてぼかす(薄める)ことから、その名前が付けられました。
有機質肥料を発酵させることで速効性と緩効性を併せ持った肥料になります。たくさんの種類の肥料を混ぜるため、栄養バランスが良く効果も高いため、有機栽培やオーガニック栽培で昔から利用されてきた肥料です。
魚粉はリン酸を多く含んでいるため、開花や結実の促進に役立ちます。また、アミノ酸を含んでいることから、野菜のうま味が向上するのもメリットです。
他の有機質肥料と比べて早く分解されるので、元肥だけではなく、追肥としても利用できます。魚粉を上手く使えば植物を健康に育てられるようになるので、化成肥料しか使ったことがない人もぜひ活用してみてください。