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カインズ執行役員CHRO(最高人事責任者)西田政之が経営者や各分野のエキスパートをゲストに「ビジネスの本質」や「キャリア」について探求する企画「CHRO TALK LIVE」。今回は日本マクドナルド株式会社 人事本部執行役員 チーフピープルオフィサーの斎藤由希子氏との対談をお届けします。
西田:本日のゲストは、日本マクドナルドの人事本部執行役員 チーフピープルオフィサーの斎藤由希子さんです。よろしくお願いいたします。
斎藤由希子氏(以下、斎藤): カインズの皆さん、こんにちは。よろしくお願いいたします。
西田:斎藤さんとの出会いは2014年で、Yahoo!の本間さんが塾長を務める本間塾の夜の懇親会にご参加いただいたときでしたね。
その後、2018年に行われたリクルートワークス主催の勉強会で再会しました。
お会いしたときの印象は、非常にスマートな方だと感じたのですが、改めて斎藤さんのご経歴をお話いただけますか。
斎藤: 新卒で大学を卒業した後、ANAグループに5年間ほど勤務をしまして、人事を経験いたしました。
その後、まだまだインターネットが出始めた頃だった1999年に、Yahoo!へ入りました。そのときは、Yahoo!も社員数が100人ほどの規模でしたが、20年間勤務して退職する頃には、6000人規模にもなっていました。
100人から6000人へと60倍に社員数が増える中で、ずっと人事を経験できた、それも新しい産業であったのは、非常にエキサイティングで良い経験になりました。
西田:Yahoo!の「爆速経営」を経験されたわけですね。
斎藤: 「爆速」ってなんだって思いますよね。
人事で「爆速ワイルド」が会社の行動指針だと言われまして。今までの価値観から180度変わるような環境で人事を経験しました。
20年間インターネットの業界で働いたわけですけれど、Yahoo!退社後はお声をかけていただいた法律事務所へ転職をしました。2018年から3年ほど勤務して、デジタルトランスフォーメーションや人事制度改革に携わりましたね。
西田:その後マクドナルドに行かれたんですよね。
斎藤:日本マクドナルドに移ったのは、たまたまご縁でお話を聞いたのがきっかけです。
誰と何をするかと考えたときに、日本マクドナルドのカルチャーやチャレンジを聞いて、ぜひやってみたいと思い、2021年の8月から勤務してます。
西田:斎藤さんはどんなスタンスでキャリア形成されたんでしょうか。
斎藤:キャリアについては、実はあまり設計してきていなくて。
ただ、キャリアは常にオープンにというスタンスにしていました。異動や転職のお話があったときには、「私には無理なんじゃないか」と言わず、常に好奇心を持ってやってきました。
設計の意味ではなかなか設計通りにはいかないので、あまり考えてはきていませんでしたが、「自分は何が好きなんだろう」「どんなことをしたいんだろう」「自分のやるべきことはなんだろう」と3つの問いを立てて、自己理解を常に続けてきましたね。
西田:キャリアを形成していく上で大事にしていることはありますか。
斎藤:大事に思っていることはいくつかあります。まずは人との出会いを大切にする、ギブアンドギブで「信頼貯金」を積むことを考えています。
西田:私の場合は「得を積む」と表現してるんですが、おそらく同じ感覚ですよね。
斎藤:同じだと思います。人との出会いを大切にして、常に“ギブアンドギブ”で自分ができることをしていると、信頼貯金ができていました。
振り返ると、思わぬところで力を貸していただける機会がたくさんありまして。人との出会いに大きい小さいはなく、1個1個を大切にするのがキャリアを考えた上でも、大事だったと考えています。
西田:実際に困ったことや壁に立ち塞がれたときに、どんな解決をされてきたのでしょうか。
斎藤:キャリアでの苦労というと、出産を2回経験してキャリアや女性のアイデンティティの多様さを考えました。
働く人でもあり、妻でもあり、母でもあり……こうしたことを考えると、常に誰かと比べてしまって。子どもが小さい頃は、いつも誰かに「すみません、すみません」と謝っていました。
そんなときに、人生のちょっと先を行く先輩や、同僚に手を差し伸べていただいたのは、本当に助かりました。人との出会い、関係性で支えられたなと思っています。
西田:女性のキャリア形成に関して、難しく感じられたことはありますか。
斎藤:私は器用な方ではないので、仕事をする上で失敗してしたり、挫折をしたり、うまく組織運営できなかったりしたことは、過去にたくさんありました。
今から20年近く前ですと、インターネットの業界でも女性の管理職がいなかったので、女性に対する固定観念もかなりありましたね。
例えば、「女性は休日は家事をするから出張や研修には参加できない」「女性は家庭を優先するものだよね」「女性は感情的だよね」といったものをストレートに言われなくても、そういう前提があって、今の発言があるんだと感じて、息苦しいときがありました。
また、この先の自分のキャリアが見えないと思うようなことも何度もありましたし、いわゆる「ガラスの天井」をたくさん感じてきました。ただ、女性にとってのガラスの天井はまだありますが、それに縛られてたのは自分自身だったところもあるかもしれません。
一方で、人からいただくフィードバックを謙虚に受け止めて成長の糧にする、良くも悪くも女性で目立つので、他の会社の女性の管理職とつながることができる、といった面もありのびのび生き生きとできたところもあります。
困難はいろんな仲間と力を合わせながら乗り越えられたと思いますね。
西田:マクドナルドに入社する前と後で、会社に対する印象の違いはありましたか。
斎藤:予想以上にグローバルな環境であったところですね。
英語の資料が多かったり、一緒に働く方々も多国籍であったりと、想像以上なことがたくさんあって今必死に英語を勉強しているところです。
西田:英語はネイティブに近い能力を求められるのでしょうか。
斎藤:今まで英語を使う機会は、メールで読み書きできれば足りていましたが、現職では読み書きだけではなく、会議でたくさん発言をする必要があります。
50歳を過ぎて、こんなに英語を勉強することになるとは思わず、もっと早くから勉強しておけば良かったかなと思っています。
西田:現在の業務でチャレンジされていることはありますか。
斎藤:マクドナルドのビジネスの基盤はピープルですので、19万人を超えるクルーをいかに採用し、この人数規模を支えていくか、長く働きたいと思っていただけるような価値を提供していけるかを第一に取り組んでいます。
西田:クルーのエンゲージメントを高める肝をどのように考えられていますか。
斎藤:「成長を実感する」と「お客様のために」の2つが肝ですね。
創業の頃から、マクドナルドは「ピープルビジネス」を掲げています。具体的には働いている方々が会社の資産であり、いかに従業員を成長させてビジネスに紐づけていくかを考えています。
「ビッグスマイル」と表現している通り、皆さん本当にいい方ばかりです。笑顔に触れる職場を作るのは、お客様にとっても心地がいい場所になりますし、クルーの方が満足をすれば、お客様に対して自発的にもっといいサービスを提供しようと思うようになりますよね。
まずはクルーや従業員1人1人が成長をして、 仕事が楽しい、お客様に喜んでもらって嬉しい、と感じられる場面を増やせるかが一番エンゲージメントの肝だと思ってます。
西田:一時的な目標やセールスを利益に置くのではなく、Employee Value Proposition(従業員への価値提供)を果たすことで利益を得る考え方ですよね。
斎藤:EVPという言葉自体、まだ日本では浸透していませんが、マクドナルドではグローバル規模で、EVPをどのように、誰にどんな形でとかなり細かく決めています。
例えば、クルーのEVPについても、かなり細かく決めています。入店から退職するまでのクルーの経験を「クルージャーニー」と呼び、タイミングごとに必要なアプローチを特定しています。また学生や主婦、シニアの方などどんな属性にも提供できるEVPを定めています。
西田:最後にカインズのメンバーにメッセージをいただけると嬉しいです。
斎藤:カインズの店舗は、高圧洗浄機のレンタルや体験会などいつも新しい発想と楽しいことが溢れていると思っております。
残念ながら、私の街にはカインズがありませんが、いつかカインズが来る日を心待ちにしています。従来のホームセンターや小売業の概念を超えた、楽しくて明るい世界観のカインズをこれからも期待しておりますので、ぜひ頑張ってください。
※本記事はカインズの社内ラジオ"らららジオ"の対談企画「CHRO TALK LIVE」の書き起こしです。通常は社内でしか視聴できない内容ですが、となりのカインズさんを通じて社外の皆様にもお届けいたします。