「忘れ物なし!」毎朝の身支度に大活躍なスリムラックを電動工具なしで作る
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キャンプはいわば、ミニサイズのお引越し。日常を離れ、ヤドカリのように、自分のおうち(テント)や、生活に必要な一切合切を担いで移動するレジャーです。
徒歩ソロキャンプはもちろん、たとえクルマやバイクで行くときも、できるだけ荷物は軽く、コンパクトにしたいですね。スピーディーな設営・撤収に繋がり、その分寛ぎタイムを楽しめます。
今回は、主に徒歩+公共交通機関でソロキャンプに行くときにおすすめの軽量でコンパクトなキャンプギアをご紹介します。
一気に全てのキャンプ道具を揃えるのがなかなか難しいもの。まずは家で使っている食器や調理器具を持ち出せばいいのですが、慣れてきたら少しずつ道具のスリム化を図っていきましょう。
旅の荷物をまとめるときのテクニックは、キャンプにも応用できます。旅行用の衣類圧縮袋を使えば、嵩張る冬のアウターやブランケットも全部ぺったんこにして持って行けます。汚れ物を持ち帰るときも、ニオイが漏れるのを防いでくれます。
衣類圧縮袋は、手作業で丸めながら空気を抜くタイプのものを選びましょう。電源を使わずに帰りの荷物をまとめることができます。アウトドアですから、作業中に小石や小枝の先などで圧縮袋に穴が開くことを想定し、未使用の予備を3〜4枚持って行くと安心です。
キャンプのスキンケアやヘアケアには、持ち運びに嵩張らないシートタイプの清拭剤がオススメです。設営や撤収、薪割りなど、キャンプではいつもより体を動かします。春夏はもとより、冬キャンプでも結構汗をかいているもの。そんなとき、汗やニオイをサッと拭き取れるボディ用シートが便利。メイクの上から使えるシートで、化粧直しもパパッと手早く。
シャワーやお風呂が混雑していたら、シャンプーシートでヘアをリセットしましょう。寝る前のメイクオフは、肌を傷めにくいリッチなオイル入りの拭くだけシートで簡単に。メイクを落としたら、そのまま夜のスキンケアが可能です。
左は冬用ダウンシュラフ(快適使用温度-6℃〜・重量約995g)、右側は春先から秋口まで使える3シーズン用ダウンシュラフ(快適使用温度0℃〜・重量約865g)です。ダウンシュラフは非常に軽く、コンパクトに収納できること、膨らんだ羽毛の間にたっぷりと空気を含み、とても暖かいことが特徴です。
コンパクトだとバックパックの背面に取り付けて運べるため、徒歩ソロに欠かせない寝具といえるでしょう。ポリエステルなどの化学繊維綿を使用したシュラフは、同じ快適温度帯でもここまで小さくはたためません。
ただし、ダウンシュラフは化学繊維製のシュラフに比べて高価です。クルマを利用したソロキャンプなら、化学繊維製でもOK。どちらも購入の際は、キャンプする季節・気温に合ったスペックのものを選びましょう。
女子なら持って行く着替えの数に悩みますね。最近のファミリー向け高規格キャンプ場には、洗濯機・乾燥機の設備があるところも。連泊キャンプなら、キャンプ場で洗濯することを考えに入れて、着替えを加減することも可能です。
キャンプ中でもシャワーやお風呂でさっぱりしたいし、近くの温泉も楽しみ。でもキャンプ場にはタオルがないし、バスタオルを持って行くと荷物が多くなる。そんな悩みには、リネン(麻)100%のバスタオルがおすすめ!
リネンのバスタオルは抜群の吸水性があり、これ1枚で体も髪も十分拭けます(ロングヘアの方は、ヘア用にリネンのフェイスタオルまたはヘアターバンを用意するといいでしょう)。速乾性にも優れ、夏場なら1〜2時間ほどで乾いてしまいます。繰り返し洗濯することで、柔らかく肌馴染みもよくなります。
キャンプに慣れてきたら、食器を軽量なものに入れ替えるといいですよ。「映え」を諦めたくないなら、お気に入りのプレートは1つにして、画面に映らないその他大勢の食器は軽量化しましょう。重くなりがちな金属製の食器は、素材に注目するのがコツです。
軽量で耐久性の高い金属の代表格に、アルミ(アルミニウム)とチタン(チタニウム)があります。チタンは金属の中でも熱伝導率が低く、熱いものを入れて口をつけても火傷をしにくいです。また、金属臭も少なく、料理の風味を損いません。
筆者の基本ソロセット、チタンのマグカップ、シェラカップ、フォークとスプーンを計ってみましょう。総重量153gと、バナナ1本分の軽さです。
お皿に、コップに、調理器具にと重宝なシェラカップ。チタン製は42g、一般的なステンレス製94gに比べて半分以下の重量です。複数あればなにかと便利なシェラカップは、ぜひ軽いものを。
重さの次は、コンパクトになるかどうかが選択の基準となります。筆者のカトラリーと調理用具は、どれも真ん中で折りたためるタイプ。
たたむと小型のペンケースに全部入ります。総重量はペンケースも入れて215g。ペンケースは通気性のいいメッシュ製なので、洗ったカトラリーに少々水滴が付いたまま収納しても乾きやすいです。
軽量なチタンやアルミ製を選ぶといいでしょう。アルミなら硬質のHDD(ハードアノダイズド加工)クッカーが耐久性も高く、直火使用の汚れもあまり目立ちません。
チタンのクッカーは熱伝導率の低さから、慣れないと焦げやすいのですが、それを補うノンスティック加工が為されているモデルも販売されています。
こちらのアルミクッカーは、ケトルとしても使える注ぎ口付きのクッカーと、ミニフライパンのセット。重量は約280g、2合までの炊飯が可能です。クッカーのサイズを選ぶときに参考にしてほしいのは、内部へのスタッキングが可能かどうか。マグカップや食料品を詰めるなど、空いている空間を活かし、荷物の省スペースを図りましょう。このモデルは、クッカーの中に250gサイズのガス燃料缶が1個入れられます。
キャンプ料理の幅を広げる調理小物として、スライサーやおろし金がありますね。キャプテンスタッグの「シェラカップ調理器」は、大根おろし、薬味おろし、スライサー、エッグセパレーター、薬味野菜や生ハーブの水切りと、5つの機能を1セットにまとめた便利品。それぞれを個別で持って行くよりはるかに省スペースが叶います。
重量は65g、300mlサイズのシェラカップにピッタリはめて収納できます。
広い面積の方が使いやすいまな板。キャンプに持って行くなら、折りたたみできるまな板なら荷物になりません。
高儀の「小さく折りたためるまな板」は、3つ折り仕様で、たたむと普通サイズのメスティン(1.5合炊きタイプ)の中に収納できます。重量は約57g、抗菌剤入りのポリプロピレン製で、耐熱温度は100℃、使用後は熱湯をサッとかけて消毒できる清潔仕様。
ソロなら、調理の熱源となるバーナーも、小型のものがひとつあれば十分です。着火がラクなガスのシングルバーナーがオススメ。
山岳用の熱源として歴史が長かったガスバーナーは、最もコンパクト化が進んだアウトドアギア。コーヒーやインスタント食品を調理するのに適したバックパック・ソロキャンプ向きのものや、火力が強く、強火の調理や容量の多い汁物調理が可能なモデルも。徒歩やバイクなど持って行ける荷物に制限がある場合、ある程度大物も運べるクルマの場合など、ご自身のキャンプスタイルに合わせて選んでください。
アウトドアで何よりホッとするのは、美しい自然の中で味わうコーヒータイムではないかと思います。キャンプでコーヒーやお茶を楽しむ人も多く、軽量で持ち運びしやすく、見た目もオシャレなものがたくさん出回っています。
コーヒーミルは1〜2人分のコーヒー豆、約20g程度が挽けるスリムタイプで、ハンドルが分離できるものを。コーヒードリッパーもフラットにたためる製品を選ぶといいでしょう。
キャンプメニューが決まったら、カットして持っていける食材は使う分だけチャック袋に入れて。皮などのゴミも減らせます。肉や魚などは下拵えし、あらかじめ味付けして冷凍しておけば、調味料も不要。現地に着く頃には溶け、すぐに調理可能に。
食材のパッケージや、レトルト食品の外箱は外して持って行きましょう。外装のレシピ欄を切り取って貼ったり、スマホで画像を撮っておくと調理時にまごつきません。
スティックコーヒーも外箱から出して、飲む分だけ持参しましょう。大袋入りの粉末飲料は、1杯分ずつ小さなチャック袋に小分けして。
食の軽量化には、アウトドアショップやカインズの防災コーナーにあるフリーズドライ食品を取り入れるのも手。
最近のフリーズドライ食品は風味もよく、炊き込みご飯やパスタなどバラエティも豊富です。お湯を入れるだけだから、着いた日のお昼ご飯や、撤収の日の朝など、手早く食事を済ませたいときに便利です。
テントやタープをしっかり立て、守ってくれるペグも、強度を落とさずに軽量化が可能です。付属のペグが鉄製やステンレス製なら、軽くて曲がりにくいアルミのV字ペグや、軽量で耐久性・耐摩耗性の高いチタン合金のペグに置き換えてみては?
最強と言われる鉄製鍛造ペグと、チタン合金ペグの重量を比べてみましょう。黒い方が鉄製、下の銀色がチタン製。サイズは両方とも強風に耐えうる長さ30cmです。
チタン合金ペグは65g、いっぽう鉄のペグは181gと、約2.8倍の重量です。チタン合金ペグは軽量ながらも曲がりに強く、錆びることも少ないので、メンテナンスも簡単。硬度も高く、砂利混じりのキャンプサイトでもガンガン入って行きます。
あまり力のかからない箇所には、アルミ製のV字ペグがオススメ。このモデルは長さ16cm、重量はたったの10g。小型テントのグランドシートや、補助のガイロープを留めるならこれで十分です。目立つ色のロープを付けておくと引き抜きやすく、紛失防止にもなります。
テーブルもコンパクト化しましょう。ソロなら小型ガスバーナーとマグカップ、お皿が並ぶ広さがあればほぼ全ての食事シーンを賄えます。
選ぶなら、天板がたためて小さくなるものを。このサイズならバックパックの外ポケットにも入ります。
チェアも小さくたためるモデルを選びましょう。座り心地を考えると、座面をフレームに吊り下げるタイプ、焚き火の前の寛ぎには、座面の低いロータイプのチェアがオススメ。
焚き火は、直火OKのキャンプ場を除き、地面や植物を傷めないよう焚き火台を使うのがルールです。火床がメッシュのものや、ステンレスの薄板を組み合わせたものは軽量で、収納もコンパクト。
アウトドア用の燃料は、主に、丸くてコロンとしたOD(アウトドア)缶、細長いCB(カセットボンベ)缶、ホワイトガソリンの3種があります。バーナーやランタンなどを複数持って行くときは、燃料の統一が肝心。
・低温下でも火力が落ちにくいガスもあります
調理器具とランタンを同じOD缶で揃えたパターンです。
CB缶のコンロは家庭用コンロに近く、扱いが簡単なので初心者にオススメ。CB缶を使用したコンパクトなアウトドア用バーナーやランタンもあるので、カセットコンロを持っていれば、CB缶使用の機器で揃えるといいでしょう。
燃料の中でも高火力で、比較的安価なのがホワイトガソリンです。ガソリン機器はサイズが大きめなため、クルマでの移動が主なソロキャンパー向き。ガスは低温下では気化しにくく、なかなか火が点かないことも。ガソリンバーナーやランタンは気温が低くても能力が落ちにくく、風にも強いです。冬キャンプでも快適に過ごしたい人向き。
肩に喰い込むバックパックの重みに耐え、辿り着いたキャンプ地。なるべくなら苦労少なく、体力的にも余裕をもって臨みたいですね。
街を離れ、目の前に広がる絶景の中で過ごすのは最高の癒しです。その時間と空間を目一杯楽しむためにも、キャンプギアの軽量化とコンパクト化を視野に入れながら、道具選びを考えてみてください。