八百屋歴10年のプロが指南。新鮮でおいしい産直野菜を選ぶコツ
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車を使わず、人力移動でキャンプ地に赴く徒歩ソロキャンプ。自分の足だけを頼りに到達する満足感はとても大きいもの。そして、楽チンなのに、同じような達成感が得られるのが、公共交通機関を使った徒歩ソロキャンプです。車の運転ができない筆者のスタイルはこれ。さらに、道中の密かな楽しみは…缶ビールや缶チューハイを、軽く「プシュ!」とできること!
さして体力がある方ではない筆者。それでも、キャンプ場の選び方を工夫すれば、荷物を担ぎ、徒歩でソロキャンプに行けるんです。まずは駅やバス停から近く、徒歩15〜20分程度で行けるキャンプ場を探しましょう。
荷物は50Lクラスのバックパックと、キャリーケースに分けて運んでいます。キャリーケースの容量は、40L〜60L程度がオススメ。今はほとんどの駅にエレベーターやエスカレーターがありますから、乗り換えもさほど苦ではありません。
着替えや化粧ポーチ、すぐ手に取りたい雨具や救急用品、ガスバーナーやLEDランタンのように壊れやすいものはバックパックに収納。テントやチェア、焚き火台など、比較的重い物は、コロコロ転がして運べるキャリーケースに詰めます。
電車とバスを乗り継ぎ、今回訪れたキャンプ場は、なんとバス停から徒歩約5分のところ!
広々とした草地の広がるこのキャンプサイトは、基本的に車の乗り入れや横付けができないタイプ。なので、車の往来を気にすることなく、静かに落ち着いて過ごせるんです。
荷物の中からチェアとテーブルを出し、途中のコンビニで買ったサンドイッチとお茶で、手早くランチタイム。このあと一晩を過ごす寝室とリビング(テントとタープ)設営に取り掛かります。
設営の前に、まず方角を確かめましょう。暑い時期は南西側を覆うようにタープを張れば日差しを遮断し、肌寒い季節はテントの出入り口を南側に向ければ暖かく過ごせます。また、風が強いときはテントの入り口を風下に向ければ、テントが飛ばされるのを防げます。お天気アプリなどで天候や風の変化を予測しておきましょう。
場所と向きが決まったら、テントを広げます。風でめくれるようなら、ペグで軽く仮止めしながら立てましょう。
フライシートをかけ、四隅にペグを打ち、次に出入り口のペグを打って固定します。
テント全体を強風から守ってくれるガイロープも忘れずに。つい省いてしまいがちですが、寝ている間に天候が急変し、強風が吹き荒れることも。たとえ日中穏やかであっても、安全のためテント外枠のガイロープは必ず設置するように習慣づけましょう。
テントはピンと張ることで、耐水・耐風性能を発揮するように設計されています。シワなく平均にテンションがかかるように張ってください。
徒歩ソロキャンプで一番大切なのは、キャンプギアの軽量コンパクト化です。筆者のテントは、重量1.51kgの山岳用軽量ドームテント。大きさは、着替えやコスメなど、女子ならではの荷物を広げるスペースのある2人用がオススメ。
ソロキャンプに出かける前に、ご自身のテントの取扱説明書や説明動画を確認し、庭や公園などで試し張りをしておくと、当日慌てることなくスムーズに設営できますよ。
今回、リビングスペースとなるタープ(一枚布の屋根)を持参しました。雨や陽射しを避け、ソロキャンプの快適度が格段にアップします。
コツをつかめば、女子ひとりでも手早くタープを立てられます。まず、タープを縦半分に折り、地面に置きます。タープの前後の頂点の穴にポールを差し、タープの上からメインロープ(赤)を引っ掛けます。ポールは下の方を中心に向けておきます。
二股になったメインロープを約90度に開き、自在金具で長さを調整します。地面に置いたメインロープの先端、4箇所にペグを浅く仮打ちします。
片方のポールを持ち上げ、メインロープがピンと張る位置に立てます。
反対側のポールも同じように立てます。
メインロープの4本のペグを、しっかりと打ち込みます。
次に、タープの角を固定していきます。角のロープ(白)を持ち、タープがピンと張る位置を探りながら、四隅のペグを打ち込みます。
メイン4箇所と角の4箇所、計8本のペグを打ち終わりました。あとは各ロープのテンションを微調整し、完了です!
テントもタープも、時々張り具合を点検してください。風でペグが浮いたり、夜露でロープが緩んでいることも。強風に煽られ、はずみで抜けたペグが勢いよく飛んで、別のサイトの地面に刺さったのを目撃したことがあります。車や人に当たったら一大事だったと、ヒヤリとしました。
ひとり静かに揺らめく炎と向き合う。最高の癒しの時間ですね。安心・安全に焚き火をするため、ルール・マナーのおさらいをしておきましょう。
一部を除いて、キャンプ場では地面の上で直接焚き火をする「直火」は禁止。焚き火台を使いましょう。芝生や地中の微生物を火の粉や熱から守るため、焚き火台の下に「焚き火シート」を敷くのがマナーです。様々な商品が販売されているので、焚き火台をしっかりカバーするサイズのシートを購入してください。
他に用意したのは、火ばさみ、手袋、ライター、ノコギリ、鉈、火吹き棒です。
バケツ等に消火用の水を用意し、万が一の延焼に備えましょう。薪の下には防水素材のシートを敷き、湿気るのを予防します。
いきなり太い薪には火はつかないので、細く割りましょう。女子の手にオススメなのは、刃渡り12〜15cm程度の小型の鉈。初心者でも、両刃の鉈を選べば真っ直ぐに割りやすいです。薪の頭に刃を軽く食い込ませ、薪の先を台にトントンと打ち付けながら割っていきます。
トントン方式で割れない太い薪は、「バトニング」という方法で割ることができます。台の上に薪を立て、上から鉈をあてがいます。別の薪を握って上から鉈の背を叩き、少しずつ割り進めます。
※刃物を持つ方の手は、滑らないよう素手が基本。薪を持つ方の手は、怪我防止のため厚手の軍手か革手袋をはめましょう。
※※バトニングは刃物全体に大きな力がかかります。使えるのは、刃先から持ち手のお尻まで、1本の鋼材が貫き通っている「フルタング」造りの刃物に限ります。
火を熾すためにあると便利なのは、着火剤です。アルコールジェルタイプや厚紙に蝋を染み込ませたもの、おがくずを固めたものなどがあります。いきなり太い薪には火はつかないので、まず燃えやすく加工された着火剤を使って点火し、枯葉や小枝、松ぼっくりなど、細い薪、太い薪の順に火を大きくしていきます。
※着火剤は非常に燃え上がりやすいので、後から着火剤を足すと、一瞬で炎が駆け上り、火傷の危険があります。着火剤の継ぎ足しは絶対にやめましょう。
今回は、ほぐした麻紐の繊維を着火剤として使いました。細く割った薪の間に小枝や落ち葉を置き、麻の繊維を差し込みます。空気が通るよう隙間を開けながら、中程度の太さの薪、太い薪の順に重ねます。
ライターで麻の繊維に火を付け、落ち葉、小枝、細い薪の順に火を付けていきましょう。
火吹き棒で空気を送り込み、太い薪に火を移します。
炎が大きいと、大量の火の粉が飛んで、キャンプウェアや近隣のテントに穴を開けてしまうことも。ケトルの底面からはみ出ない程度、上品サイズの火を楽しんでください。
お待ちかねのひとりBBQタイム。取り扱いのラクな成型炭を使用しました。
成型炭はライターですぐ着火できるので、キャンプ初心者向き。
ディナーメニューは牛フィレステーキ。鋳物の鉄板を熱し、オリーブオイルを垂らして焼いていきます。
赤ワイン、キャロットラペ、温野菜を添えて、いただきます!
消し炭や灰は、完全に消火していることを確認し、キャンプ場の炭捨て場に捨てましょう。土に埋めたり、草むらの陰に撒いたりするのはNG。炭は炭素なので、これ以上分解せず、ゴミとして永遠にその場に残ってしまいます。
捨てられない場合は、アルミホイルやポリ袋などに包んで持ち帰り、お住まいの自治体のルールに従って処分してください。
今回、コット(組立式簡易ベッド)を持ってきました。地面の様相にかかわらず、快適に休めるので、翌朝に疲れを残したくない徒歩ソロキャンプにオススメです!
安全のため、テントファスナーの内側に簡単なワイヤーキーを付けて休みました。昼間、サイトを離れるときも、比較的高額なキャンプ道具はテントの中に収めて鍵をかけておくと安心です。
ガスバーナーで湯を沸かし、朝のコーヒー。チェックアウトは11時、2日目の朝は片付けに時間のかかる焚き火は避けたほうがいいでしょう。
朝食は、レトルトのお粥とフリーズドライの味噌汁で簡単に。
洗い物の時間がなかったり、炊事棟が混雑しているときは、汚れをウェットシートなどで拭い、帰宅してから洗えばOK。
幕体の夜露を拭い、乾かします。撤収の日が雨なら、テントとタープをざっとたたんで45Lのゴミ袋に入れて持ち帰り、帰宅してから干しましょう。
テントを裏返し、底が乾燥してからしまいます。風で飛ばないよう、1箇所をペグで留めておきましょう。
ポールは中のゴムの張りが偏らないよう、真ん中から折りたたみます。
タープをたたみます。全体が四角形になるよう、出っ張っている部分を折り込みます。
最終的に、袋の長さに合うようたたんでいけば、スッと収納できます。
ペグは汚れを拭き、尖っている方を上に。収納袋の底が破れにくくなります。
そろそろチェックアウトの時間です。忘れ物やゴミが残っていないか、くまなく見回してから帰りましょう。次に来る人も、気持ちよく寛げるように、「来た時よりも美しく!」
自然に囲まれて過ごすひとりの時間。多忙な街の生活でささくれてしまった心が、穏やかに癒されていくのを感じます。キャンプ中の全てを自分で判断し行動する。その手応えは、生きるパワーの源ともなり得るもの。孤独と裏返しの自由さを、徒歩ソロキャンプで味わってみませんか? あなたもぜひ、広い空の下の開放感を体験してください!
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撮影協力:UJackむつざわオートキャンプ場