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可憐な淡い色の花を咲かせる勿忘草(ワスレナグサ)のを好きだという人は少なくないはず。花を見たことがないという人も、はかなげなストーリーを感じさせる名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この記事では勿忘草(ワスレナグサ)のがどんな花なのか、自分で育てるにはどうしたらいいのかなどの詳細な情報をご紹介します。
和名の「ワスレナグサ」は厳密にはシンワスレナグサ(ミオソティス・スコルピオイデス Myosotis scorpioides)を挿しますが、現在ではワスレナグサ属の草花の総称として呼ばれることがほとんどです。
現在はノハラワスレナグサ (Myosotis alpestris)とエゾムラサキ (Myosotis sylvatica)、またこの二つの種の交配で生まれた品種が勿忘草(ワスレナグサ)のとして流通しています。
花は淡い青花の中心に黄色や白の目(斑紋)が入るタイプが一般的ですが、最近はピンクや白の花色も登場しています。多年草なのですが、日本では一夏越しが難しいため、一年草として育てられています。
ヨーロッパには勿忘草(ワスレナグサ)のが登場する悲恋の物語が伝えられています。
とある騎士が恋人と川のほとりを歩いていたときに、川岸に咲く愛らしい青い花を見つけました。騎士は女性のために青い花を摘もうとして川に落ちてしまいます。騎士は重い鉄の鎧を着ていたために川に沈んでいってしまいますが、最後に恋人に青い花を投げ「私を忘れないで」と言ったそうです。
この故事にちなんで、ドイツ語で「私を忘れないで」を意味するVergissmeinnichtと呼ばれるようになったとされています。
また別の伝説では、あるとき神様が全ての花に色をつけたとき、勿忘草(ワスレナグサ)に色をつけるのを忘れて帰ってしまおうとしたそうです。
勿忘草(ワスレナグサ)が神様の背中に向かって「私を忘れないで!」と叫ぶと、神様はその言葉を勿忘草(ワスレナグサ)の名前にし、手元に少しだけ残してあった青色を花色として授けると、勿忘草(ワスレナグサ)はその色を喜んでまとい、勿忘草(ワスレナグサ)の花の色となりました。
いずれの伝説もヨーロッパ各所に伝えられていますが、花の名前として残ったのはドイツだけです。それがイギリスを経由してさまざまな国に伝えられ、それぞれの国の言葉で「私を忘れないで」という意味の名前で呼ばれるようになりました。
ちなみに学名のミオソティスMyosotisはギリシャ語で「ネズミの耳」という意味です。
真実の愛、私を忘れないで、真の友情などです。ヨーロッパの伝説を元にしたものが多いようですね。欧米では、勿忘草(ワスレナグサ)の青い花を、愛する人を見つめる瞳のシンボルと捉えることもあります。
切り花、花束の場合であれば、勿忘草(ワスレナグサ)の花は淡いブルーでとても愛らしいのですが、大きな花、強い色彩の花と合わせるとよさが引き立ちません。
勿忘草(ワスレナグサ)のよさは、たくさんの花が集まってこそ。それなりの花数を揃え、小花が群れ咲いている風情を出すのがおすすめです。
装飾として、あまり主張がない葉ものと合わせてもいいですが、いっそ勿忘草(ワスレナグサ)だけの小さなブーケにするのも、花の素朴さが出て愛らしいです。
根のある鉢物で贈るなら、花数の多い大株がよいでしょう。植えつけたばかりの寄せ植えであれば、勿忘草(ワスレナグサ)のささやかな愛らしさを邪魔しない植物と合わせてあげるのがよさそうです。
上方向に広がりを演出しつつも主張が強過ぎないコロキアや、鉢の縁から垂れ下がって下方向に広がりを感じさせてくれる、ディコンドラ’シルバーフォールズ’を合わせてみてはどうでしょう。コロキアとディコンドラのシルバーグレーの葉色と勿忘草(ワスレナグサ)のすんだ花色がマッチするはず。
勿忘草(ワスレナグサ)のはこぼれダネでも増えるような丈夫さを持つ反面、移植は嫌うなどちょっとデリケートな面もあります。ここでは、勿忘草(ワスレナグサ)の育て方のポイントをご紹介します。
勿忘草(ワスレナグサ)のは秋に苗が、春に花付き株が出回ります。3月中旬ごろから開花し、梅雨入り前まで開花が続きます。夏以降タネが出回るので、9月中旬ごろからタネまきを始め、苗をつくります。
秋の苗はまだ花芽が上がっていません。がっしりとしていて、葉が傷んでいないものを選びましょう。春の苗はつぼみや花がついたものが出回ります。
ポリポットの中で根がまわっていると根づきにくいので、あまり根が張っていない苗がおすすめです。苗を選ぶときに、ポリポットの底穴から根が出てきていないものを選びましょう。
日当たりのよい場所で育てます。株が横に張るので、すぐ近くにほかの株や植物が無い広めの場所を選んで植えましょう。
寒さには強いのですが、冬の乾いた寒風にはよわいところがあるので、あまり風が吹き抜けない場所がおすすめです。
冬の間は風が吹き抜けない日だまりで、春からはじょじょに明るい日陰になっていく落葉樹の木陰だと、初夏以降も長く花が楽しめます。
勿忘草(ワスレナグサ)はもともと湿潤な場所に自生する植物。そのため、水切れさせると根が傷んだり、葉先が枯れたりするので、水切れさせないように水やりをします。
庭植えは根が張ってしまえば水やりはあまり必要ありませんが、特に太平洋側など冬に空気が乾燥する地域では、意外と土が乾くことがあります。
極端に水切れさせないよう注意し、乾きすぎるようであれば水やりしましょう。鉢植えは鉢土の表面が乾いてきたら水やりをします。
植えつけの際に緩効性化成肥料(ゆっくり効く粒状肥料)を土に混ぜ込んでおきます。基本的に以降は肥料を与えなくてもよいですが、下葉が黄色くなってくるようだと肥料切れなので、液体肥料を7〜10日おきに与え、株の勢いが回復したら肥料を与えるのをやめます。
あまり肥料を与えてしまうと茎や葉を伸ばす方に体力が使われてしまうので、あまりたくさん肥料を与えすぎないように注意して下さいね。
庭植えは直径30cm×深さ20cmほどの植え穴を掘り、土に腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質と緩効性化成肥料を混ぜ込んでから植えつけます。複数の株を植えつける際は、株間を20〜30cmほど取りましょう。
秋の植えつけが遅れると、寒くなるまでに根がしっかり張らないことがあります。その状態で霜柱が立つと株が浮き上がってしまうことがあるので、株のまわりに腐葉土を盛って霜を防いだり、浮き上がった株の根鉢を押さえたりして、土と密着させましょう。
鉢植えは市販の草花用培養土か赤玉土6:腐葉土4などの配合用土で植えつけます。市販の用土を使う場合は不要ですが、自分で用土を配合する場合は緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。鉢の大きさは6〜8号(直径18〜24cm)程度が適当です。
花が終わった後もそのままにしておくとタネがつくことがあります。勿忘草(ワスレナグサ)のは夏までは繰り返し咲く花ですが、タネを作ることに体力を浪費してしまうと、花付きが悪くなってしまうので、終わった花は摘み取るようにしましょう。
ちなみにそのままタネをつけておくとこぼれダネで秋頃に発芽してきたり、タネを取って苗をつくったりすることもできます。
夏以降に流通するタネを買ったり、前のシーズンにタネを取ったりしておけば、タネまきで苗をつくることができます。暑さがやわらぐ9月下旬になったらタネまきのシーズン到来です。
一晩水に漬けてタネに水を吸わせ、市販のタネまき用土や新しい赤玉土、バーミキュライトなどにタネまきします。苗をつくって植えつけるのであれば、10月中に済ませておきましょう。
苗ができるのが11月になってしまったら、苗のまま室内の涼しいところで冬越しし、3月になってから植えつけます。
勿忘草(ワスレナグサ)のは植えかえで根が傷むと育ちが悪くなってしまうので、育てたい場所に直接タネをまいてしまうのもよいでしょう。
育てたい場所を軽く耕して腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質と緩効性化成肥料を土に混ぜ込み、タネがばらけるようにまいていき、軽く土をかぶせておきます。
たくさん芽が出てきたら、混み合ったところは元気のよい株を残して、最終的な株間が20〜30cmになるよう間引いていきましょう。
傷んだ葉や花がらをそのままにしておくと、灰色カビ病が発生することがあります。そこから株に病気が広がることがあるので、落ちた葉や花はこまめに取り除くようにしましょう。
温かくなってくるとアブラムシが集まってきます。特に若くて柔らかい芽などに集まって来てしまうのですが、そのままにしていると新しい蕾もできにくくなってしまうので、見つけ次第駆除しましょう。
オルトランのような浸透移行性の薬剤を株元にまいておくと、アブラムシがつきにくくなります。浸透移行性の薬剤は、水に溶けた薬剤が根から植物全体にいきわたり、植物の汁を吸う害虫に効き目を発揮するタイプの薬剤です。
清楚な花をたくさん咲かせてくれる勿忘草(ワスレナグサ)。こぼれダネでもよく増えるので、一度植えると何年も楽しむことができます。
花が少ない1〜3月ごろにも花が楽しめるので、早春の庭を華やかに彩ってくれます。ガーデニングの経験があまりない人でも手軽に楽しめる勿忘草(ワスレナグサ)を、ぜひ育てて見てください。