【2023年お正月プレゼント】自宅で簡単! キノコの栽培キットを使った育て方
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公園や川辺など身近な草むらで見かけるバッタ。手づかみでも捕まえやすく、カマキリのように生きたエサしか食べないという気難しさもないため、子どもが「飼いたい!」といっても比較的手のかからない昆虫です。
しかし、いくら飼いやすいといっても、きちんとお世話をしないとあっという間に弱ってしまいます。バッタは何とはどのような生き物なのか? 水は? 食べ物は? 虫カゴの環境は?など、意外と知らないバッタ飼い方を解説します。バッタの捕まえ方も併せて紹介するので、これからバッタを探しにいく方はぜひ参考にしてください。
バッタはバッタ目(直翅目)・バッタ亜目に分類される昆虫の総称です。漢字では飛ぶ蝗(いなご)で「飛蝗」と書きますが、イナゴとバッタに根本的な違いはなく、学術上はほぼ同義です(ちなみに、イナゴは昔から稲を食べて荒らすことから「稲の子」と呼ばれていたそうです)。
バッタは世界各地に広く分布しており、日本でもトノサマバッタやショウリョウバッタをはじめ、さまざまなバッタが確認されています。
大きな頭部に短い触覚、細長い体型ながら発達した後脚を持っています。ジャンプ力が凄まじく、自身の体長の数十倍も高く飛び跳ねることが可能。成虫になると翅が伸びて飛行できる種類もおり、エサを求めて長距離を移動することも。
体色は基本的に保護色であり、周囲の草や土に合わせて変化しますが、多くは緑色または茶色です。
多くのバッタは夏から秋にかけて活動し、イネ科やその他の野草を食料とします。昼行性なので夜は行動しません。
種類によって地上性・植上性と生活拠点が異なります。たとえばトノサマバッタは地上性、ショウリョウバッタは植上性です。植上性のバッタの脚先は吸盤のような器官が発達しており、これで植物はもちろん、ガラスのような突起がない面でもしがみつくことができます。
秋になると土の中に卵を産み、卵のまま冬を越して5~6月頃に孵化。幼虫は成虫とほぼ同じ姿かたちをしています(不完全変態)。約2か月で成虫になり、秋頃に交尾を経て産卵……というサイクルをたどるのが一般的です。
寿命は約3~5か月ですが、「ツチイナゴ」のように成虫で越冬し、10か月ほど生きる珍しい種類もいます。
多くの場合、身近にいるバッタを捕まえて飼うことになるでしょう。国内でよく見られるバッタにはどのような種類がいるのか、代表的なものとその特徴をまとめました。
体長約4~7cmほどの大型のバッタです。特徴的な名称から昆虫に詳しくない方でも聞いたことがあるのはないでしょうか。なぜ「殿様」と呼ばれるようになったのかは諸説ありますが「大きくしっかりとした体躯だから」といったシンプルな理由が有力です。
群れで育った個体(群生相)と、そうでない個体(孤独相)がおり、群生相は茶褐色、孤独相は緑色です。身近でよく見かけるのは孤独相が多いでしょう。
トノサマバッタと並んでよく見かける、頭が三角形になっているバッタです。オスは5cmほどですが、メスは8cm級になる個体もおり、日本では最大種です。
メスはあまりジャンプ力がないのに対し、オスはよく飛び跳ね、前翅と後翅を打ち合わせて「キチキチ」と鳴くという性差もあります。また、メスの両後脚を手で持つと、逃げようとして前脚を上下に動かす仕草を取ります。このことから、オスを「キチキチバッタ」、メスを「ハタオリバッタ」と呼んで区別することもあります。
ショウリョウバッタとよく似ているけれど、体長が3~5cmのバッタはショウリョウバッタモドキである可能性が高いです。大きさのほか、「背中に赤みがある」「脚が短い」「ジャンプ力が低い」といった特徴が見られる場合は、十中八九ショウリョウバッタモドキでしょう。
一見トノサマバッタのように見えますが、トノサマバッタよりはやや小型で4~6cmです。また翅に白帯があることや、背中が盛り上がった体格をしている点も異なります。
後翅の中央部に黒い半月状の模様があるのも特徴で、飛び跳ねたときに車輪が回っているように見えるのが名前の由来。街中にはあまりいないため、捕まえるなら丘陵地や山間部まで足を運びましょう。
クルマバッタに非常によく似た小型のバッタです。見分けるのは少々難しいですが、クルマバッタに比べると頭部の盛り上がりが低く、「く」の字のような模様が見られるのが一つの特徴です。また、クルマバッタの前脚には明らかな切れ目模様が入るのに対し、クルマバッタモドキの切れ目は曖昧です。
より正確に見分けるには後翅を広げて観察します。クルマバッタの後翅の内側は黄色いですが、クルマバッタモドキは透けて見えます。
その名の通り、バッタがバッタをオンブしている姿がかわいらしい小型のバッタです。下にいるのがメスで体長は4cmほど、上がオスで体長は約2cmです。
オスがメスの上にいる理由は交尾をするためですが、「ほかのオスに奪われないよう独占している」という意味合いもあるようです。しかし、「メスを守っている」というロマンチックな見方もあります。
なお、もし後翅が赤く染まっているオンブバッタを見つけたら、それは中国や台湾、南西諸島からやってきたアカハネオンブバッタです。
バッタを捕まえるのはそう難しくありませんが、なかなか捕獲できないという方向けに、用意するものやちょっとしたコツなどを紹介します。
気温が低い朝方などはバッタの動きが鈍く、捕まえられる可能性が上がります。慣れていれば素手でも捕獲可能ですが、虫取り網を使うほうが成功しやすいです。網で草むらごとをはらうようにすくうと、うまく入ってくれるでしょう。
捕まえたら虫カゴに入れ、念のため周囲にある草も入れてあげてください。
小さなバッタは成虫のように丈夫ではないので、虫取り網でそっとすくうように捕まえましょう。虫カゴに入れるときも傷つけないように慎重に。
虫取り網で傷つけるのが心配な場合は、ペットボトルを使って捕まえる方法もあります。キャップを取り、飲み口から5~10cmくらいを真横に切断して二つに分けたら、カットした上部分を逆さにしてはめましょう。
これで中に入ったバッタが脱出しにくい形状になるので、あとは赤ちゃんバッタを見つけたら手とペットボトルで挟み撃ちにするようにし、ペットボトル内に誘導します。
バッタを手に入れたら、できるだけ長く元気に生きられるよう環境を整えてあげましょう。必要なものは次の通りです。
一般的な虫かごで問題ありません。小さいものだとバッタが飛び跳ねた際に頭などをぶつける恐れがあるので、多少余裕のあるもののほうがよいでしょう。繁殖を考えているなら、なおさら広めのタイプをおすすめします。下記は、中が観察しやすく、観賞用にも適したケースです。
バッタはイネ科の植物を好む種類と、そうでない種類とに分かれます。したがって、基本的にはバッタを捕まえた場所に生えている植物を与えてください。
種類 | 植物 | |
イネ科を植物を好むバッタ | ・トノサマバッタ ・ショウリョウバッタ ・クルマバッタ ・ヒナバッタ など |
・エノクログサ ・オヒシバ ・ススキ ・ササ など |
それ以外の植物を好むバッタ | ・オンブバッタ ・フキバッタ ・ツチイナゴ など |
・シュンギク ・ヨモギ ・オオバコ など |
薄く切ったリンゴ、梨といった果実を食べることもあるので、たまにはデザートとして用意してあげるとよいでしょう。
水分は植物から摂取するので、水入れなどに入れて与える必要はありません。しかし、たまには霧吹きなどで葉の上を濡らしてあげましょう。喉が乾いていれば水滴を舐めて補給することもあります。
水差しは、エサの植物の鮮度を保つために使用します。特にイネ科の植物は水なしだと枯れてしまうため、水差しに挿しておきましょう。
産卵させることを考えているなら土も入れてあげます。土はバッタを捕まえた現地のものを持ち帰って使用するのもよいですが、良からぬ菌が繁殖している恐れがあるため、電子レンジやフライパンなどで加熱処理したほうが無難です。
面倒であれば、園芸用のバーミキュライトでも代用できます。
土を飼育ケースに直接敷くと掃除や管理が大変なので、薄型のプラスチック容器を別途用意し、そこに敷き詰めましょう。土の深さの目安は約10cmです。これは、バッタは産卵するときにある程度の深さがないと安心して産卵しないためです。
なお、飼育ケースの一番下に紙などを敷くとさらに掃除が楽になります。
バッタが元気いっぱい生活できるよう、上手な飼い方とやってはいけない注意点を解説します。
バッタは適度に紫外線を浴びることで健康を保っているため、1日数時間は日光浴をさせてあげましょう。といっても、直射日光が当たりすぎるのは危険です。飼育ケージは日差しが届く、風通しの良い場所に置いてください。
水分は水差しに刺した植物から補給できますが、ケース内があまりに乾燥している場合は水不足になる可能性もあります。時折でよいので、霧吹きをかけて雨が降ったような状態にしてあげましょう。
バッタは大量のフンをします。放置していると虫カゴ内がフンだらけになり、そのうちカビが生えます。バッタが弱る原因になるため、掃除はマメにしてあげましょう。
バッタは同じ飼育ケース内で複数匹飼ってもよいですが、バッタと間違えてキリギリスを入れてしまうと大変です。キリギリスはバッタとよく似ているものの、肉食寄りの雑食なので、お腹が減ったらバッタを襲います。
キリギリスはバッタよりも触覚が長く、後脚は大きく発達しています。また、前脚にはたくさんのトゲのようなものも見られます。誤って同じ空間に入れないようにしましょう。
バッタの飼い方についてよく頂く質問をQ&Aにしてまとめましたので、役に立ちそうであれば参考にしてください。
A.ばくばく食べてくれるかどうかは明言できませんが、バッタの食性は幅広いため問題はないでしょう。ただ、あまり食べない可能性もあるため、バッタ用に新しく用意するというよりは、残りものをあげてみてはいかがでしょうか。
A.バッタは種類によって好みの植物が異なります。詳細はエサの項目に譲りますが、もし飼っているバッタがどの種類かわからない場合は、バッタを捕まえた辺りの草を数種類採取してみてください。それでも食べない場合は体調を崩している可能性があるため、逃してあげるのも一案です。
A.さほど難しくないので安心してください。オスとメスを一緒の飼育ケースに入れていれば自然に交尾・妊娠するでしょう。バッタは土にお尻を突き刺して卵を生むため、深さ10cmほどの土は必須です。ちなみに、卵は卵鞘(らんしょう)という泡に包まれ守られており、卵鞘内には50~100個の卵があるといわれています。
土に産卵した形跡が確認できたら、土が入った容器を取り出し、できるだけ温度変化の少ない場所で保管しましょう。日光に当てることも大切ですし、土が乾燥しないよう適度に霧吹きをすることも大切です。
そうして春になればかわいい赤ちゃんバッタがたくさん生まれてくるでしょう。
バッタを飼うのに用意する必需品は飼育ケース、エサ、エサの植物を指す瓶くらいです。産卵・繁殖させたい場合は土も用意しましょう。エサは、イネ科の植物を好む種類とそれ以外の種類に分かれるので、飼うバッタに合わせます。
飼育にかかる手間暇は、ほかの昆虫に比べるとかからないほうです。お子さんが「飼いたい!」といってもそう構える必要はありません。冬は越せないため数か月間しか一緒にいれませんが、ペットとしてお迎えするのですから、愛情を込めてお世話してあげてくださいね。
※専門家・有識者のみなさま
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