今やるべき「火災対策」とは? 自宅でできる備え&行動を防災アドバイザーが教えます
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目次/ INDEX
ペットの小鳥といえばインコ、オウム、ブンチョウなどが人気者ですが、今回は「フィンチ」に限定した飼い方を紹介します。フィンチと聞いてもピンとこないかもしれませんが、ブンチョウやカナリア、ジュウシマツなど、スズメ型の小鳥のことを指します。
フィンチは小さいながらもたくましく、性格の個体差も多いため、「うちの子自慢」がしたくなるコンパニオンバードです。上手な飼い方を身につけ、ぜひ飼い主さんラブな子に育てあげましょう。
フィンチとは「スズメ目」のうち、「ホオジロ科」「アトリ科」「カエデチョウ科」「ハタオドリ科」に属する鳥の総称です。
スズメの仲間であるため基本的に小型で、足の指は前に3本、後ろに1本ある三前趾足(さんぜんしそく)という作りをしています。これは木の枝をつかむのに適しており、樹上生活が多い鳥類にはメジャーな形状です。インコやオウムと違い、歩くときはピョンピョンと飛び跳ねるように移動します。
円錐状の太く短いくちばしを持っているのも特徴です。種子や穀物をついばみやすいように進化したとされており、虫を突いて食べるのにも適しています。
フィンチに含まれる鳥は600種類以上を超え、主に暖かい地域に生息しています。ここでは、ペットとして人気の高いフィンチの種類とその特徴、価格を紹介します。
原産 | インドネシア |
全長 | 約15cm |
体重 | 約30g |
性格 | ・好奇心旺盛で活発 ・人なつっこい ・気が強い |
寿命 | ・約10年 |
値段 | ・約2,000~6,000円 |
フィンチ類の代表といえる存在で、小鳥を扱うペットショップでは必ずといってよいほど見かけるのではないでしょうか。原産はインドネシアのジャワ島ですが、江戸時代に輸入されて以来、日本人にはなじみの深いペットであり続けています。
原種に近い「ナミブンチョウ」のほか、品種改良によりさまざまな羽色のブンチョウが作出されており、「サクラブンチョウ」「シロブンチョウ」「シルバーブンチョウ」「シナモンブンチョウ」など主に5種類が流通しています。一般的に、個体数が少ないシルバーブンチョウやシナモンブンチョウはやや高く、6,000~8,000円ほどで販売されているようです。
性格は、オスは気が強いもののデリケート、メスは人懐っこく飼い主さんとのスキンシップを好む傾向がありますが、個体差があり、一概にはいえません。ただ、繊細でさびしがり屋なことが多いため、スキンシップの時間を多めに取ってあげましょう。
寿命は約10年です。熱帯地方出身のため日本の冬は過酷であり、温度管理を怠ると弱ってしまう恐れがあります。
原産 | 日本 |
全長 | 約10~12cm |
体重 | 約12~18g |
性格 | ・穏やか ・人なつっこい ・やや臆病 |
寿命 | ・約8年 |
値段 | ・約2,000~1万円以上 |
ジュウシマツはコシジロキンパラ(カエデチョウ科)から作出した改良品種であり、自然界には生息していません。ペットとして生まれてきたため飼いやすく、穏やかでおとなしい性格をしています。ジュウシマツ(十姉妹)という名前の由来も、多頭飼いしても姉妹のように仲良く過ごせる様子からきているそうです。
ただし、少々臆病な面があることから、インコのような感覚で接すると手乗りになってくれない可能性はあります。無理に捕まえたり、驚かせたりするとそれがトラウマになり、ずっと警戒を解いてくれないかもしれません。信用してくれるまではゆっくりと距離を縮めるようにコミュニケーションを取りましょう。
価格はノーマル種の「ナミジュウシマツ」であれば2,000円程度から販売されていますが、「シロジュウシマツ」「コブチ(小渕)ジュウシマツ」「ヨーロッパジュウシマツ」など品種によって変動します。また、「梵天」「千代田」「キング」「中納言」「大納言」など毛並みが特殊な「芸物」ジュウシマツはもう少し値段が張る傾向があります。
原産 | カナリア諸島(アフリカ) |
全長 | 約13cm |
体重 | 約15~20g |
性格 | ・警戒心が強い ・おとなしい ・自立心が強い |
寿命 | ・約10年 |
値段 | ・約1万円 |
カナリアはアフリカのカナリア諸島などに生息しているフィンチ類ですが、ペットとして流通している多くの種類は作出された品種改良種です。ブンチョウと同じく古くから愛されているコンパニオンバードである一方、有毒ガスに敏感な性質を活かして炭鉱現場で飼われていた時代もあります。このような歴史から、「炭鉱のカナリア」は「何らかの危険が迫っている前兆」を指す金融経済用語の一つになりました。
カナリアは漢字で「金糸雀」と書くように美しく黄色い羽色をしているのが特徴で、「レモンカナリア」「シロカナリア」「アカカナリア」「ローラーカナリア」「ホソカナリア」など、さまざまな品種改良がいます。流通量が少ないほど販売価格は高くなりますが、相場は1万円ほどでしょう。
なお、ペットとして改良されているとはいえ、野生のカナリアが持つ警戒心は薄れていない個体が多いです。加えて自立心も強いため、手乗りに育てるのには苦労するかもしれません。できるだけ幼いうちからお迎えし、ていねいなスキンシップを積み重ねていくことが大切です。
原産 | オーストラリア |
全長 | 約10cm |
体重 | 約12~15g |
性格 | ・繊細 ・おとなしい ・過度なコミュニケーションは苦手 |
寿命 | ・約5~10年 |
値段 | ・2,000~5,000円 |
キンカチョウはカナリアよりもさらに小型のフィンチですが、カラフルな見た目で存在感があります。チャームポイントはくっきりと鮮やかなクチバシや頬、白斑紋入りの茶色い羽です。原種に近いナミキンカチョウは、オスとメスとで色や模様が異なり区別がしやすいのも特徴です(メスには頬の斑紋がありません)。
キンカチョウは鳴き声も独特で、オスは「プププ」「ミャミャ」「キュルキュル」「ペッペ」といった、妙ともいえる声を出します。1日中よく鳴き、せわしく動き続けるため見ていて飽きませんが、用心深い性格なので手乗りにしつけるのは時間がかかるでしょう。ひなのうちからお迎えし、多頭飼いはせずに1匹だけで育てるほうが人間に仲間意識を持ちやすいです。
珍しく貴重な個体は高価なケースもありますが、おおむね2,000〜5,000円ほどと、フィンチ類のなかではお手頃な価格帯で販売されていることが多いです。シロブンチョウのような見た目の品種や、ペンギンを連想させるような配色の品種も作出されており、バリエーションは豊富です。
原産 | オーストラリア |
全長 | 約12~14cm |
体重 | 約12~15g |
性格 | ・おとなしい ・臆病(ひなは甘えん坊) ・過度なコミュニケーションは苦手 |
寿命 | ・約5~7年 |
値段 | ・8,000~4万円 |
コキンチョウはオーストラリアに生息する非常に色鮮やかなフィンチです。「アカコキン」「クロコキン」「キコキン」など、カラーの特徴に違いがある種類が豊富にいます。ただし、幼鳥のときからカラフルな色をしているわけではありません。
きれいな個体ほど販売価格が高く、美しい成鳥は4万円を超えることも。ひなは8,000円ほどでお迎えできることもありますが、お店によっては1万~2万円の値を付けています。
性格は臆病で警戒心が強いため、愛鳥とのスキンシップを楽しみたい方は苦労するケースが多いようです。強引に触ろうとすると警戒心を強めるだけなので、ひなの頃から徐々に慣らしていく必要があります。ひなの段階であれば甘えん坊な子も多いです。
フィンチは身近でもよく見かける存在ですが、野鳥を飼うことは『鳥獣保護法第8条』で原則禁じられています。スズメのほか、ヒワ、マシコ、アトリといった野鳥フィンチの生体や卵を捕獲・飼育すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることを知っておきましょう。
ただし、傷ついた野鳥を一時的に保護するために自宅に連れ帰るのは認められるケースがあります。必ず都道府県の野生鳥獣担当機関に連絡したうえで対処してください。
フィンチ類を飼うために必要なもの、あると便利なものは次の通りです。
住環境 | 鳥かご |
床材 | |
止まり木 | |
ケージカバー | |
保温用品 | |
食事 | 餌(主食・副食) |
餌入れ | |
水入れ | |
娯楽 | 水浴び用品 |
おもちゃ | |
そのほか | ハサミ |
体重計 | |
キャリーケース | |
ひな用 | 保育ケース |
床材 | |
ひな用の餌 | |
挿し餌用品 |
一般的な小鳥用の金網ケージで問題ありません。狭いよりは広いほうがよいですが、35~45cmほどの幅があれば十分でしょう。鳥は基本的にトイレを覚えられず毎日汚れるため、お手入れが簡単そうな商品がおすすめです。
新聞紙やペットシーツを敷いて掃除の負担を減らしましょう。砂遊びも兼ねられる底砂を敷く手もあります。
鳥かごとセットになっていることもありますが、足のサイズが合わなかったり、1本しかなかったりすることもあります。少なくとも2本は設置してあげるとよいでしょう。
放鳥時、部屋の中での休憩場所となるような止まり木もあります。
就寝時はカバーをかけてあげると落ち着いて眠れます。飼い主さんと同じ部屋で暮らしている場合は、室内の明かりを遮断するのにも役立ちます。
防寒や衛生管理を兼ねたカバーもあります。
フィンチの多くは暖かい地域出身であるため、日本の冬は寒すぎます。保温電球や小動物用ヒーターなどで温めてあげましょう。
フィンチに限らず、小鳥に与える主食はシードとペレットの2種類に大別されます。
シードはヒエやアワなどの種子類をブレンドしたものであり、皮付きとむき餌があります。シードの利点は嗜好性が高く安価な点ですが、選り好みをする子もおり、シードだけでは栄養不足になる恐れもあります。そのため、小松菜や大根葉といった緑黄色野菜やカルシウム源となるボレー粉、カトルボーンなどの副菜も与えたほうがよいでしょう。
一方のペレットは、シードより高価ではありますが、フィンチに必要な栄養素が計算された人工飼料です。副菜やおやつは基本的に不要ですが、食べ飽きる子もいるため、食の楽しみを増やす意味で与えるとよいでしょう。
なお、カナリア用、ジュウシマツ用など、お迎えするフィンチ専用の餌も販売されています。愛鳥の好みを知るうえでも、いろいろと試してみるとよいでしょう。
鳥かごの網に引っ掛けられる専用の餌入れがおすすめですが、食器で代用しても構いません。
餌入れと同じく、鳥かごに設置できるタイプがおすすめですが、食器でも代用可能です。フィンチ類は軽量とはいえ、万が一ひっくり返されると掃除が大変なため、やや重量のあるお皿のほうがよいでしょう。
フィンチにとって水浴びは、「ストレス発散」「運動不足解消」「お風呂」の3点を満たす大切な行動です。毎日させる必要はありませんが、定期的に遊ばせてあげましょう。
フィンチの体がすっぽり入る程度のお皿があれば自分で出たり入ったりしてくれますが、専用の水浴びグッズを使用するのもおすすめです。バスタブ状になっていたり、噴水のように水が出てきたりと、フィンチの関心を引くアイデアが盛りだくさんです。
おもちゃは必須アイテムではありませんが、あるとストレス解消に役立ちます。ブランコ、かんで遊ぶおもちゃ、ロープ、鏡など、家にあるものでも代用可能です(ただし素材や形状には注意してください)。
羽切り(クリッピング)には賛否両論ありますが、デメリットを考慮したうえで行う場合は、サビなどがなくきちん切れるハサミを用意してください。家庭用のもので構いません。
多くのフィンチは羽切りされるのを嫌って暴れるため、誤ったところを切らないよう細心の注意を払いましょう。
健康チェックのために体重管理は欠かせません。フィンチは体重が軽いため、できるだけ細かく計測できるクッキング用のデジタルスケールがおすすめです。
動物病院に連れていくときなどに備えてキャリーケースを用意しておくと安心です。フィンチ用なので、小サイズのものでよいでしょう。
ひなのうちは鳥かごではなく、保温がしやすいプラケースなどのほうが育てやすいです。プラケースがなければダンボールなどでも代用可能です。
ひなは寒さに弱く、足腰が弱いため、保温効果があり、クッション性の高いものが適しています。バードマット(天然素材の敷き材)のほか、タオルやキッチンペーパーでも代用できます。
なお、保温の際にペットヒーターを使う場合は、熱くなりすぎないように注意してください。
ひなにはひな専用の粟玉やパウダーフードを与えてください。
ひなには挿し餌をしてあげます。小さなスプーンを口元に運べば自分で食べてくれることが多いですが、生まれて間もないうちは餌専用のスポイトがないと給餌できないことがあります。万一に備えて用意しておくと安心でしょう。
フィンチの種類によってコミュニケーションの取り方などは異なりますが、基本的な飼育方法は共通点が多いです。ここでは、上手な飼い方のポイントをいくつか紹介します。
ひな用の餌に40~60℃のお湯を注ぎ、おかゆのような状態にして食べやすくします。スプーンまたは挿し餌用のスポイトで適量を取り、口元に運んであげてください。勢いよく食べる子もいれば食が細い子もいますが、しっかり食べているかどうかは、胸の上部にある「そのう」膨らみをチェックします。
多くのひなには1日4~6回の給餌が必要です。お腹が空いたら飼い主さんを呼ぶように泣き出すので、できるだけすぐに与えてください。
成鳥は自分のタイミングで自由に食事しますが、ひなと違い選り好みをする子もいます。また、栄養価の高いシードや嗜好性の強いおやつ類ばかり与えていると肥満になったり体調をくずしたりします。
主食・副菜・おやつのバランスを守り、食事にもバリエーションをつけてあげましょう。
なお、次のものを与えると多大な健康被害をもたらす恐れがあります。
ホウレンソウは与えすぎなければ問題ないといわれていますが、加減が難しく個体差もあるため、いっそのこと与えないほうが無難です。
鳥かご全体の大掃除は月に1~2回でも構いませんが、床材や水入れなど汚れやすいものは毎日きれいにするのが基本です。特に床材は糞や餌、水などで汚れることが多いため、毎日清潔なものに交換してあげてください。
飲水も毎日新しいものに交換しましょう。水入れそのものが汚れている場合は、ていねいに洗うこともお忘れなく。
金網や止まり木などに排泄物がこびり付いている場合、放置するのはよくありません。使い古した歯ブラシなどでこすり、できるだけ早く取り除きましょう。
なお、床材や水入れの交換とはいえ、お家に手を入れてガサガサされるのを嫌がる子もいます。手を入れるたびに怒った様子を見せる場合は、キャリーケースなどに移してから行うとよいでしょう。
スキンシップの仕方はお迎えするフィンチによって異なります。たとえばブンチョウはセキセイインコのように人なつっこい性格をしており、飼い主さんに遊んでもらうことが大好きですが、キンカチョウやコキンチョウは用心深い子が多いです。
警戒心は一度強まるとなかなか解けず、無理に距離を縮めようとすると逆効果になる恐れがあります。根気強く、手からおやつなどをあげたりしながら徐々にコミュニケーションを取ってみてください。
反対に、手乗り状態にまでなついた子は、最低でも1日に1回は遊び相手になってあげましょう。飼い主さんを仲間や恋人だと思っているフィンチは、ただ手や肩に止まっているだけでもハッピーなものです。
日光浴はビタミンD3の生成のほか、体内時計の調整やストレス発散にも役立ちます。15~30分程度でよいので、天気の良い日は日光浴をさせてあげましょう。
日光浴のさせ方は太陽の光が当たるところに鳥かごを置くだけですが、直射日光が強く当たり続ける場所は避けてください。また、ベランダで日光浴をさせる場合は、猫やカラスといった天敵の存在にも要注意です。
ここでは、フィンチを飼ううえで守ってほしい注意点をいくつか紹介します。
フィンチの多くは暖かい地域出身なので、寒いのは苦手です。冬はもちろん、寒暖差が激しい季節の変わり目にも注意しなければなりません。エアコンや保温器具を利用したうえで、隙間風が入り込まない場所で生活させてあげましょう。
夏は夏で注意が必要です。閉め切った部屋に鳥かごを置くのは危険ですし、直射日光にさらすのも止めてください。また、冷房の風が鳥かごに直接当たるなど、急激な温度変化も体調を崩す原因になります。
人間がそうであるように、生活リズムがバラバラになると疲労がたまります。フィンチは通常、日が昇っている間に活動し、日が沈むとともに就寝します。飼い主さんの生活リズムにもよりますが、夜遅い時間は構いすぎず、鳥かごにカバーをかけて寝かしつけてください。
もちろん、軽くコミュニケーションを取るくらいは問題ありません。飼い主さんラブなフィンチであれば、遅い時間でも飼い主さんにかまってもらいたいはずです。
餌は、太りすぎていたり、病気をしたりしていない場合をのぞき、1日中好きなタイミングで食べさせてOKです。このとき、まれにあるのが餌皿に「シードの殻しか残っていない」状態です。
初心者の飼い主さんにありがちなので、不要な殻は取り除いてください。殻は軽く吹くと飛んでいきますが、慣れないと口や鼻につくことがあるので、ブロワーを使用する方もいます。
放鳥はフィンチにとっても飼い主さんにとっても楽しい時間ですが、実は危険と隣合わせになる時間でもあります。
悲劇が起こらないよう、細心の注意を払ったうえで放鳥させてください。
野生の生き物は体調不良を隠す習性があります。長く人間に飼いならされてきたフィンチ類も例外ではなく、飼い主さんの前では元気なふりをするかもしれません。いい換えれば、明らかに不調が見て取れるフィンチは隠し通せないほどの重病である可能性が高いです。
このような症状に気がついたら、気のせいだと放置せず、動物病院に連れていくことをおすすめします。手遅れを防ぐためにも日々の観察や体調管理を怠らないことが大切です。
発情期を迎えたオスとメスを一緒に飼い、相性が良ければ自然に繁殖してくれますが、いくつかの注意点もあります。
いきなり同じ鳥かごに入れるのではなく、できれば別々の鳥かごに入れた状態でお見合いさせましょう。特にブンチョウは気が強い子が多く、気が合わない相手とは激しく喧嘩する恐れがあります。
お見合いは鳥かごを隣同士に並べ、ケージ越しにコミュニケーションさせます。お互いに仲良さげに鳴きあったり、求愛ダンスを踊っていたりすればお見合い成功と捉えてよいですが、念のため一晩以上かけて様子見します。
相性を確認したら同じ鳥かごに入れたうえで、巣箱を設置しましょう。巣箱内には皿巣を入れます。草や木の枝などが適していますが、天然素材で作られた市販の皿巣を使うのがおすすめです。
無事に産卵したら、オスとメスが共同で卵を温めます。卵を守るために気が立っていることもあるので、巣箱の中を覗くのは止めましょう。
フィンチの種類にもよりますが、2週間ほどの、まだしっかり目が見えていない状態のひなの餌やりを行いましょう。生まれたばかりのひなを触るのが怖い場合は、ある程度の毛が生えそろった状態までは親鳥に任せても構いません。ただし、親鳥といる期間が長いほど、手乗りに育てるのが難しくなります。
餌やりの仕方はフィンチの上手な飼い方で前述したとおりです。お腹が減ると激しく鳴くので、できるだけ早く食べさせてあげましょう。
フィンチを飼うにあたって生じる何気ない疑問や不安にQ&A形式でお答えします。
A.フィンチ類は知能が高いため、ある程度のしつけは可能です。たとえばかみ癖は、「人間をかむと不快なことが起こる」「かんでも構ってくれない」などと覚えさせることで、ゆっくりではありますが理解していくでしょう。ただし、フィンチが強くかむのには理由があるため、原因を探すことのほうが大切です。
トイレのしつけは基本的にできませんが、鳥かごから出た瞬間に用を足すなど、ある程度の排泄パターンを持っている子はいます。
A.インコやオウムに比べると静かなケースが多いですが、うるさいと感じることはあるかもしれません。威嚇や求愛のときに発する「さえずり」はもちろん、仲間に自分の居場所を伝えるときの「地鳴き」も、激しく鳴くことがあります。
A.個体差もありますが、フィンチ自体が発するにおいで不快に感じるケースは少ないでしょう(無臭ではありません)。床材や餌皿などを常に清潔にしておけば、においで悩まされることは少ないと思われます。
もしフィンチから異常なにおいがする場合は、何らかの不調を抱えているかもしれません。
A.個体の性格によりますが、喧嘩になる可能性もあります。気性が荒いフィンチは体格で劣るインコ相手でも臆せず向かっていくことがありますが、正面から戦うとやられてしまう確率が高いでしょう。一緒に飼うとしても、鳥かごは別々に用意することをおすすめします。
A.飼い主さんの声真似をするインコがいますが、フィンチ類では難しい芸当でしょう。ただし、飼い主さんの言葉や感情を理解していないわけではないので、たくさん話しかけてコミュニケーションを取ってあげてください。
フィンチは愛情を持って接すれば、飼い主さんを親や恋人だと思って愛してくれます。たとえば、ブンチョウはヤキモチを焼く子が多く、飼い主さんの気が自分以外に向いていると激しく怒ることもあります。
人間との触れ合いが苦手なフィンチもいますが、ひなの頃から育て、ていねいにお世話をすればきっと通じ合えるでしょう。この記事で紹介した飼い方や注意点を参考に、お迎えしたフィンチと幸せな生活をお過ごしください。
※専門家・有識者のみなさま
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