【獣医師監修】猫も夏バテするの? 原因と対策を獣医師が徹底解説
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ペットとして根強い人気のウーパールーパー。知名度のわりに、その生態については意外とよく知られていない生き物です。そんなウーパールーパーを上手に飼育するために、初心者向けの注意点をしっかりと押さえましょう。費用や好みの餌、快適に過ごすための温度まで、ウーパールーパーの飼い方について解説します。
ふにゃりと笑って見える癒し系の表情。ゆったりとした動き。はっきりと指があるとわかる特徴的な身体つき。そんな個性派なビジュアルで知られるウーパールーパーに、あなたも一度は魅了されたことがあるのでは?
ウーパールーパーという呼び名は、実は流通名なんです。本当の名前は「メキシコサラマンダー」といい、メキシコ原産の両生類。カエルやイモリも同じ両生類ですが、ウーパールーパーの場合は、オタマジャクシからカエルに変態するような成長過程をとらず、エラを失わないまま大人になる「幼生成熟(ネオテニー)」という珍しい成長過程をたどります。ちなみに、「生きた化石」との呼び名を持つ世界最大の両生類、オオサンショウウオと同じく、ウーパールーパーはトラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ目に属します。
ウーパールーパーは、絶滅保護のため輸出が禁止されています。現在、ペットショップで販売されているのは国内で繁殖されたものということです。目が黒く身体が白いタイプの「リューシスティック」をはじめとする、さまざまな色や模様のウーパールーパーがペットショップでは取り扱われています。
ウーパールーパーは基本的におっとりとした性格をしています。ウーパールーパーが水槽の中で日々のんびりと暮らす姿は、まるでゆるキャラのよう。最もよく動き回るのは餌の時間で、目がよく見えていないために匂いで餌を察知して、エサの方向へ近づいていく様子を観察できます。
ウーパールーパーは寒さに強く、暑さに弱い生き物です。ウーパールーパーの生まれ故郷のメキシコは、日本と比べて1年の気温の変化が小さい地域。その結果、ウーパールーパーは寒さに強く、暑さに弱い生き物として知られています。ちなみに、ウーパールーパーが最も過ごしやすい水温は15度~20度。日本で飼育する場合、むしむしと暑い夏場の飼育時は「直射日光が当たる場所を避ける」「クーラーで室内温度を調整する」など、飼育環境に万全の注意を払ってあげてくださいね。
野生のウーパールーパーは魚や昆虫、カニやエビ、ミミズなど口に入るサイズの物は何でも食べてしまう大食漢。ペットとしてウーパールーパーを迎え入れる場合には、人工飼料をベースに栄養バランスの取れた餌を与えることをおすすめします。
ウーパールーパーへの餌やりは、基本的に毎日1回。同じ量を与えるようにします。もし食べ残してしまうなら、食べ残した餌が水槽の水質を汚してしまう原因になるため与える量を減らしましょう。餌やりをするときは、ウーパールーパーの目の前に落ちるように1粒ずつ餌を与えてみてください。これを繰り返していると、餌は上から落ちてくるものだと学習するように。人が近づくと立ち上がるようになったりと、徐々に飼育環境に慣れていってくれますよ。
ウーパールーパーは、平均で5~8年生きる生き物です。水質をきれいに保ち、暑さ・寒さ対策を怠らず、餌の栄養バランスに気をつけるように注意しましょう。基本的にウーパールーパーは丈夫で飼育しやすい生き物です。
ウーパールーパーはペットショップで購入できます。費用は安いもので700円~1,500円、やや珍しいもので2,000円~5,000円ほど。手の届きやすい費用感ですが、安易に入手せず、まずは事前にしっかりとウーパールーパーの生態や開花tを理解したうえでお買い求めくださいね。
ウーパールーパーは視力がとても悪いです。どれくらい悪いかというと、仲間のウーパールーパーを餌と見誤って食べてしまうほど。視力で飼い主を認識することは難しい生き物ですが、毎日の餌やりを決まった時間帯や決まった方法で行うことで飼い主が近づくと立ち上がるようになりますよ。
ウーパールーパーの種類は、身体の色によって分類されます。細かく分類すれば非常に多くなりますが、主に「リューシスティック」「アルビノ」「ブラック」「マーブル」「ゴールデン」の5種類が代表的な種類と言えるでしょう。
それぞれの特徴について詳しく触れていきます。
最も代表的な「リューシスティック」は、白い身体につぶらな黒目を持つウーパールーパーのこと。目の周りに金環(金色の輪)を持つものと持たないものがいます。ウーパールーパーの中でも代表的な種類なだけに、安価で手に入りやすい種類です。
「アルビノ」はリューシスティックと並ぶウーパールーパーの代表的な種類です。黒の色素を持っておらず、身体も目も全て白いタイプのウーパールーパーです。
身体の色が「ブラック」のウーパールーパーは、エラも身体と一緒で全て黒色です。サンショウウオの愛好家が好んで飼育する種類だとか。ややマイナーな色なので、置いているペットショップはそう多くはありません。
「マーブル」のウーパールーパーは、文字通り身体がマーブル模様です。個体によって模様の形はさまざまなので、個性を感じやすい種類です。
「ゴールデン」はその名の通りゴールドカラーのウーパールーパー。エラや腹、尾にはラメを持っています。
ウーパールーパーを飼うために必要なものは次の通り。特別な飼育器具が必要だと思われがちですが、基本的には金魚など一般的な魚類と同じ環境で飼育できます。
それぞれの飼育器具について詳しく触れていきます。
ウーパールーパーは、成長すると20㎝を超える生き物です。余らせた餌や排泄物によって水を汚しやすいという特徴があるため、ウーパールーパーが快適に移動でき、水質の安定しやすいできるだけ大きなサイズの水槽をおすすめします。単体飼育の場合の目安は、45cm以上の水槽です。赤ちゃんのときは小さな身体をしていますが、大人になると見違えるほど大きくなるので、水槽の大きさにはどうぞご注意くださいね。
ウーパールーパーは飼いやすい生き物ですが、水質の悪化には敏感です。ろ過性能の高い外付けフィルターなど、きれいな水質を保てるよう環境づくりに役立つろ過装置をご用意ください。
愛らしいビジュアルのウーパールーパーにとって、フサフサのエラはチャームポイントのひとつ。このエラは、水中の酸素が豊富にある場合によく発達します。ポンプで水中に空気を送り出してくれるエアレーションを活用して、ウーパールーパーに十分な酸素を送り届けてあげましょう。
ウーパールーパーは光や水流を嫌うため、ひとりっきりで落ち着ける癒しの空間として、隠れ家を用意してあげましょう。この商品は、ミニタイプの丸土管なので小型水槽にぴったりです。
ウーパールーパーは基本的には肉食の生き物。小型の金魚やメダカ、赤虫、イトミミズ、昆虫などの生餌が大好物です。ただし、健康管理のために日常的には人工飼料を与えることをおすすめします。この商品の場合は、抗酸化作用があるポリフェノールを多く含むバナナ粉末を配合しているので健康維持にぴったり。また、ウーパールーパーにとって食べやすい沈下性になっています。
その他、次のものも用意しておくと飼育に便利です。
それぞれ詳しく見ていきます。
餌を与えるときや、水槽の中で残った餌を取り出すときに便利です。ウーパールーパーは目の前で動く餌によく反応するため、餌をつまみながら目の前でゆっくり動かすと食いついてくれます。
こちらもピンセットと同様に、餌を与えるときや水槽の中で残った餌を取り出すときに便利です。
ウーパールーパーは夜行性のため、本来であれば必要ありませんが、かわいい姿を観察するときに便利です。ライトを取り付ける際は、ウーパールーパーが隠れられるような隠れ家や水草などを必ず置くようにしましょう。
水槽に底砂を敷いておくと、水質が安定し水換えの頻度を少なくできたり、ウーパールーパーが歩きやすくなるというメリットがあります。ただ、餌を食べる際に一緒に吸い込んでしまうことが多いため、排泄しやすいようにウーパールーパーの糞より小さめのサイズの底砂を選ぶようにしましょう。パウダータイプだと掃除が大変になるので、避けるのがおすすめです。合わせて、素材もガラス製など無機質のものではなく、「田砂」や「ボトムサンド」など天然素材のものを選んでください。
その他、水槽や隠れ家を掃除するためのメラミンスポンジや、水換え作業に必要なバケツやポンプ、カルキ抜きなどを用意しましょう。
ウーパールーパーを飼育する上で欠かせないのが「水換え」という作業です。どんなに性能の良いろ過装置を使っていても、排泄物などが溜まると水が汚れてしまいます。とくにウーパールーパーは水質に敏感なため、こまめな水換えが重要です。水槽の大きさやウーパールーパーの大きさによって頻度は異なりますが、大体1週間に1度は必ず行うようにしましょう。
<20cmサイズの水槽の場合>
<45cmサイズの水槽の場合>
小さめサイズのウーパールーパーでも、大きいサイズの水槽で飼育すると、水換えの頻度が少なく済むのでおすすめです。また、あくまでも目安の回数になるため、水が汚れていると気づいたらすぐ水換えするようにしましょう。
水換えは次のような手順で行います。
ウーパールーパーは比較的寒さには強いですが、夏の暑さには弱いところがあります。ウーパールーパーの適温は15〜20℃くらいで、高くても25℃くらいまでにしておきたいです。26℃以上になるとウーパールーパーにとって負担になるため、本格的な夏が来て水槽内の水が高温になる前に、暑さ対策を整えておきましょう。
ウーパールーパーの暑さ対策として次の3つがおすすめです。
それぞれ詳しく見ていきます。
まず1つ目の対策が熱帯魚用ファンや水槽用クーラーを設置することです。
比較的熱帯魚用ファンは価格が3000円前後とお手頃で、導入しやすいのもポイントです。仕組みとしては、水槽の縁にセットし水の蒸発による気化熱で水温を下げるというもの。水温自体は1〜3℃ほどしか下がらないため、過信は禁物ですが付けておいて損はないでしょう。
反対に、水槽用クーラーは安いものでも1万円、高いものだと4万円ほどになるため、導入コストはかかりますが、その分効果も大きいです。価格の他にも、小さい水槽だと設置しにくいというデメリットもありますが、しっかり水温を下げたいときにおすすめです。
2つ目の対策は、水槽にスッポリ発泡スチロール箱を被せて、水の中に保冷剤や凍らしたペットボトルを入れるというもの。発泡スチロールを被せずに保冷剤だけ入れてしまうと、水温が急激に下がり、ウーパールーパーがびっくりしてしまうので注意してください。保冷剤が溶けるたびに交換が必要なため、手間はかかりますが、その分効果は大きい方法になります。
最後は夏の間は常にエアコンをつけておく方法です。電気代が気になってしまいますが、人とウーパールーパーどちらも快適に過ごせるため、検討してみても良いでしょう。
ウーパールーパーを飼うにあたって「もうちょっと気になる」という疑問や不安にQ&A形式でお答えします。
A.ウーパールーパーは大食漢のため、熱帯魚など他の生き物よりも水を汚しやすい傾向。水質が悪化してしまうとウーパールーパー自身の健康にも影響を及ぼしてしまうため、汚れてきたと感じたら水換えをしてください。使用するろ過装置の性能や水槽の大きさにもよりますが、目安の水換えの頻度は1週間に1度です。
自然界のウーパールーパーは、小さいうちは共食いで成長していきます。ペットショップで購入した場合でも、あまりに小さいうちの混泳は共食いの危険性があるので避けた方がよいでしょう。最も共食いが激しいと言われているのは3~5cmの頃。そのため、これより大きいサイズになってから、混泳させるかどうか検討することをおすすめします。混泳をはじめるにあたっては、できるだけ底面積のある広い水槽を用意します。
ちなみに、他の生き物との混泳は、ウーパールーパーが他の生き物を誤って食べてしまう可能性があるのでおすすめしません。
ウーパールーパーの種類をはじめ、性格や食事の好み、住環境にいたるまで、ウーパールーパーの特徴について理解は深まったでしょうか? 比較的育てやすい生き物ではありますが、ウーパールーパーをペットとして迎える場合は、水質を良好に保ち、水温にも気をつけてあげることが必須です。なんとも愛らしいウーパールーパーの個性を受け入れて、楽しい飼育生活を送ってくださいね。