庭もない、お金もない、世話もしたくないから、知り合いの家に俺の家庭菜園を作った
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ペットとして根強い人気のウーパールーパー。知名度のわりに、その生態については意外とよく知られていない生き物です。そんなウーパールーパーを上手に飼育するために、初心者向けの注意点をしっかりと押さえましょう。
費用や好みの餌、快適に過ごすための温度まで、ウーパールーパーの飼い方について解説します。
ふにゃりと笑って見える癒し系の表情。ゆったりとした動き。はっきりと指があるとわかる特徴的な身体つき。そんな個性派なビジュアルで知られるウーパールーパーに、あなたも一度は魅了されたことがあるのでは?
ウーパールーパーは、「生きた化石」との呼び名を持つ世界最大の両生類、「オオサンショウウオ」の仲間であり、トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ目に属するメキシコ原産の両生類です。オタマジャクシからカエルに変態するような成長過程をとらず、エラを失わないまま大人になる「幼生成熟(ネオテニー)」という珍しい成長過程をたどります。そのため、大きくなってもかわいい姿のままなのです。
今井さん
ちなみにウーパールーパーという名前は、昔テレビCMで使われたキャラクター名で、本当の名前は「メキシコサラマンダー」といいます。原産地のメキシコでは水の中に逃げ込んだ神様(ショロトル)の化身として、アショロトル(アホロートル)と呼ばれています。
現在、野生のウーパールーパーは水質悪化や外来魚の侵略によって絶滅の危機に瀕しています。ワシントン条約によって輸出も禁止され、厳重に保護されています。
ペットとして販売されているのは国内で繁殖されたもので、多くの方がイメージするであろうピンク(白)のウーパールーパーは、実はアルビノ(黒色色素欠乏)やリューシスティック(白変種)といった改良品種です。野生のウーパールーパーは、マーブル色に似た黒っぽい色をしています。
ウーパールーパーは基本的におっとりとした性格をしています。ウーパールーパーが水槽の中で日々のんびりと暮らす姿は、まるでゆるキャラのよう。最もよく動き回るのは餌の時間で、合図を察知して餌の方向へ近づいていく様子を観察できます。慣れてくると水面まで寄ってきたり、飼い主が寄ってくると水槽の前面に来て立ち上がって待っていたりと、かわいい姿を見せてくれます。
ウーパールーパーはメキシコのソチミルコ湖の近辺が原産です。赤道に近い熱帯地域ではありますが、標高が高いため年間を通じて昼間は暑く、夜は涼しい気候になっています。
ウーパールーパーはよく「寒さに強く暑さに弱い」といわれていますが、最も過ごしやすい水温は15~20℃で、飼育する際の適温は10~25℃といえるでしょう。したがって、暑さ対策はもちろん、寒さ対策もしてあげたほうが無難です。
暑い夏場は「直射日光が当たる場所を避ける」「エアコンで室内温度を調整する」「水槽用ファンやクーラーで温度を下げる」などの対策を取りましょう。反対に寒い冬場は、水槽用ヒーターで保温してあげるとよいでしょう。
今井さん
水温が低くなってもすぐに死んでしまうようなことはありませんが、冬場の温度管理がうまくできないと、春先に死んでしまうことが多いので、飼育環境には万全の注意を払ってあげてくださいね。
野生のウーパールーパーは大食漢です。小魚や甲殻類など、口に入るサイズの獲物なら何でも食べてしまい、生後1年で25cm以上にまで育つほど成長が早い生き物です。したがって、餌はしっかりと与えてしっかりと成長させてあげてください。
与える餌の種類は、ウーパールーパー専用の人工飼料をベースに、生きた小魚や冷凍飼料などがよいでしょう。ただし、人工飼料は食べた後にお腹の中で水を吸って大きく膨らむため、与えすぎには要注意です。
今井さん
コツとして、まずは1日3粒といった具合に与える量を決めることです。その量を毎日食べてくれるのであれば、きちんと消化できるという証拠になります。引き続き安定して食べている場合は、食欲や成長を見ながら1粒づつ増やしてあげるとよいでしょう。
また、餌やりをするときは、ウーパールーパーの目の前に落ちるように1粒ずつ餌を与えてみてください。これを繰り返していると、餌は上から落ちてくるものだと学習するようになります。人が近づくと立ち上がるようになったりと、徐々に飼育環境に慣れていってくれるでしょう。
ウーパールーパーは、野生では20年以上生きる生き物です。水質をきれいに保ち、暑さ・寒さ対策を怠らず、餌の栄養バランスに気をつけてあげれば、飼育下でも10~15年以上も生きてくれる長生きなペットです。
ウーパールーパーの生体は、赤ちゃんが数百円ほどで売られていることもありますが、一般的には2,000~3,000円ほどです。
幼体のうちは小さな水槽で飼うこともできますが、半年もすれば20cmを超えるため、安易に入手するのはやめましょう。事前に生態や飼い方をしっかり予習したうえでお迎えしてください。
ウーパールーパーは止まっているものがよく見えていません。そのため、餌は目の前に落ちるように与えないと食べてくれないことがあります(うまく落とすとパクっと食べてくれます)。給餌を繰り返しているうちに「餌は上からくるもの」と覚えてくれ、上を見て立ち上がるように待ってくれるようになります。
今井さん
さらにコミュニケーションを取りたい場合は、給餌の合図を決めましょう。たとえば、家に帰り、部屋の電気をつけたら餌をあげるようにしておくと、家に帰ると立ち上がって待っていてくれたりしてかわいいですよ!
ウーパールーパーの種類は、身体の色によって分類されます。一般的に「リューシスティック」「アルビノ」「ブラック」「マーブル」「ゴールデン」の5種類に分類されます。
最近では体が短いショートボディや、体と尻尾の両方が短いウパルパなど、変わった個体も少数ながら出てきています。
それぞれの特徴について詳しく触れていきます。
リューシスティック(白変種)は、白い体に黒い目を持つ一番人気のウーパールーパーです。黒い色素が少なく白くなった個体ではありますが、完全に黒い色素を持たないわけではないため、体にそばかすのような黒い点々が出てきたり、エラが黒ずんできたりすることもあります。
また、目の周りに金環(金色の輪)を持つものと持たないものがいます。金環がないものは黒目の部分が大きく見えてかわいいと評判ですが、産まれる数が少ないことから、やや高価で販売されています。
黒色色素欠乏の「白の赤目」や「白の白目」といわれることもあるウーパールーパーです。目がないようにも見えるため人気はさほど高くありませんが、リューシスティックとは違いそばかすのような斑点が出ず、真っ白な体に真っ赤なエラを持つきれいな種類です。
全身が黒一色のウーパールーパーです。後述のマーブルと比べるとマダラっぽさやラメと呼ばれるきらきらした模様が入らないため、リューシスティックに次ぐ人気種です。目には金環がなく、よく見るとクリクリとしてかわいい顔をしています。
マーブルは野生種に近い色といわれており、「ワイルドタイプ」などとして販売されていることもあります。野性味あふれる色合いで模様も個体差があるので、きれいな個体は非常にかっこいいと評判です。
その名の通りゴールドカラーのウーパールーパーです。エラや腹、尾にはラメを持っています。ゴールデンを作るために近縁のタイガーサラマンダーと掛け合わせられたとの説があることから、ウーパールーパーと野生のメキシコサラマンダーは別の生き物であるとの見方もあります。
ウーパールーパーを飼うために必要なものは次の通り。特別な飼育器具が必要だと思われがちですが、基本的には金魚など一般的な魚類と同じ環境で飼育できます。
それぞれの飼育器具について詳しく触れていきます。
ウーパールーパーは成長すると30㎝を超える生き物です。大きな体の生き物は排泄物等によって水を汚しやすいため、大きなサイズの水槽で飼うのが理想ですが、水換えの大変さを考えるとスリムタイプの水槽のほうがおすすめです。泳ぐスペースを考慮し、体長の2倍以上の45〜60㎝の水槽を用意するとよいでしょう。
今井さん
赤ちゃんのときは小さな身体をしていますが、成長スピードが早く、半年もすれば20㎝を超えてきます。大人になると見違えるほど大きくなるので、水槽の大きさにはどうぞご注意くださいね。
ウーパールーパーは飼いやすい生き物ですが、水質の悪化には敏感です。水槽の水はウーパールーパーにとって飲み水にもなるため、ろ過装置なしでは生きていけません。
ろ過性能の高い上部フィルターなど、きれいな水質を保てる環境を整えてください。
夏場など水温が高くなると溶存酸素が少なくなってしまいます。ろ過器とは別にエアレーションをつけることで、溶存酸素を増やすことができます。
今井さん
また、不思議とエアーをパクパク食べたり、エアレーションで遊ぶような姿も見られてかわいいですよ。
日本の水道水には消毒用に塩素が含まれています。必ずカルキ抜きを使って、塩素を中和してから使ってください。
ウーパールーパーは夜行性です。昼間は隠れられるようなシェルターを入れてあげると落ち着くでしょう。
この商品はミニタイプの丸土管なので、小型水槽にぴったりです。
ウーパールーパーは本来、小魚などを食べる肉食の生き物です。そのため、小型の金魚やメダカ、赤虫、イトミミズ、昆虫などの生餌が大好物です。ただし、健康管理のために日常的には人工飼料を与えることをおすすめします。
この商品は、抗酸化作用があるポリフェノールを多く含むバナナ粉末を配合しているので、健康維持にぴったりです。また、ウーパールーパーにとって食べやすい沈下性になっています。
その他、次のものも用意しておくと飼育に便利です。
それぞれ詳しく見ていきます。
餌を与えるときや、水槽の中で残った餌を取り出すときに便利です。ウーパールーパーは目の前で動く餌によく反応するため、餌をつまみながら目の前でゆっくり動かすと食いついてくれます。
こちらもピンセットと同様に、餌を与えるときや水槽の中で残った餌を取り出すときに便利です。
夜行性のウーパールーパーには必要なものではありませんが、かわいい姿を観察するときに便利です。餌をあげるときにライトをつけると観察しやすいだけでなく、餌の合図にもなります。
なお、ライトを取り付ける際は、ウーパールーパーが隠れられるような隠れ家や水草などを必ず置くようにしましょう。
ウーパールーパーのフンや餌の食べかすなどで出る汚れ(有機物)が水に溶けると、水質が悪化してしまいます。しかし底砂を敷いておけば、砂の中に汚れがたまり、有機物を隠すことが可能です。有機物による汚れは全体の汚れの7割以上ともいわれていることから、底砂はできるだけ利用することをおすすめします。ウーパールーパーが歩きやすくなるというメリットもあります。
今井さん
ただ、餌を食べる際などに一緒に吸い込んでしまうことが多いため、排泄しやすいように、ウーパールーパーのフンより小さめのサイズの底砂を選ぶようにしましょう。パウダータイプだと砂の中に汚れが入り込みづらいので、細かすぎない砂利がおすすめです。合わせて、素材もガラス製など人工的なものではなく、「珪砂」や「大磯砂」など天然素材のものを選ぶとよいでしょう。
その他、水槽や隠れ家を掃除するためのメラミンスポンジや、水換え作業に必要なバケツやポンプなどを用意しましょう。
ウーパールーパーを飼育するうえで欠かせないのが「水換え」という作業です。どんなに性能の良いろ過装置を使っていても、排泄物などが溜まり水質が悪くなっていきます。特にウーパールーパーは新しい水(pHの高い硬水)を好むため、こまめな水換えが重要です。
また、砂利が汚れすぎてしまうと、有機物の汚れを隠しておくことができずに水が汚れてしまいます。最低でも1週間に1度は砂利掃除をしながら水換えを行いましょう。
多くの熱帯魚は古いこなれた水(弱酸性軟水)を好むため、「週に1回1分の1づつ水を換えましょう」などといわれます。しかしウーパールーパーは新しい水が好きなので、このような頻度では十分ではありません。
■砂利を敷いた水槽の場合
しっかりと砂利の掃除をしながら、週に1~2回 半分から3分の2交換
■砂利を敷いていない水槽の場合
毎日スポイトなどで糞等の掃除+週に2〜3回 半分から3分の2交換
上記はあくまでもろ過装置が機能している場合の目安の回数です。設置したての水槽などで、バクテリアが十分でなく、ろ過が十分に機能していない場合は、水が汚れていると気づいたらすぐに水換えましょう。
なお、ろ過装置がついていない場合は、毎日全量の水換えが必要です。ただし、それでも長期の飼育は難しいでしょう。
水換えは次のような手順で行います。
日本の夏は非常に暑いため、ほとんどの生き物を飼育するうえで必ず暑さ対策が必要になります。特にウーパールーパーはメキシコの標高の高い涼しい地域の出身なので、暑さ対策は万全にしましょう。
ウーパールーパーの適温は10~25℃程度です。原産地では年間を通じて15~20℃程度の水温ですが、+-5℃程度であれば、食欲も落ちることなく元気でいてくれます。以上から、夏場は25℃以上にならないように対策しましょう。30℃程度までなら生死にかかわる恐れは極めて低いといえますが、温度が上がると水が傷みやすくなり、トラブルの原因になります。
ウーパールーパーの暑さ対策として次の3つがおすすめです。
それぞれ詳しく見ていきます。
まず1つ目の対策が熱帯魚用ファンや水槽用クーラーを設置することです。
比較的熱帯魚用ファンは価格が3,000円前後とお手頃で、導入しやすいのもポイントです。仕組みとしては、水槽の縁にセットし水の蒸発による気化熱で水温を下げるというもの。水温自体は1〜3℃ほどしか下がらないため、過信は禁物ですが付けておいて損はないでしょう。
反対に、水槽用クーラーは安いものでも1万円、高いものだと4万円ほどになるため、導入コストはかかりますが、その分効果も大きいです。価格の他にも、小さい水槽だと設置しにくいというデメリットもありますが、しっかり水温を下げたいときにおすすめです。
2つ目の対策は、水槽にスッポリ発泡スチロール箱を被せて、水の中に保冷剤や凍らしたペットボトルを入れるというもの。発泡スチロールを被せずに保冷剤だけ入れてしまうと、水温が急激に下がり、ウーパールーパーがびっくりしてしまうので注意してください。保冷剤が溶けるたびに交換が必要なため、手間はかかりますが、その分効果は大きい方法になります。
最後は夏の間は常にエアコンをつけておく方法です。電気代が気になってしまいますが、人とウーパールーパーどちらも快適に過ごせるため、検討してみてもよいでしょう。
今井さん
真夏の猛暑日については、対策1と3を合わせるのが無難でしょう。エアコンで室温を28~30℃程度で設定したうえで、水槽用のファンを使い数℃温度を下げてあげるとよいですね。なお、凍らせたペットボトルを水槽に入れる方法もありますが、一瞬だけ少し温度が下がるだけで、ほとんど意味がありません。夏場の温度対策はウーパールーパーの生死にかかわることですので、確実な方法で対策してあげましょう。
ウーパールーパーが寒さに強いというのは誤解で、実はそんなに強いわけではありません。温度が0℃近くになっても死にはしませんが、変温動物のため活動はできなくなります。
飼い主さんが室内にいるときは暖房をつけ、そうでない場合は切っているのが通常でしょう。その間、ウーパールーパーは20℃以上から10℃以下の気温変化にさらされることになります。活動しやすい温度下であれば餌を食べますが、体の機能が低下するほど寒い温度下では、食べたものを消化できません。
このようなサイクルが続くと、当然ダメージが蓄積していきます。結果、春先になって調子を崩して死んでしまうケースは珍しくないどころか、非常に多いといえます。かわいい我が子の悲劇を防ぐためにも、冬場は水槽用のヒーターをつけるなどして、10℃以上に保ちましょう。
今井さん
できるだけ温度変化を少なくすることも大切です。変温動物であるウーパールーパーにとって、1℃の水温変化は人間でいうと6℃の変化に値するといわれています。朝晩の気温変化が激しい時期は人間でも体調を崩しやすいほどですから、ウーパールーパーを過酷な環境に置いてはいけません。ヒーターなども使ってしっかりと保温してあげてくださいね。
自然界のウーパールーパーは、小さいうちは共食いで成長していきます。ペットショップで購入した場合でも、あまりに小さいうちの混泳は共食いの危険性があるので避けた方がよいでしょう。最も共食いが激しいと言われているのは3~5cmの頃。そのため、これより大きいサイズになってから、混泳させるかどうか検討することをおすすめします。混泳をはじめるにあたっては、できるだけ底面積のある広い水槽を用意します。
ちなみに、他の生き物との混泳は、ウーパールーパーが他の生き物を誤って食べてしまう可能性があるのでおすすめしません。
ウーパールーパーの種類をはじめ、性格や食事の好み、住環境にいたるまで、ウーパールーパーの特徴について理解は深まったでしょうか? 比較的育てやすい生き物ではありますが、ウーパールーパーをペットとして迎える場合は、水質を良好に保ち、水温にも気をつけてあげることが必須です。なんとも愛らしいウーパールーパーの個性を受け入れて、楽しい飼育生活を送ってくださいね。
今井さん
ツボを押さえれば非常に飼いやすいペットなんですよ。