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ナミヘビ科はヘビ全体の約3分の2が属する大きなグループで、日本を含む世界中に分布しています。たとえば民家近くの草むらや河川敷などで見かける「アオダイショウ」もナミヘビ科の一種です。ペットとして親しまれている海外原産のナミヘビも多く、個性豊かな見た目に惹かれている方もいるのではないでしょうか。
ナミヘビは特殊な種類を除けば飼育方法は共通しており、飼いやすい種類が多いといえます。とはいえ、飼育のコツや注意点を知らないと短命に終わることも……。せっかくペットとしてお迎えするのですから、健康かつ快適に過ごせる環境を用意してあげましょう。
この記事では、ナミヘビの飼い方全般を詳しく紹介します。
ナミヘビ科は南極大陸以外の全大陸で確認されているメジャーなヘビです。山地や平地、河川、池沼、農耕地などさまざまな環境に生息しており、環境に応じた生活様式(地上棲・樹上棲・水棲)を確立しています。
種類が多いだけにサイズもさまざまです。たとえば、ペットとして人気の「カリフォルニアキングスネーク」や「コーンスネーク」は全長約1.2~1.8mほどですが、日本でも見られる「ヒバカリ」や「シロマダラ」は35~70cmほどです。
一方、最大種は東南アジア原産の「オオカサントウ」で、全長約4mを超える個体もいます。
ヘビは肉食であり、ナミヘビも例外ではありません。昆虫、ネズミ、カエル、小鳥など自分が飲み込める程度の生き物を食べていますが、決まった獲物しか狙わない偏食家も多くいます。たとえば、アオダイショウは哺乳類や鳥類を特に好む傾向が強いです。
「毒ヘビ」として恐れられるヘビは「コブラ科」「ウミヘビ科」「モールバイパー科」「クサリヘビ科」などが知られ、神経毒と出血毒の両方を併せ持っています。
ナミヘビ科も例外ではありませんが、人体に深刻な影響をもたらす有毒種は少ないといわれています。ナミヘビ科がペットとして選ばれやすい理由の一つはここにあります。
ここでは、数あるナミヘビ科のなかでも、ペットとして人気のあるナミヘビの種類と価格相場を紹介します。
原産 | 北米 |
容姿の特徴 | ・全長約1.2~1.8m ・体色が豊富 |
性格 | 温厚 |
生活様式 | ・地上棲~半樹上棲 ・夜行性 |
寿命 | 約10~15年 |
値段 | 約5,000円~ |
コーンスネークは、アメリカ東南部原産のナミヘビです。ほかの科のヘビを含めてもトップクラスの人気を誇り、「おとなしい」「丈夫」「安価」の三拍子がそろっています。
人気の理由の一つに、モルフ(品種)の豊富さが挙げられるでしょう。ノーマル種は赤やオレンジの体色に黒っぽい斑紋が入りますが、黒の色素を持たない「アルビノ」、赤い色素が欠乏した「アネリ」、黒と赤の色素を持たない「スノー」など多数が作出されています。もちろん、貴重なモルフほど高価になります。日本でも精力的に繁殖されているため、入手ルートに困ることは少ないでしょう。
ちなみに、コーンスネークの由来は斑紋がコーン(トウモロコシ)に似ているから、という説が有力です。また、「アカダイショウ」と呼ばれることもあります。
原産 | 北米、メキシコ北西部 |
容姿の特徴 | ・全長約1.2~1.8m ・体色が豊富 |
性格 | 温厚 |
生活様式 | ・地上棲~半樹上棲 ・寒い時期を除いて昼行性 |
寿命 | 約20年 |
値段 | 約1~5万円 |
通称「カリキン」と呼ばれるカリフォルニアキングスネークは、コーンスネークに匹敵するほど根強い人気があるナミヘビです。大きさは1.5mほどと小型でかわいらしく、モルフも豊富でコレクション性が高いといえます。
猛毒を持つ「ガラガラヘビ(クサリヘビ科)」ですら襲って食べる食性から「ヘビの王」と呼ばれていますが、カリフォルニアキングスネーク自体に毒はなく、実はおとなしい個体が多いです。ただし、飼い主さんの手に餌のにおいが残っていると、貪欲な食欲が災いして「戦闘モード」に入ることはあります。
このような生態から「気性が荒い」と評されることもありますが、飼い主さんで容易に対策可能な範囲であり、十分に扱いやすいヘビといえます。
原産 | グアテマラ、ベリーズ、メキシコ、アメリカ、カナダ南東部 |
容姿の特徴 | ・全長約1.2~2m ・サンゴヘビにそっくり |
性格 | 温厚(やや臆病) |
生活様式 | ・地上棲~半樹上棲 ・暑い時期を除いて昼行性 |
寿命 | 約20年 |
値段 | 約1万5,000~3万円 |
ミルクスネークは森林、草原、農耕地などに生息しているカラフルなヘビです。赤・黒・白の毒々しい姿は猛毒を持つサンゴヘビそっくりですが、実はサンゴヘビに擬態して身を守っているだけで、ミルクスネーク自体は無毒でおとなしい性格です。むしろ臆病なほどであり、ハンドリングは難しい個体が多い傾向があります。
人気のミルクスネークは「ホンジュランミルクスネーク」「ネルソンミルクスネーク」で、販売価格は1万5,000円~3万円ほどで、入手しやすい範囲といえるでしょう。前述のとおりやや臆病なものの、体は丈夫なので飼いやすいナミヘビです。
ちなみに、名前の由来は牛のミルクを飲みによく牛舎に姿を表すからだといわれています。もっとも、ミルクスネークの目当てはミルクではなく、牛の餌を狙ってやってくるネズミです。
原産 | 日本 |
容姿の特徴 | ・全長約1.5~2m ・目がオリーブ色 |
性格 | 温厚 |
生活様式 | ・樹上棲~半地上棲 ・昼行性 |
寿命 | 約10年 |
値段 | 約3,000~5,000円 |
アオダイショウは日本固有種の最大のヘビで、自然豊かな地域のほか、民家の草むらや公園、用水路などにも生息している身近なヘビです。
元々日本にいることから、特別な温度・湿度調整をしなくても飼育できるのが大きなメリットでしょう。ただし、野生のアオダイショウを捕まえてきて飼う場合は警戒心が強く、人間に慣れさせるのは難しいかもしれません。
アオダイショウはアメリカで積極的な品種改良が行われており、珍しい色模様の個体が逆輸入されています。珍しい種類だと1万円を超えることもありますが、相場は3,000~5,000円で販売されており、お迎えしやすい価格帯といえるでしょう。
ペットとして飼いやすいナミヘビであれば、飼育に必要なものはほぼ共通しています。次のものを用意するとよいでしょう。
飼育容器の材質や形状はほかの種類のヘビと変わらず、爬虫類専用のケージ、水槽、プラケース、衣装ケースで飼育できます。
おすすめは、やはり爬虫類専用のケージです。餌やりや掃除などで飼育容器に手を入れるとき、横からアクセスできるタイプが多く、ナミヘビを緊張させません。また、ふたをしっかりと固定できるタイプが多いのも大きなポイントです。
飼育容器の大きさは、「ヘビがとぐろを巻いたときの3倍は必要」といわれています。飼育容器が広々としているとナミヘビが活発に行動でき、大きく成長しやすいという声もあります。さまざまなレイアウト素材も設置できるため、観賞度が上がるでしょう。
床材はウッドチップやウッドシェイブが一般的ですが、ペットシーツ、キッチンペーパー、新聞紙、小石、砂など、特に問いません。観賞度を重視したい場合は、自然を演出できる砂系のもののほうが雰囲気が出ます。
ただ、ナミヘビに限らずヘビは頻繁に排泄する生き物なので、メンテナンスを考えるとペットシーツやキッチンペーパー、新聞紙などが便利です。
水入れは給水所として、またお風呂場としても機能します。さらに、飼育容器内の湿度を上げる効果も果たす、必須のアイテムです。
とぐろを巻いたときのナミヘビの全身がすっぽり入るサイズを用意しましょう。ナミヘビが出入りする際に水入れを引っくり返すこともあるため、ある程度の重量のあるものがおすすめです。
ナミヘビの多くは臆病なため、身を潜められるシェルターを用意してあげましょう。表面がザラザラした材質のシェルターであれば、ナミヘビが脱皮をする際の取っ掛かりとしても利用できます。
シェルターの大きさは、ナミヘビの体がちょうど隠れられる程度の「狭さ」のものがおすすめです。幼体から飼育する場合は、成長度合いに合わせてシェルターも交換してあげるのが理想です。
日本固有種であるアオダイショウは別ですが、外国産であるナミヘビは保温対策をしないと体調を崩し、最悪の場合は死んでしまいます。ケージの底面にパネルヒーターや温度計を設置し、適温かどうかを確認してください。
なかには昆虫を特別に好むナミヘビもいますが、基本的には冷凍マウスを与えます。あまりに大きなマウスだと飲み込み辛いため、個体に適したサイズ(胴回り程度)を選んであげましょう。冷凍マウスは飼育容器内に置いておくか、自分で食べてくれなければピンセットで目の前に持っていってあげてください。
勢いよく食いついて口周りをケガしないよう、先端が尖っていないものがおすすめです。
ナミヘビはヘビの基本的な飼い方にそって飼育すれば問題ありませんが、注意点もあります。食欲不振や脱皮不全にならないよう、心地良い環境を用意してあげましょう。
主食となる冷凍のマウスは40℃程度のお湯でしっかり解凍してから与えますが、このとき飼い主さんの手のにおいが付かないよう注意してください。また、マウスの大きさはナミヘビのサイズに合わせることが大切です。ほどよく解凍できれば、ピンセットで顔の前に持っていき、揺らしてあげると食いつくでしょう。
飼育容器内に置いて自分で食べてほしいときは、ナミヘビに「餌がある」ことをわからせましょう。ナミヘビが活発なときを狙ったり、ナミヘビの視線の先に置いてあげたりすると食べてくれることが多いです。一晩経っても食べない場合はマウスを廃棄してください。そのままでは腐敗してしまいます。
頻度は、成体であれば週に1回、生後2年ほどまでの幼体には週に2回が目安です。個体差や体調もあるため、フンの頻度や状態も確認しながら調整するとよいでしょう。
ヘビは食前と食後で代謝が代わります。特に食後は、体を温められる環境でないと消化不良や便秘を起こす恐れがあるため、飼育容器内の適温を保つことは非常に大切です。アオダイショウなど日本の環境に適応可能なナミヘビを除き、日中は25~29℃、夜は20℃を下回らないようにしてあげましょう。保温はパネルヒーターだけでも十分ですが、必要に応じて保温球やエアコンも併用すると安心です。
ナミヘビに限らず、ヘビは適度な湿度がないと脱皮不全を起こします。湿度対策は水入れを設置することで解決することがほとんどですが、床材に水苔を用いて保湿する手もあります。ただし、カビが発生することもあるため、メンテナンスには気を配ってください。
健康なナミヘビであれば食後から数日後にフンをするでしょう。肉食性の動物のフンはにおう傾向があるため、速やかに取り除くことをおすすめします。また、脱皮後の皮もできるだけすぐに除去しましょう。放っておくとカビを誘発する恐れがあります。
意外にすぐ汚れるのが水入れです。ナミヘビは水入れの中に浸かりながら排泄することが多いため、水が汚れていないか毎日チェックしてください。
ほかの種類のヘビと同様、ナミヘビも定期的に脱皮します。脱皮前には餌を食べなくなったり、あまり動かなくなったり、あるいは目が白濁したりしますが、これは通常の「脱皮前サイン」です。
断片的にしか脱皮できない脱皮不全を防ぐためにも、飼育容器内の湿度を上げ、水入れ内の水を切らさないでください。また、皮を引っ掛けられるような石やシェルターがあるとより安心です。脱皮前に改めて設置するのではなく、普段からセットしておくとよいでしょう。
ナミヘビ科を含むヘビは人間に懐くことはありませんが、慣れることはあります。ハンドリングができれば健康チェックや掃除をする際の移動などが楽になるため、飼い主さんを「安全な存在である」と認識させるほうがよいでしょう。
上手にハンドリングするコツは次の通りです。
なお、ヘビを触った後は必ず手を洗ってください。爬虫類はサルモネラ菌のキャリアであり、飼い主さんの健康に影響を及ぼす危険性があります。
ここでは、ナミヘビを飼うにあたって抱く素朴な疑問点をQ&A形式で紹介します。基本的な飼い方と注意点のプラスαの知識としてお役立てください。
A.基本的に必要ありません。ナミヘビ科をはじめとする多くのヘビは、骨の育成に必要なビタミンD3を体内で生成できるためです。日光浴をしないと病気になってしまう昼行性のトカゲなどとは体の構造が異なります。
また、ヘビは地表の温度を体全体で受けて体温調節しているため、バスキングライトで上から照らすよりも、パネルヒーターで下から温めてあげるほうが適しています。ライト類を設置すると、ナミヘビがそれらに巻き付いてやけどする危険性もあります。
A.繁殖が目的でない限り多頭飼いはおすすめしません。喧嘩するだけでなく、共食いする恐れすらあります。共食いする代表的なナミヘビはカリフォルニアキングスネークです。
A.「上から急に手をいれない」「素早く動かない」「タイミングを見計らって触る」などが基本的な対処法ですが、個体差もありますし、飼い主さんの経験も必要です。
どうしても心配な場合は、購入時におとなしい個体を選んでもらうと、いくらかは安心ではないでしょうか。
A.ナミヘビに限らずヘビは絶食に強い生き物ですが、一週間を超えると少し心配です。ペットホテルやペットシッターに預けるか、爬虫類の扱いになれたご友人を頼るかなどし、お留守番させるのは避けてください。
なお、幼体であれば3日以上の旅行でも一人ぼっちにするのは危険です。
ナミヘビを飼育するうえで特に大切なポイントを箇条書きでまとめます。
ナミヘビは特殊な種類を除けば基本的な飼い方が変わるわけでもなく、難易度が極めて高いわけでもありません。ヘビを飼ったことがある方はもちろん、初めてヘビを飼う方でも扱いやすい種類といえるでしょう。
とはいえ、ナミヘビが何らかのトラブルで様子がおかしくなったり、体調を崩したりすることは考えられます。異変を感じたら、できるだけ早く動物病院に相談してください。上手に飼育すれば15年や20年生きる種類もいます。お迎えした子が末永く元気でいられるよう、心を込めてお世話してあげてくださいね。
※専門家・有識者のみなさま
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