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フリマアプリが普及したことで、プチプチ®︎を使って梱包する機会が増えた方も多いのではないでしょうか? より身近な存在となったプチプチ®︎の魅力に迫るべく、日本で初めてプチプチ®︎を開発し国内トップシェアを誇る川上産業株式会社を取材しました。
こんにちは。プチプチ文化研究所所長 杉山彩香と、北関東営業所 所長 柏渕良太です。今回は、私たちが「プチプチ®︎」について解説していきます!
そもそも、私たちが「プチプチ®︎」と呼んでいるものは、別名「気泡緩衝材」といいます。
気泡緩衝材が誕生した由来は諸説ありますが、1960年代初期のアメリカでシャバンネス兄弟によって作られたのが気泡緩衝材の原型だといわれています。その後、別のアメリカ人がその製造機械を開発。日本でも気泡緩衝材と製造機械を開発し、1963年頃、偶然にも日米同時期に製品として発売を始めたそうです。
新しい梱包資材として誕生した気泡緩衝材。川上産業が発売した当時は「エアー・バック」という名称でした。その頃の日本は、梱包材といえば古新聞、おがくずなどの身近で手に入るものを利用するのが当たり前の時代。商品の展示会では「何に使うの?」と聞かれることもあり、売るのに苦労したそうです。
川上産業の本社がある名古屋の土地柄を活かし、瀬戸物の梱包材として採用されたことから、一般の方にも認知される存在になったといわれています。割れやすい贈答用のクッキー缶や電化製品の梱包など、徐々に活躍の場を広げていきました。
実は、気泡緩衝材をプチプチ®︎と名乗っていいのは川上産業だけ。川上産業の2代目社長・川上肇が「(これって)プチプチってみんな呼んでるよね」と気づいたことがきっかけで、1994年に「プチプチ®︎」が正式名称として商標登録されました。
プチプチ®︎といえば空気の入った粒が特徴ですが、実はこの粒の形、2004年から進化しているんです。
昔の粒は横から見た形が円柱型でしたが、現在はおわん型(台形)に変わっています。なぜそのような進化があったのでしょうか? 理由は省資源化。この形状により、緩衝能力は変わらず、使用するポリエチレンの量を20%削減することに成功しました。そのほか、リサイクル原料を80%以上使用し、環境にやさしいプチプチ®︎を開発するなど、独自の発明で気泡緩衝材業界を先導し続けてきました。
プチプチ®︎には、厚さ・強度などを示す独自の規格があり、梱包物によって使い分けることもできるんです。定番品以外にも、さまざまな種類のプチプチ®︎があるのでご紹介します。
出典:総合カタログ プチプチTM
こちらがプチプチ®︎の規格表です。「銘柄」に記載されたアルファベットの「d」と数字にご注目。この「d」と数字で、プチプチ®︎のビニールの強度を示します。
「d」=diet(ダイエット)の略。以前は粒の高さ4.0mmの「#」規格のプチプチ®︎を取り扱っていましたが、2004年から、その「#」よりも省資源で粒の高さが3.5mmだということを意味する「d」規格のプチプチ®︎が製造されるようになりました。
数字=値が大きくなればなるほど、プチプチ®︎の強度が高くなります。中に入っている空気の量はどれも一定です。
この中で私たちが現在よく目にする、一般的なプチプチ®︎は「d36」。店舗での取り扱いが多いので手に入りやすい製品です。強度が高い「d40」や「d42」は重量がある物にも耐えられるので、電化製品やワインボトルなどの割れものを梱包するときにおすすめ。用途によってプチプチ®︎を使い分けるのが梱包のコツです。
2020年7月1日に発売された「スマート プチ」は、粒を小さくして、厚みを薄くすることにこだわったプチプチ®︎。 d36の場合、粒の直径10mm、高さ3.5mmなのに対し、「スマート プチ」は粒の直径7mm、高さ1mmとかなりスッキリしたサイズになりました。粒が小さくなってもd36と同じくらいの緩衝性があり、軽量物の梱包であればこれで十分! 荷物の厚みをなるべく薄く梱包すると、送料が安いサイズに収められるのが魅力です。
2021年7月1日に発売されたばかりの「スパスパTM」。なんと、2021年度の「グッドデザイン・ベスト100」と「グッドフォーカス賞」をW受賞した、大注目のアイテムです!
いったい何がすごいのかというと、ハサミのいらない「手で裂けるプチプチ®︎」であること! 粒が四角い形状であることによって、横4列、縦2列ごとに手で割くことができるんです。通常、プチプチ®︎をハサミでカットするときは粒も一緒に切ってしまいますが、これだと粒が犠牲にならなくて済みますね。
こちらの「はぁとぷち®︎」は、なんと粒の形がハート型! ローズピンクやレモンイエロー、スカイブルーなど、シートの色も多数あります。
梱包後にリボンをかければ、そのままラッピングにもなります。企業でも、バレンタインチョコや高級いちごなどのギフトの梱包材として採用され、梱包の枠を超えたプチプチ®︎として活躍しています。
身近にあるプチプチ®︎ですが、その使い方をちゃんと知っている人は多くないのではないでしょうか? そこで、よくあるプチプチ®︎のギモンにお答えします!
梱包する際、どの面を外側にするべきか迷うという声を聞きます。シートの粒のある面が「表」、平らな面が「裏」とされていますが、実は、表と裏どちらの面が外側でも緩衝力に差はありません。
粒がある面を外側にして梱包すると、開梱時にテープをはがしやすくなるため、簡易梱包にはこちらがおすすめ。逆に、平らな面を外側にして梱包するとテープが剥がれにくいので、頑丈に梱包できます。また、両面平らなタイプもあります。シーンによって使い分けるのがポイントです。
プチプチ®︎の緩衝力は空気の入った粒の力にあるので、粒が潰れてヘタってきたら使わないほうがいいです。繰り返し使用する際は、粒を触って状態確認してみてくださいね。
もしものときのためにグルグル巻きにしたい気持ちもわかりますが、1周で十分。ただし、より丁寧に梱包したいときは、プチプチ®︎を2周・3周させるのではなく、一度梱包を完成させてから、もう一度巻くのがおすすめ。このやり方であれば、ぴっちり巻くことができます。
万能なプチプチ®︎ですが、表面が磨かれた鉄製品や鏡などは、梱包したまま長期間置きっぱなしにしたり重さがかかったりすると、プチプチ®︎の跡が残ることがあります。この場合は、ポリ袋やサランラップで包んでからプチプチ®︎で梱包すれば対処できます。
また、届いたらすぐに開梱して、プチプチ®︎と接する時間を短くすることも大切です。繊細な品物を梱包している場合は、特に放置しないようにしましょう。
送り先とのトラブルを回避するためにも、正しく梱包して荷物を衝撃から守ってあげることが大切。ということで、荷物を守れて、手間は最小限、仕上がりの美しさも追求した梱包方法をご紹介します! 今までぐるぐる巻きにして逆に手間をかけすぎていた、なんてこともなくなるので要チェックです。
まずは四角い形状のものの包み方です。今回は本を梱包してみました。
文庫本や単行本などの場合
図録などの重い本の場合
基本的にプチプチ®︎はセロハンテープで留めることができます。重いものやサイズが大きいもの、割れやすいものなど、よりしっかりと固定したいものには粘着性が強い養生テープやガムテープなどがおすすめです。
1. まずは本の厚み、縦・横の長さを測ります。
プチプチ®︎の縦:(本の縦の長さ×2)+(本の厚み×2)+2cm※ プチプチ®︎の横:(本の横の長さ×2)+(本の厚み×2)+2cm※ ※梱包しやすくするため、プラス2cmほど余分にとります |
2. 上記のサイズでプチプチ®︎のシートをカット。
3. 本をシートの中央に置きます。
4. 横1周をぐるりと巻いてテープで留めます。そんなに簡単にはがれないので、テープをたくさん貼らなくても大丈夫です。
5. 本の厚みの部分に折り目を寄せてテープを留めます。ここで大切なのは、余った折り目はハサミでカットすること。厚みが出ると送料が高くなってしまうかもしれないので気を付けましょう。
数冊まとめて梱包するときは、本というより「立体を梱包する」イメージで梱包。崩れないか心配な場合は、一度包んだ後、プチプチ®︎をもう一度巻くといいでしょう。
左が「スマート プチ」、右がd36のプチプチ®︎で、梱包した場合の厚みの違いがコチラ。同じ本でもこんなに厚みが変わるのに驚きです。 梱包物の厚さを3cm以内に収めると、送料を安く済ませられるので、梱包において「薄さ」はとっても大切。
ちなみに……この「スマート プチ」が紙の封筒の中に備え付けてある「セフティライト+スリム」という商品もあります。緩衝封筒やプチプチ®︎付き封筒などとも呼ばれ、荷物をこの封筒に入れるだけなので、梱包の手間を省くことができちゃうんです。
ガラス製で割れやすい円柱型のワインボトルを梱包するときのポイントをご紹介します。
1. ワインボトルの高さや底の直径を測ります。
プチプチ®︎の縦:(ワインボトルの高さ×2)+ワインボトルの底の直径+15cm※ プチプチ®︎の横:(ワインボトルの底の直径×3.14[円周率])+2cm※ ※梱包しやすくするため、縦はプラス15cmほど、横はプラス2cmほど余分にとります |
2. 上記のサイズでプチプチ®︎のシートをカット。今回は幅30cmでロール売りのプチプチ®︎を使ったので、縦の長さだけ切り出しました。
3. シートの中央に、品物を裏向きに置きます。このシートは耐久性のある「d40」がおすすめ。
4. 1周ぐるりと巻いて、テープを数ヵ所留めます。
5. 底をテープで留めます。底は割れやすいのでシートが重なるように意識。
6. ボトルのトップから上の余ったシートを折り曲げ、ネックを守るようにカバーし、テープで留めます。
ポイントは、一番守りたい部分にプチプチ®︎を“寄せる”こと! 梱包のやり方が丁寧であれば、つぎはぎに補強をしなくても、無駄なく十分な梱包ができるんです。
最初の置き方次第で、表のラベルが見えるように仕上がります
あらかじめ端が接着されて袋状になった「プチプチ袋」なら、ワインボトルのように円柱や曲線がある形状で梱包しづらいものでも、袋に入れるだけで梱包できるので簡単。川上産業では、「プチプチ袋」を希望のサイズで作っているので、梱包物に合わせた袋を手に入れることもできます。
1. プチプチ袋にワインボトルを入れます。
2. トップからシートを折り曲げて、テープで留めます。折り曲げても長い場合はハサミでカットしてください。あとは、底とネックをテープで留めたら完成!
贈答用なら「はぁとぷち®︎」がおすすめ。梱包してネックにリボンをかけると、ラッピングも兼ねたワンランク上の仕上がりに。見た目にも華やかで喜ばれますし、ハート形のプチプチ®︎が会話のきっかけにもなるはずです!
フリマアプリでも頻繁に取り引きされている、缶バッチなどのアニメグッズやアイドルグッズ。熱心なファンが多いぶん、表面に傷がつくと価値が下がるので、取り引きの際に「梱包はプチプチ®︎でお願いします」とリクエストされることも多いそうです。
1. 缶バッチの縦・横の長さを測ります。
プチプチ®︎の縦:(缶バッチの縦の長さ×2)+2cm※ プチプチ®︎の横:(缶バッチの横の長さ×2)+2cm※ ※梱包しやすくするため、プラス2cmほど余分にとります |
2. 上記のサイズでプチプチ®︎のシートをカット。
3. ポリ袋で包んだ缶バッチを、シートの中央より左に寄せて置きます。
4. 横を1周以上ぐるりと巻いてテープで留めます。軽量なので、巻きは1周で十分。ピンが壊れやすいので、巻き終わりがピンの面にくるようにして包むのがポイントです。
5. 上下をテープで留めたら完成!
最後に、裏ワザ的な貼り方をご紹介します。
それは、発送する「段ボールの外側」にプチプチ®︎を巻くというもの。「いったい何の意味が?」と思われるかもしれませんが、特に丁寧に配送してもらいたい品物の場合、こうすることにより、ドライバーが「これには壊れやすいものが入っているな」と意識が働き、より丁寧に扱ってくれるそうなんです。いわばプチプチ®︎の心理作戦。このときはテープがはがれにくいように、シートの平らな面である「裏面」を外側にしましょう。
杉山さん・柏渕さん、ありがとうございました!
身近な存在でありながら、意外と知らないプチプチ®︎の世界。いつまでも変わらない存在と思っていたら隠れた進化をしていたり、種類が豊富になっていたりと、さらに興味と愛着が沸いてきたのではないでしょうか。
丁寧な梱包にこだわると、荷物の破損なく送り先へ届けられるのはもちろん、受け取った相手にも印象が良く、送料のコストダウンにもつながるなどメリットがたくさん。皆さんもぜひトライしてみてくださいね。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。