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2020.05.01

聞いてみた

間違ってない? 正しい「粘着テープの選び方」

テサテープ

テサテープ

ドイツで粘着テープと言えば「テサ」。実はドイツ語の辞書にも掲載されているほど。1896年にドイツで粘着テープの発売を開始して以降、人々の身近でくらしを支えてきました。ハンブルグに本社を置き、世界100ヵ国以上で事業を展開。日本でも1964年から法人向けに粘着テープ製品を提供している老舗です。実は奥が深い粘着テープの世界をご案内します。

間違ってない? 正しい「粘着テープの選び方」

粘着テープの“奥深い”世界

粘着テープは、ホームセンターなどで誰でも購入でき、大抵のものは簡単に接着させることができます。しかし、肝心の「粘着テープの選び方」を間違えているケースが、実は少なくありません。

用途に適した粘着テープを選ぶためには、その構造を知り、“どこで”“何を”接着させるかまできちんと踏まえておくことが重要です。

1896年にドイツで粘着テープの発売を開始し、世界100ヵ国以上に事業展開しているテサテープ社が、粘着テープの奥深い世界をご案内します。

粘着テープの構造。片面テープと両面テープ

そもそも粘着テープとは、粘着剤を塗ったフィルム・布・紙などのこと。多くの人に馴染みのある「セロハンテープ」や「ガムテープ」「ビニールテープ」なども粘着テープの一種です。その仕様を大別すると、片面テープ両面テープの2種類に分けられます。

続いて粘着テープの構造を見ていきましょう。粘着テープを構成する要素には、欠かせないものが2つあります。1つめが、テープに粘着力をもたらし、その性能を決定づける「粘着剤」。そして2つめが、その粘着剤が塗布され、テープの“土台”となる「基材」です。

基材は、その役割から「支持体」とも呼ばれ、フィルム・布・紙といったさまざまな素材が用いられます。

片面テープの構造例

  • はくり剤
  • 基材
  • プライマー
  • 粘着剤

片面テープの構造例

両面テープの構造例

  • はくり紙(セパレーター)
  • 粘着剤
  • プライマー
  • 基材
  • プライマー
  • 粘着剤

両面テープの構造例

「接着剤」と「粘着剤」の違い

次に「粘着剤」と「接着剤」の違いについても説明しておきます。

「接着剤」の特性

「木工用接着剤」または「ボンド®」などの接着剤は液状です(※ボンド®はコニシ社の商標です)。そのため、粘着剤とは違い、物体の目に見えない細かい凹凸にもぴったりと流れ込みます(この現象を「濡れる」と表現します)。液体である接着剤は、乾燥や化学反応などで固体に変化します。凹凸面に接している面積が広くなるため、粘着剤よりも強固な接着が可能です。

「粘着剤」の特性

一方、粘着剤は液体と固体の中間のような、柔らかい存在です。放置しておくと徐々に濡れが進むため、つけた直後よりもしばらくおいた時のほうが強く接着します。強く押すなど圧力をかけると、濡れを早めることができ、即座に強い接着力を発揮します。

ただし、液状の接着剤よりも濡れ性(凹凸へ深く入り込む性質)に優れないため、同等レベルで強く接着することはできません。しかし、濡れ性に優れない点がかえって、マスキングテープなどの「表面を傷めずに剥がす」という接着剤にはない使い方を可能にします。

粘着剤が接着剤と比較して異なる点

  • 液体から固体に物質の状態が変化しない
  • 圧力をかけることで濡れを促進させ、素早くつけられる
  • 表面を傷めずに「はがす」使い方ができる

「接着剤」よりも「粘着テープ」が選ばれる場面

一般的に接着剤のほうが粘着テープよりも接着力は強いですが、それでも接着剤ではなく粘着テープを採用する場面が多くあります。

接着剤の場合、次のような困りごとが発生します。

  • 接着時のはみ出しや一定の厚みに仕上げるのが難しい
  • 小さい面積や細幅への塗布・接着が難しい
  • 液状のため使用量や残量を定量的に測りづらい
  • 開封後は長期間保管できないことが多い
  • 乾燥や硬化時間が必要

一方、上記の接着剤の欠点について、粘着テープが強みを発揮します。

  • はみ出しにくく、仕上がりの厚みを一定にできる
  • 貼りつけ面の形状に合わせるダイカット加工など、事前に加工ができ、小さい面積や細幅でも簡単に接着できる
  • 長さや面積、枚数などでカウントできる
  • 開封後しばらく保管した後でも、使用を再開することができる
  • 濡れを進行させると、貼りつけ直後から使用できる
  • 貼り直しや剥がすことができる

「よく貼り付く粘着テープ」がベストチョイス?

では、粘着テープは、どのように選ぶべきでしょうか?

カタログに記載された粘着力を比較し、性能の高いものを選ぶ──それが一番正しいテープの選び方だと思っていませんか?

実は、この方法は間違いではありませんが、いつも正しいわけではありません。メーカーがこんなことを言うのもいかがなものかもしれませんが、ここが粘着テープのややこしいところ……。

なぜ「いつも正しいわけではない」かというと、漠然と「よく粘着するテープ」と言っても、使用する環境や接着させたいモノの種類によって、「粘着力」の意味や求めるべき特徴が大きく違ってくるためです。

 

通常、粘着テープのカタログ上に記載される粘着力は、「剥離粘着強さ」(表示単位は「N/10mm」)なのです。多くの方が、その「粘着力」からテープを選ぶのは当然だと思います。

しかし、この粘着力(剥離粘着強さ)は、テープの性能の一面しか表していません。テープを使用する際に必要な性能について考えると、選ぶべきテープは、まったく違ったものになる可能性があるのです。

正しい粘着テープの選び方

粘着テープを選択するときは、まずは以下の5つのポイントを確認しましょう。

1.テープを使用するのは屋内か? 屋外か?

もし屋外で使用するのであれば、耐候性・耐UV性の高いテープを選択することが第一です。

2.どのような温度環境でテープを使用するのか?

粘着テープには、低温に強いタイプや高温に強いタイプがあり、どのテープでもどの温度でも同じような性能を発揮する、とは言えません。多くのテープは、なるべく広い温度範囲で使えるように設計されていますが、粘着テープを貼り付ける際は、10~40℃の環境下で行うようにしてください。温度が低いと、十分な粘着力が発揮されず、着きが悪くなります。ただし、テープを貼り付けたあとに温度が非常に下がったり、あるいは高温になったりしても、通常は問題ありません。

3.どのくらいの時間、テープが貼り付いていないといけないのか?

どれくらいの時間、テープが機能する必要があるのかによって、粘着剤を選択する必要があります。

4.同質の材料を固定するのか? それとも異種材料を固定するのか?

両面テープで2つの素材を固定する際には、被着体それぞれの熱膨張率の違いを理解して、それに対応したテープを選んでください。熱膨張率の差が大きいものを固定する場合には、厚みに問題がなければ、発泡体基材のテープがおすすめです。

5.貼り付ける相手(被着体)の表面状態を確認したか?

  • 表面は平滑か粗面か、凹凸がないか
  • 塗料・塗工剤の種類
  • 塗料・塗工剤との相性
  • 塗料・塗工剤に可塑剤などが含まれていないか。可塑剤は、粘着剤をも軟化させ、破壊してしまう
  • 粘着剤の粘着力は十分か
  • 表面張力はどれくらいか。表面張力が低い=非極性が高い=接着し難い

「何を接着させるか?」にも注意が必要

 

さらに粘着テープには、接着させる材料によって接着が難しかったり、変色の心配があったりするので注意が必要です。

難接着材料

粘着テープが苦手とする難接着材料には、「フッ素樹脂」または「テフロン®」やシリコーンがあります(※テフロン®はデュポン社の商標です)。難接着材料の場合は、粘着強度の高いテープを使ったり、シリコーンにはシリコーン系の粘着剤で対応したり、プライマー処理をしたりといった工夫が必要です。そのほか、ポリエチレンやポリプロピレンも難接着素材の代表ですが、これらのポリオレフィン系素材には、変性アクリル粘着剤を選んだり、プライマー処理を追加したりすることが必要です。

合成樹脂と塗装表面

一般的に合成樹脂と塗装表面の材料は、接着には問題ありません。ただし、粘着剤と樹脂、あるいは塗料との間で添加剤などの移行が発生し、表面がへこんだり膨らんだり、あるいは表面が変色したり糊残りが発生したりします。あとで剥がさない用途であれば問題になりませんが、マスキング・表面保護・結束用ストラッピングテープなどの場合は注意が必要です。また、一部の塗装では表面が難接着になるものがあるので、慎重にテープを選定してください。

金属の接着

鉛・銅・黄銅のような非鉄金属の場合、粘着剤に化学反応が起きないか確認する必要があります。銅には粘着剤を軟化させ、接着力を低下させるものがあるため注意が必要です。また、金属や表面処理の状態によっては、糊残りが発生する場合があります。このような問題を予防するために、あらかじめ糊残りの有無をサンプルで確認してから使うことをオススメします。

粘着テープから最高の性能を引き出す方法

用途に最適な粘着テープを選んだあと、実際に粘着テープを貼るときには、最高の粘着性能を引き出すための3つのポイントをおさえておきましょう。

1.粘着テープを貼るときの注意事項

  • 粘着テープを使用する際は、被着体表面がクリーンであることが大前提。埃・油・シリコーン・水分・ワックスなどがあると、接着力が大きく低下します。
  • 粘着テープを被着体に貼るときは、しっかりと押さえたうえで、気泡が入らないようにすること、また均一な圧力とスピードで貼ることが重要です。もし予算に余裕があるなら、自動貼り装置、あるいは貼り付け治具ローラーなどを用意することをオススメします。
  • 粘着テープを貼り付ける場合、温度が20~30℃で低湿度の環境が理想。低温下での貼り付けを想定して設計されていない限り、10℃以下でのテープの貼り付けは避けてください。
  • 通常、粘着テープの接着力は、時間の経過とともに上昇します。意外かもしれませんが、テープによっては最高接着力に到達するのにおよそ72時間が必要です。

2.剥がすときの注意事項

粘着テープのなかでも再剥離用、あるいは仮止め用テープについては、糊残りなくきれいに剥がれないといけません。糊残りさせないためには、あまりに低い温度での引き剥がしや乱暴かつ高速に引き剥がすことを避け、常温付近で丁寧に剥がすようにしましょう。

また、糊残りは、粘着剤が被着体表面に対して完全に馴染む(粘着剤と被着体の接触面積が最大になること)までの時間によって変わります。長期間の接着を前提に設計された粘着テープの場合は、一般に粘着剤が硬く、馴染むまでに時間がかかるため、数日から数週間は糊残りなく剥がすことができます。

しかし一方で、ほかの粘着テープは馴染みが早く、貼り付けてから数時間から数日で剥がさないと、被着体を破損したり糊が残ったりします。

3.粘着テープの保管について

粘着テープは、15~35℃の間で保管してください。理想の条件は、温度は23℃、湿度は50%RHです。保管温度が高いと、粘着テープの老化の進行が早まります。

粘着テープを保管・配送するときも、埃や泥などでテープが汚染されないように注意するとともに、梱包の破損や変形にも注意が必要です。

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