器&鍋にもなる「シェラカップ」でキャンプ料理を作ってみた! メイン・おつまみ・スイーツ網羅の14メニュー
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目次/ INDEX
はじめまして、料理研究家の服部みどりと申します。これまで飲食店でのメニュー開発や、野菜を扱う会社でのレシピ企画職を経て、簡単でカラダにやさしくおいしい家庭料理の作り方を研究しています。
これからの季節に欠かせない、旬のみかん。そのまま食べても十分おいしいですが、ときどき酸っぱいものに当たることもありますよね。そんなときにおすすめしたいのが「焼きみかん」!
みかんは焼くとジューシーに、トロッと甘くなるんです。温めたみかんは冷えたカラダにやさしく、寒い日にはもってこい。特別な道具が必要ないので、バーベキューなどのアウトドアシーンでも手軽に楽しめます。今回は、そんな焼きみかんの作り方を詳しくご紹介します。
私がはじめて焼きみかんを食べたのは幼少期。実家が飲食店で、板前の父親が、焼き鳥を焼くための炭火でいろいろなものを焼いて食べさせてくれた記憶があります。
炭火で焼いたみかんは真っ黒で「食べて大丈夫なの!?」とびっくりする見た目ですが、割ると鮮やかなみかん色の果実がじゅくじゅくと煮立ち、まるで焼き芋のような芳醇な香りが漂います。とろ〜っとやわらかく、食べるとカラダがポカポカ温まるまろやかな味わいです。
そもそも、みかんの酸っぱさには、成分として含まれている「クエン酸」が影響しています。クエン酸はレモンをはじめとした柑橘類の果物や梅干し、酢などに多く含まれ、酸っぱいと感じる酸味の成分です。疲労回復効果が高く、健康や美容には欠かせません。焼きみかんの場合、みかんを加熱することで細胞に傷がつき、傷を修復するためにこのクエン酸が消費されます。その結果、酸味が減り、甘みを感じやすくなるのです。
焼いたみかんを修復しようとするなんて、なんともすごい抗酸化力ですね。本来であればそのまま食べるのが好ましいですが、酸っぱいみかんが苦手な方や甘いみかんが食べたいときには、ぜひ試してみてください。
食べたことがない方も多く、驚かれやすい焼きみかんですが、作り方は焼くだけなのでとっても簡単。まずは、おいしい焼きみかんを作るポイントを紹介します。
1. みかんをよく洗い、水気をふきとる
みかんの皮は焼くとやわらかくなるので食べられます。皮を食べる場合は事前にしっかり洗ってください
2. 水気をしっかりふきとったみかんを、皮つきのままオーブントースターの天板に並べる
オーブントースターがない場合は、オーブンや魚焼きグリルでも作れます
3. 200℃くらいに予熱したオーブントースターで、みかんの皮の表面にこんがり焼き色がつくまで焼く
時間の目安は、高温のオーブントースターで15分くらいです。魚焼きグリル(片面焼き)では、 中火で片面6〜7分ずつ、両面を焼いてください
みかんをしっかり焼くと、皮から水分が抜けて実に密着するので、凹凸が目で見てわかるようになります。皮まで食べたい場合は、焦げすぎないように、薄く焼き色がついてきたらアルミホイルで覆うのがおすすめです。トースターやグリルの大きさにより焼き時間は異なりますので、加熱時間や火加減は様子を見ながら調整してください。
食べ方はそのまま丸かじりしてもいいですが、皮をむいて食べるとよりやわらかくてジューシーな食感が楽しめます。
冬の寒い時期には、温かい紅茶に加えるアレンジもよく合います。皮をむいた焼きみかんを食べやすい大きさにカットして紅茶の中に入れ、お好みでハチミツを足して甘さを調節してください。シナモンスティックやパウダーを少量加えるのもおすすめです。
ここからは、焼きみかんを使ったアレンジレシピを紹介していきます。
まず初めに試していただきたいのが、焼きみかんとチーズのロールサンド。ジューシーで甘い焼きみかんと、さっぱりしたクリームチーズのハーモニーがたまらない一品です。
1. マスカルポーネチーズに砂糖を加えて混ぜる
砂糖は少しずつ加え、好みの甘さに調整してください
2. ロールパンに切り込みを入れ、1を塗る
上下どちらにも塗ってくださいね
3. 焼きみかんを薄く輪切りにして挟む
おいしい焼きみかんとチーズのロールサンドの完成です!
市販のマスカルポーネチーズを使えばお手軽に作れます。マスカルポーネチーズの代わりにクリームチーズや生クリームを入れても相性も抜群です。
甘いのが好きな方は、仕上げに粉糖をふり、はちみつをかけてお召し上がりください。
次は、焼きみかんの皮を使ったマーマレードの作り方をご紹介します。
漢方では、乾燥させたみかんの皮は陳皮(ちんぴ)と呼ばれ、生薬として使われる食材です。マーマレードを作れば、香ばしく焼いたみかんの皮も捨てることなく使い切れます。
1. ヘタを取り除く
2. 皮をむき、包丁で細かく刻む
3. 鍋に2・砂糖・レモン汁を入れ、中火で煮る
砂糖が溶けてとろみが出たら完成です!
エコでおいしいマーマレード。爽やかな香りで、セミドライフルーツのような食感がアクセントになります。食パンやヨーグルト、バニラアイスにトッピングして楽しんでみてください。
最後は、ボウルと鍋で作れるお手軽蒸しパンに、水分がほどよく抜けた焼きみかんをトッピングしてみました。爽やかなヨーグルト風味の蒸しパンに、甘いみかんの香りがマッチします。
1. 直径15cmの耐熱ボウルにサラダ油を薄く塗り、輪切り(横向き)にスライスした焼きみかんを一面に貼り付ける
2. 別のボウルに卵を溶きほぐし、砂糖、ヨーグルト、サラダ油の順に加える
材料を入れるたびに、よくかき混ぜてください
3. しっかり混ぜた薄力粉とベーキングパウダーをふるいにかけながら2に加え、ゴムベラでさっくり切るように混ぜる
4. 3を、みかんを入れた型に流し入れる
5. 鍋に水(ボウルの高さの半分より少し上)を沸騰させ、4をボウルごと入れる
6. 濡れぶきんで包んだらフタをして、強火で17〜20分蒸す
竹串を刺してドロッとした液体がついている場合は、加熱時間を延長してください
6. ボウルと蒸しパンの隙間にヘラや竹串を入れて、器に出す
完成です、見た目もきれいに仕上がりました!
今回はボウルで作っていますが、型に分けて作っても問題ありません。型が小さい場合は加熱時間を短めに設定しましょう。
また、ヨーグルトの代わりにクリームチーズで作るとより濃厚な仕上がりになります。保存する際は、あら熱が取れた後にラップで密閉し、乾燥しないように注意してください。
ベーキングパウダーを活かすことで、パンがしっかり膨らみます。保存状態の良いベーキングパウダーを、薄力粉としっかり混ぜてからふるいにかけましょう。卵液に粉を加えた後、混ぜすぎ・練りすぎ・時間を置きすぎると膨らみが悪くなります。さっくり混ぜて、すぐに加熱することでうまく作れます。
砂糖なしでも自然な甘さを楽しめる焼きみかん。キャンプで焚き火をした時に、アルミホイルに包んだみかんをほどよく焼いて食べてみたら、温かさと甘さに癒やされたという話を聞いたこともあります。おうちでも外でもお手軽に楽しめるので、ぜひお試しください。