埼玉県平野部なぜ暑い? 熊谷地方気象台と熊谷市長に聞いてみた
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DIYビギナーにとって「木材」は、DIYの登竜門と言える素材。しかし、水に濡れると膨張したり、経年劣化が起きたりしやすいため、水回りでの使用や液体が入ったものの収納には向いていません。
そんな木材のデメリットを克服した素材が、水に強く、軽くて丈夫な「アクリル板」。硬いので加工が難しいと思われがちですが、実はけっこう簡単! しかもホームセンターで売っているため、気軽に購入できます。
また、ベーシックな透明のアクリル板だけでなく、色付きや砂目ガラス加工が施されたものなど、種類もさまざま。中のものがきれいに見えるようにしたいなら透明、すりガラスのように曇ってざらついた表面にしたいなら砂目ガラス加工など、作りたいアイテムに合わせて使い分けができるのもアクリル板のいいところです。
購入の際に注意したいのは、アクリル板の厚さ。ホームセンターには2mm・3mm・5mmのアクリル板が置かれていることが多いのですが、厚いものは丈夫な分、加工に力が必要となりDIYの難易度も上がります。初心者は2mmから始めましょう。
今回はアクリル板を使って、「化粧品用の小物入れ」「アクセサリーホルダー」「パスケース」の3アイテムを作成。自分で加工する際の基本的な方法をご紹介します。
今回は、マニキュアなどの収納にちょうどいい小物入れ(横100mm・高さ80mm・奥行き75mm)を作ってみます。
大きさ32cm×27cm、厚さ2mmのアクリル板を使用します。
まずは、カットする大きさに合わせてペンで印を付けていきます。アクリル板は、両面に紙シールが貼られた状態で販売されています。紙の上から印を付けた方が見えやすく、線を引く位置を間違えても、シールを剥がせば仕上がりはきれいになるので、シールは剥がさずに印を付けましょう。
アクリル板をどうカットすればいいのか、あらかじめ寸法を計算しておきます
紙シールの上からカット寸法を書いて、
差し金とペンを使って直角に線を引いていきます。この線に沿って、カッターで切っていきましょう。
3mmくらいまでのアクリル板なら、通常のカッターでもカットできますが、かなり力を込める必要があり、少々重労働です。
そこで、DIYビギナーの方にオススメなのがアクリルカッター。アクリル板の表面を削り取ることで溝を深くしていくため、力は必要ありません。その分コントロールしやすく、通常のカッターよりも失敗しにくくなります。
同じラインを何度かなぞり、アクリル板の厚みの1/3ほどまで溝ができたら、そこでストップ。テーブルの角に切りたいラインを合わせましょう。上から押すと、テコの原理で簡単に折れます。
ただし、板の両端までしっかり溝が入っていないとうまく折れません。念入りに引っかいて溝を付けましょう。
この作業を繰り返していきます。
きれいに切断できました! シールはカットが済んでから剥がします。
切断面は凸凹していて、このままでは怪我をする恐れがあるので、サンドペーパーを使って滑らかにしていきます。サンドペーパーは粗い目のものから使い、徐々に細かい目のものに変えてやすりをかけると、きれいに仕上がります。
丁寧にやすりをかけ、凸凹をなくします。
切断面が滑らかになったら、いよいよ組み立てです。接着剤は速乾性なので、変な形でくっついてしまわないように成形しておきましょう。組み立ての前にマスキングテープで仮留めします。
アクリル板の接着には、必ず溶剤型の専用接着剤「アクリル樹脂用接着剤」を使いましょう。アクリル板の表面を溶かすので、非常に強力に、透明感を保ったまま接着できます。
アクリル樹脂用接着剤は、接着箇所の隙間から付属の注入器を使って流し込みます。液剤は粘度がほとんどないため、注入器を傾けすぎるとこぼれるので注意しましょう。
5分ほど放置して乾かせば完成です!
マニキュアを入れてみました。高さもぴったりです。DIYなら、入れたいものや置きたい場所にぴったりのアイテムが作れます!
続いて応用編では、カッターでは難しい細かいデザインを「レーザー加工」でカットします。
レーザー加工とは、素材とデザインデータをレーザー加工機に読み込ませ、レーザーでその形通りに切断や彫刻加工をする作業。難しそうに思えるかもしれませんが、実は初心者でも簡単に使えるんです。
電気工具やデジタル機械が借りられるカインズの「カインズ工房」なら、30分単位で誰でも使用できるので、素材とデータを持ち込んでマニュアルを見ながら機械を操作すれば、簡単にアクリル板のレーザー加工ができます。今回は、DIY初心者でもできるアクリル板加工の【応用編】として、カインズ昭島店で実際にレーザー加工機を使ってDIYしました。
※デザインデータ作成にはIllustratorが必須です。
作るアイテムは、ネックレスやアクセサリーを掛ける「アクセサリーホルダー」と、すけすけのデザインが楽しい「パスケース」の2点。
せっかくならレーザー加工機の実力を試そうと、すごく細かいデザインをIllustratorで作成しました。
アクセサリーホルダーは、右下の楕円の台に、鹿と鳥の止まった木を差し込み、さらに鹿の角を頭に付けるという構成。鹿の背中・木の葉っぱ部分にある丸抜きと、鹿の角の細い先端は、アクリルカッターでは絶対に加工できない繊細なデザインです。
パスケースは、前面の板、カードが入る板、背面の板の3枚を重ねて作ります。真ん中のカードが入る板は「WALK THIS WAY」の文字を切り抜きする、レーザー加工でないと無理だろうという細かさにしました。
データができたらカインズへ。アクリル板は店舗で購入もできますが、在庫切れもあるため、事前に準備して持ち込むと安心です。
料金は30分2,500円。カットに必要な時間は「線の多さ」で変わります。私が持ち込んだデータでは、アクセサリーホルダー用のアクリル板1種、パスケース用のアクリル板2種の加工で、所要時間は1枚15〜20分程度でした。
レーザー加工機の横にあるパソコンにデザインデータを読み込ませ、レーザー加工機にアクリル板をセットすると、レーザー加工機がデザイン通りにアクリル板をカットするという仕組みです。
※詳しい使用方法はカインズ工房のレーザー加工機マニュアルを参照。
パソコンの操作が終わると、赤いレーザーが小気味よくアクリル板をカットしていきます。ちょっと焼けるような匂いを嗅ぎながら見つめていると、「なんだ…?」「すごい、レーザーだって」との声が。ほかのお客さんも足を止めて注目していました。やはりレーザー加工機が誰でも使えるということは、あまり知られていないのかな。
レーザー加工した後のアクリル板がこちら。鹿の角や穴の中抜きも、きれいにカットできています。木の枝なども、カットされたアクリルのパーツを取り出す際、折れてしまわないか心配なほどの細さ。ラインがガタつかない正確さと細かさは、レーザー加工ならではです。
アクリル樹脂用接着剤で、鹿の足元の横棒と木を、楕円の土台にくっつけます。
精巧なアクセサリーホルダーができました! 木や鹿本体の支えが細く、上部の面積が大きいので不安定に見えるかもしれませんが、アクリル板が軽く専用の接着剤が強力なので、接着した後も重さでグラつくことはありません。
アクセサリーを掛けても問題なし。機能性もバッチリです。
パスケースの切り抜きはこちら。
かなり細い線が多い「WALK THIS WAY」の文字部分も、きれいに型抜きできました。こういった中抜き加工は、手作業では難しいので、レーザー加工ならではの仕上がりですね。
完成形はこちらです。
カードが入る隙間はなるべく薄くなるように、緑のアクリル板は2mmのものを使用。改札で取り出す度にちょっとハッピーな気持ちになれる、世界にひとつだけのパスケースが作れました!
アクリル板を使って、基本編では手作業で小物入れを、応用編ではレーザー加工機を使用してアクセサリーホルダーとパスケースを作ってみました。「軽い・丈夫・水に強い」という3つの特徴は、使いこなせないと損だと言えます。
ほかにも、お風呂場や洗面所に置くアイテム、中身を見せるフィギュアケースや写真立てなど、アクリル板の特徴を生かしてDIYできるものはたくさんあります。気軽に挑戦できるものばかりなので、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか?
※商品の価格や店頭でのサービス内容は記事公開時点のもので、変更される可能性があります。