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マイカーを屋外駐車場で管理していると、「気が付いたらヘッドライトが黄ばんでいた(くすんでいた)」ということがよくあります。そうなると見た目が悪くなるだけでなく、ライトの光量が落ち夜間の運転にも支障をきたします。
ほかにも、ヘッドライトの黄ばみやくすみが原因で車検に通らなくなる可能性も出てくるなど、実は意外にやっかいなヘッドライトのくすみや黄ばみ。なぜそんなことが起きるのか、その原因や予防方法、さらにヘッドライトのクリーニング方法まで詳しくご紹介します。
車のボディがどんなにピカピカでも、ヘッドライトが黄ばんでいたり、くすんでいたりするだけで、その車は急に古臭く見えてしまうものです。そしてヘッドライトの黄ばみやくすみは、点灯時の光量を落とす原因にもなります。そうなれば夜間に十分な視界が確保できず、最悪の場合、事故につながる危険もあるでしょう。
ライトの黄ばみやくすみによる光量不足は、車検にも影響を与えます。平成27年9月から車検のヘッドライトの検査基準が変わり、それまでのハイビームのみの検査から、ハイビーム・ロービーム両方の検査に切り替わりました。検査がより厳しくなった結果、ヘッドライトの光量が足りないと判断されると、車検に通らないこともあるのです。
黄ばみやくすみを放置しておくと、やがて表面に小さなひび割れが発生し、レンズとライトユニットの接続部に隙間ができて内部まで劣化が進んでしまうことも。そうなるとレンズだけの交換は基本的にできないので、ライトユニットごとの交換となってしまいます。
ヘッドライトユニットは片側だけでも、新品なら3万~5万円と非常に高価です。高級車なら10万円以上と、より高額に。レンズが黄ばんだだけなのに、車検に通らないとなれば、大きな出費を強いられてしまうこともあり得るのです。
そもそも、なぜヘッドライトは黄ばんだりくすんだりするのでしょうか? 昔の車ではそんなことはありませんでした。また、同じ年式・車種のヘッドライトでも、街中をみると劣化が進んでいるものと新品同様にクリアなものがあります。このような違いはなぜ起きるのでしょう?
その答えは「素材」にあります。昔の車のヘッドライトにはガラスレンズが使われていましたが、最近の車のヘッドライトレンズはほぼすべてが樹脂製。「ポリカーボネート」という、強度に優れ、軽量で柔軟性があり、さらに透明度の高い素材が使用されています。
ポリカーボネートは、ヘッドライトのレンズに適したとても優れた素材なのですが、紫外線に弱いということが欠点。紫外線を浴び続けると表面が徐々に劣化し、黄ばんだりくすんだりしてしまうのです。これはプラスチック素材ではよく起きる現象で、避けがたいものなのです。
ヘッドライトのレンズの表面には紫外線を防ぐための「ハードコート(透明なコーティング)」が施されています。ハードコートは耐久性に優れており、通常は簡単に剥がれるようなことはありません。
しかし、強烈な紫外線を長時間浴びたり、ライトバルブの発光による強い熱を受けたり、洗車時にスポンジやブラシで激しくこすられたりすると、徐々に表面が削れ、やがて剥がれてしまうのです。すると表面がくすみはじめます。
さらに、直射日光が照り続ける屋外の駐車場にカバーもかけず車を停めていると、紫外線がダイレクトに降り注ぎレンズにダメージを与えます。特に夏場は強烈な日差しの熱も相まって、ヘッドライトレンズの劣化が急激に進み、黄ばみがはじまります。
同じ年式の同じ車なのに、レンズのくすみや黄ばみなどの劣化度合いに大きな違いがあるのは、多くの場合、普段の駐車環境によるところが大きいのです。
ヘッドライトは表面だけが劣化するとは限りません。内部から劣化が起こる場合もあります。その原因は、ヘッドライトユニットの構造にあります。
バルブが点灯した際に温められ膨張した空気の移動によって、ヘッドライト内部にはチリやホコリが侵入してしまいます。それがバルブの発光の熱で焼けて、レンズの内側に汚れとして付着します。そこに紫外線が当たることで、内側から劣化が進んでしまうこともあるのです。
ほかにも走行時にレンズに当たる砂やホコリ、洗車時のスポンジやブラシによる摩擦でできた傷なども、レンズの黄ばみやくすみが起こる原因とされています。
そして、いったんヘッドライトのレンズが黄ばみはじめると、症状は徐々に進んでいき、放置すれば車検が通らないレベルまで劣化してしまうこともあるのです。
そんなヘッドライトの黄ばみも、正しい対処を行えば、DIYでクリーニングすることも、症状の進行を抑えることも可能です。そのためにはどんなアイテムが必要なのか、作業するうえでの注意点はあるのか、詳しくご紹介します。
最近は、ヘッドライトの黄ばみ・くすみを落とすための専用アイテムも、数多く発売されています。
ただし、DIYでの作業は費用は抑えられますが、やり方を間違えればボディの塗装面に傷をつけてしまうなどのリスクもあります。また、市販のアイテムによるレンズコーティングは、本来のコーティングほどの耐久性には期待できません。
しかし、丁寧な作業を心がけて、なおかつ定期的な手入れを欠かさなければ、黄ばみやくすみを取り去ることや、再び黄ばむのを防ぐことは可能です。重要なのは、作業をはじめるにあたって必要なアイテムをきちんと準備すること。準備を怠らず正しい方法で磨けば、DIYでも満足いく結果が得られるはずです。
新車同様の一点の曇りもないクリアさや、紫外線への耐久力を求めるなら、レンズユニットごと交換することも検討してみてください。
ここでは、ヘッドライトの黄ばみ・くすみを落とすための定番アイテムを紹介します。
●マスキングテープ
●耐水ペーパー(600番、800番、1000番、1500番、2000番など)
●コンパウンド(研磨剤)
●ヘッドライト用クリーナー
●コーティング剤
このほかに、普段洗車で使っているバケツやボディシャンプー、スポンジやコンパウンドを拭き取るためのウエス(清掃用の布)なども準備しておきしょう。
作業をする際の注意点として、まず作業場所は、直射日光が当たる環境を避けてください。磨きによってレンズに残ったコーディングを削り落としてしまうので、ポリカーボネートのレンズがダイレクトに紫外線にさらされてしまいます。
また、ヘッドライト部分を念入りに洗車しておくことも重要です。砂やホコリが表面に付着した状態で磨きはじめると、余計な傷をつけてしまうからです。
必要なアイテムを用意し、洗車をしたら、レンズ以外の部分をしっかりマスキングしておきます。作業中に手が滑ってボディの塗装に傷をつけてしまわないためです。ヘッドライトの周囲に余裕をもって、しっかりとマスキングをするようにしましょう。
マスキングを終えたら、いよいよヘッドライトを磨きます。ペーパーがけ(耐水ペーパーによる研磨作業)のために、数種類の耐水ペーパーを用意してください。黄ばみがひどい場合は600番もしくは800番くらい粗目のものから、それほどでもない場合は1000番くらいから使い始めます。極細目の2000番などの耐水ペーパーのほうが研磨力も弱く傷はつきにくいですが、表面の黄ばみはなかなか取れません。
耐水ペーパーはバケツにためた水に漬けて、削りカスを洗い落としながら使用してください。水で濡らして磨くことで摩擦熱も抑えられ、砥粒の目詰まりを防ぐことができます。
耐水ペーパーで磨くときは、あまり力を入れず、全体に均等に力がかかるよう軽く押しあてるのがコツです。ある程度磨くとレンズの黄ばんだ表面が削れて、それとともに黄色い水が出てくるはずです。この黄色い水が出なくなるまで磨いてください。
600番や800番などの粗目の耐水ペーパーで磨くと、レンズ表面が曇りガラスのように白くなりますが心配はいりません。800番→1000番→1500番→2000番というように、目の細かな耐水ペーパーに交換しながらペーパーがけを続けていくと、徐々に表面の荒れが磨かれて凹凸がなくなり、黄ばみやくすみも取れ、レンズは再び透明になっていくはずです。
ペーパーがけを終え、ある程度の透明度が戻ったら仕上げ磨きをします。磨きクロスや仕上げクロスなどの柔らかく傷のつきにくいウエスと、ピカールまたは極細目のコンパウンドを用意してください。コンパウンドを適量ウエスに取り、均等に力をかけながらレンズ表面を優しく磨きましょう。
レンズのくすみが取れて透明度が戻ったら、最後に市販のコーティング剤でレンズの表面を保護します。これで作業は終了です。
市販のコーティング剤は、もともとのコーティングほどの耐久性はありませんので、直射日光が当たらない駐車場なら1年に1回、直射日光が当たる屋外駐車場なら半年に1回、再コーティングするようにしてください。まめに手入れをすることで、黄ばみやくすみを防ぐことが可能です。
紹介した方法は、くすみや黄ばみがかなり進行している場合のやり方です。「なんとなくレンズが黄色っぽくくすんできた」といった初期の状態であれば、クリーナーや専用クロス、コーティング剤などがセットになったヘッドライトクリーニングキットなどを使うのもおすすめです。
これなら手軽に使えるうえ、研磨力のソフトなクリーナーを使うため、レンズへのダメージも少なくて済みます。初心者なら、まずはこうした専用キットを使ってみるのがいいかもしれません。
DIYでのレンズ磨きのリスクが怖いという方は、プロに任せてしまうという手もあります。確実に高いレベルの仕上がりに期待できますし、余計な手間もかかりません。デメリットとしては、それなりの費用がかかるということでしょうか。
依頼するショップによって金額は変わりますが、大手のカー用品店なら、ヘッドライトの磨き作業で3,000~5,000円程度、コーティングに5,000~7,000円くらいが相場のようです。磨きとコーティングがセットとなったプランが用意されているお店もあります。
作業時間は磨きで20~30分、コーティングで同じく20~30分くらいかかります。ただし、黄ばみやくすみなどの劣化がかなり進行していると、費用も時間もさらにかかります。
黄ばみがあまりにもひどい場合は、カー用品店のサービスではなく、洗車専門店などのヘッドライト磨きサービスを利用したほうが良いかもしれません。
磨きを専門としているプロなので、仕上がりにはさらに高いレベルが期待できますし、大手カー用品店では受け付けてくれないような、ひどいくすみや黄ばみにも対応してもらえる可能性が高いでしょう。
ただし、その分費用は高めです。左右のヘッドライトの磨きとコーティングで1万円から、高級車になると6万円ほどかかるようです。時間も、数日から1週間かかることもあります。それでも、ヘッドライトを新品に交換するよりは費用は節約できます。DIYでの磨きに自信のない方は、はじめからプロに任せてしまったほうがよいかもしれません。
せっかくクリーニングしたのですから、作業以後はできるだけ黄ばみやくすみが起こらないよう、車を管理してください。
もっとも簡単な対策は、紫外線の当たらない場所に駐車することでしょう。屋外駐車場なら、北向きに車が停められるスペースに移動するのがおすすめです。
駐車場所の変更が難しい場合は、駐車中にボディカバーをかける習慣をつけるのもよいでしょう。これならあらためて別の駐車場を探す必要はなく、すぐに実行できます。
また、レンズ表面に保護フィルムを貼ったり、コーティング作業を定期的に行ったりして、レンズ表面を紫外線にさらさないようにするというのも大切です。とにかく紫外線を避けるのが肝心です。
日ごろの洗車にも注意してください。ブラシやスポンジなどでレンズの表面をゴシゴシ擦るのはやめましょう。コーティングが剥がれてしまうため、ボディクリーナーやコンパウンドなどでレンズを磨くのも厳禁です。
ポリカーボネート製のヘッドライトレンズは、黄変劣化が避けがたいものです。しかし、車の管理方法を変えたり、初期症状が出たらすぐに対処したりすることで、新車のようにクリアなヘッドライトを保ち続けることができます。
DIYによるヘッドライトレンズのお手入れも、注意すべきことはありますが、決して難しいものではありません。もしマイカーのヘッドライトが以前より黄ばんできたなと感じたら、症状が進行する前に早めに対処するのが吉。
安全なドライブのためにも、車検の際に余計な費用の負担を避けるためにも、ヘッドライトレンズの管理とお手入れには日ごろから気を付けるようにしましょう。