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目次/ INDEX
分類:モクセイ科ハシドイ属(シリンガ属、Syringa)
学名:シリンガ・ブルガリス(Syringa vulgaris)
和名、別名:ムラサキハシドイ、ハナハシドイ、リラ
樹高:最大5m程度
開花期:4〜5月
ライラックはヨーロッパ原産の花木です。日本で一般的に育てられているのはシリンガ・ブルガリスという種ですが、この種は枝が中空の構造になっているため「チューブ」「パイプ」を意味するギリシャ語の「syrinx」にちなんでSyringaという名前がつけられています。
薄紫色〜濃紫色の花を咲かせるものが一般的ですが、白、クリーム色、ピンク色、バガンディレッドなどのバリエーションもある花です。
開花期は春から初夏で、比較的冷涼な気候を好み、北海道などの北日本では街路樹として植えられるなど、よく見かける樹木と言えます。耐寒性は強いのですが、耐暑性はあまり高くないため関東地方以西ではそれほどポピュラーとは言えませんが、北国への憧れを感じさせる花とも言えます。
ライラックは英語での呼び方で、このほかにフランス語での呼び方である「リラ」の名前で呼ばれることもあります。花言葉には「思い出」「友達」「大切な友達」などがあります。
冷涼な気候を好むライラックを育てるには、いかに夏を過ごさせるかがポイント。置き場、水やり、肥料など、それぞれ夏に気をつけるべきポイントを押さえながらご紹介していきます。
基本的にはよく日が当たり、風通しがよい場所で育てます。ただしライラックは高温多湿な夏が苦手なので、高温期に直射日光にさらされるような環境はちょっと苦手。
庭植えであれば西側に落葉樹があり、夏の間は西日を遮ってくれるような場所や、午前中だけ日が当たる家の東側などが適しています。鉢植えも同様の場所に置くようにしましょう。
水やりも「鉢土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与える」という基本を守りながら水やりをします。庭植えは根づいてしまえば基本的に水やりは必要ありませんが、夏の高温期に雨が降らない日が続くようであれば、水やりをしましょう。
庭植えへの水やりは地面が湿る程度では根まで水が行き渡らないので、水やりのホースの水を弱く出し、ノズルの先端を株元に置いて20〜30分ほど放っておいて、じっくりと水をしみ込ませましょう。
また、根が乾きすぎないように、株元半径1mくらいの範囲をバークチップや腐葉土、敷き藁などで覆ってマルチングして土の乾燥を防ぐのもおすすめです。
肥料は芽吹く3〜4月ごろと、花後の6月に与えます。使う肥料は有機性肥料でも緩効性化成肥料でもかまいません。
与え方は、根元から半径1mのところに溝を掘り、そこに肥料と腐葉土、または牛ふん堆肥などの有機質を一緒にすき込みます。鉢植えの場合は、鉢の縁の土に肥料を埋め込んで与えます。
鉢は1mほどの苗であれば直径30cm程度の鉢を使います。材質は素焼きやテラコッタなど、釉薬を使っていない陶器製の鉢は通気性がよく、気化熱が奪われて根が冷えるのでおすすめです。
用土は赤玉土6:腐葉土4などの配合の用土に苦土石灰をひとつまみ程度加えたものを使います。ライラックは落葉樹なので、根をいじってもあまり害がない落葉期の11〜3月ごろがおすすめです。
庭への植えつけも、鉢植えと同様に11〜3月の落葉期に行います。植えつけの1週間前に植え場所を直径50cm、深さ30cmほどまで掘り返し、苦土石灰を一握りと、腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質をすき込んでおきます。
植えつける際は苗から鉢(ポット)を外し、根鉢の土を軽く落とし、傷んで黒ずんでいる根をハサミで切ります。苗の鉢土の最上部と地面が同じ高さになるよう植えつけたら、一度たっぷりの水を与えて土と根鉢をなじませます。
さらに土を株元に盛り、株元が5〜10cmほど土に埋め、接ぎ木部分が土に埋まるようにします。植えつけ後は株元の土が乾いているようであれば、水を与えます。
植えつけたら今度は毎年花を咲かせるための手入れをし、初夏のライラックの花を楽しみましょう!
ライラックの剪定の適期は花が終わった5〜6月です。ライラックは春から初夏に花が咲き、その後に伸びた枝に、翌年咲く花芽を夏の間につけます。
大体7〜8月には花芽ができますが、剪定はその前に済ませておき、夏までにしっかりした枝を伸ばさせるのがポイントです。枝を切る場合は、伸びすぎた枝をつけ根や分岐部で切ります。
ただしライラックはあまり旺盛に芽吹いて枝数が増える樹木ではないので、それほど剪定をしないで育てることができる樹木です。
一般に落葉樹は、葉が落ちた11〜3月ごろは剪定に適した時期なのですが、この時期に枝を切ると花芽を切り落とし、花数が減ってしまうことがあります。夏の間にできている花芽はぷっくりと丸みを帯びており、平べったい葉芽(枝と葉が出るだけで花が咲かない芽)と区別することが可能です。
落葉期に剪定するのであれば、花芽を残すように注意しながら行うようにしましょう。
樹木は株元から「ひこばえ」「やご」などと呼ばれる細い枝を出すことがあります。ライラックもひこばえを出しますが、多くの場合ライラックは接ぎ木で苗が作られており、ライラックのひこばえはライラックではなく、台木となっているイボタという樹木の枝になります。
そのまま育ててもライラックの花は咲かないので、発生したらつけ根で切りましょう。
ライラックにはテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)やアブラムシ、カイガラムシなどが発生することがあります。
テッポウムシは幹の中に入り込んで食害する害虫。気をつけて観察していると、株元におが屑のようなものが落ちていることがあり、これはテッポウムシが穴を開けた木くずになります。
木くずが落ちているところの上の方を探すと、幹に食害された穴を見つけることができます。穴の中に適用のある薬剤を注入したり、長い針金で突いたりして駆除することができます。
アブラムシは若い茎や芽につきます。見つけ次第適用のある薬剤を防除したり、ホースの水の水流やブラシなどでたたき落としたりして駆除しましょう。鉢植えであれば、新芽が伸び始めるころに鉢土にオルトランをまいておくと発生を防ぐことができます。
カイガラムシも適用のある薬剤で駆除しますが、薬が効きにくいので、なかなか減らない時は歯ブラシなどでこすり落としましょう。
Q.ライラックはどうやって増やしたらいいの?
開花後に花がらをそのままにしておくと種がつきますが、これをまくとライラックに育ちます。ただし、元の株と完全に同じ性質、花色にはなりません。
A.種をまいて作った苗に接ぎ木をすれば、元の株と同じ花を咲かせる株を作ることができます。市販のライラックの苗はイボタ(イボタノキ、プリペット)に接ぎ木をして作られているので、イボタの苗を探してきて接ぎ木してもよいでしょう。
Q.開花期に購入したライラックの開花株はいつ植えつけたらいいの?
A.とりあえずは根鉢をくずさずに一回り大きな鉢に植えつけておき、そのまま夏越しさせましょう。11月以降に葉が全部落ちたら鉢を外し、根鉢を軽く揉んで土を落とし、元の鉢に植え直します。
房になった小花を咲かせるライラックは冷涼な地域でよく見かけるため、涼しい高原や、北海道などを思わせる花です。
夏の暑さにはやや弱いところがありますが、風通しよい場所で育ててあげれば、関東地方〜東海地方の温暖な地域でも花を楽しむことができます。皆さんも、ぜひライラックの花をご家庭で楽しんでみてください。