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「布団圧縮袋」誕生の裏に妻の怒り。地方クリーニング業のサービスが、全国的大ヒット商品になるまで

メーカー

大坪博之

大坪博之

株式会社アール品質管理課マネージャー。1970年生まれ、圧縮袋の手作り時代より開発生産を担当。現在も圧縮袋とその他商品の品質管理として開発、改善している。

布団圧縮袋が誕生するきっかけの事件

布団圧縮袋使用イメージ

掃除機で空気を吸って圧縮する方法。発売当時は斬新だと話題に

布団を巨大なビニール袋に入れて掃除機で吸う。すると、みるみるうちに薄くなり、保管が楽になる。

今では当たり前になった収納用品「布団圧縮袋」。実はこの商品、開発者の奥様の怒りがきっかけで誕生したり、元は商品ですらなかったなど知られざる逸話が多い。布団圧縮袋を生んだ大阪の株式会社アール品質管理課の大坪博之さんに詳しい話を聞いた。

「弊社の創業者は元々、布団のクリーニング業をしていました。客先から回収した布団の置き場所がなくなり、自宅で保管することも多かったそうです。そんな折、当時2歳だった創業者のお子様がどこにいるのかわからなくなり、慌てて探したら布団の山の下から見つかるという事件が発生。これには奥様の堪忍袋の緒が切れ、何とかしなければ…ということになったそうです」

奥様の怒りを鎮めるため創業者が思い付いたのが、布団を入れる大きな袋を手で押して圧縮する方法。時間の経過とともに、大きさが戻らないようにするためにはどうしたらいいか。検証の結果、アイロンで袋を熱圧着して密閉することに成功する。

クリーニング屋のサービスから全国区の商品へ

圧縮イメージ

布団圧縮袋の使用例。収納スペースを効率的に使える

大坪氏はこの袋の密着方法に加えて、もう一つのアイディアが必要だったと話す。

「中の空気をどう抜くのか?ということですが、家庭用掃除機を使うことはすぐに思い付いたそうです。ところが、ノズルとの隙間から漏れたりしてなかなかうまくいかなかった。吸った空気が戻らないようにするために試行錯誤を続けた結果、逆流防止弁の開発に成功。これで布団圧縮袋は完成したのです」

当初は商品ではなく、布団クリーニング業の出張サービスとして活用されていた布団圧縮袋。地域も限定されていたが、あまりにインパクトが大きかったため噂が噂を呼び、1990年からは店頭販売することになった。この頃の逸話を大坪氏は明かす。

「発売当初はフィルムを自分達で加工していました。巨大なトイレットペーパーのような状態のフィルムを切ったり、貼り合わせたりなど全ての作業を近所のパートの方を50人くらい雇用して行いました。まさに人海戦術です。ただ当時、電圧が上がってしまって一帯が停電して、ご近所にご迷惑をかけてしまったこともあったと聞いています」

元々大きなインパクトのあった布団圧縮袋。ブレイクするのにあまり時間はかからなかった。ブレイクスルーのきっかけは、当時勢いのあったテレビ通販だった。

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