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枝豆の育て方・栽培方法を詳しく解説|初心者におすすめの品種や注意点も紹介

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小川恭弘

小川恭弘

千葉県館山市の植物園に20年勤務後、現在フリーランスとして活動、熱帯果樹の栽培等にかかわっている。NHK『趣味の園芸』にて、熱帯植物の分野で特集記事などを執筆、テレビ出演。現在は質問コーナーを主に担当している。著書『よくわかる栽培12か月ハイビスカス』

枝豆はおいしいだけではなく、栄養素も優れた野菜です。初心者でも育てやすいことが魅力といえます。この記事は枝豆の栽培に興味がある人向けに、育て方について詳しく解説いたします。枝豆を育てる際にぜひ役立ててください。

枝豆の基礎知識

むいた枝豆

枝豆とは大豆の完熟前の実のことです。ビタミンB1、B2やタンパク質を多く含みビタミンCも取れる栄養素の高い野菜です。まずは、枝豆の種類や栽培時期などの基礎知識について詳しく解説します。

小川恭弘さんの顔写真

小川さん

「畑の肉」と言われるほど、タンパク質を多く含むのも特徴です。

品種は大きく3種類

枝豆の品種は全てで400種類以上ありますが、大きく分けると青豆(白毛豆)、茶豆、黒豆の3種類に分類されます。品種は、味、粒の大きさ、産毛の色、収穫時期の違いによって分けられます。青豆はもっともよく目にする緑色の枝豆で、茶豆は茶色実を帯びた色が特徴です。黒豆は関西地方で主に生産されている生産量の少ない枝豆です。

栽培する場所と時期

枝豆は、日当たりと風通し、排水のよい場所で育てましょう。

枝豆の栽培時期の目安は、夏に収穫するなら4月に種まきをおこない、秋に収穫するなら7月に種まきを行います。枝豆の品種は栽培期間の長さによっても分けられ、早生(わせ)・中生(なかて)・晩生(おくて)があります。

早生は3月〜7月、中生は4月〜8月、晩生は6月〜10月が収穫するまでの目安です。初心者は失敗のリスクが低い早生がおすすめです。

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小川さん

早生の品種は背が高くならないので、プランター栽培にも適します。

枝豆の育て方1.道具や土の準備

プランターと土

ここからは枝豆の育て方について順を追って解説します。準備するものは、深さ25㎝程度のプランターと野菜用の培養土です。培養土を選ぶ際は、できるだけ安価なものを避けましょう。園芸工芸店で売られている安全で高品質なものがおすすめです。また、畑で育てる場合は2週間ほど前から畑の準備をしておく必要があります。

枝豆の育て方2.種まき(種から育てる方法)

枝豆の種まき

枝豆は、種から育てる方法と苗から育てる方法があります。ここでは、種から育てる方法について紹介します。

種をまく

種をまく時期は4月上旬から5月上旬です。直径9㎝の3号育苗ポットに種まき用の土を入れ、2㎝程度の深さに3粒ずつ種をまきましょう。枝豆は乾燥に弱いため、土を被せて水をたっぷり与えます。

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発芽までは表土を乾燥させないように、しっかり水やりしてください。

まいた種を保護する

種をまいたら、まいた種を保護します。枝豆の種は放っておくと、鳥が食べてしまうため不織布などをかけて保護しましょう。ただし、ベランダなどで行うプランター栽培の場合、鳥害被害に関しては畑栽培ほど気にする必要はありません。そして、2~3枚本葉が出たら、生長のよい苗を2本残して間引きます。

枝豆の育て方2.植え付け(苗から育てる方法)

枝豆の苗

ここからは種からではなく、苗を購入して育てる方法を紹介します。

よい苗の選び方

枝豆を育てることになれていない人は、種よりも先に苗を買うことをおすすめします。苗を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

  • 茎がしっかりしている
  • 白い根が出ている
  • 双葉が枯れていない
  • 本葉が2本程度
  • 葉色が濃い
  • 病害虫の被害を受けていない

苗を植え付ける

基本的に4~5月の間にプランターか畑に苗を植え付けます。

畑で育てる場合、植え付け2週間以上前に1㎡あたり苦土石灰100g(コップ1杯くらい)、たい肥2kg(バケツ2杯くらい)、化成肥料100g(コップ1杯くらい)を土に入れ、よく耕しておきます。高さ10㎝程度の畝を作り、株間は20~30㎝あけてください。

植え付け手順は、まずスコップで苗と同等サイズの穴を掘ります。次に、苗を人差し指と中指の間に挟んでそのままポットごとひっくり返します。ひっくり返した状態で、土の部分を崩さないようにゆっくりと引き上げます。そして、鉢土ごと、掘った穴に植えます。植え終わったら、2~3㎝程度の土をかけてたっぷりと水をあげましょう。

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小川さん

プランターの土は、野菜用の培養土を使うのがお勧めです。

枝豆の育て方3.栽培

種や苗から育てた場合、どちらも栽培方法は同じです。ここからは、栽培方法について詳しく解説します。

土寄せ

枝豆の畑

土寄せとは、株の根元に土をかぶせることです。土寄せをすることで、株が倒れることを防いだり、根ばりや水はけをよくしたりする効果があります。1回目の土寄せが終わり、2回目の土寄せの際は子葉を埋めることがポイントです。追肥の量は少量で構いません。土の表面を少し耕してから株元に土を寄せます。これにより、株が転倒することを防げます。

水やり

水やりをした苗

枝豆をおいしく育てるために、プランター栽培では水やりが欠かせません。基本的に枝豆は乾燥に弱いですので、乾燥しないようにこまめに水やりをしましょう。特に花が咲いてから、実が付く頃は注意が必要です。 この期間に乾燥してしまうと、実入りが悪くなったり、落花したりする原因となります。

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水やりの目安として、表土が白っぽく乾いたら水やりします。夏の晴れた日は、夕方に水切れしていないかチェックするようにしてください。地植えしている場合は、花が咲いて実が育つ間に雨が降らず乾燥したら水やりするとよいでしょう。

摘心

たくさんさやがついた苗

摘心とは茎の先端につく芽を摘み取ることです。摘心をすることで植物は側枝を伸ばそうとし、側枝にも花がつくため収穫量が増えます。枝豆をたくさん育てるために摘心はぜひ行いましょう。

また、摘心は本葉が5~6枚生えてきた頃がタイミングです。方法は茎の5~6枚から上の部分の芽を切り取ります。その際、ハサミを使わず手で摘み取っても構いません。摘心は、実を増やすのはもちろん、茎が倒れてしまうことの防止にもなります。

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小川さん

背の低い早生品種は摘心しても収量は増えず、あまり必要ないでしょう。一方背が高くなる晩生種などは、摘心の必要性は高いです。

枝豆の育て方4.収穫

枝豆の収穫

収穫時期は開花してから40~50日頃が目安になります。実が膨らみ、さやを押さえたときに中の実が飛び出すようになると収穫の時期です。収穫時期のタイミングを逃し、実がかたくなってしまうと大豆になってしまうため注意が必要です。

株の中央のさやが膨らんだら、枝を切ったり、株ごと抜いたりして枝豆を収穫していきます。また、収穫後には急激に鮮度が落ちることがあるので、保管方法には注意しましょう。

枝豆栽培中によくある失敗と対策方法

家庭菜園の枝豆

ここからは枝豆栽培中によくある失敗と対策方法を解説します。

発芽しない

枝豆は、種の寿命が短く、2~3年が経過すると発芽率が下がります。したがって、枝豆が発芽しない原因の多くは種が古いからです。対策方法としては、新しい種を購入してまくようにします。また、自家採取の場合は昨年に収穫した新豆をまくようにしましょう。前述したように、種まき後は不識布などで鳥害対策をすることが大切です。

葉・茎は元気なのにさやが育たない

葉や茎は元気なのにさやが育たない場合、ツルボケを起こしている可能性があります。原因は、肥料のあげすぎです。

マメ類は窒素を根の共生菌から得ることができるので、窒素過多になりやすいです。窒素が多すぎると葉や茎がよく生長しますが、花が咲かなくなります。だいたいの目安として、肥料は通常の半分程度の量を与えてください。また追肥は生育が悪い場合のみ与えてください。

さやがあるのに実が大きくならない

さやがあるのに実が大きくならない原因は、開花時期の水不足や種まきの時期が適切でなかったなどがあげられます。したがって、水やりをまめに行い、種まきの時期の適切な判断がポイントになります。その他、カメムシなどによる吸汁被害も原因です。虫による被害を避けるために防虫ネットで覆いましょう。

枝豆の主な病害虫

枝豆の葉についた害虫

枝豆に発生する主な病気には以下があげられます。病気は準備の段階で浸透移行性の農薬を混ぜておくと防止になります。

  • 白絹病
  • 立枯れ病
  • 萎凋病
  • 斑点細菌病
  • べと病
  • モザイク病

枝豆に発生する主な害虫は下記のとおりです。害虫は防虫ネットのほか、雑草を刈り取って虫が発生しないようにしておきましょう。

  • カメムシ
  • シロイチモジマダラメイガ
  • ダイズサヤムシガ
  • コガネムシ
  • ダイズアブラムシ
  • ハスモンヨトウ

初心者におすすめの枝豆の品種

家庭菜園の枝豆を収穫

ここからは 初心者におすすめの枝豆の品種について解説します。

おつな姫®

おつな姫®は家庭菜園に適した早生の枝豆です。見た目は普通の枝豆と変わりませんが、「収穫量が増えない」「粒が小さい」など、従来の枝豆の弱点を克服するために誕生しました。味もおいしく、甘みやコクがあり茶豆のような香りが口いっぱいに広がります。また丈夫に育ちやすい点も特徴です。

天ヶ峰

天ヶ峰は早生の枝豆で、3粒さやが多く収穫量に優れた白毛枝豆です。極早生なので、早く種まきをおこなうことができ、時期をずらせば毎日取り立ての枝豆を楽しめます。露地やトンネル栽培の早まきに適しており、ハウス栽培にも使われています。

まとめ

枝豆はおいしく食べられることはもちろん、栄養素にも優れています。育て方には種からまく方法と苗から植える方法があり、それぞれ栽培方法は異なります。この記事では、上手に育てるための手順やポイント、注意点を紹介しました。枝豆を栽培する際にぜひ参考にしてください。

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