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ハスの花というと、池の中で咲いているようなイメージがあるのが一般的です。しかし、家庭の園芸でもハスの花を咲かせられます。この記事では、ハスを育てて花を咲かせたい人に向け、ハスの育て方、花の特徴、ハスの種類などについて解説しています。美しいハスの花を、庭やベランダで咲かせましょう。
ここではハス(学名:Nelumbo nucifera、英名:Lotus)の基本情報と特徴を解説します。
ハスの基本データは以下のとおりです。
科・属名 |
ハス科・ハス属 |
原産地 |
中国、インド、日本、オーストラリア(北部)、アメリカ(北部)など |
園芸分類 |
草花、水生植物 |
形態 |
多年草 |
開花期 |
7~9月 |
花の色 |
白、黄、ピンク |
草丈 |
50~100cm程度 |
ハスは水中に大きな根を作り、水面に向けて茎や葉を成長させます。根は塊茎(かいけい)と呼び、レンコンとして食べられています。ただし、花を楽しむ種類の多くは、塊茎が太くなりません。
多くの園芸品種があり、家庭園芸として大きなかめや樽などでも栽培でき、花を咲かせられます。
ここでは、ハスの栽培スケジュールを解説します。また、日当たりや水のやり方、植え付け・植え替えなど具体的な育て方や花の咲かせ方も説明します。
ハスの栽培スケジュールは以下のとおりです。
栽培する地域、場所によっては、植え付け、植え替えはハスが成長し始める3月中に行っていたほうがよいでしょう。株分けした後の生育状態などによっても違います。
ハスの栽培場所は終日日当たりがよい場所が適しています。日光が当たることで、かめや樽、ポット内の水温が上がり生育がよくなるからです。日当たりが悪い場所に置いてしまうと、花が咲かないことが多いため、避けましょう
ただし、小さなサイズのポットなどを使ってしまうと、日光によって水温が上がりすぎてしまうことに注意が必要です。
ハスは粘土質の土を好みます。理想は田んぼの土ですが、荒木田土に腐葉土や黒土、赤玉土などを混ぜた用土でもかまいません。赤玉土を使う場合は、粒をつぶしてから混ぜることが重要です。
また、元肥に緩効性化成肥料(N-P-K=10-10-10)などを使うと生長がよくなります。
ハスは多くの水分を必要とする植物なので、水を張った状態を保つようにします。水深は土の表面から最低10~15cm以上必要です。夏場は水が蒸発してしまいがちなので、こまめに水をやりましょう。ただし水を替える際に、水温が下がり微生物が少なくなりすぎないように注意が必要です。
水にボウフラが発生したときは、新しい水と取り替えます。水が腐ってしまうと株が傷み生長しなくなってしまうので、必ず水を交換しましょう。
植え付けは塊茎を土に植え付けるのが一般的な方法です。成長を開始する3月に行いましょう。
3~4節に切った塊茎を、容器の底に対して、成長点を上向きになるようにして水平に植え付けます。容器のサイズは、小型種は30cm~、中型種は50cm~、大型種は60cm~が目安です。
葉が茂り、株が混み合ってきた頃に植え替えます。花を咲かせるためにもこの作業は重要です。植え替えの際に新芽や塊茎を傷つけないように注意してください。また、乾燥させないことも大切です。
6~8月は、葉を枯らし塊茎を腐らせてしまう腐敗病に注意が必要です。腐敗病を防ぐ方法は、水を張った状態を保つことです。また、斑点病になることもあります。斑点病になった際は農薬が有効です。
特に注意しておくべき害虫はありません。ただし、アブラムシが大量発生すると葉が枯れることがあるので駆除しましょう。
ハスは3月に株分けすることによって増やせます。新芽を付けている塊茎を3~4節に分けましょう。ハスは節目から根が生えるので、節目を傷つけないように気を付けます。
5月下旬までに芽が育たないものは、根が腐っている可能性があります。順調に育つとは限らないため、予備を取っておくことをおすすめします。
また、種をまく方法もあります。この場合は4~5月に行いましょう。
ここでは、日本でも栽培して花を咲かせられる主なハスの種類と花の特徴などを解説します。
大賀ハスは約2000年前からある世界最古の花として知られています。日本では千葉公園に6月上旬~7月上旬に咲く大賀ハスが有名です。ホームセンターやオンラインショップで栽培セットが販売されているので、古代ロマンに彩られたこの花を、家庭園芸で咲かせてみてはいかがでしょうか。
ミセス・スローカムは、ピンクから黄色に色を変える花を咲かせます。大型の八重咲き種で、ハスの花のなかでもひときわ華やかであるのが特徴です。開くたびに違う色と形を咲かせる様子は、短い開花のひとときを、さらに貴重な楽しみに変えてくれるでしょう。
黄花ハスは北アメリカに分布している黄色の花を咲かせる種類で、江戸時代から多くの園芸品種があります。黄花ハスはルテア種ですが、園芸に適するようにヌシフィラ属と交雑されてきました。植替え済みが1ポット・3,500円程度と、比較的リーズナブルな価格で入手可能です。
金輪蓮は奈良県・法華寺のハスの花が有名なことから、別名「法華寺蓮(ホッケジハス)」とも呼ばれます。江戸時代に中国から持ち込まれた品種と言われています。
中型の一重咲きの品種で、花の縁がピンク色であるのが特徴です。金輪蓮も3~4月であれば、ホームセンターやオンラインショップで入手できます。
西円寺青蓮は爪紅一重咲品種で、西円寺に咲いたことからこの名が付きました。毎年3月下旬~4月上旬に株分け生産されたものが出回ります。予約しておくか、タイミングを逃さないように購入しましょう。なお、青蓮と名前が付いていますが、花は白色です。
清月蓮は鉢が小さいと咲かないこともあるなど、難易度が高めのハスの種類です。環境にもよりますが、容器のサイズが直径30cm程度では咲きにくいため、50cm以上の容器を用意しましょう。なお、容器栽培では毎年株分けが必要です。
漢蓮は日本で育つハスのなかで最小品種です。小さめのポットでも楽しめるので、気軽にハスを育てたい人に向いています。また、花上がりがよいため、たくさんの花を咲かせたい人にもおすすめです。
漢蓮は別名「白玉蓮(シラタマハス)」と呼ばれ、薄く緑がかった白い花を咲かせます。
バージニアは、花びらの先が丸い特徴がある品種です。八重咲きで、ハスのなかで最も黄色の花を咲かせます。雨が降ると花がうなだれるようになるので、天候に注意しましょう。また、日本では病気にかかりやすく、栽培の難易度が高い品種でもあります。
ここでは、ハスの花の大きさ・色・形などの特徴、花が咲く日数、時間帯、香りについて解説します。
ハスの大きさは9~15cmが小輪、16~25cmが中輪、26cm以上が大輪に分類されます。色は白、爪紅(花びらの先がピンクまたは緑)、ピンク、黄色などです。
咲き方は花びらの枚数によって、一重(25枚より少ない)、半八重(25~50枚程度)、八重(50枚~)におおむね分類されます。
ハスの花はつぼみから20日ほどで開花し、4日ほど咲いて散ります。「花の命は短くて」で知られる林芙美子の短詩がありますが、ハスの花はそれを連想さえるような、はかない花のひとつです。
このこともあり、たとえば大賀ハスで有名な千葉公園などでは、ハスの花を一目みようと、例年多くの人が訪れます。
ハスの花は早朝咲いて、夕方には閉じてしまいます。天候や日照の当たり具合によっては、お昼ごろに花が閉じてしまうことも、めずらしくありません。3日目は半開きのままから閉じ、4日目は開き切って散ります。
ハスの花は「匂ひことにかんばしく(江戸名所花暦)」や「遠近の人のたもとを襲ふ(江戸名所図会)」などと表現されています。また、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」には「なんとも言へない好い匂い」とあります。
和歌や俳句でもよく取り上げられる題材であり、松尾芭蕉も「蓮の香に 目をかよはすや 面(めん)の鼻」と詠んでいます。
ここでは、ハスの花言葉、日本の歴史との関わり、ハスの花が咲くと音が出るのかなど、ハスの花にまつわる豆知識を解説します。
ハスの花言葉は「清らかな心」「休養」「離れゆく愛」などです。「休養」はハスの花が午前咲いて、午後閉じる様子に由来します。また、ハスの花の咲いているのが短いことから、「離れゆく愛」という花言葉が付いています。
ハスの花は日本の歴史と深い関係があります。日本書紀(720年)にはすでにハスの花についての記述があり、1118年には宇治平等院の精進料理にレンコンが出ていました。また、1681年に日本初の園芸書が出る前の1645年には、すでにハス(蓮根)の名産地をまとめた書物が出ています。いつの時代もハスは日本人の関心をとらえる植物なのでしょう。
昔からハスの花が咲くかどうかは議論の対象でしたが、現在は、音はしないというのが定説です。正岡子規によって音が鳴ると書かれるなどして議論を巻き起こしましたが、蓮文化研究会は、音は出ないと結論付けています。
ハスは多くの園芸品種があり、家庭でも育てて花を咲かせられます。花が咲いている期間は4日間と短いものの、はかなく香高いことから、他の花にはない園芸の楽しみを味わえるでしょう
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