八百屋歴10年のプロが指南。新鮮でおいしい産直野菜を選ぶコツ
リンクをコピーしました
目次/ INDEX
肥料(種蒔き用の畑)
肥料(収穫用の畑)
タマネギは世界中で栽培されている野菜のひとつです。タマネギを切ると涙が出るのは硫化アリルという成分のせいですが、新陳代謝や神経の沈静化に必要なビタミンB1の吸収を促進したり、動脈硬化を予防したりする効果があるなど、優れた薬効成分があります。
タマネギの種蒔きは例年8〜9月頃に行い、翌年の6〜7月頃までに収穫します。ただし暑さに弱い野菜のため、高温になると発芽が抑制され、球が肥大するなどの現象も起きやすくなります。そのため暖地では、9月でも暑い日が続くようであれば、秋に種を蒔きましょう。
種蒔き用の畑の肥料は、あらかじめ1㎡当たり、苦土石灰100g(コップ1杯くらい)、たい肥1.5kg(バケツ1杯半くらい)、化成肥料150g(コップ1杯半くらい)を土に入れ、よく耕しておきます。
気温が20℃くらいになったら、種を蒔きます。まずは土の表面を板などで平らにならして、深さ1cmくらいの溝をつけましょう。
その後1~2cm間隔で種を蒔いていき、上から土を5mmほどかぶせます。
タマネギは乾燥すると発芽しません。土の乾燥を防ぐため、新聞紙やワラを敷き詰めましょう。
苗の高さが25~30cm、茎の太さが6~8mmほどに育ったら、収穫用の畑に移して植える準備をします。
収穫用の畑にも、苦土石灰100g(コップ1杯くらい)、たい肥2.5kg(バケツ2杯半くらい)、化成肥料100g(コップ1杯くらい)を土に入れ、よく耕しておきます。タマネギは酸性の土壌を嫌うため、しっかりと肥料で土づくりをしましょう。
土の深さが1.5~2cmくらいになるようにし、苗を植え付けていきます。茎の白い部分が見えるくらいまでにして、深植えしないことがポイントです。
ただし、あまり浅く植えると霜で持ち上がってしまいます。浅すぎず深すぎず、バランスを考えて植えましょう。
うね幅は15〜20cm、株間は10〜15cm間隔で植えていきます。また、葉の緑の部分には土がかからないようにしましょう。深植えになり、縦長の丸みのない玉になってしまいます。
植え付けてから1ヵ月ほどたったら、1㎡当たり20gの化成肥料を与えて、株元の周りに、軽く土をよせてかぶせておきます。
全体の7~8割の葉が倒れてきたら収穫しましょう。
収穫したら、葉がしおれるまで太陽に当て、茎を10cmほど残して切り取ります。
風通しがよく、雨の当たらない場所に束ねて吊るしておきましょう。
苗が育ちすぎると、収穫の時に旬をすぎてしまいおいしくなくなってしまうので、種を蒔く時期に注意しましょう。また、土壌づくりはタマネギ栽培の基本です。育苗用と収穫用、どちらの畑もしっかり肥料を使って耕し、どっしりとしたおいしいタマネギを育てましょう。
Q. タマネギ栽培で、特に気をつけるべき病気はありますか?
A. カビによる病気で、葉がべとべとになって枯れてしまう「べと病」に注意しましょう。春先から収穫までに発生しやすいので、農薬などで防除します。
Q. 花穂(ネギボウズ)がたくさんできてしまうのですが…。
A. 苗が育ちすぎたり、茎が大きくなりすぎるとネギボウズができやすいといわれています。タマネギのネギボウズも食べられますので、蕾の穂が開く前に収穫してしまい、天ぷらなどにしていただきましょう。
Q. 乾燥した日が続いていて心配です。新聞紙やワラを敷く以外に対策はありますか?
A. 乾燥が気になる場合は、収穫用の畑に苗を移す際、黒ポリのマルチシートを敷くことをおすすめします。地温と湿度を保持して生育を促進するだけではなく、雑草を抑えてくれる効果があります。