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『グリーン ダ・カ・ラ』という商品名を聞いて誰もが思い浮かべるのは、カワイイ女の子が出てくる、あのCMだろう。イメージキャラクターである「ダカラちゃん」を前面に押し出したそのクリエイティブから、多くの人が“子ども向け飲料”のCMだと思っているはずだ。
しかし、ブランディング責任者である高原令奈さんいわく、『グリーン ダ・カ・ラ』は“子ども向け飲料”ではないとのこと……。意外な事実のウラ側にあったのは、「スポーツドリンクの常識を変えたい」という熱意だった。2019年4月にはサントリーとして初めて「濃縮缶」を発売するなど、新たな試みを続ける『グリーン ダ・カ・ラ』シリーズの開発秘話について聞いてきた。
サントリー食品インターナショナル ジャパン事業本部 ブランド開発事業部 高原令奈さん
2012年の発売当初から、ダカラちゃんをイメージキャラクターに起用すると、その天真爛漫な笑顔がカワイイと話題に。2013年にシリーズ商品として『やさしい麦茶』が発売されると、2人目のイメージキャラクターとして「ムギちゃん」も登場。CMやポスターなどの主要なクリエイティブには2人が出てくるビジュアルが必ず使われ、『グリーン ダ・カ・ラ』シリーズを語るうえで欠かせない存在となっている。
「誤解を恐れずに言うと、『グリーン ダ・カ・ラ』シリーズは“子ども向け飲料”ではないんです。皆さんがあのCMに愛着を持ってくださっているのは知っていますし、私もダカラちゃんとムギちゃんが大好きですが……」
『グリーン ダ・カ・ラ』シリーズの看板となっている2商品『やさしい麦茶』と『GREEN DA・KA・RA』
では、イメージキャラクターとして子どもを起用した意図は何だったのだろうか?
「まず、我々が作りたかったのは“安心素材のスポーツドリンク”でした」
高原さんが感じていたのは、既存のスポーツドリンクの原材料に含まれる、化学合成された成分への漠然とした不安だった。もちろん、添加物の安全性はしっかり担保されている。だが、パッと見て理解できない成分名がパッケージにズラリと並んでいるのを目にしてしまうと、いち消費者として、それをすんなり受け入れることはできなかった。
「スポーツドリンクなどの、いわゆる機能性飲料は、その名のとおり“機能”をウリにした商品なので、そのために含まれている化学的な成分を否定するつもりはありません。ですが、小さい子どもや家族のことを考えた結果として、とにかく“より安心して飲んでもらえるものを作りたい”と思ったんです」
「『グリーン ダ・カ・ラ』に込められたのは、親が子どもを思う優しさ」だと語る高原さん
そこで、なじみのある食品素材で開発を進めることになった“安心素材のスポーツドリンク”に対して、「子どもに安心して飲ませられるもの」というハードルを設けた。子どもをイメージキャラクターにすることで伝えたかったのも、“子ども向け”ということではなく、“子どもでも安心して飲める=もちろん大人も飲める”というロジック。スポーツドリンクの次に、シリーズ商品として麦茶を出したのも、この“安心して飲める”というコンセプトこそがブランドの根幹だと考えていたからだ。
素材が安心・安全なのは嬉しい限りだが、その反面、気になるのが機能。特に「機能性飲料」に分類されるスポーツドリンクとなると、飲みやすさや素材感を追求しすぎてしまうのは本末転倒だ。
「“安心素材”や“素材由来”の商品においてもっとも難しいのが、安定的な機能設計です。たとえば果物って、原産地や生産者を特定したとしても、毎年同じ品質のものが同じ量だけ採れるとは限りません」
『グリーン ダ・カ・ラ』は、いわゆるスポーツドリンクの機能として重要な浸透圧設計や、熱中症対策になるミネラルの量を担保している商品だが、それらの機能・成分を果汁などの素材でまかなうのは簡単なことではない。また、素材を使って設計したうえで安定的に品質をコントロールするには、かなりの労力を要する。保存料などを入れてしまえば簡単にできるそうだが、それではこのシリーズを作る意味がなくなってしまう。
「苦労した部分が多いからこそ、その成果がちゃんと伝わるよう、CMなどのプロモーションも頑張っています」
また、品質だけでなく、味わいの部分でも同じことが言える。ケミカルに頼ってしまえば、強い香りや甘さを出すのはずっと簡単になり、いま使っている素材よりコストも抑えられる。実際、損益を管理する部門から「もう少しコストを抑えられないか?」という相談がくることもあるそうだ。そこは、このシリーズにとって永遠の課題なのかもしれない。
一方、昨今の日本におけるさまざまな問題意識が追い風になっているところもある。“有糖飲料から無糖飲料へ”という流れなど、日本人の健康への意識もますます高まっているし、夏場であれば熱中症対策の重要性も増していくばかりだ。
「開発当初から、そこまで見越していたわけではありませんが、自分たちの作っているものがより求められるようになっているという意味では、ある種の使命感も芽生えています。“安心”は変わらずアピールしつつ、“機能”の訴求もしっかり行っていきたいですね」