【勘違い】防虫剤を正しく使っている人は4人に1人だけ。ムシューダ担当が教える間違いの原因とは?
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目次/ INDEX
「おしりトントン」とは、猫のおしりやしっぽの付け根あたりを「トントン・ポンポン」と優しく叩いてあげるコミュニケーションのことです。
おしりトントンが好きな猫は割と多いので、よく催促されているという飼い主さんもいるかもしれません。おしりを上げておねだりする仕草や、気持ち良さそうに目を細めている様子はなんとも可愛いものですよね。
では、なぜ猫はおしりをトントンされると喜ぶのでしょうか?
猫がおしりトントンが好きなのには、いくつかの理由があるといわれています。
猫は体のなかでも触られると気持ち良いと感じるゾーンがいくつかあり、しっぽの付け根あたりもその1つです。
もちろん猫によって個体差はありますが、おしりトントンが好きな猫が多いのは単純に触られて「気持ち良い」と感じている猫が多いからだといえます。
なぜ気持ち良いと感じるのか、理由は明確にはなっていません。ただし、猫のおしり周辺にある神経が関係しているというのが一般的な説です。
猫のしっぽは「尾椎(びつい)」という骨が連なってできています。背中にある「脊椎」としっぽの尾椎を連結させている骨を「仙骨」といいます。この仙骨の周辺には無数の神経が集中しているため、しっぽの付け根あたりは外からの刺激に対してとても敏感にできています。
加えて、しっぽの付け根あたりは自分の口や手で届きにくい場所というのもポイントです。
自分では滅多に触れない敏感な部分をトントンされることで心地良い刺激を感じるのではないか、ということなんですね。
猫がおしりトントンを喜ぶ主な理由は、しっぽの付け根周辺に「フェロモン分泌腺」があるからだともいわれています。
猫の体にはフェロモンを放出する臭腺がいくつかあり、これをフェロモン分泌腺と呼びます。猫にとってフェロモンは、主にマーキングや猫同士の情報収集などに使われる重要なコミュニケーションツールです。時にはフェロモンの臭いを嗅ぐことで自分を落ち着かせたり、幸福感を得たりすることもあります。
そんなフェロモンが放出されるおしりのあたりをトントンとマッサージされることで、分泌腺が刺激されて気持ち良さや喜びを感じているのではないかといわれているのです。
ちなみに、フェロモン分泌腺はしっぽの付け根以外にもあごの下や耳の周り、口の周り、頬のあたりなどに集中しています。どの部分も、「猫が触られると喜ぶ」ことでよく知られている場所ですね。
メスの猫の場合、おしりをトントンされることで交尾に似た刺激を感じているのではという説もあります。
しっぽの付け根あたりにはたくさんの神経が集中していると前述しましたが、そのなかには生殖器に繋がっている神経もあります。この神経がトントンによって適度に刺激されるため、気持ち良いのではないかということです。
おしりトントンをされているときに腰を高く上げる猫は多いかと思いますが、このポーズが交尾の際のポーズとよく似ていることも理由の1つです。
そのため、おしりトントンが好きなのはメスの猫に多いともいわれます。ただしメスの猫に限るというわけではなく、オスでも喜ぶ猫は少なくありません。
オスの猫がおしりを触られて気持ちよさそうにしている場合は生殖行為に似た刺激を感じているわけではなく、前述した神経やフェロモン分泌腺などが主な理由だろうと考えられています。
前述のように、おしりやしっぽ周辺は猫にとって刺激を敏感に感じてしまう部位です。猫によってはそもそもおしりを触られるのが苦手な子や、トントンを嫌がる子もいるので気をつけましょう。
人慣れしていない神経質な猫だと特に、おしりやしっぽに触れようとしただけで噛むこともあります。
筆者の家にいた猫のなかには、自分からおしりトントンをせがむくせにあまり長い時間やりすぎると怒るような子もいました。こればっかりは猫の感覚と気分次第なので、飼い猫にとって適当な時間ややり方を探ってあげるようにしましょう。
猫が気持ち良いと感じるかは個体差がありますが、一般的に猫が喜ぶといわれるおしりトントンのやり方にはいくつかのポイントがあります。
1番の注意点は強く叩きすぎないことです! 「おしりを叩くと喜ぶ」とはいえ、本当に力を込めて叩くのは止めましょう。猫のしっぽの付け根あたりはとてもデリケートなので、力を入れ過ぎると痛みや不快感を感じさせてしまう恐れがあります。
掌や指の腹などで優しくリズムをとるようにして、おしりのあたりを「トントン」「ポンポン」と触ってあげると良いでしょう。猫によって気持ち良いと感じるスポットや力加減が微妙に違うので、飼い猫の様子を見ながら好みに合うやり方を探してみてください。
しっぽをピンと立てて、おしりを高く上げているときは気持ち良い証拠です。おしりを向けてすり寄ってくるようなときは、もっとおしりトントンをしてほしくて催促しているのかもしれません。
反対に、人間が手を出すと体を引くような仕草をするときは触られるのを嫌がっている可能性が高いです。おしりを触ろうとすると口を出して噛みつこうとしたり、前足で叩くような仕草をしたりするときも警戒や拒否の気持ちの現れなので、無理に触らないようにしましょう。
猫にもよりますが、例えおしりトントンが好きな子でもやりすぎはNGなことが多いです。最初のうちは気持ち良いと感じていても、あまりしつこいと止めてほしくて噛む(甘噛みする)こともあります。
おしりトントンは、あくまで優しい力加減で触りながら、猫が気持ち良さそうにしているかどうか様子を見つつ、ほどほどのところで切り上げるのがポイントです。
猫のおしりにまつわる不思議な仕草や疑問点をまとめました。猫にも性格の違いがあるので全ての猫に当てはまるわけではありませんが、飼い猫の気持ちを読み取る参考にしてみてくださいね。
A.獲物に飛びかかるための準備運動のようなもの(諸説あり)。
猫とおもちゃで遊んでいると、時々見られるのがこの動作。体を低くした姿勢のまま後ろ足をじりじりと動かし、おしりをふりふりと振る猫の姿を見て、なぜなのか不思議に思ったことはありませんか?
諸説ありますが、この「おしりふりふり」の動作は猫のハンターとしての本能からきているものだとされています。
猫はもともと単体で狩りをする動物なので、じっと物陰に潜んで獲物を待ち、一気に飛びかかって仕留める戦法が基本です。そのときにただじっと待っているのでは初動が鈍ってしまうため、いつでも飛びかかれるような姿勢をキープしながら、じりじりとにじり足をしつつベストなタイミングを計っているのだとか。
その証拠に、猫がおしりふりふりをしているときは獲物(おもちゃ)から決して目を離しません。また、人間がジャンプをする前に体を揺らして勢いをつけるように、おしりとしっぽを揺らすことで勢いをつけ、より力強く地面を蹴り出すことができるのもメリットです。
飼い猫がおもちゃで遊んでいるときにおしりふりふりをするのは、ハンターの本能が呼び覚まされるほど夢中で遊んでいるのだと思いましょう。
A.癖や汚れが付いているだけの場合と病気の場合がある。
猫がおしりを床につけた姿勢のままズリズリと歩いている姿を見たことはあるでしょうか? 「おしり歩き」や「猫戦車」なんて呼ばれることもあり、主に猫がおしりに違和感を感じているときに見られる行動です。
例えば便秘や下痢、うんちのキレが悪くて肛門付近にくっついているなど、肛門周辺に違和感があってお尻を拭きたい時にズリズリと床やカーペットにお尻をこすりつけることがあります。全くやらない子もいますが、なかには1度やりはじめたら癖になってしまい、うんちのたびに繰り返すような子もいます。
単に一時的におしりの汚れが気になるだけならペットや赤ちゃん用のおしり拭きなどで拭ってあげれば解決します。しかし、あまり頻繁におしりズリズリ歩きを行うようであれば病気の可能性もあるので注意してください。
汚れや癖以外のおしりズリズリの理由としてまず疑われるのが、「肛門嚢(肛門腺)」のトラブルです。猫の肛門の周囲、時計でいうと4時と8時の位置には、肛門嚢と呼ばれる分泌腺が存在しています。これは強烈な臭いのする分泌液を出すための器官で、分泌液は縄張りの主張や挨拶など主に猫同士のコミュニケーションのために使われます。
通常であれば分泌液は排便時などに自然に分泌されるため、肛門嚢が詰まる心配はありません。しかし分泌液が排出されにくかったり溜まりやすい体質の猫だったりすると、溜まった分泌液によって肛門嚢が目詰まりを起こしてしまうケースがあります。
酷くなると「肛門嚢炎」になり、さらに悪化すると肛門嚢が破裂したり外科手術が必要になったりすることもあります。
悪化させないためには、違和感を感じたら早めに動物病院へ相談することです。おしりズリズリの他にも、おしりの周辺が赤い、おしりから悪臭がする、やたらとおしり周りを舐める、おしりを触ると怒るようになったなどは肛門周辺にトラブルが起きているサインである可能性があります。
また、分泌液が詰まりやすい体質の子は定期的に「肛門絞り」をすることで予防になります。自宅で行う方法もありますが、簡単ではないためあまりおすすめしません。猫にストレスを与える恐れもあるので、自信が無い場合は獣医師を頼るのがおすすめです。
A.相手の情報を読み取ったり、コミュニケーションをとったりするためだといわれている。
猫はニオイから様々な情報を得ています。相手の猫の性別や年齢、体格やその日の体調などの他、フェロモンや発情のサインを読みとることができます。
特に肛門周辺のニオイは猫にとって情報量が多いので、「こいつはどんなやつなんだ?」といった情報収集の意味でおしりのニオイを嗅ぎます。ただし、初対面で同性の成猫同士がすぐにおしりのニオイを嗅ぎ合うことはあまりありません。まず鼻と鼻を近づけてニオイを嗅ぎ合ってからおしりのニオイを嗅ごうとするのが一般的な猫の挨拶であり、マナーです。
初対面のオス同士はできるだけ自分の情報を知られまいとするため、お互いにおしりのニオイを嗅ごうとしてしばらくグルグルしているようなこともあります。そのうちに優劣が付くので、強い方のオスが弱い方のオスのおしりのにおいを嗅ぎ、立ち去ることでその場が収まります。
おしりのニオイを嗅がれると自分の体調の良し悪しをバラしてしまうことにもなるので、自然界では一歩間違うと命の危険もあり得る行為です。そのため、猫が無防備におしりのニオイを嗅がせる行為は、相手に対する信頼や服従(負け)の表れともいえるでしょう。
A.信頼しているか、甘えているか、守っているつもりになっているか…何にせよ懐いている証!
前述のように、おしりは猫のデリケートゾーンであり、自分の情報を赤裸々に知られてしまう部位でもあります。そんな猫が他者に対しておしりを向けて寝るというのは、懐いている証拠と思って良いでしょう。
おしりを撫でてほしくて甘えているのか、単に寒くてくっつきたいだけなのか、飼い主さんを優位だと認めていておしりのニオイを嗅がせようとしているのか…など、いくつか考えられる理由があります。もし外敵がきたら自分が真っ先に前に立って戦うことができるよう、あえて飼い主さんを後ろ側に寝かせて守っている、なんていう説もあります。
どんな気持ちでおしりを向けて寝ているのかは猫に聞いてみないことにはわかりませんが、信頼してくれていることは確かでしょう。
A.病気の可能性があるため、できるだけ早く動物病院へ連れて行くのがおすすめ。
猫のおしり(肛門)が赤く炎症を起こしていたり、血が出たりしているときは病気を疑いましょう。
肛門嚢炎や肛門嚢破裂の他にも、胃腸炎や感染症、熱中症などが原因で下痢や血便が出て肛門が赤く見えることがあります。アレルギーなどにより皮膚に炎症が起きているときも、肛門の粘膜が赤くなることがあります。
膀胱炎の主な症状は血尿で、子宮蓄膿症の場合は外陰部からの出血が主ですが、どちらも肛門周辺なので肛門が赤くなっているように見える可能性があります。
また、あまり知られていませんが猫も慢性的な下痢や便秘によって切れ痔になることがあり、肛門の皮膚が切れてしまうため出血を伴います。
このように猫のおしりが赤いときに考えられる原因は様々なので、炎症や出血以外の症状がないかよく観察することが大切です。かゆみや痛みがある様子はあるか、普段と比べて臭いはどうか、しこりや腫れはあるか、食欲や元気はあるかなどをよくチェックしてみてください。
A.基本的には自分で舐めてきれいにするので拭き取りは不要。あまりグルーミングしない子や長毛猫は適度にチェックすると良い。
猫は基本的にきれい好きなので、うんちをした後の肛門周りも自分で舐めてきれいにする性質があります。そのため、基本的には排便のたびに人の手でおしりを拭いてあげるような必要はありません。
しかしなかにはあまりグルーミングをしない子や、おしりを舐めてきれいにするのが下手な子もいます。そういった子の場合は定期的にチェックして適宜拭き取ってあげると良いでしょう。おしりにうんちが付いたままだと衛生的にもよくありません。
猫のおしりを拭くときは、ぬるま湯で湿らせたガーゼや赤ちゃん用のおしり拭きなど柔らかいもので優しく拭いてください。乾いてしまった汚れは落ちにくいので、おしりに少しあててふやかしてからそっと拭くのがコツです。
肛門周りの粘膜はとてもデリケートなので、ゴシゴシと強く擦ったり頻繁に拭きすぎたりすると却って炎症の原因になってしまうので気をつけましょう。
また、長毛猫はおしり周りの毛にうんちが付いてしまったり、毛が邪魔で上手くグルーミングできなかったりすることも多いです。肛門周りの毛だけカットしておくと汚れる心配が減るのでおすすめです。
ちなみに筆者の家の猫はおおらかなので、おしりを向けて寝ているときか寝ぼけているときにササッと毛をカットするのが習慣です。神経質な猫の場合は無理をせず、トリミングサロンや動物病院でカットしてもらうと良いでしょう。
肛門絞りを自宅で行うのは簡単ではありませんが、肛門嚢炎や分泌腺詰まりの予防には定期的に行うのが有効です。個体差があるため、頻度は調整しましょう。過去に肛門嚢炎になったことがある猫などは、1ヶ月に1度程度のペースで肛門絞りを行うと良いといわれます。
それ以外の健康な成猫の場合、年に1回のワクチン摂取と健康診断で動物病院へ行くついでに肛門絞りをやってもらうという飼い主さんも多いです。
肛門絞りは素人が1人で行うにはリスクが高いので、保定しながら2人以上で行うか、プロにお任せする方がスムーズです。
おしりは猫にとって様々な役割を持つデリケートな部位です。猫の性格や気分によって好みはありますが、信頼している飼い主さんにトントンされると嬉しいという子は多いです。
飼い猫とのコミュニケーションの一環として、心地良いと感じてもらえるやり方を探ってみてはいかがでしょうか。
画像:黒岩ヨシコ