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【獣医師監修】うっかり猫を踏んでしまった時の対処法

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中島豪

中島豪

日本大学卒業。関東各地の動物病院に勤務後、2005年に『チコラ動物病院』を開院。腫瘍科の認定医(日本獣医がん学会・Ⅱ種認定医)として、遠方からも患者が訪れる。「飼い主さんと共に悩み、考え、飼い主さんの思いを受け止めること」をポリシーとし、飼い主が納得いく治療法を提案。

もしも猫を踏んでしまったら……

床に寝転んでいたり、突然隙間から現れたり…と何かと神出鬼没な猫。誤って猫を踏んでしまった…! そんな時にはどのようにすればいいのでしょうか。

猫を踏んでしまった時の対処法や猫が踏まれやすい理由、踏んでしまうのを予防する方法についてまとめました。

なぜ猫を踏んでしまうのか?

なぜ猫を踏んでしまうのか?

「扉を開けた時にいるのに気づかず踏んでしまった」「猫がすり寄ってきた時に踏みつけてしまった」など、猫を飼っていると、気づかずに蹴ったり踏んでしまったりするアクシデントがあります。床に猫が寝そべったり思いもよらない所でくつろいでいたりするのは、安心しているからこそ。安心できる家の中にいながら、飼い主に踏まれるという危険は猫も予測できません。

ただ、猫も踏まれた瞬間に圧力がかかった時点で即座に反応して逃げるはず。しかし緊急事態に直面すると止まるという習性があり、猫は飼い主の足が上から迫ってくる危機を察知して体の動きを止めてしまうこともあります。

猫を踏んでしまった後のリアクションを観察する

まず確認すべきこと

誤って猫を踏んでしまったら、まずは踏んだ場所に怪我や骨折がないかをよく確認します。子猫や老猫は骨折しやすいでしょうし、子猫の場合は体も小さく踏んでしまう面積も広いのでさらに慎重に調べましょう。

しっぽを踏んでしまったり、ドアで挟んでしまうようなトラブルもよくあります。動きが普通かどうか様子をよく観察して、少しでもおかしかったらできるだけ早めに病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。しっぽや手足に比べると、特に内臓の損傷だと一刻を争います。子猫の場合もより深刻なので、早急に病院で診察を受けましょう。

病院へ連れて行くべき症状とは?

病院へ連れて行くべき症状とは?

普通に排尿がありご飯も食べていて、痛がってもいない様子であれば大半は問題ないですが、中には膀胱が破裂してしまったりすることもあるので注意深く観察が必要です。

長い骨が折れていると、折れている箇所がヌンチャクのようにブラブラと動くこともあります。足の骨にヒビが入っていたら、痛がっていたり庇って歩いていたり、歩き方がいつもと違うでしょう。

また、猫はびっくりすると過呼吸になりハアハアと口を開けて呼吸するので、踏まれた損傷によるいけない呼吸なのか、びっくりしてただ過呼吸になっているのかは専門家が診ないとわかりません。そこでまず、飼い主は以下の点を確認しましょう。

・明らかに元気がない
・おしっこが出ない(膀胱が破裂している場合)
・折れている場合、明らかにおかしい動きになる
・骨にヒビが入っていたら痛がっている、普通に歩けない、動きが普段と違う

猫を踏まないための予防策

猫を踏まないための予防策

猫を踏んでしまう場面は、リビング、ベッド、廊下やキッチンが多いです。

ベッドの下から急に出てきたり、調理に集中していて一歩を踏み出したときに猫がいたり、ドアを開けた瞬間やソファーに座ろうとした時に猫が偶然いて潰してしまったりすることも考えられます。

対策としては、家のドアや扉を常に開けておくことでドアの向こう側が見え、ドアを開けた瞬間に猫を踏んでしまうという事故を防止できます。また猫ドアを取りつけたり、ドアストッパーを活用すると、猫のしっぽが挟まれるのを防ぐこともできます。

階段の途中で寝ている猫や、移動中に猫がまとわりついてくる中で踏んでしまった、という方もいるかもしれません。猫がいるかもしれない場所を通る時や、足にすり寄っている時は誤って踏まないよう注意をしましょう。

夜中に移動する場合も、暗闇で猫を踏むことのないように照明をつけたり、大きな荷物を前に抱えながら歩いている時は自分の足元が見えないので注意が必要です。

特に子猫の場合、遊んでいて毛布やタオルの間や下に入っていることがあるので要注意です。布製品は猫の手が届かないような高い場所や引き出しのあるところにしまって、寝室の布団には猫がいないかどうかを確認してから入るようにしましょう。寝返りで圧死するケースもあるので、十分気をつけましょう。

残念ながら、飼い主が注意して過ごすほかに対策があまりないのが難しいところです。常日頃から猫の居場所には気を配っておきましょう。

猫を踏んでしまった時の対処法

猫を踏んでしまった時の対処法

比較すればの話ですが、猫を踏んでしまった場合の緊急性として、お腹、背中、前足と後ろ足、しっぽの順に危険度が高くなります。

お腹、背中

お腹や背中を踏んでしまった際には、まず膀胱の確認をしましょう。子猫であれば脊椎や背骨も触って確認を。上から踏んでしまった場合でも、背中の周りには筋肉がしっかりついているので背骨が折れるのは考えにくく、背骨は柔軟性もあるので余程の衝撃がないうと折れることはありません。ただし膀胱が破裂してしまっていたら死に至ることもあるので、早急に対応を。

前足、後ろ足

骨折になりうる場所なので踏んだ後に強い痛みがあるか、よく触って確認するのが大切です。骨の動きには連続性があるはずなのに一点からぶらぶらしていたら骨折している可能性があります。ひびが入っていれば絶対に猫は痛がるので、病院に連れて行って固定してあげましょう。触ってみて猫が嫌がる箇所には何かあると考え、不安であれば病院に連れて行きましょう。

しっぽ

猫のしっぽには先端まで骨や筋肉、様々な神経がつまっています。少し踏まれただけでも痛みを感じますが、特にしっぽの根本にある神経は体の他の部位の機能に関する複数の神経とつながっているため、しっぽを踏んだり引っ張ったりしたせいで神経が傷つき歩行や排泄機能に障害が出てしまうこともあります。最悪の場合は折れてしまい骨同士がつかなければ尻尾を切るという処置になってしまいます。死亡には至りませんが、猫にとって大切なパーツですので、放置せず動物病院に連絡しましょう。

他にも家の中は危険がいっぱい!

家の中は危険がいっぱい!

猫を踏んでしまうというトラブル以外にも、ドアにしっぽを挟んでしまったり、帰宅したら愛猫の足の様子がおかしいと思っていたら骨折していた…という事故もあります。

ドアで挟んでしまう骨折事故も多いようです。ドアは角と角がバチンとはまるようになっている仕組みのため、ある意味踏むよりもダメージが大きいと考えられます。引き戸にしっぽを挟んでしまったりするアクシデントも多いので気をつけましょう。

柵に足が挟まったまま落ちたとか、家の中とはいえ留守中には予期せぬトラブルが起きていることもあります。飼い主不在の間の愛猫の動きも予測して、怪我が起きないような部屋作りを心がけましょう。

日頃から飼い主が細心の注意をはらいましょう

よく注意することが基本

反射神経が鋭い猫ですが、上から踏まれるアクシデントには慣れてはいません。そして、家の中でのトラブルを避けるには飼い主が注意するほかありません。

日頃から愛猫のお気に入りの居場所は把握しておき、留守中でも事故が起きないように気を配りましょう。それでもうっかり愛猫を踏んでしまったりした際には、命に関わることもあるので速やかに動物病院に連絡して受診しましょう。

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