泥汚れで悲惨な玄関タイルを神アイテムでピカピカにお掃除してみた
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目次/ INDEX
ときどき、人が食べているパンをやたらと食べたがる猫がいます。しかし、猫に人間用のパンを与えるのはやめましょう。
猫の体質にもよりますが、食べる量や頻度によっては体に良くない影響を及ぼす可能性があるためです。
一般的なパンに使われている原料は、主に小麦粉やイースト、砂糖、塩、バターなどです。これらを猫が過剰に摂取すると、消化不良や肥満、アレルギーなどの健康被害を招く恐れがあります。具材の入った菓子パンや惣菜パンはもちろん、食パンやバケットなどのプレーンなパンであっても食べさせない方が安心です。
そもそも猫は肉食動物なので、炭水化物はあまり必要としません。炭水化物に含まれるデンプンを消化・分解するための酵素も人間に比べると少なく、どちらかというと炭水化物の消化が苦手な体のつくりになっています。
健康リスクを考えると積極的に与えたいものではないので、人間用のパンをねだられても食べさせないようにしましょう。主食は猫用の総合栄養食にして、おやつにも猫用のものをあげた方が猫の健康のためにはベターです。
猫にとってパンは食べなくても良いものですが、世の中にはパン好きな猫がいるのも事実です。肉食動物であるはずの猫が、パンを欲しがるのはなぜなのでしょうか?
はっきりとした理由は解明されていませんが、猫の食の嗜好性は幼い頃の食体験に起因するといわれています。つまり、小さい頃にパンやバターなどを食べて「おいしい食べ物」として認識している子が、大人になっても好んで食べたがるのではないかということです。
例えば野良経験のある保護猫は外で残飯などを食べていた経験から、パンが好きになることも少なくないといわれています。小さい頃にたまたま一舐めしたバターが気に入って、その後もバターの香りに惹かれてパンをねだるようなこともあるかもしれませんね。
猫の食の好き嫌いが決まるのは、大体生後6ヶ月くらいまでといわれています。警戒心の高い子だと、その頃に食べたことがないものはそれ以降も口にしないことがあります。
また、猫は人間と違って「味」が食の好みを決める第一条件ではありません。猫は人間ほど味覚が発達していないので、香り(嗅覚)→食感(触覚)→味(味覚)の順に食事を選り好みしていると考えられています。
猫が飼い主さんの食べているパンを欲しがるのは、以前食べたことがあるからか、小麦やバターの香ばしい香りの方に惹かれている可能性があります。
個体差はありますが、プレーンなパンを少量口にしたくらいであれば体調の変化を感じない猫も多いです。ただし常習的にパンを食べ続けたり、一度に大量に食べたりしてしまうと体に悪い影響を及ぼす危険が高まります。
なんとなく元気がなかったり、ご飯や水を口にしないときは、パンによる消化不良が原因の可能性があります。症状が重たくなると、嘔吐や下痢、軟便、便秘などの消化器症状が出はじめます。放置すると脱水症状になってしまう恐れもあるので、気がついたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
もし今目立った症状がなくても、誤ってパンを大量に食べてしまったときは念のためかかりつけ医に相談することをおすすめします。
消化不良以外には、パンを食べたことでアレルギー反応が出てしまうケースもあります。小麦などの穀類は猫がアレルギーを発症しやすい食べ物の1つとして知られています。
パンを食べた後に口周りや耳が赤くなったり、やたらと体を痒がったりするような場合は食物アレルギーを疑いましょう。発疹やむくみなどもアレルギーの代表的な症状です。そのままにしておくと掻きむしりや舐め壊しによって皮膚がただれたり、脱毛したりしてしまうこともあります。
皮膚のかゆみは猫のストレスになるので、食欲や免疫力の低下に繋がってしまう恐れもあります。パンを食べた後の猫の様子がいつもと違うと思ったら、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。
猫にとって人間用のパンは体に良いものではありませんが、食べてしまうと特に危険なパンはあるのでしょうか? 猫の健康に害を及ぼす可能性が高いパンの材料やトッピングをまとめたので参考にしてみてください。
チョコレートやココアが使われている菓子パンは大人にも子供にも人気がありますが、猫にとって特に危険な食べ物の1つです。
猫がチョコレートを食べてはいけないのは、原料であるカカオ豆に含まれる「テオブロミン」という成分が有毒であるためです。チョコレートに限らず、カカオ豆由来の製品であるココアにもテオブロミンは含まれています。
また、チョコレートやココアには「カフェイン」も含まれており、こちらも猫にとっては害のある成分です。カフェインはコーヒーや紅茶、抹茶などにも多く含まれるため、それらで風味付けされたパンやクリームなども猫に食べさせないようにしましょう。
チョコレートが入ったパンやココアパウダーが練り込まれたパンなどを猫が口にすると、下痢や嘔吐、ふらつきや痙攣などの中毒症状を起こす危険があります。
猫は人と比べてテオブロミンを代謝する能力が低く、分解に時間がかかるといわれています。そのせいで、ダメージ物質が体に長く止まってしまうようなイメージです。解毒方法もなく、特効薬もないため、食べてすぐであれば吐かせる処置や、麻酔をかけての胃洗浄(行うメリットが大きそうな場合)などが有効です。時間が経っている場合は対症療法を行います。
中毒の危険性はカカオの含有量に比例するため、ダークチョコレートやハイカカオチョコレートが入ったパンは少量でも危険度が高くなります。
カフェイン中毒は、食べてすぐに症状が出ることはあまりありません。食後、1~2時間程経つとカフェインが中枢神経に作用し、極度の興奮状態を招きます。
目安として、猫の体重1kgに対して20mg前後のカフェインを摂取すると軽度の症状が起こるといわれます。60mg前後だと重度、150mg前後が致死量といわれますが、猫の体質によって個体差があるので一概にはいえません。
摂取量によっては24時間以内に死に至ることもあるので、テオブロミンやカフェインを含むパンは間違っても猫に食べさせないようにしましょう。
惣菜系のパンに使われることが多い玉ねぎやガーリック(にんにく)、長ねぎなども、猫に食べさせてはいけない食材です。
玉ねぎや長ねぎ、ガーリックに含まれる「有機チオ硫酸化合物」という成分は、猫や犬が摂取すると貧血などの中毒症状を引き起こすことで知られています。他にもエシャロットやニラ、わけぎ、らっきょうなどにも含まれていて、オニオンスープやガーリックパウダーなどの加工品でも同様の危険があります。
パンの場合、一見具材に入っていないように見えて細かく刻んだ玉ねぎが使われていたり、ガーリックパウダーがまぶしてあったりすることもあるので十分注意しましょう。
ねぎ類を含んだパンを猫が大量に摂取すると、有機チオ硫酸化合物によって赤血球にダメージを受け、貧血を起こしてしまうことがあります。結膜(まぶたの裏側)や歯肉が白っぽくなる、手足が冷えるなどは貧血のときに見られる症状です。
通常、ねぎ類の中毒は大量に摂取した場合に起こります。ただし、粉末状に加工されたものや乾燥させたものは成分が凝縮されているため、少しの量でも体に害を及ぼす危険が高まります。
重度の中毒になると呼吸困難を引き起こしたり、命にかかわるケースもあります。ねぎ類が入ったパンは特に誤食させないように気をつけましょう。
レーズン(ブドウ)は少量の摂取でも猫の体に不調をきたす食べ物として知られています。
猫がレーズンを食べると、ブドウ中毒になる危険があります。皮や実を含めた全ての可食部に中毒のリスクがあり、過熱や加工をしても中和されることはありません。
レーズンの場合はむしろ乾燥によってブドウの成分が凝縮しているため、生食に比べるとわずかな量でも中毒を起こす危険性が高まるともいわれています。
猫は、レーズンを食べたことが原因で腎機能障害が急速に悪化することがあります。はっきりとした理由はわかっていませんが、場合によっては急性腎不全を引き起こす恐れもあるため、レーズン入りのパンは少量でも猫に食べさせてはいけません。
また、イチジクやマンゴー、柑橘類など、レーズン以外のフルーツのなかにも猫にとって害となるものが存在しています。口にすると皮膚や口腔内に炎症が起こることもあるので、フルーツ入りのパンは種類問わず飼い猫には食べさせない方が懸命です。
フルーツのジャムや果肉が挟まったコッペパンやサンドウィッチなども避けましょう。ジャムには糖分が大量に含まれることも多いため、猫の体にとってあまり良いものではありません。
ビタミンやミネラルが豊富なアボカドは、栄養価が高い優秀な野菜(果実)として知られています。サンドウィッチや惣菜パンの具としても人気ですが、猫には有毒なので食べさせてはいけません。
アボカドに含まれる「ペルシン」という成分は、猫や犬、鳥、ハムスター、うさぎ、牛など人間以外の多くの動物にとって有害であることがわかっています。アボカドが入ったパンを猫が食べてしまうと体に害を及ぼす危険があり、摂取量によっては重篤な中毒症状が起こることもあります。
ペルシンは比較的最近発見された毒素で、なぜ人間だけが食べても大丈夫なのかはまだはっきりと分かっていません。
ペルシンはアボカドの果肉だけでなく、葉や樹皮、種にも含まれています。アボカドの木は観葉植物としても人気があるので、猫が誤って葉をかじったりしないように注意しましょう。
ちなみに、海外のペットフードなどには原材料にアボカドが使われているものがありますが、これはペルシンの含有量が少ない品種が使われていると考えられています。アボカドの品種は世界に数百あるとも千以上あるともいわれていて、日本に流通しているものの多くは「ハス種」というペルシン含有量が多い品種になっています。
猫の体調や体質によっては少量の摂取でも不調をきたす恐れがあるので、アボカドオイルなどを含めてアボカド由来の食品は与えない方が安心です。
菓子パンのなかにはブランデーやラム酒を使って作られるものがありますが、アルコール類を含むパンを猫に食べさせるのは危険です。
リンゴやその他のフルーツ、ナッツなどが入ったパンは、一見わからなくても調理の工程上少量のアルコールが使われていることがあります。
猫の体内にはアルコールを分解できる酵素がそもそもなく、人間のように肝臓でアルコールを分解して無害化させることができません。そのため、香り付け程度の少量のアルコールでも体に不調をきたす恐れがあります。
体質や摂取量にもよりますが、猫がアルコール類の入ったパンやお菓子などを口にすると人間でいう酩酊状態になります。最悪の場合アルコール中毒によって命を落とす危険もあるため、アルコールを含むパンの管理には特に注意してください。
ブランデーケーキを猫に与える飼い主さんはいないかと思いますが、家で食べるときは飼い猫がイタズラや誤食をしないように十分気をつけましょう。
パンの種類ではありませんが、焼く前のパン生地も猫が口にしないように注意したい食材の1つです。
一般的に、生のパン生地にはイーストや小麦粉、砂糖などが含まれています。イーストの働きで小麦粉や砂糖の糖分が分解され、発酵することでふっくらとしたパン生地ができあがります。
この発酵の際に発生するのが、炭酸ガスとアルコールです。もし猫が焼く前のパン生地を食べてしまったら、胃の中で生地が発酵し、炭酸ガスによって膨張してしまう恐れがあります。微量ですが同時にアルコールも発生するため、中毒症状が起こる危険もあります。
実は海外では、焼く前のパン生地やピザ生地を誤って猫が食べないように呼びかける動きがあるほど危険視されています。
家でパンを焼く習慣がある飼い主さんや、キッチンの作業台に乗るのが好きな猫の場合は十分注意する必要があります。
飼い猫が誤って人間用のパンを食べてしまったときは、まず何をどれくらい食べたのかを確認しましょう。もし猫にとって危険な具材が使われているパンを口にしてしまったときは、念のためすぐにかかりつけ医に相談してください。
病院に連れて行く際は、食べたパンの情報のわかる袋などを持参するのがおすすめです。パンに何が入っていたのかがわかるため、吐かせた方がいいか、経過観察で良さそうかなどの判断材料になります。
食べたものと量、時間、猫の様子などを伝え、指示を仰ぎましょう。自己判断で水を大量に飲ませて吐き出させようとするなどの行為は却って危険です。
例えプレーンなパンであっても、量や猫の体質によっては体に不調が現れる可能性があります。食べた後しばらくの間は猫の様子を観察して、異変を感じたら早めに動物病院へ連れて行きましょう。行動以外には、目や口周り、体温や歩き方、排泄物などがチェックポイントになります。
半日~48時間くらい経って何もなければ大丈夫であることが多いですが、だからといってあまり常習的に食べさせて良いものではありません。パンを食べることで本来必要な栄養が摂取できるフードの方を食べなくなったり、カロリーオーバーで肥満になったりすることもあります。
もしイタズラによって誤食してしまったのであれば、今後は猫の手の届かない場所へしっかりしまっておきましょう。
パンを好んで食べたがる猫は少なくないようで、ときどきおやつとして飼い猫にパンをあげているようなケースも見かけます。
シンプルなパンを少量食べてすぐに害が出るようなことは稀ですが、人間用のパンはあくまで人間のために作られた食べ物だと思っておいた方が良いでしょう。パッケージングされたものは特に、保存料などの添加物も含まれています。
猫は体の大きさもつくりも人間とは異なるので、猫の健康を考えると日常的に人間用のパンを食べさせるのは良いとはいえません。どうしてもパンが好きという子には、パン以外で何か好物になるようなフードや猫用おやつがないか探してあげるのも手です。
画像:黒岩ヨシコ