「忘れ物なし!」毎朝の身支度に大活躍なスリムラックを電動工具なしで作る
リンクをコピーしました
飼い主にとって今や当たり前になってきた、ホームケアの爪切り。
嫌がる猫も多いなか、爪切りの必要性や爪切りのコツや嫌がる猫への対策など、獣医師監修のもと「猫の爪切り」について解説します。
元来、外で生活する猫は木に登ったり獲物を捕まえたりすることで自然に爪が研げてしまうので、爪切りは不要でした。外で生活する分には、過度に爪が伸びてくることはあまりありません。
しかし飼い猫の場合、猫の爪を伸ばしたままにすると猫も人間も家も傷つき、傷口から感染症を起こすことも。その鋭い爪が人間と生活する上で障害になることがあり、猫の爪切りは飼い主にとって大切なケアの1つになってきています。
飼い猫でも爪とぎを置いておいてみて、ある程度自分で爪の処理ができてしまう子は自然に考えたら爪切りは不要ですが、うまくできなくて爪が伸び過ぎてしまい肉球に刺さってしまうことや、ひっかけて折れてしまうことなども。
爪が肉球に刺さるというトラブルは、高齢になってから起きることが多いもの。老猫になってくると自分で爪を研がなくなるので放っておくとひどい状態になってしまっている猫も多いのです。
爪とぎでは外側の古い爪をはがして新しい爪を出しています。そのため、爪とぎだけでは新しい爪の先は鋭くとがったままです。爪切りでその鋭い爪の先を切ることで、飼い猫と安全に暮らすことができるのです。
また、爪切りの習慣をつけてあげることで、飼い主が猫の体を触るきっかけになります。意識して愛猫をじっくりと見る時間は実は意外にありません。動物病院などプロに預けるだけでなく、飼い主自身が押して痛いところはないか、太っていないかなどチェックして全身を意識して見てあげるというのは健康管理のうえでとても大事です。
爪切りをしないと鋭い爪の先が絨毯やカーテンなどに引っかかり、爪が根元から折れて出血するケガにつながります。また、爪が伸びすぎると肉球に刺さって化膿することも。肉球は猫にとって敏感な場所で痛みも強く感じるので、うまく動けなくなる原因になります。
猫の爪を切って短くしておき、爪とぎを置いておく。それだけですが、ケアの範疇で爪を丸めておくのは人との生活において重要になります。
飼い主さんが猫に引っかかれると、ケガだけでなく感染症を起こすことがあり、抵抗力が弱い人や糖尿病など基礎疾患を持つ人は重症化し、命にかかわる場合もあるので要注意。幼い子がいる家庭では、より注意が必要になるでしょう。
ちなみに猫にもよりますが、爪切りの目安は約1か月の頻度で行います。頻繁に切っても良いですが必須ではありません。爪切りが難しい子でも、爪の状態をこまめにチェックするようにしましょう。
猫の爪は玉ねぎのような多層構造。爪を研ぐことで外側の爪をはがし、内側の新しく鋭い爪を出します。普段の爪は肉球の間にしまわれていますが、物を捕らえる時などに肉球に力が加わることで、出てくる仕組みです。
爪の内側の根元に見えるピンク色の部分は神経と血管が通っているので、ここを誤って切ってしまうと痛みが強く出血してしまうので注意しましょう。獣医師やトリマーさんはギリギリまで切りますが、飼い主が自分で切る際は無理をせず、横からピンクの部分の位置をしっかり確認して数センチ前でとどめると安全です。
万が一出血してしまった場合は、すぐに清潔なガーゼやコットンなどで1~2分ほど押さえて圧迫止血をしましょう。血が止まらない時は動物病院の受診してください。
急に爪を切ったり爪切りで痛い思いをさせたりすると、猫にとってトラウマとなり、二度と切らせてくれなくなることもあります。飼い主がじっくりと手順を踏んで行うとうまくいくことが多いようです。代表的な爪切りの手順について解説します。
猫を後ろから抱きかかえます。お気に入りの場所でくつろいでいる時や熟睡している時など、できるだけ猫がリラックスしていて落ち着いている時を選びましょう。
バスタオルなどで体を包み、視界を制限することやネットに入れることでおとなしくなることもあります。飼い猫の好みなどを探りながら、やりやすい体勢や状況を整えましょう。
個体差はありますが、視界から遠い後ろ足の爪から始めるほうが切りやすい場合も。足を触られることを極端に嫌がる猫もいるので、少しずつ切りながら様子をみましょう。
猫の体の外側、つまり小指側から切っていきます。親指側の爪は嫌がる猫が多いので最後に。
猫の足を上下から指で挟み、肉球を軽く押して爪を出します。力強く押さえると嫌がるので、優しく軽いタッチで押すのがポイント。
深く切り過ぎると血管や神経を傷つけてしまうので、注意しながら爪の先端の尖った部分を2~3mm程度カットしましょう。
人間用だと全く形が違い変な風に切れるので、基本的に人用の爪切りはおすすめできません。猫専用爪切りの方が素人でも安全に切りやすいです。
ハサミ型は手前の刃先にある半円形のくぼみに猫の爪をあてて使用します。文房具のハサミと同じ仕組みなので、猫の爪切りに慣れていない方でも扱いやすい形で、子猫の柔らかい爪をカットするのにも適しています。
ギロチン型は、円状の刃に爪をさし込み、グリップを握って爪を切ります。慣れないうちは怖く感じるかもしれませんが、固い爪でもスパッと切ることができるので動物病院でよく使われているタイプです。
ほかにもニッパー型やピコックタイプ、電動やすりなどもあります。
刃物なので、やはり刃の質が大切になります。切れ味が悪かったり、消耗もしていくので刃こぼれしてきたタイミングで買い替えがベスト。スパッと切れないと猫も不快だし、短時間でやるべき作業なので切れ味は大事です。
子猫の爪は細くて柔らかかったりと、年齢によっても爪の状態は違うので、飼い主が使いやすくて愛猫の爪と相性がいいものを選びましょう。
猫にとって爪切りは、体の末端を掴まれて一部を切り取られること。手足や爪の先は敏感な部分なので、触られることを嫌がる猫がほとんどです。痛くなくてご褒美をもらえるようにしたり、うまく条件づけられるといいでしょう。
普段から手や足先にタッチするなどして触られることに慣れさせておき、無理はせず、必ず「報酬」をあげるのがポイントです。
子猫から育てられる場合は小さいうちから爪切りに慣らしてあげて、爪切りはこわくない・大丈夫だと思わせるのが理想的。
嫌がる子を慣らせるためには、おやつを使って気を引いている間に切る。そして嫌がられる前にやめることが鉄則です。
家族がいるなら二人がかり行うのがおすすめ。寝込みを襲って怒らない子であれば、猫が寝ている間に切ってしまうのもひとつです。大きな布やバスタオルなどで包むと落ち着く猫が多いようなので、洗濯ネットやエリザベスカラーを活用してもいいかもしれません。
また、最初から一度に全部の爪を切ろうとせず、一本ずつにして何度かに分けて切ったり、焦らずゆっくりを心がけて。飼い主の手や壁に液状おやつをつけて気を引いたり撫でながら優しく切ったりと、いろんなやり方がありますが、猫の個性や性格があるので、愛猫の反応をみながら方法は使い分けて。
嫌がる猫を無理やり押さえつけて爪切りを行うと、爪切りが嫌いになってしまい、ますます爪を切るのが難しくなります。暴れて大変、噛まれそうな場合は獣医師やトリマーに相談するのも検討しましょう。
飼い猫の場合、猫と飼い主さんのケガ予防のためにも爪切りは大切なケアになります。
1か月に一度を目安に、少しずつ切ってケアしてあげましょう。飼い主側もゆったりとした気持ちで焦らず無理をしないことが爪切りのコツです。
また、爪切りがスムーズに行えるように普段からスキンシップを心がけ、猫の性格を見極めながら愛情をもって接していきましょう。