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目次/ INDEX
マンサク(万作)は、寒さの残る2~3月、まだ花の少ない時期にいち早く花をつける樹木として、日本で古くから親しまれてきました。開花した後は、すぐに新芽が芽吹き、丸みを帯びた扇状の葉をつけます。
今回は、春先には花、秋には紅葉が美しい樹木「マンサク」の育て方を解説します。
マンサク(万作)は、2~3月に芳香性のある特徴的な花をつける、樹高2~5mほどの落葉広葉樹です。自然な枝ぶりが美しい中高木で、北海道から九州の山野に広く分布しています。
マンサクの花は黄色が一般的ですが、ピンク色の花をつける「アカバナマンサク」や「ニシキマンサク」、大ぶりで色彩豊かな欧米の改良種もあります。ひも状の花弁は、しわが寄ったようにねじれていて、ユニークな見た目をしています。
マンサクの栽培は、種から始めることもできますが、発芽までに2年ほどを要します。よって苗から育てるのが一般的です。
春に苗が出回るので、3月頃に植え付けるとよいでしょう。苗の選び方のポイントは、葉が枯れていないかを必ずチェックすることです。新葉に茶色く変色したような模様が広がっていたり、枯れた葉が多かったりする場合は、苗が病気にかかっている可能性があります。購入時は、健康な苗を選びましょう。
マンサクは、樹勢が強く、若木の頃は特に枝がよく伸びます。盆栽や鉢植えでも育てられますが、庭木として地植えで育てられることが多いです。
鉢植えで育てる場合は、苗木を低く刈り込み、6~7月に新梢を摘心して樹形を整えましょう。また、木の根元から複数の茎が分かれて立ち上がる「株立ち」に仕立てることで、樹高を低く抑えられます。
単幹の苗を株立ちにするには、育ってきたところで30cmほどの長さまで切り戻します。枝が数本発生してきたら2~3年目まで放置し、太い枝が3~4本伸びてきたタイミングで、それらを50~60cmの長さに切り揃えます。
地植えで育てる場合は、枝が伸びるスペースを考慮して、他の植物や建造物と十分な距離を保つようにしましょう。複数の苗を地植えする場合は、うね間を1.8m以上、苗と苗の間を約1mあけて植え付けてください。
マンサクは、よく日のあたる場所を好みます。半日陰でも問題なく育ちますが、花つきを良くしたい場合は、日あたりの良い場所で育てましょう。耐寒性も耐暑性も高いので、北海道から九州まで日本のほとんどの地域で問題なく栽培できます。
マンサクの水やりは、鉢植えなら、土の表面が乾いたタイミングでたっぷり水を与えましょう。水やりした後は、根腐れを防ぐために鉢皿にたまった水は必ず捨てておきます。
地植えなら、土に保水力があるため基本的に水やりは不要です。もっとも、苗を植え付けてから根付くまでの間は、地面の様子をみて水やりしてください。夏場の高温乾燥が続くような時期も同様です。
地植えのマンサクに水をやる際は、地中10cmほどまで水が沁み込むようなイメージで、たっぷりの水を与えます。
マンサクを育てるには、肥沃な土壌が適しています。また、マンサクは乾燥を苦手とする樹木ですので、土壌の水はけと水もちの良さも重要な要素になります。
市販の樹木用の用土でも問題なく育ちますが、自作する場合は赤玉土中粒・腐葉土・バーク堆肥を同じくらいの割合で混ぜた土を使うとよいでしょう。
おすすめの土
マンサクの施肥は、冬および8~9月頃の年2回行います。
冬は根の周辺に堆肥と鶏ふんを混ぜ込み、8~9月には油粕と化成肥料を混ぜたものをひと握り弱まきます。
なお、植え付けや植え替えを行う際には、苗や根鉢を入れる穴に堆肥と化学肥料を混ぜ込んでおきます。
おすすめの肥料
マンサクは特に若木のうちは樹勢が強いため、ある程度育ってきたら剪定は必須です。剪定の適期は開花期直後。花が終わったらすぐに剪定して、好みの樹形に仕立てましょう。
剪定する際は、若い枝を多く残すよう古い枝を中心に切り取ります。太い枝を剪定した場合は、切り口から病原菌が入り込まないように保護剤を塗っておくと安心です。
新梢が出てくる夏季にも、軽めの剪定を施します。ただ、冬季の剪定ほど強く刈り込まず、新梢の摘心と不要な枝のすきこみ程度にとどめます。
マンサクを鉢植えで育てている場合は、根詰まりを起こしたタイミングで植え替えを行います。根が土の表面や鉢底から出ていれば、根詰まりを起こしています。また、水はけや水もちが極端に悪いことも、根詰まりのサインです。
植え替えに適する時期としては、開花前の1月下旬~2月上旬または秋頃が適しています。
植え替えの際は、根の整理も行いましょう。鉢から株を取り出したら土を2/3ほど払い落し、古くなった根をハサミで切り取ります。このとき、健康な根を傷つけないよう注意してください。
株や鉢の大きさにもよりますが、ひとまわり大きな鉢に新しい用土を入れて植え付けます。植え替え後は、鉢底に水がしみ出すくらいたっぷりの水を与えます。
マンサクは日本の気候に合った育てやすい樹木で、かかりやすい病気や注意すべき害虫は特にありません。
ところが2000年前後からマンサクの新葉が茶色く変色して枯れる病気が発生するようになりました。何らかの微生物が原因と考えられていますが、いまだ原因は特定されていません。有効な対策も不明なままです。
放置していると株全体に広がり、全ての葉を枯らせてしまいます。異変のある葉を発見したらすぐに取り除き、拡大を防ぎましょう。
古くから日本の山野に春の訪れを知らせてきたマンサクは、独特な花と自然な枝ぶりが趣を感じさせる樹木です。剪定することで好みの大きさや形にアレンジできますし、切り花にしても楽しめます。
日本の風土に合った、手入れしやすい植物ですので、ぜひ育ててみてくださいね。