ウチワサボテンの育て方|花が咲くのはいつ? 簡単な増やし方も解説
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果物やグミキャンディを思わせる見た目が魅力の多肉植物「コノフィツム」。メセンの仲間で、品種によっては丸みを帯びたつるんとした形や、足袋のように先端が割れた形をしています。葉の色もクリーム色や褐色、緑色など多彩で、中には透き通った品種もあり、見る人を楽しませてくれる豊富なバリエーションが特徴です。
コノフィツムは、脱皮する植物としても知られています。古い葉が枯れて保護膜のようになり、株を守る役割を果たします。そして活動期には、その古い表皮の下からひと回り大きな新しい葉が現れる姿を楽しむことができます。
ここでは、コノフィツムの代表的な品種や育て方を詳しく解説します。水やりの仕方や、土の選び方のほか、夏越しの方法など季節に合わせた育て方など、コノフィツムを長く楽しむコツを詳しくご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
コノフィツムは、「女仙(メセン)類」と呼ばれる代表的な多肉植物のひとつです。サボテン(漢字では仙人掌)がトゲトゲして男性的なのに対し、すべすべとした表面や色々な装いがあることから、「女性的な仙人掌に似た植物」という意味でつけられました。
複数の葉が群生して育ち、葉の形は「丸形」「足袋形」「鞍形」と様々です。色も種類があり、基本的な緑色のほかにクリーム色、赤紫色やオレンジのものもあります。
生育期に入る前に古い表皮が脱皮するのも特徴のひとつ。外側にある古い皮が枯れて中から新しい葉が脱皮するように出てくるのがコノフィツム類の特徴で、毎年ピカピカの葉を見ることができます。
ブルゲリはコノフィツムの代表品種で、宝石のようにキラキラと輝く透き通ったドーム状とも球状ともいえる形の葉が特徴です。普段は緑色ですが、秋になると葉が紅葉し赤く染まります。
コノフィツムは非常に魅力的な品種で人気がありますが、特に暑さと湿気に弱い性質を持っています。そのため、夏を無事に越すのが難しく、育てるにはコツが必要です。この点から、上級者向けの品種ともいえるでしょう。
桃のような割れ目があり、透明度が高くブドウのような見た目が特徴的で「育てる宝石」ともいわれています。大体10~3月頃の夜間に直径2〜3cmの白い花を咲かせます。
緑色のものが主流ですが、成長期の中盤からは赤紫色に変化する個体もあります。ピンク色に見えるものやオレンジがかったものなど色の変化が個体によってさまざまなため、コレクターに人気です。
カルキュルスという名前はラテン語で「小石」を意味しており、その名の通り丸くて小さな石のような見た目をしています。翡翠玉ともいわれる長寿な品種です。
丈夫で育てやすい種類ですが生長が非常に遅く、小さな丸い葉が少しずつ増えてドーム状に群生します。葉の直径は3cm程度で、葉は光沢のない緑色や淡い黄緑色です。
カルキュルスは非常に長命だと言われており、50年近く生きるともいわれています。
足袋やそら豆のような形をした葉が特徴的で、その群生する不思議な見た目は海のサンゴの群生にもどこか似ています。
葉を覆い隠すほどの鮮やかな紫色や赤やオレンジの花を咲かせたかと思えば、皮に包まれたしわしわの大豆のような姿になって脱皮するなど、季節によって色々な姿を見せてくれます。
暑さに強く丈夫な種類なので、コノフィツムを育てる入門品種として初心者の方にもおすすめです。
コノフィツムは冬に育つ多肉植物です。生育に適した温度は8〜25℃程度のため、霜の降りそうな厳しい寒さの日には室内に移動してあげましょう。
また、コノフィツムには日の光が欠かせません。日照不足は徒長や枯れる原因にもなりますので、室内に入れることの多い11~4月の成長期の冬でも、3~4時間を目安にしっかり日に当てるようにしましょう。
なお、休眠期の6月から9月の梅雨から夏にかけては、完全断水し風通しのいい日陰に置き休眠させます。この時、鉢に湿気がたまると根腐れやカビの原因になりますので、風通しには十分注意しましょう。
コノフィツムは冬生育型の多肉植物です。気温が20℃を切る頃から生育期が始まります。冬は土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。
春頃に葉の表面が紅葉のように色付き、乾燥して茶色くなり始めたら休眠のサイン。6~9月の休眠期は水やりは不要です。完全に断水し、水をやらないようにしましょう。
コノフィツムは風通しと水はけのいい土を好みます。土の中に余計な水分がたまると根腐れやカビの原因になるので注意しましょう。
コノフィツムを育てる土は、市販の多肉植物用の土が最も手軽でおすすめです。
自分で調合する場合は、さらっとした土になるようにします。鹿沼土小粒と赤玉土小粒、ピートモス、川砂、くん炭の5種類を、同じ割合で混ぜるとよいでしょう。乾燥を重視した配合となります。
植え替えする際に、新しい土に元肥として肥料を混ぜておきましょう。市販の多肉植物用の肥料が手軽でおすすめです。
育てながら肥料を与える際は、秋から春にかけての生育期に緩効性化成肥料や2000倍に希釈した液体肥料を3週間から1か月に1回程度、少量与えましょう。成長期に肥料を与えることで生育が早くなります。
コノフィツムは、冬に生長し、夏は休眠します。
春に葉の表面が黄色に変色(紅葉)してきたら休眠期に入るサインです。段々と葉が枯れて茶色くなり、しわっぽくなってきますが、表面的に枯れているだけで枯れているわけではありません。
秋になり、最低気温が20℃を下回った頃から生育期になり、茶色くなっていた古い皮の間から新しい葉が芽生えてきます。
脱皮後の古い葉を無理に取ろうとすると新しい葉の柔らかい表皮を傷つけてしまう危険があるため、葉が完全に乾燥してからピンセットなどで優しく取り除きましょう。無理に取り除かなくても自然と取れていきます。
定期的な植え替えは必要ありませんが、群生している葉が密集しすぎて鉢に対して大きくなりすぎた時は植え替えが必要です。
植え替えの時期は成長期の初期の10~11月が向いています。12月までには終えるようにしましょう。植え替えを行う数日前から断水して土を乾かしておきましょう。
コノフィツムの株を鉢から優しく引き抜いたら、すぐに植え替えるのではなく、用土を優しくほぐして数日乾かしてから植えると根を痛めにくくなります。
鉢に根がいっぱいになってしまった場合は一回り大きな鉢に植え替えます。今以上株を大きくしたくない時は、根を清潔なハサミでカットして整えてから元の鉢に植えましょう。
コノフィツムの天敵はナメクジです。葉の表面や茎を食害し葉の表面を這われると跡が残ってしまい、見た目が悪くなってしまいます。
ナメクジの活動時間は夜間なので、知らないうちに被害に遭うことがあります。梅雨時期の湿度が高い日は特に注意しましょう。市販の忌避剤を使うと、ナメクジが寄りつかなくなります。
コノフィツムは病気に強くほとんどかかることはありませんが、風通しの悪いところで育てると根腐れしやすく、ネジラミが発生したりカビも生えやすくなります。枯れる原因になりますので、風通しには十分注意しましょう。
たくさんの種類があって、どんどん集めたくなってしまうコノフィツム。お気に入りのコノフィツムが所狭しと並ぶ様は、とっても幸せな光景です。
コノフィツムは、植物の中でも珍しい冬生育型であることや、想像を超える可愛らしい花を咲かせること、さらには脱皮する特徴を持っています。そのため、何も知らずに育てると失敗しやすい点があるため、育てるにはコツが必要です。しかし、そのポイントをしっかり押さえれば、長い間愛着を持って楽しむことができる魅力的な植物です。
このページを参考に、ぜひコノフィツムの栽培に挑戦してみてくださいね。
岩瀬さん
一部の品種では、軽い霜程度であれば耐える品種もいますが、用心をして移動をおすすめします。